コマースデザインでは、3ヶ月でEC事業にかかわる全般的なノウハウを学ぶ研修「EC運営ステップアップコース」を開催しています。
EC事業運営のノウハウ(戦略、販促、分析、組織、効率化、AI活用など)を3ヶ月で一通り学べるので、「独学では10年くらいかかりそうな内容を、たった3ヶ月で学べた」とご好評いただいてます。2023年4月〜7月に第一回を開催し、10月にスタートする第二回も満員となりました。
そこで今回は、第一回の研修を受講いただいた、株式会社レガールファクトリーの竹内美由希さん、近吉久未子さんに、コマースデザインの山本と石黒がお話をうかがいました。研修を申し込んだ理由や、実際に参加してみてどうだったか、研修内容を実務に活かすまで、詳しくお聞きしました。
- 目次 -
はじめに
無添加ドックフード専門店「CHIEN-CHIEN」さんのご紹介
山本:まずは御社とおふたりのご紹介をお願いします。
竹内さん:石川県で無添加ペットフードの製造と販売を行っています。ECは、本店と楽天市場とヤフーショッピングの3店舗を出店しています。「シェフドッグ」という弊社オリジナルの無添加ドッグフードが、売上の7〜8割を占めています。実店舗もありますが、そちらはワンちゃんの美容室とホテルがメインです。
私は新卒で入社し、現在は通信販売事業部の主任として、EC運営全般を任されています。EC運営に携わるのは私と近吉のふたりで、ヤフーショッピングの実務は近吉に任せています。
近吉さん:私は基本的に竹内の手伝いが多いのですが、「Yahoo!ショッピングをやらせてほしい」と自分から申し出まして、ヤフーショッピングについては主担当として任せてもらっています。入社してもうすぐ2年、実際に運営を任せていただくようになって1年ほどです。私は前職ペットショップに勤務していました。それより以前の仕事で発送業務をやっていたことはありますが、ECの運営は未経験でした。
製造直販一貫で、安心安全なペッドフードを提供
※竹内さん、近吉さん、コマースデザインの山本、研修でファシリテーターを務めたECコンサルタントの石黒が同席しました。
石黒:自社で製造工場をお持ちで、ECで小売をされている製造直販一貫のスタイルはめずらしいと思います。社長のご方針ですか?
竹内さん:かつてはOEMで他社に製造委託しておりましたが、今では完全自社製造に切り替えました。代表は、自社で製造したいとの思いをずっと持っていたようです。現在は、第二工場まで稼働するようになりました。
山本:すごいですね。卸売など、BtoBのニーズも寄せられているのではないですか?
竹内さん:卸売もやっていますが、OEMとプライベートブランドに関するお問い合わせが多いです。ドライフード専門のためウェットなどはお断りしていますが、コロナ禍で急増し、現在でも1日2、3件はお問い合わせをいただいているため、まだまだニーズがあると感じています。
<ペットフードの製造工程。ペットの健康を考え、安心安全な原材料が使われている>
山本:楽天市場店のページに、会社概要に「海の幸が美味しい、北陸の石川県に弊社があります」と書かれていますね。ペットフードの材料として、肉や魚の写真が掲載されているのも印象的です。「今月の魚」という表現は、ペットフードのお店でははじめて拝見したかもしれません。
竹内さん:石川で穫れない一部の種類を除いては、基本的にその日に石川の漁港であがった魚を瞬間冷凍してもらい、材料に使っています。毎週新鮮な魚を仕入れていますが、使用する魚は旬魚なので月ごとで変わることが多いです。ですので、「今月のお魚」としてお客様に告知をしています。
ベテランと初心者ふたりで研修を受講した理由
山本:先日、コマースデザインが開催する、EC事業にかかわる全般的なノウハウを学ぶ研修「EC運営ステップアップコース」にご受講いただきました。研修のご受講前から、コマースデザインのことはご存じでしたか?
