ブライダルインナー専門店が「痩せマッチョ体制」で理想的なひとり経営を実現した話

ブライダルインナー専門店が「痩せマッチョ体制」で理想的なひとり経営を実現した話

こんにちは、川村トモエです。

今回は、楽天でブライダルインナー専門店「White Angel(ホワイトエンジェル)」を運営されている「株式会社Something Four」の櫻井 邦久さんにお話を伺いました。

ブライダル専門商品、というとどうしても対象が限られてしまい、いわゆるニッチな商品です。リアルの結婚式場と違い、ECというフィールドに立てば、ターゲットは全国各地の花嫁さん。櫻井さんは起業してからずっと、そんな花嫁さんたちのために、ブライダルインナー一筋で経営を続けてこられました。

とはいえ、楽天出店時は、ECのノウハウがゼロからのスタート。経営、運営、スタッフ…ひとりで何役もこなしながら成果を出すのは、並大抵のことではありませんが、コンサルを受け始めてからはコンサルティングの施策コツコツを続けて、着実に目標をクリアし、お店を成長させてこられました。ブライダル業界は、コロナで大打撃を受けましたが、櫻井さんはコロナの荒波も乗り越え、いまはコロナ前と比べて、収益も大幅にUPしています。

「猫の手も借りたいほど忙しいけど、人を雇う余裕がない」、「尖った店になりたいけれど、どうブランディングしていいか分からない」など、ひとり体制ならではのお悩みを抱えている方におすすめです。

- 目次 -

はじめに

White Angelさんのご紹介


※出典:White Angel(楽天市場)

「White Angel(ホワイトエンジェル)」さんは、ブライダルインナーに特化した専門店。ウェディングというスペシャルな晴舞台が、花嫁さんにとって最良のものになるように、専門店ならではの知識と技術で、きちんと体にフィットして着心地快適、安心・安全なブライダルインナーを販売しています。

直販体制にこだわり、企画、デザイン、製造を自社で一貫して行うことで、良質かつリーズナブルな商品を展開。さらに、式前の花嫁さんの不安を解消するために、様々な情報を提供しています。商品の魅力はもちろん、お客さん目線をとことん追求した丁寧なページ作り、アフターフォローなども高く評価され、楽天ランキングの「ブライダルインナー部門」では、圧倒的1位を獲得。まさに縁の下の力持ち的存在として、花嫁さんをサポートし続けているお店です。

会社員から転職、ECを始めるまでの経緯

*櫻井さん、川村、担当コンサルタントの味藤が担当しました。

会社のオーナーの退職で、事業を譲り受けることに

川村:まず、会社の経緯について教えていただけますか?

櫻井さん:僕はずっとサラリーマンでやってきた人間で、以前は専門店のチェーンでバイヤーをやったり、実店舗の運営のエリアマネージャーを担当したりしていました。要は、本当に実店舗のことしかやっていなかったんです。

サラリーマンを辞めた時に、ご縁があって、この会社の前身ともいえる会社に入れていただいたんです。その会社でブライダルインナーというものを初めて知りました。それが40代前半ぐらい。その会社では自分は専務をやって、オーナーさんが社長で。オーナーさんが70歳で退職されたんですよ。そんなに儲かってないわけではないし、「櫻井くんやれば?」と言われて、事業譲渡でもらったんですね。

会社の設備で使っているリース契約が300万ぐらい残っているので、それだけ引き取ってほしい、と。つまり、300万で僕は会社を買ったんです。ブライダルインナーの商標も含めて買えたわけだから、ラッキーですよね。そんな経緯で、2007年8月14日にこの会社を作りました。

卸売から、どうしてもやりたかった「直販」へ

櫻井さん:もともと完全に卸売の会社で、実店舗としては、青山にドレスインナーのサロンを持っていました。ブライダルインナーの他に、輸入の高級ランジェリーも扱っていましたね。ご縁があって入れていただいて、経営のイロハを教わった感じです。

だから、僕が会社を設立した当時も、ほぼメインでやっているのは卸売。営業マンが2人いて、彼らにドレスサロンや貸衣装屋さんを回ってもらって、僕はお金勘定と生産管理みたいなことをやっていたんですけど。

どうしても自分で直販をしたかったので、その年の12月に、とりあえず楽天に店を出しました。そこからもう15年経って、 45から60歳まであっという間に過ぎました。去年還暦を迎えて今年で61歳。もう爺さんです(笑)。
卸を縮小しながら徐々にネット通販に重きを置きだし、完全にネットショップだけになるのに、整理整頓していって2年ぐらいかかったかもしれません。

川村:事業譲渡で、ご自身で会社を立ち上げられてから、直販スタイルの体制にしていくために尽力されていたんですね。

櫻井さん:体制を変えていく中で、「人をどうしようか」と悩んだ時期もありました。でもECへの方向転換で、営業マンがいなくなった段階を経て、1人でやるって決めたんです。途中何度か人を入れようかとも思ったんですけど、なかなかご縁もなかったですし、辞めていくのを見た時に「僕は人の人生を背負えない」と思って。 社会保険料や厚生年金とかいろいろ考えると、給料の3倍は準備しないといけない。それなら「全部自己責任だからもう自分でやろう」と腹をくくりました

