今回は「利益が出ていないし、時間もない。そんな時、一体どうしたらいいか?」という話です。
前提として、売上アップと時間の余裕捻出は、交互にやっていく必要があります。しかし、儲かっていないから時間の捻出に投資できない…という状況に陥ってしまう場合があります。
そこで、「なぜこういう状況になってしまうのか」という問題の構造をお伝えし、それを打開するための具体的な方法をお伝えします。特にこういう状況に身に覚えがある方や「耳が痛い…」という方は、ぜひ読んでみてください。
- 目次 -
はじめに
一般的に、時間と売上はトレードオフの関係性があります。
「時間はあるけれど、売上がない」場合は、時間をかけて売上を伸ばしていけばいいですよね。
逆に、「売上はあるけれど、時間がない」場合は、売上の中の利益を使って、時間を確保するための投資を行います。具体的には、システム導入やメンバー増員がすぐに思いつく解決策ですね。
こうした「売上アップと時間捻出」の循環がうまく回っていればいいのですが、売上から得られた利益を、売上を伸ばす方にばかり投資してしまうと、時間捻出や体制整備が疎かになり、商売が煮詰まってしまうという現象が起こります。
だからこそ、売上アップと時間の余裕捻出は、必ず交互にやっていく必要があります。
人が歩く時に、左足の次に右足、そしてまた左足…と交互に足を進めるのと同じです。
「売上が伸びる→時間を作る」というサイクルを進めなければ、時間がなくなり、おのずと成長は止まってしまいます。
…ところが、この一般論に当てはまらないケースもあります。それが今回お伝えしたい内容です。
「時間も利益もない」状態に陥る構造的な原因
「儲けがない」「儲かっていないから、時間捻出に投資できない」そして、「利益も出ていない」…。
あなたの会社は、こんな状況に陥っていたりしませんか?
万が一こんな状態になっているとしたら、それは商売が行き詰まっている状態に近いことを自覚しましょう。
「なぜこんな状況に陥ってしまったのか?」「どうしたら脱出できるのか?」という原因と対処方法をお伝えするので、今まさにこんな状況で困っているという方は、ぜひ参考にしてください。
利益が出ない商品やサービスを売っていないか?
まずは、「なぜ、こんな状況に陥ってしまうのか?」という原因について。
これは比較的わかりやすい話です。原因は「儲からない商品を一生懸命売っているから」です。
あるいは、原価がかかり過ぎていることが原因の場合もあります。販売に過剰に手間がかかっていて、時間を食い潰すような商品やサービスを提供している場合は、いわゆる「貧乏暇なし」の状態になりやすいんです。
つまり、売上が一定のレベルに達していても、実態は「売っても儲からない商品」を販売してしまっていることがあるのです。
「月商1億達成!」と喜んでも、実は利益が出ておらず赤字だったり、銀行に預けている預金以上の利子が出ていないのであれば、「事業としてどうなのか?」という疑念がありますね。
だからこそ、利益が出ていない売上については「この売り方でいいのか?」と疑った方がいいでしょう。
「時間も利益もない状態」に陥りやすい人の特徴
こうした状況に陥りやすい人の性格として、凝り性の方が多い傾向にあります。
凝り性の人は、過剰なサービスを提供してしまったり、デザインや雰囲気にこだわって儲けがなくなったりしてしまうことがあります。
具体的には、原価が高すぎて経営が成り立たない飲食店や、最高の物を作ることに労力をかけすぎ、自分はカップラーメンを食べている商品開発者を思い浮かべると、イメージしやすいかもしれません。
こうしたケースは、セルフチェックすることで気付くことがあります。大抵は何かのバランスが悪くなっているので、以下のような質問を自分に投げかけてみましょう。
「売っている商品は儲かっているのか?」
「売っている商品に手間がかかり過ぎていないか?」
「過剰なサービスで、時間をかけ過ぎていないか?」
少しでもバランスの悪いところに気がつけたら、儲けものです。デザインや商品品質へのこだわり自体は、決して悪いことではありません。自分でコントロールできない状況に陥ることが問題ですから、こうした気付きが問題解決の突破口になるでしょう。
忙しいのに利益がでない現状を打破する方法
では、ここからはこうした原因に対処する方法について、お伝えしていきます。
これまでのコンサルティング経験から言えることは、「やめることが大事」ということ。
儲からない商品を一生懸命に売って、「月商100万円を突破しました!」「月商1000万円になりました!」なんて喜んでいても、それは言わば幻の売上です。
「削るべきものを削る」という意識を持ち、取り組みましょう。
まずは「売るべきではない商品やサービス」を見つけよう
なにをすればいいかというと、商品やサービスを見直し、値上げや取り扱いの中止を検討してみましょう。
例えば、値上げして売上が落ちる商品であれば、取り扱いをやめた方がいい可能性が高いです。その代わりに、残った商品を改良して磨いたり、関連商品を手厚くしていくという方法もあります。