竹内さん:12年前に入社した際に、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』(インプレス、以下黄色本)を代表から渡され、「これを読めばECがわかる」と言われました。
この本で、コマースデザインさんのことを知りました。その時からずっとメールマガジンも受信していますし、本は教科書のように使わせていただいています。
ECの基礎の確立と学び直しのため、研修に二人で参加
山本:ありがとうございます。研修をお申し込みいただいたのは、どのようなきっかけからでしょうか。
竹内さん:メールマガジンで研修があることを知り、内容を見て興味を持ったため、近吉にも共有しました。コロナ禍で店舗同士の交流の数が少なくなったことがあり、他の店舗の方との交流を求めていたのも、研修に関心を持った理由のひとつです。加えて、近吉には「私以外のプロの方から正しい知識を伝授してもらう機会を設けたい」との考えもありました。
近吉さん:自分なりに考えて取り組んではいたのですが、ECの仕事が初めてだということもあり、根本の部分の理解と理論付けができていないと感じていました。実際に受講してみて、基礎の部分が自分の中で確立できたのではないかと感じています。
山本:その視点では、竹内さんは黄色本を読んでいただいて12年ですから、基礎の部分の振り返りは不要とも言えますよね。知識や経験の異なるおふたりで、同時に受講していただいたのはなぜでしょうか?
竹内さん:実は、私は人に教えることに対してものすごく苦手意識を持っています。自分の中では当たり前になっていて、教えそびれていることもあるでしょうし、伝える際には「どの言葉を選べば適切に伝えられるか」を悩んだりもします。当初は近吉だけが受講する方向で考えていたのですが、一緒に受講してそれぞれ思ったことを共有できたら、何か新しい発見にもつながるんじゃないかと、ふたりで受けてみることにしました。
石黒:12年の経験から得た事業の背景や企業内でのニュアンスなどを、他者に対してすべて言葉で伝え切れるかというと、それは誰であっても難しいことだと思います。竹内さんのようなベテランの方が、初心者の方にわかりやすく伝えるための言葉選びという意味でも、研修で基礎を学び直していただくのは有効かもしれませんね。
山本:とはいえ、受講費はふたり分、かかりますよね。会社からはどのように承認を得られたのですか?
竹内さん:代表は社員の教育に関する投資については、前向きに考えてくれています。受講することで、私と近吉が成長するならやっておいでという具合に、あっさりとまではいかないですが、背中を押してくれました。
店舗同士の交流は大事。仲間ができ、刺激にもなる
山本:「他の店舗さんとの交流を求めていた」というのも、受講理由のひとつとのことですが、他のEC事業者の方との交流を重要視されているのでしょうか?
竹内さん:私にとってはとても大事なことです。実は、楽天NATIONS(※楽天による、楽天市場で売上アップを目指す店舗向けに勉強会の場を提供するサービス)の北陸エリアの一期生なんです。
リアルで集まって、他の店舗の方とグループディスカッションを行ったり、自分の考えをアウトプットしたりすることで刺激を受けますし、「新しいことを考えよう」という意欲が湧いてくるのを経験しました。ですから、店舗同士の交流は大切にしたほうが良いと思っています。楽天NATIONSがなければ、「他の店舗の方と会ってもな」と思ったところはあるのではないかと思います。
石黒:初対面に近い人たちと話をするのは、時として大変なこともありますよね。よほど刺激的な体験をされたのですね。
竹内さん:他のお店の方から「この企画はこういう意図で取り組んでいます」といったお話を聞くと、「うちでも活かせないかな」と素直に思えるんですよね。また、他の店舗さんが、楽天のECコンサルタントから聞いた情報を共有してくださったりすると、自分の中で仲間ができたような気持ちになります。
ひとりで黙々と取り組んでいると、熱がおさまり、仕事をつまらなく感じてしまうこともあります。人と話すこと自体が刺激になるのではないかと思います。
規模や業種が違っても、考え方は参考になるし、学べることはある
山本:ネットショップの運営体制や売上規模などで、他の店舗さんから受ける刺激は異なったりしますか?たとえば、中には「売上規模の桁が異なると、自分の店には参考にならない」といった声もお聞きします。
竹内さん:あまりに売上規模が大きすぎる店舗さんの場合は、当社の取り組みに対して「なんでそんなところでつまずいているんだ」なんて思われるんじゃないかと思ったりしますね。一方で、当社よりも売上規模が小さい店舗さんの場合は、企画意図などお考えそのものを理解することで、自社でも活かせるところがあるのではと思ったりもします。
近吉さん:研修にもいろんな方がいらっしゃいましたよね。売上規模が大きかったり、施策が素晴らしくて「とても真似できない」と感じた店舗さんもいました。でもそれをネガティブにとらえるよりは、差別化を考えるきっかけになったというか、むしろポジティブにとらえて、「うちならこんなふうにしたら良いのかな」と考えてみたり。事業規模によって課題の捉え方は異なるけれども、さまざまな人と交流することによって、それぞれの方から学べることはあると感じました。
振り返り、実行を繰り返すことで武器になる
山本:研修受講が終わったあとの面談で、具体的にどのように取り組まれるかをお話しいただきましたが、その後いかがですか?