川村:卸売から直販へと方針を整えていく中、一人でやっていこうと決意した。それが創業から2年ぐらい経った頃だったんですね。

櫻井さん:最終的に一人体制になったのは、人の問題もあるんですけど、ちょっと語弊があるかもしれないですが、ブライダル業界の特性みたいなものもあって。式場さんが頂点にいるピラミッドができあがっていて、インナーを卸している会社どは一番下で、条件や支払いの変更とか、まぁ色々厳しい(苦笑)
僕のような、もともと小売とかサービスの業界にいた人間からしてみると、ちょっと信じられない業界だったんです。なので卸売よりも、消費者を向いて小売をしたいという思いが強かったと思います。

川村:業界の特殊性や性質から一線を置いた形で、お客さんに商品を渡していきたい、と。

櫻井さん:今のブライダル業界のことは分からないですけど、15年ぐらい前はそうだったと思います。インナーを持ち込むだけで1万円、ドレスの持ち込みで5万円とかいう世界でしたから。

川村:今もまだドレスの持ち込み料とかありますよね。

櫻井さん:やっぱり一部は残ってると思います。

楽天に本腰を入れ始めてからの試行錯誤期間

完全自己流のEC運営。最初は1日16時間、PCの前で苦戦していた

川村:楽天に出店されてから1年半ぐらいは、卸と直販の二足のわらじ的な感じだったんでしょうか?

櫻井さん:ぐちゃぐちゃしてましたね。

川村「直販に絞ろう!」と、楽天に本腰を入れ始めたのが2009年頃ですよね。

櫻井さん:そのぐらいだったと思いますね。本腰になってきたのは。

川村:それから当社がコンサルティングで関わらせていただいたのが、2017年ですよね。完全に直販体制になってから8年後ぐらいのタイミングで、コンサルティングをお申込いただいたと思うんですが、それまではどんな感じで運営されていたんでしょうか?

櫻井さん:他のコンサルタントの方にも、何人かついてもらったりもしました。でも結局、小売でやっていた自己流のやり方でやっていました。基本的に「売上=客数×客単価」で育ってきましたから。それをアクセス数と転換率で置き換えてずっとやってきたんです。
あと、僕はとにかくHTMLの知識がなかったんです。いまだから笑い話ですけど、最初にやり始めた頃は、1日24時間のうち、16時間ぐらいパソコンの前にいました。パソコンの画面に、画像が浮かんでいること自体がわからないわけです。HTMLがわからなくて、楽天のRMSをいじることから始める感じでした。商品ページを作るにも、画像もPhotoshopもわからなかったですし、随分お金もボラれました。

50歳を目前にして、初めてのHTMLからのスタート

川村:当時、 ページ作成などは外注されていたんですか?

櫻井さん:はい、人に頼んで。今からしたら信じられないですけど、1ページ3万円とか払ってました。楽天の業者紹介などで一生懸命探して。自分でもHTMLを一生懸命覚えたり。「Photoshopでどうやったら切り抜きできるんだ」とか…。自分でデザインなんてできないじゃないですか。2009年とか2010年はそこまでお金もなかったので、外注するなんて観点はなくて。最終的には頼んだりしましたけど、できる範囲は自分でやっていました。いかにも素人が作ったのが分かるバナーだったり。

川村:自力で運営していて経費がかかるとなると、「自分で全部できるようになるしかない」ってなりますもんね。しかも、会社をおこされてからだから….

櫻井さん:48とか49歳ぐらいの頃の話です。

川村:そこから「初めてのHTML」みたいなことになったんですよね。いや~それは大変です。

櫻井さん:「自分で1人でやる」と決めたので、ずっとやっていましたけど、結構大変でした(笑)。

コマースデザインを選んだ理由

楽天のペナルティをもらって、実は1度相談したことも

川村:そんな大変な中、他のコンサル会社さんにお願いしたり、色々やってきた後、なぜ当社をお選びいただいたのでしょうか?

櫻井さん:御社のメルマガをいただいていたんです。あとは、無料の楽天ランキングのツールを使っていました。

川村楽天ランキングの受賞通知のツールですね。

櫻井さん:はい、なので御社の存在自体は認知していたんです。それから、いろんなコンサルタントとやりとりしながら、月商が3桁を超え、順調に成長をしていって。2016年の3月、ある日突然、楽天のペナルティを食らったんです。3ヶ月間、検索結果に表示されなくなって、売上がズタボロになっちゃった

劇薬ではなく、「漢方薬を取り入れてみよう」と決意した

櫻井さん:うわーと思って、御社に問い合わせをして、一度申し込みをしているんです。その時は「そういう非常時だと、うちではお役に立つのは難しい」というお断りメールをいただきました。ああ、そうなんだと思って。

川村:当時「急激に売上を回復したい」というご要望をお聞きしたんですよね。うちのスタンスとしては、漢方なのでコンサルティングで急激に回復するのは請け負えないというか、「担保ができません」というところで一度はお断りさせていただいたんですよね。

櫻井さん:それはもう、コンサルティング会社それぞれの考え方だと思います。要は、漢方薬なのかロキソニンなのかという話で、「うちはロキソニンじゃないですよ」って言われたら、それはやむを得ない話で。
そうこうしてるうちに、2016年6月ぐらいにペナルティが明けて、数字が段々復調してきて、何とかなる状況になってきたんですね。原則を知らないまま腰を据えてやってないから、ペナルティを受けることになるのであって、「原理原則から教えていただけるところに、教わった方がいいな」と思ったんです
何とかその年は乗り切った上で、「やっぱり楽天とかネット通販のことをちゃんと分かっている人に、ゼロから教わった方がいいんじゃないか」と、もう1回お申し込みをさせていただきました。

川村:「漢方をとりいれてみようかな」と思われたのですね。

櫻井さん:そうです。もう本当に、「劇薬じゃなくて、漢方にしよう」と。それが2017年です。

黄色本を読んだけど、初めはしっくりこなかった

櫻井さん:あと、本も読みました!ちゃんと2冊読みました。一番最初に出たのがありますよね、あの100の法則…

川村黄色本ですね。ありがとうございます!

