上司から色々仕事を頼まれる人へ。期待に応えつつ、無理なく業務を進めるコツ

こんにちは。コンサルタントの杉浦です。

今回は、上司から色々と仕事を依頼される方向けのお話です。忙しいときでも、「自分の時間を確保しつつ、仕事に穴を開けず、上司の期待に応える方法」についてお伝えします。

「上手に仕事を頼みましょう」とはよく言いますが、逆に仕事を頼まれる立場の場合、どのように対処すればいいか悩んだり疑問に思ったりすることがあるかもしれません。そのような疑問にお答えします。

頼まれた仕事で一度でも悩んだ経験のある方は、すぐ実践でき、自分だけでなく上司の方のためにもなりますので、ぜひ実践してみてください。

はじめに

私たちはコンサルティングの現場で、「業務を効率化しましょう」「攻める時間を確保するために、上手に人に仕事を頼みましょう」という話をよくしています。その際、こんな質問をいただくことがあります。

「私は社内で一番経験が浅く、仕事を頼むより頼まれる側の立場です。この場合はどうすればいいでしょうか?」

社歴が浅いなど、ECに関する経験がまだ少ない方で、そもそも「仕事を頼む相手がいない」というご相談です。また、「EC以外の仕事も色々あって忙しい」「EC事業はまだ月数十万の売上なので、外注や新しいメンバーを増やす余裕がない…」というご相談もよくいただきます。
こうした状況では、「メンバーを増やしてください」という提案はしづらいですよね。

しかし、これらの課題には共通の解決方法があります。今からお伝えする方法を実践することで、自分の時間を無理なく確保し、上司も納得して応対してくれます。具体的な調整方法を紹介するので、ぜひ日常の業務に取り入れてみてください。

依頼された仕事を効率化する3つのポイント

それでは、「色々と仕事を頼まれてしまう」立場の方が、仕事を効率化するためのポイントをご紹介します。

ポイント1:依頼された仕事を記録し、リスト化する

まず、上司からは「あれやっといて」「これやっといて」と、様々な仕事の指示がありますよね。
朝頼まれることもあれば、次の日のお昼に頼まれることもあります。そして、これらの仕事はそれぞれ対応期限が異なります。まず、これらの仕事を全て記録しましょう。

普段使っているGoogleスプレッドシートやExcelなどのツールに、「どの仕事をするか」「誰から依頼されたか」「締め切りはいつか」という情報を残すイメージです。ルーチンの仕事もここに載せておいてもいいですね。

記録をつけるのはなぜか?仕事を頼む側の心理を想像してみましょう。
忙しい時に「あれやって」「これやっといて」とパッと依頼した仕事は、依頼者が依頼したことを忘れてしまうことがよくあります。
そのため、最初に依頼された仕事の締め切りが早く設定され、重要ではない場合もあります。一方、直近で依頼された仕事は締め切りが曖昧になり、実は大して重要ではなくても、「なるべく早く」という要求が出ることもあります。

こうしたことが積み重なっていくと、実は上司が「重要ではない」と思っている仕事を先に取り組み、上司が「重要だ」と思っている仕事を後回しにする可能性がありします。場合によっては納期に間に合わず、遅れることも考えられますね。

こうしたすれ違いを避けるために、仕事を効率的に進めるための鍵として、記録をつけることが重要です。

ポイント2:仕事の優先順位を調整する

「抱えているタスクが多すぎて、時間がパツパツになってきているな」と感じたら、記録したシートを印刷して上司のもとに持っていき、以下のように聞いてみましょう。

「仕事の優先順位について相談があります。〇〇部長からの依頼はこれとこれがあり、それぞれ締切は〇/〇と〇/〇です。
締切が早い順に片付けていくと、最後に「重要」とおっしゃっていた仕事がおそらく間に合わないのですが、現在の優先順位のまま進めてもよろいしいですか?もしくは締切を伸ばすことや、別の人に頼むなどの調整は可能でしょうか?」

つまり、「抱えている仕事について、正しい優先順位にアップデートしてほしい」とリクエストするわけです。

そうすると、「なるほど。それならこれが第1優先なので、これとこれは来週以降でいいです。あと、これはもう重要ではなくなったから、取りやめます。」など、仕事の調整が行われるでしょう。

こうすることで、あふれそうになっていた仕事を調整し、重要な仕事だけに注力できるようになります
自身の負担も軽減されて無理がなくなるし、上司にとっても本当に重要な仕事を優先できるので、実は両者ともにハッピーになれるんです。