竹内さん:一気にやろうとすると途中で投げ出してしまうことがあるため、ひとつずつ確実に、歩みは遅いけれども少しずつ取り組んでいるという具合です。
近吉さん:私の場合は、気づいた目標が個人でできるものが多かったため、ひとつずつ達成していって終わっている形です。改善できることを探して、取り組んでの繰り返しです。
山本:研修を終えてから1ヶ月ほどの間に達成されて、素晴らしいですね。
近吉さん:竹内さんが頑張っているおかげです。
竹内さん:今回の研修参加は、「近吉の成長を促したい」というのがいちばんの目的でした。研修で学んだことを全力でやっていってほしいとの気持ちがあるため、実行できているのであればよかったなと思います。
研修内容の記録シートを確認しながら実践し、1つずつ達成
石黒:研修の内容はボリュームが多く、カリキュラムも細かく整っているのですが、実践するとなるとハードなこともあると思います。それを乗り越えて、実行されているんだなと感じました。
山本:研修の中で「リフレクションシート」(※研修内容を振り返り、学びを記録するシート)を書いていただいていますが、あれもなかなか大変ですよね。ですが、研修内容を振り返っていただくのには有効なのではないかと思いますが、どうでしょうか。
近吉さん:研修の内容を忘れそうになったら、リフレクションシートを見返して確認することを繰り返しています。シートがなかったら、忘れてしまうこともあるかもしれません。このシートは研修の終了後もすごく役に立っています。
リフレクションシート |
手軽なオンライン開催もいいけど、リアル開催もあると◎
石黒:他店舗の方との交流もひとつの目的だったということですが、交流の視点ではいかがでしたか?限られた時間でギリギリまで課題に取り組まれていましたよね。
竹内さん:オンライン開催でしたからね。楽天NATIONSのように実際に集まって、お互いの顔を見ながらの場と比較すると、交流という点ではやりづらいこともあるのではと想像していました。
実際に研修に取り組んでみると、熱量が異なる人がいらっしゃるのは感じました。その状態からグループになり、チャットでコミュニケーションすることになった時に、自分だけ突っ走りすぎても良くないだろうし、ちょうど良い温度感はどのあたりなのか悩んだところがありました。交流という点で見れば、リアルよりはどうしても薄かったとは思います。
石黒:お互いのことを良く知らないままチャットというのは、「どんな言い回しにしようか」など頭を使いますよね。竹内さんがすごく考えて立ち回ってくださったんだろうということは、やり取りをしていて感じました。
山本:今後は、たとえば初回と最後だけリアル開催を取り入れたりすることも、検討しても良いかもしれませんね。一方でオンライン開催は、全国各地から、お仕事をしながらでも受講していただけるといったメリットもあると思います。
竹内さん:近吉はコロナ禍に入社したため、他の店舗の方とリアルで名刺交換をした経験がないんですよね。その経験がない者に、経験がある私がリアルの良さを伝えても、伝わり切らないなとは感じます。おっしゃったように、最初と最後だけでもリアル開催もありがたいですし、すべての日程でリアルにしていただいても参加する人はいるのではないかと思いました。
近吉さん:前職はペットショップで対面販売をしていましたから、チャットでのやり取りのもどかしさのようなものは感じました。「交流しよう」との思いはあったため、積極的に出ても良さそうな場ではそうしていったつもりです。私が参加したグループでは、研修に参加しつつも他のことでお忙しそうな方もいらっしゃいました。
オンラインで手軽に参加できるのもメリットですが、リアル開催などで研修に集中せざるを得ないような環境を確立してあげても良いのかなと思いました。
竹内さん:リアル開催だと、気持ちのメリハリがつくのが大きいですよね。移動すると「今からこの空気感の中で勉強するんだ」と自分の気持ちが変わりますし、緊張感も生まれます。私たちは普段、電話や来客の応対も二人で行っているのですが、着信や来客があると中座し対応しに行くことが時折ありました。「他のことを一切考えなくてもいい」「この研修だけに集中すればいい」という環境を用意してあげるのも良いのかなと思いました。
山本:とても参考になります、ありがとうございます。
研修卒業後も、懇親会や勉強会で交流を続けたい
山本:研修後も日常業務に活かせる学びのノウハウや、研修仲間と交流を続けられる、研修卒業生のための会員スペース「ステップアップラウンジ」もご利用いただいていますね、ありがとうございます。