櫻井さん:多分、僕、出版されてすぐ買って、読んでいるんですよ。まだ会社を作りたての頃で、暗中模索のときに読ませていただいたんですけど、正直な話よくわからなかったんです。なぜかというと、僕の知識が足りてないから。
その時からブライダルインナーで一本足打法で、1品番しか売っていないので、どうやって当てはめていいかわからなくて。今はコンサルティングで噛み砕いていただけていますが、その時の自分は、本に「支援型の店は〇〇」と書いてあっても、自分がどれに当てはまるか全くわからない。後から読み直して、「あーなるほど!」っていうのは何回もありました。

川村:本は、パターンとして分けているので、個別特化して書いているわけではないですからね。
「型番商品でいくつもある」とか、逆に「オリジナルのメーカーさんで、商品数もある程度ある」「お菓子屋さんで…」とか、そういうお店だと、どのパターンにあてはまるか分かりやすいと思います。でも確かに、櫻井さんの場合はどこにあてはまるんだろう….

櫻井さん:その頃ってまだ、ブライダルインナーという商品自体が、よく言われる「カメレオングッズ専門店」*レベルの話じゃないですか。

川村:確かにそうですよね。客層が絞られているし。

櫻井さん:だから、本でどう当てはめていいか分からなくて、結局時間だけ過ぎたっていうのありましたね。


✳︎カメレオングッズ専門店:ニッチな専門店のこと。当社のコンサル手イングやセミナーで、よく例え話で使うキーワードです。詳しくは以下の記事をご覧ください。

過去の成功体験が邪魔していた

櫻井さん:楽天と同時進行で、個人IDでブライダルインナーを売ったりしてました。それでも結構売れていました。その成功体験もあってダメだったんでしょうね。チェーン店の出なので、「ニーズがあるものは、安くすれば絶対売れる」という成功体験があるわけです。
坂本さんが言うところの「ネットショップは、いきなり全国大会」チェーン店は地域一番店の重なりですよね。価格勝負を仕掛けて、勝ったら地域一番店になる。もう何十年もやってきて、そういう成功体験が身に沁みちゃっているから。

その売り方をヤフオクでやったら売れるけど、楽天では売れない。「うまくいった・うまくいかない」「成功する・しない」ということが、自分の中で整理がつかない。なぜなら、そういう売り方をしてきてないから。
チェーンとしての成功体験がずいぶん邪魔して、「ネットショップでは全く通用しない」って自分に言い聞かせるまで、何年もかかった気がします。2016年のペナルティを受けるまで、「20年近く小売の最前線でやってきたんだから、自分であれだけやってきたんだから、うまくいかないはずがない」っていう変なプライド。

川村経験に紐づくもので「できないことがおかしい」となりますからね。いま流行のアンラーニング*リスキリング*の感覚ですよね。


✳︎アンラーニング:既存の知識や習慣を捨て、過去の経験に捉われずに変化に適応していくこと
✳︎リスキリング :新しい仕事で必要とされる知識やスキルを身につけること、「学び直し」とも言われる

コンサルティング開始後の変化

値段で売るのではなく、「価値」で売る

櫻井さん:チェーン店の考え方として、式場で3~4万円のものが「10分の1の値段の3980円なら絶対売れるはず」「広告をバンバン打って仕掛けたら、絶対、月100万から200万は売れる」と思っていました。ブライダルインナーが高かったので。でも、うまくいかなくて「あれ?」と思っていたら、3年経ち、5年経ち…。10年前に今の考え方を持てていたら、多分いま億万長者でしょうね。

味藤「値段で売るのではなく、お客さんを見ましょう」ということを、徹底して言ってきましたものね。「お客さんが何を求めているのか?」「お客さんはブライダルインナーをどの観点で選ぶのか?」

櫻井さん:味藤さんからずっとお話いただいてましたね。「価格じゃなくて価値なんだ」っていう話ですよね。

川村:「誰がなぜ買うのか?」の「誰が」については、必要な人が明確な商品ですけど、「なぜ」については「安いから」に結びつかないので、櫻井さんはすごく悩まれていたんですね。

素直に学び、何度も繰り返す

櫻井さん:最近SEOをもう1回復習しています。誰がなぜ買うのか?まさにそれですよね。復習したらもう1回、自分に沁みてくる。「やっぱりそこじゃない?」って。こうやってインタビューを受けていても、「そのとき自分はこうだった」ってまた思い出している。そちら様とお付き合いしてよかったのはこういうことです。