「指示通りにちゃんと仕事をやっているのに…。本当に重要な仕事はこれなのに、なぜ気づかないんだろう」と思いながら仕事をしていては、評価される側として不幸ですし、評価する側の上司にとっても登ましくありません。どちらのためにもなりませんよね。

ポイント3:定例会議で、優先度確認をルーチン化する

会社によっては、朝礼や週1の定例会議がある方もいると思います。そういった場を活用することもおすすめです。

「自分が今抱えている仕事はABCDEあり、この順番で進めます」
「もし優先順位が違う場合は、教えてください」

このようにメンバー間で情報共有することで、ポイント2のように「ちょっといいですか?」と、優先順位の調整のために、依頼相手に話しかける手間がなくなります。

会議の場でタスクの締切や進行状況を確認し、「優先順位に変更がないか」を確認するプロセスを、ルーチン化するわけです。これにより、がんばることなく、自然と悩みを解消でき、スムーズに仕事を進めることができるようになります。

尚、定例会議のやり方は、別の記事で詳しくご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。

応用編:他部署からの依頼への対策

ちなみに、人によっては、他部署からの依頼が多い方もいますよね。

上司→部下ではなく、部署間の依頼の場合でも、先ほど説明した方法が効果的です。他部署の人から「これやって」と頼まれたら、同じアプローチで対処しましょう。タスクリストを上司のところに持っていき、以下のように聞いてみましょう。

「先ほど〇〇部より受けた仕事なのですが、〇/〇までという納期の指定をいただきました。
今、私が抱えている仕事にはこれらがあり、この順番にやる予定になっています。〇〇部長からの指示ではない仕事なので、優先度をご教示いただければと思います」

そうすると上司が「なるほど。これは本来うちの部署でやる仕事ではないから、頼んできた人も忙しいと思うけれど、ちょっと調整してくるね」と、依頼元の部署と掛け合ってくれたりします。

これは実際に、弊社が支援しているネットショップの現場であったお話です。
他部署から依頼が山のように来て、いつも忙しいEC担当者の方がいたんです。例えば、「ECの担当者だから、ホームページの更新できるよね?」という相談が急にきたりするんですね。

そこで「こんな状況なんですが…」と上司に相談したところ、「確かに気持ちは分かるけれど、僕たちの仕事とは別物だから、制作会社に頼んでもらうようにしよう」と上司が調整してくれ、問題が解決したということがありました。

まとめ

今回は、「自分の仕事を誰かに頼むことが難しく、逆に頼まれることが多い」方に向けて、自分のペースで仕事を進めやすくするためのコツをご紹介しました。

大切なポイントは、頼まれた仕事を頭の中に留めておくのではなく、「書き出してリスト化し、優先度を確認」すること。 

仕事を頼んだ側はなんとなくしか覚えていないからこそ、唐突に「あれはどうなった?」と言い出してきたりします。依頼内容をきちんと記録し、整理しておくことで、依頼された仕事の優先度を把握し、こうしたトラブルを防ぐことができます。

上司は頭の中が整理されて、「それならこの順番が妥当だね」と優先度を調整してくれたり、「それだったら、こっちで調整しておくよ」と協力してくれるようになるでしょう。

この方法を実践することで、誰もが犠牲にならず、むしろお互いが幸せになれます。上司の機嫌が悪くなることもなく、自分も無理なく仕事を進めることができ、お互いが幸せになれる取り組みですので、ぜひお試しください。

P.S.

とはいえ、売上が伸びてくると、やることが増えてますます忙しくなり、たとえ優先順位を調整しても、仕事が回せなくなってきますよね。「単純に手が足りない」というリソース不足問題に関しては、「チーム全体で業務を洗い出して一覧化し、効率化していく」、「社内メンバーや、外部の委託先に業務移管する」などのアプローチ方法があります。
コンサルティングのご支援先でも数多くの実績があり、「仕事を任せられるようになった」「考える時間や攻めの時間が取れるようになった」と好評です。

こうした業務の効率化や外注化・チームビルディングに関する相談にもお応えできますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

杉浦翔太
杉浦翔太
東証一部上場のITベンチャーで、ECサイト運営に携わる。自社EC改善・セール企画・メルマガ等の販促で、月商2億超えの売上に寄与。また、WEB媒体の法人営業も経験。顧客の成果を念頭に置き、丁寧なヒアリングと対話で、多くの顧客の信頼を得る。明るくて人懐っこく、誰とでもすぐに打ち解けられる。愛知県出身。サーフィンが好き。

EC事業コンサルティングを行う「コマースデザイン株式会社」の社員ブログです。

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