竹内さん:まだそこまで活用できてなくて「近況報告しなくちゃ」と思いながら、時間を作れていないのが現状です。
近吉さん:記事やコンテンツについては「読まなくては」「活用したい」という気持ちはあるため、時間があれば見るようにしています。あるとありがたいです。
竹内さん:より交流しやすくするために、研修の卒業生で、ステップアップラウンジに参加している人だけを対象にした懇親会がリアルで開催されるといいな、と思います。懇親会だけでなく、勉強会もあるとより承認を取りやすくなるのでありがたいです。
学んだことを実践したら、如実に効果が表れ、売上が伸びた
山本:最後に、研修に参加いただいて、売上の増加など、学んだことから具体的に実績につながっていることはあるでしょうか。
近吉さん:Yahoo!ショッピングの売上は、継続して伸びています。
たとえば、研修で教わったことのうち、商品名の変更をすぐ行った所、検索順位が上がって、アクセスが伸びてと顕著に効果が出ました。月商100万円を目標に運営しているため、引き続き伸ばしていきたいです。
竹内さん:私のほうでは、まだ実行できていないものもあるのですが、研修受講後にすぐに手をつけていたら変わっていただろうということはありますね。
石黒:研修後、実行することがすごく大事だなと思っていて、そこまでうまくフォローできると良いなと思います。おふたりがおっしゃったように、カリキュラムの中にも、研修後にすぐに実行できるものと、じっくり向き合って考えなくてはならず時間がかかるものもある。実際にECを運営していると、後者を実行するのが難しいことはすごくよくわかります。インプットすればするほど、時間が足りなくなりますよね。
竹内さん:とくにひとり店長の場合は、時間の確保がいちばん難しいですよね。時間の確保ができれば、どんどん実行して実績につなげていけるのにと思います。
山本:そうですね。当社のコンサルティングでは、EC事業全体の戦略支援から、そういった業務改善や効率化のお手伝いもしていますので、お困りの際はぜひ頼って頂ければと思います。本日はありがとうございました。
まとめ
「EC運営ステップアップコース」を受講された、株式会社レガールファクトリーの竹内さん、近吉さんにお話を伺いました。
日々の業務の忙しい中で、3ヶ月に渡ってEC全体の考え方や実践方法を習得。研修が終わった後も、コツコツと研修内容を実際の業務に活かすことで、「検索順位アップ→アクセス数アップ→売上アップ」という素晴らしい成果を出されています。
また、研修に二人一緒に参加することで、EC業務の経験やレベル感が違う社員同士でも、相互理解が深まり、チーム全体としての相乗効果が生まれています。
大切なことは、学んだことをしっかり身に着けるだけでなく、実践すること。
セミナーを受けてその後どうなったか、というお話を聞く機会はなかなかないので、研修でお伝えした理論やノウハウが、実際の業務に活かされ、成果につながっていることが分かり、私達としても非常にうれしい限りです。
今後も、EC事業者のみなさんの活躍を陰から支えられるよう、EC運営に役立つノウハウや情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
P.S.
弊社では、このようなEC研修について、自治体からのご依頼でセミナーを開催したり、EC事業者向けの社員研修のご依頼についても、お受けしています。最近は「EC業務が爆速化する!ChatGPT活用講座」も好評です。
リアル・オンラインどちらも受け付けていますので、ご興味のある方はお気軽にコマースデザイン株式会社までご相談ください。ちなみに、10月はオンライン開催のほか、愛知県でChatGPTセミナーを行う予定です。
この記事を書いた人
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コマースデザインは、EC事業のコンサルティング会社として、ECのお役立ちツールやECコンサルティングを提供しています。全サービスの累計支援先企業は23,000社を突破しました。「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、中小ネットショップ事業者の皆様の「強み」を引き出す支援を行っています。
詳しくは、コマースデザインについてをご覧ください。
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