川村:本やブログでノウハウとしてお渡しをしても、自分でどうにかできるところと、そうじゃないところがありますから。「コンサルティングを頼んでやっていく方がいい」と思われたということですよね。

櫻井さん:そうですね。最初に「自己流じゃダメだから、素直に0から学ぶ」と決めて、年齢とかキャリアとか経験とか一切関係なしにしました。そういうところは、結構、割り切りが素直なんです。

味藤:真摯に取り組まれて何度も繰り返す姿勢がすばらしいです。年上の方にこんなこと言うのもおこがましいのですが。

櫻井さん:それが結局1番早いし、1番得じゃないですか。

自分が上司であり、部下だから、費用対効果もきちんと考える

櫻井さん:経営者的な観点で言えば、(コンサルティングに)毎月8万円かけると年間100万近いお金を使うことになるので、自己投資しているなら「回収しなきゃ」という側面もあります。もちろん素直にという気持ちもありますけど、経営者的には「費用対効果を考えてね」と。自分が上司であり部下でもありますから。それを絶対を忘れちゃいけないと思ってるので。

川村:投資だから回収できてナンボだよって話ですよね。

櫻井さん:そう、それもやんなきゃねと。綺麗事ばっかりじゃなく。

川村:両立されていますよね。成果につなげるには、コンサルを受けるだけでなく、行動することが大事。行動が回収の原動力になっている。

櫻井さん:そうです、そうです。

店の土台がしっかりしてきた

川村:私も「施策を覚えてできるようになって、満足していただく」のも違う気がしているので。ご自身で動いて最大限に活用していただけてるのが、成果につながる部分としてすごく大きいと思います。ギネスの勢いで進んでいますよね

櫻井さん:おかげさまで何とか。いまのペースがどこまで続くか分かりませんけど、店の土台や底力が随分つきました。経営者として見た時、しっかりした店になったと思うんですね。

味藤:私もそう思います。担当目線が入っているかもしれないですけど、楽天のブライダルインナーという市場の中で、あの価格帯で、御社以上に情報量があるサイトはないと思いますし、それはレビューの高さにも跳ね返ってきています。櫻井さんは着実にやり遂げられるんです。「これをやりましょう」と決めたら、ちゃんとやる。その積み重ねで今の状況ができていることを本当に感じています。

櫻井さん:なんだかこそばゆくて恐縮です。できているか分かりませんが、気が済まないんです。せっかくお題をいただいたのであれば、とりあえず完遂しようと。やった上でダメならしょうがないけど、やらないのにぐちぐち言ってもしょうがないので、とにかくやる

川村行動力と責任感が強いから、従業員の件についても「保証できない」と思うと、その選択をされなかったんでしょうね。

櫻井さん:それはありますね。あとは教えていただいたことを、僕がどれだけ教えられるか自信がないのもあります。せっかちなので自分でできることはやっちゃうし、できなければ外へ出しちゃう方が早い。それをその場で決められますしね。
従業員の方を雇ってると、その前の段階でいろいろあるじゃないですか。コミュニケーションを取ったり、相手の気持ちを慮ってあげたり。そういうのが僕はちょっと大変だなって思っちゃうだけで。

川村:「ちゃんと責任を持って、解決しなきゃいけない」と考えられているわけですよね。だから、身軽な状態で進む決断をして、ご自身で素早く決断できる点が、櫻井さんの強みなのではないでしょうか。

櫻井さん:そうかもしれないですね。

自分でやるって決めたから、とことんやりきる!

味藤:櫻井さんの中で「1人でやれることの中での最大化や効率化」が、最初からテーマとしてありましたよね。まさにいま、1人でどんどんやれることが増えている段階なのかなと。

川村:やっているうちに揺らいだりもするじゃないですか。「人を入れてみようかな」とか..。軸が通った状態で、道は変わらない推進力、決めたことをやりきる部分がすごく秀でてらっしゃいますね。

櫻井さん:単純にケチんぼだけもないかもしれないですけど(笑)

川村:(笑)決めたことへの取り組み方と進め方が、櫻井さんは群を抜いていると思います。レビューも本当に増えましたよね。

櫻井さん:そうですね。なかなか1万件にはならないんですけど。 9000超えてから1万に届くまで、すっごく時間かかってます(笑)。

川村:最近は、レビューの記入率も昔ほど高くないところがありますから。とはいえやっぱりランキングとレビュー数で、他のお店を凌駕している状態を保っている。そして保っているのに、そこにあぐらをかかないのが本当にすごいです。

櫻井さん:どうなんでしょうね。ずっとやってきたことなので。やっぱり自己責任、もうその一言でしょうね。「自分1人でやるって決めたんだから全部1人でやる」、そこだけだと思います。あまり深く考えてないので、ほめられるとちょっと恥ずかしいんですけど(笑)。

川村:すみません(笑)。「撤回しない美学」をお持ちなのかもしれませんね。

コンサルティングを受けて良かったこと

6年の学びを記したノート5冊

川村:当社が1番貢献できているところはなんでしょうか?