大切なのは、今扱っている商品の中で、売るべきではない商品や提供すべきでないサービスを見つけることです。
急に取り扱いをやめることは勇気がいるので、まずは「候補を見つける」くらいの気持ちがいいかもしれません。「カットするかの判断は後でやろう」と考えれば、ノーリスクですよね。結論を出すことは後回しにして、まずは儲かっていない商品や、やり過ぎているサービスを見つけてみましょう。
もし、「時間がなさすぎて、利益を管理するヒマはないんです」というようなら、かなり深刻な状態です。例えるなら、「出血しているけど、忙しくて止血する時間がありません」と言っているのと同じだからです。そのまま放っておいたらどうなるか…みなさんお察しの通りです。
ちなみに、忙しくて時間がない問題について、一般的には「システムの導入」や「在宅スタッフや社員の雇用」といった、固定費がかかる対策を考えがちですが、それより前にすべきことがあります。
それは、やらなくていい仕事をやめることです。お金がかからず、やめた分だけ時間が増えますよね。「この作業を辞めて大丈夫かな?」と不安になる気持ちはわかりますが、一度やめてみて、問題ないかを確認してみることをオススメします。やり方は簡単です。今やっている仕事を洗い出し、「どれを削ったらいいか?」をチェックし、候補を決めて削っていきましょう。
身動きが取れない状態なら、第三者の力を借りることも〇
「忙しいのに利益もない」という状況に陥る人には、共通する心理があります。
それは、「先のことを心配し過ぎる」こと。
「この商品を値上げしたら、どうにかなってしまうんじゃ…」
「この商品の取り扱いをやめたら、お客さんから怒られるんじゃないか?」
「この仕事をムダかもしれないと言って止めてしまったら…」
など、心配しすぎて身動きが取れず、状況を変えるための一歩を踏み出せないのです。その結果、なにも変わらない状態が続いてしまいます。
車がスタックした状態と似ていて、一生懸命アクセルを踏んでも空回りするだけで、前に進みません。
こうした状況が長期間続いてしまっている場合、自己解決は難しいので、外部の専門家などに相談し、第三者の視点を取り入れながら打開策に取り組み始めるべきです。
心配すること自体は、もちろん間違ってはいません。ただ、不安や課題をコントロールできないといけないんですね。うまくコントロールするためには、自分とは違う立場・異なる視点から、冷静なアドバイスをもらう必要があります。人生全般に言えることですが、誰かと一緒にやった方がうまくいくものです。
急がば回れ。中長期視点から「一時的に立ち止まること」も大事
ちなみに、気持ちの持ち方としては、「立ち止まることはどうしても必要」と認識することです。
もしかしたら、後戻りしてるように感じるかもしれません。しかし、それは決して無駄なことではありません。
「今進んでいる道は、このまま行っても大変になる」「この状況が続いても、いいことにはならない」と、深層心理では分かっているはずです。
「このまま前進しても、儲からない状態や忙しい状態が続くだけ」ということを自覚しましょう。
その上で、無理にがんばるのではなく、「一時的に売上は下がるかもしれない。お客さんの満足度も下がるかもしれないけれど、きちんと利益がでて時間も取れる正しい商売の構造を作り直そう!」と考えましょう。ひと言で言えば、「急がば回れ」です。
まとめ
今回は「時間も利益もない」という方に向けて、そんな状況に陥ってしまう原因と対策をご紹介しました。
一生懸命がんばっているのに儲からないのは、ビジネスの構造に問題があるかもしれません。
大切なポイントは、現状をズルズルと続けるのではなく、勇気を持って「やめるべき商品やサービスを見定め、思い切って実行してみる」ことです。
今取り扱っている商品やサービスを見直すわけですから、後戻りしている気持ちになったり、覚悟が必要な場面も出てくるでしょう。それでも、「長期的な視点に立って考えた時、どちらが自分や会社のためになるか?」を意識し、「急がば回れ」で決断していくことが大切です。商売が煮詰まってしまった時は、このように一度立ち止まり、止めるべきことは止め、商売の構造を見直してみてください。
P.S.
とはいえ、一人でできることには限界がありますよね。
自分の店や商品を客観的に見るのは難しいもの。特に商品愛が強い方は、なおさらそうかもしれません。
本文の中でもお伝えしたように、どうしていいか分からず、身動きがとれない状態になってしまった時には、第三者から客観的な意見やアドバイスをもらうことが、問題解決の突破口になります。
「この商品を売るのはダメ!削除しましょう」なんて押し付けは決してしませんので、お困りの際はぜひ弊社にご相談ください。自分では思いもよらなかった視点に気づくことができ、トンネルを抜けて利益も時間もある状態に近づけるかもしれません。お悩みの方は気軽にご連絡くださいね。
この記事を書いた人
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