櫻井さん1番の貢献はこれじゃないですか、このノート6年間の結果ですから。1冊で368ページあります。いま5冊目ですね。

櫻井さん:4冊まではびっちり、最後のページまで全部書いてあります。成果と言われたらやっぱりこれが成果ですし、常に机の横に置いています。2017年3月から始めて、最初に教わったことを今も見ることができます。もう1回自分で見直して、どうするかと考えるわけです。ただ話してるだけだったら、それで終わっちゃいますよね。お金がもったいないですよ。
「何かの形で残したい」っていう貧乏性かもしれないですけど、こうやって残したものも貢献していただいたことだと思います。読み返すのが老後の楽しみというのもあるんですけど。パソコンのデータじゃなくて紙で残ってるものは、何かリアリティありますよね。

川村:そうですね。手に取れるし。しかも、ご自分で書かれていますもんね。

味藤:質量がある成果ですね。

専門店化を進めていたら、楽天の中で立ち位置が明確になった

櫻井さん:もう1つの成果は専門店化ですね。ブランディングやキャッチコピーなど、いろいろ一緒に作らせていただいています。焼き魚を食べてひっくり返して、また食べてひっくり返して。これでもかっていうくらいやっていたら、結果的に差別化されていたんです。これは結果論で、最初から狙ってたわけじゃないんです。専門店化したいから、いろんなことをやっていたら、コンテンツもいっぱいある、説明書きも親切ということで、差別化につながったんだと思います。それがいま、ベースができたっていう実感なんだと思いますね。ずっと一緒にやっていただいたので、楽天市場の中で立ち位置が明確になりました

味藤「圧倒的に選びやすい、困ったときに情報が得やすい」というところを突き詰めてきましたものね。

櫻井さん:やっぱり1人会社で1人運営ですから、悩むことも相談したいことも多い。だから「壁打ち」で、毎月定期的にお話できたり、チャットでちょっとした相談できたりするのが、どのくらい助かってるかという。複数名で会社をやられてる方は、相談相手が横にいるから気付かないでしょうね。でも、僕の場合は1人なので、色々ためておいて、聞いてみたり相談してみたり、壁打ちの繰り返しの中で、やっとここまで来たっていう感じです。

川村:お一人でやられてるので、経営者としての櫻井さん、店長の櫻井さん、ページ作成者の櫻井さん、いろんな役割がありますよね。

櫻井さん:プレーヤーでもあるわけですからね。

細かいフォローを受けながら、ひとつずつ解決していったら、自分でできることが増えていた

川村:いろんな櫻井さんがいて、頭の中で櫻井会議をしないといけないところを、味藤が壁打ち相手になって、「この櫻井さんの悩みには、これがいい」というふうにお話できているわけですね。

櫻井さん:まさにそうです。パーソナリティに対しても細かくフォローしていただけているので、ひとつずつ解決していけるんです。小学生の算数と一緒かもしれないです。ひとつずつ解決して分かるようになるから、余計先に行きたくなる。だから、自分の中ではまだ2、3年しかやってない感じですが、気ついたらもう7年目という。

川村:その間、ステップアップをご自身で実感されているというところですよね。「ちょっと難しい」とか「言われたことをやったのにうまくいかない」などで終わってしまうこともあると思うんですが、聞いたことをちゃんと取り入れてやってみて、「なるほど、わかったこういうことか!」とノートと共にに血肉にされているんですね。

櫻井さん:そうです。要は「コンサルという名の公文式」みたいな感じだと思います。いいコピー生まれましたね(笑)1個1個こうやって丸をもらって…進研ゼミかもしれない(笑)。1個1個コメントもらったりしながら、解決していく。これだけノートができて、自分で解決できることも増えた。そんなに大変と思ってなかったですし、気がついたらここまで来ちゃった感じです。

川村:私たちのコンサルティングは、基本的には、みなさん自分でできるようになっていただきたいし、我々の手を離れて、自走できる状態を目指すことが目標ではあるんです。櫻井さんがノートに蓄積していることは嬉しいし、自走の元がここにあると思いますね。

伴走者と、「壁打ち」ができるという安心感

櫻井さん:僕の場合はひとりなので、自走といっても、やっぱり伴走者もほしいわけです。今はどちらかというと、先導ではなく伴走になってるのかもしれないですね。僕のビジネススタイルだと、伴走者は必ず必要なので。その伴走者が、正社員だとコストがものすごくかかるんです。でも御社にお願いしていると、8万なんぼで済むわけです。こういう言い方はちょっと失礼かもしれませんが。

川村:コンサルのサービス紹介ページにも「アルバイト1人のお給料でコンサルタントがつきます」と書いているくらいですから。本当にそうですね。

櫻井さん:これだけ長く僕の考え方とか性格までお付き合いしていただいて、その時々でマッチベターな答えを出してくれる人を、この金額でお付き合いいただけるのなら、それに越したことはないです。経営者として、費用対効果としてものすごく高いと思っています。いざという時に頼めるから、プレイヤー櫻井としてはものすごく助かってる。マネージャー櫻井としては「いいんじゃない。その金額だったら」という、両方ですごくメリットがあるし、助かっています。

櫻井さん:毎月のミーティングでは、大体僕がベラベラしゃべってるんですけど、いつも味藤さんが壁打ちしながら、色々と引き出して、まとめていただいてるんです。そのまとめたものの中で、毎月「来月はこれをやろう」「これは先に延ばそう」「これはちょっと1回ストップ」と自分で決めていける
ひとりだと「どうしようかな」と思うじゃないですか。しかも負けず嫌いなので「全部やりたい」と思っちゃう。それを「まあまあ…」と止めていただいたり、「これはいいんじゃないですか」ってぽんって投げられたり。結構ドライにやっていただいてるんですよ。

味藤:そうですね。定期ミーティングの場で、一旦全部吐き出していただいて。「何を考えていらっしゃるか」を1回洗い出し、文字として見える化する。それを見ながら「これは優先度高いよね」「これは後回しでいいんじゃない」って話をさせていただいてます。

櫻井さん:優しい言葉でディスってくれますから(笑)。はっきり言われた方が、諦めというか決断がつきます。

川村:確かに「どっちもいいですよ」だと、どちらも捨てられなかったりしますからね。

櫻井さん:そうなんです。それを言っていただける方だから、ずっと続いてるんです。僕は味藤さんでよかったと思いますよ。「壁打ち」として本当にずっと頼り切っている。語弊があるかもしれないけど、ある意味、秘書なのかもしれないです。

川村頭の中を取り出して、まとめて、こうすべきである理由を補足できる、という点においてですよね。

櫻井さん:情報がほしいときは、「このサイトを見られたらどうですか」とか、そういうヒントもいただいてる。
御社とのお付き合いの中で、いろんなことが全部解決していく。かけがえのない、いてもらわないと困る存在です。

会社の未来も考えて、付き合っていきたいと思える

櫻井さん:だから、コンサルを受ける期間も考えたこともないです。もし、後継者を考えるタイミングがきて、誰かが僕の跡を継ぐ話になったら、今度はその人が、ゼロから御社とお付き合いしていく。ノートを渡して、「全部とりあえず読んでおいて。必要なところは自分でノートを作ってみて」と、僕と同じようにやってもらうしかないかなと思っています。あるいは「企業の価値をすごく上げて売却する」こともできるかもしれないですし。まだ全然先の話ですけど、そんなことまで考えています。

川村:櫻井さんの決めた体制の中に私たちが入っていることが、すごく光栄ですし。味藤が信頼を得ていることが、私としても嬉しいです。

櫻井さん:うちのものづくりやサプライチェーンの中に御社も入ってるわけですから。いてもらわないと困っちゃうわけで、別におだててるわけでもなんでもなく。だってそれで結局、いまこんな数字が出てるわけじゃないですか。

川村:頼む相手でもなく、うまく関係として活用いただけているっていうところだと思います。

櫻井さん:コスト的なことを考えても、遠慮するのはもったいないと思っています。こちらから投げたことに対して、真摯にきちんとお答えをいただく。そして、こちらもきちんと行動で返していくことでしか、成り立たないと思うので。最終的に実績が上がるのが1番いいことですから、「がんばってきてよかった」「これからもがんばろうね」という感じです。

「体制を研ぎ澄ますこと」で得られた、貴重な時間

発送業務を外注して効率アップ。ひとり壁打ちまでできるようになった

川村:最近、体制の研ぎ澄ましをしましたよね。業務効率化を取り入れながら、痩せマッチョな体質改善をされたと思うのですが、どんな影響がありましたか?

櫻井さん:まず、これまで自分でやっていた発送業務を外注化したんです。発送業務を自分から切り離したことで、全てが変わりました。いろいろ考えたり調べたりする時間が、どんどん増えていく。そうすると、今まで気がつかなかったことや、できなかったことをやらざるを得なくなりました。今までは「出荷しなきゃいけないから」「4時に郵便局だから」と言えていたのが、言い訳ができない。プレイヤー櫻井に対して、経営者の櫻井が「そんなこと言ってられないんじゃない?」となるじゃないですか。

川村:そうですよね。「時間空いたね」と。

櫻井さん:時間が空いて「いつまでYouTube見てんだよ」と。自分の中でひとり壁打ちしてるわけですよね。そうすると、たとえば「Chat GPTて何?」とか、どんどん興味が増えていって。受注管理システムの中で、「もっと自動化できるものがあるか、問い合わせてみよう」と考えたり。楽になりたい、もっと自動化したい、と。

ひとつだけまだ手放せないのは、サイズ交換の接客対応。まだちょっと外注できないねと。
お客さんからの相談内容は、サイズや微妙なフィット感とか、いろいろあるわけじゃないですか。そのマニュアル化を考えているんですが、結構千差万別で。Chat GPTに聞いてみたら、とんでもない答えが返ってきちゃったんですよ。
なので、この辺はもう少し自分の中でため込んでから、外注することも考えようと思っています。

「売れているのに、週末が憂鬱」という矛盾から解放された

櫻井さん:そうこうしてるうちに、来年から土日も発送しないといけなくなりましたね。

味藤楽天の365日出荷対応(✳︎)ですね。

✳︎楽天は、2024年4月から「配送品質向上制度」を導⼊し、配送品質の⾼い商品に「配送認定ラベル(仮称)」を付与する施策を発表。実質的に「毎日出荷ができるか」がラベル付与の評価基準になります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

櫻井さん:ラベルがつく、つかないの話があるので、どうしようか考えています。でも、出荷作業しながら考えるのとでは全然違います。

川村櫻井さんのリソースを取られていた出荷作業を、全部切り離したことは大きいですよね。攻める、考えることに時間を使えるから

櫻井さん:大きいですね。全ての業務改善のベースはここです。変な話、月曜の午前中の出荷を準備するのに、日曜日の夕方から考えるわけです。月曜1日で数百件出荷するとなると、お買い上げ明細書を前もってプリントアウトする。それだけで小1時間かかります。僕はせっかちなので、日曜夕方からプリントアウトし始めたり。全然気が休まらない。土曜になると憂鬱になっちゃうんですよ。

川村:お客さんが待ってますからね。

櫻井さん:土曜の夜、たくさん売れました!…でも日曜になると、どよんとしちゃうんです。売れているのに、すごくヘビーな気持ちになる。

味藤:あまりに忙しすぎると、売れることが嬉しくないんですよね…。すごくわかります。

空いた時間を使って、さらに時間を確保することを考える

櫻井さん:それがもう嫌で。味藤さんに相談して「思い切って出しましょう」と。出したらもうハッピーです。

味藤:櫻井さんの時間の作り方で、すごくお上手だなと思うのが、まず倉庫に物流を外注して、時間ができたじゃないですか。そしてできた時間を、さらに時間を作るための投資にあてたんですよね。この業務改善の動き方、すばらしいと思います。

櫻井さん:あとは、細かいことを自動化していくためにどうすればいいのか、どんどん考えてました。

味藤:そして、ある程度キャパシティができたところで、2023年は次のステップへ、という動き方をとられましたものね。

川村:業務改善のやり方は 「小さいものから切り出していこう」など、色々ありますが、物流は割と外に出しやすいと思います。物流とその対応の重さが、最初にうまく外れたことで、後の流れがすごくよくなったんでしょうね。

櫻井さん:「販促物流費がどのくらい増えたのか?」という点では、自分でやっていた時の倍にはなってはないです。でも、売上は倍ぐらいになっています。もう十分回収できていて、なおかつ、こういうふうにお話をしたり、自分の考えをまとめたり、誰かに切り出したりとか自動化を考えるとか、いろんなことを考える時間にあてられる方が尊いですよね。

川村:そうですね。要は、櫻井さんの時給で出荷作業をしてはダメということですよね。櫻井さんの時給で換算するのなら、逆に「出荷代がもっとかかっていた」と考えてもいいくらいなので。物流費として足されてはいるけれど、見えなかった削減効果があると思います。

今後の目標と展望

商品力を上げるための大改革

櫻井さん:年初に味藤さんとお話をして、元々「痩せマッチョの運営をしましょう」という大目標があったんですけど、今年はもう1つ「もう1度、商品力をあげましょう」と。いままでのものづくりを見直して、商品の大変革をしています。こういうことも、去年のままだったらできなかったです。これまでのパターン(型紙)を変えることによって、つけ心地を大きく変える変更をしています。秋に上がってくる商品から新しいパターンに変わる予定です。

どうしても今のパターンだと、サイズ交換が減っていかない。交換にかかる送料や僕の手間もかかります。それを減らすには「まず入り口から」と考えたら、商品力なので。新しいパターンで商品が流れて、いまの商品的なネガが潰れて、サイズ交換が半分ぐらいになったら….ものすごくコスト削減になりますよね。

川村:交換が減ることに限らず、商品力を上げることで、比較優位としてものの良さで選ばれるようになりますし、両方の価値がありますよね。

櫻井さん:うちはブライダルインナーだけを売っている専門店だから。しかも、ほぼ一本足打法の店なので、商品を常に向上させていかないといけない。木村屋のあんぱんが毎年塩加減で味を変えていることと一緒で、手が抜けないじゃないですか。これは、もうずっと5、6年前からやりたかったことなので。いまの段階で徐々にでき始めてる。おそらくレビューにも反映すると思います。そうすると、うちの一本足打法がもっと強くなっていく。

川村:そうですね。脚力がずっと安定して強くなりますね。

櫻井さん:よく味藤さんにお話していることで、あまりいい言い方じゃないかもしれないですけど、僕は、いつまでもランジェリーショップにブライダルインナーを扱わせたくないんですよ。ブライダルインナー専門店がブライダルインナーを売ってるんですから。ランジェリーショップが片手間に売れるような商品にしちゃダメなんです。そのぐらいの気持ちで、「うちはブライダルインナーの専門店なんだ」という商品を作っていかないと、しかもこの価格で、という思いはあります。
仕入れて売ってるんだったらいいんでしょうけど、作っている立場でいうと、「ものづくりに対しての情熱は、消してはいけない」と思うので。なので、この部分をやっともう1回できるようになったのが、すごく嬉しいです。

川村:つながりますね。いろいろと。

櫻井さん:これも結局、御社とのお付き合いの中で、できていることですよね。

川村:本当に良い関係性の中で、成長していただけていると感じています。私たちコンサルタントは、ものを売っているわけではありませんが、「お店の商品がさらによくなって、お客さんが喜ぶ」という社会的な価値にも関われることを、櫻井さんを通して体験することができるので。そういうところも、社会にも貢献できているかなと考えています。

花嫁さんの不安を全部回収できる店になりたい

櫻井さん:僕が言うのもなんなんですが、花嫁さんに限らずなのかな、女性の方はご自身のサイズにほとんど無頓着。ほとんど正確に測っていない。ご自分がつけているサイズがあってるかあってないか、知らないんですよ。そんないつも測っているわけじゃないですから。
でも、せめてブライダルインナーだけでも、「慣れない買い物を、ここできちんと解決してあげる」。そういった「不安を全部回収してあげる店でありたい」と思っています。それが専門店だと教わりましたし、本当にそうだなと思います。
だから、どうやってもっと深堀りしていくか。まだまだ焼き魚、終わらないんです。まだまだひっくり返すんですね。しつこく、ほんとこれでもかっていうぐらいやらないと。やり続けないと他の店と差別化できない

川村:「もう全部取れた」と思っても、ひっくり返すとまた取れる。不思議なメガネというか、見えるようになる変化がありますよね。

櫻井さん:あります、あります。ひっくり返した時に、必ず漏れとか抜けとか忘れとか出てくるんですよ。今回のSEOでも出てきましたし。

味藤:出ましたね、まだ出るかっていうぐらい。

櫻井さん:ということは、まだこれから先も、これでもかっていうくらいやらないとダメなんですよね。それを続けていったら、多分花嫁さんの不安や疑問を解決できる店になっているはず。

川村:それがそのまま伸びしろでもありますからね。

櫻井さん:でしょうね。それがうちの伸びしろだし、存在意義なんでしょうね。だから、こんな特殊な商品で、しかも売ってるのは、ほぼ1品番。でも掘り下げていくと、こんなにいろいろやることがある。こんなに楽しいことはないです。
僕は他の方に「どうやって売ってるんですか」と聞かれても、教えようがないですから。「なんで、ここまでこの商品にこだわるんですか」と言われたら、「これしかやってきてないから」としか言えないです。

花嫁さんを応援し続けるために

川村:花嫁さんがなぜそのインナーを買うのか、どうなりたいのかを、ひたすら突き詰めて。

櫻井さん良品廉価でひたすら応援し続ける。疑問や質問に対しても、サイズ交換やサービスでも、応援し続けるってなったらもう、やることはずっとあります。やっぱり70歳ぐらいまでやらないとダメですね(笑)。

川村:(笑)お話を伺っていると、櫻井さんの情熱がひいてくるようには感じられないので、まだまだメラメラと。

櫻井さん:ぜひずっと、お付き合いいただたいですね。

これからのコンサルティングに求めること

勉強会や交流会の機会をつくってほしい

櫻井さんおかげさまで、僕はこうなれたので、この成功事例をもっと増やしたい。やっぱり300万超えないと、飯食えないですよ。味藤さんにはずっと念仏のように「楽天だけで300万売りたい」って、2年も3年もずっと言い続けてきて。やっとこの数年で、ギネスだーなんていう景気のいい経験ができるようになって。

川村:そうですね。ありがとうございます。私たちもこれからさらに、どうやったら櫻井さんのような方を増やせるか、いろいろ考えて、ご支援を進めていきたいと思っています。

櫻井さん:最後にひとつだけ。コロナが収まってきたので、ぼちぼちオープンな勉強会とか交流会とか。
今回僕が出るワークショップとは別に、以前はもっと敷居が低いものもあって。最近でいうと、和歌山でやっていた勉強会とか。ああいう感じのものが、もう少しあるといいなと思います。

川村:リアルなセミナーなどですね。

櫻井さん:そういう中から、多分口コミで私みたいな事業者の方にも広がると思います。

川村:ありがとうございます。いろいろな機会を増やしていけるよう、がんばりますね。

櫻井さん:いや、僕は、本当にもうお世話になってるので、広がればいいな、と。

味藤:これからも、よろしくお願いいたします。

川村: ありがとうございます!がんばっていきましょう。

櫻井さん:がんばります。

まとめ

櫻井さんが、ブライダルインナーの世界に入ったのは、40代前半。そして、ご自身で会社を興されたのが45歳の頃。そこから現在まで、決してECについては早いスタートではありませんでした。しかし、「自己流を捨てて、再度ECの基本から学ぼう」と決め、コンサルティングをご依頼いただいてからは、すばらしい学習力と行動力で、着実にスキルアップされていきました。その成果として、「花嫁さんに徹底的に寄り添う専門店」となった今も、日々その専門性をブラッシュアップされています。

とにかく、考え続け、手を動かす。でも、無茶はしない。業務改革で体制のスマート化も実現されて、空いた時間でどんどんアイデアが沸き、新しい企画や改善につなげています。
「ブライダルインナー専門店として、やることがたくさんある。こんなに楽しいことはない」というお言葉に、さらに深いご支援をしていければと身が引き締まりました。

櫻井さんに限らず、ひとり経営でがんばっている方は、圧倒的時間の足りなさがボトルネック。「いろんなアイディアがあったはずのに….」と嘆く前に、まずはいまの体制の見直しを考えてみませんか。当社コンサルタントは、皆さんの状況に寄り添い、じっくりヒアリングを重ねながら、あなたに最適な体制づくりのお手伝いをします。少しでもお悩みなら、ぜひご相談ください。

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この記事を書いた人

川村 トモエ
コマースデザイン株式会社 取締役 コピーライター/コンサルタント
ライターからEC業界に転身。商品コンセプト立案やキャッチコピーなど「売れないオリジナル商品」の立て直しを得意とし、ヒット商品を多数企画。中小規模の店に対してわかりやすいコンサルティングを提供しつつ、講演や寄稿も行う。黄色本・マンガ本の著者でもある。
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