「ぐちゃぐちゃでなんかカオスなんです」。慢性的な忙しさを解決し、チームワークを発揮できる組織に(小島屋さん×坂本対談)

こんにちは、坂本です。今回の記事は、弊社コンサルティングの「ヒーローインタビュー」です!

弊社のコンサルティングがどんな内容なのか、なかなか伝わにくいと思うところがありまして。実際にコンサルティングを受けていただいたお客さんにインタビューをしてみました。今回は、「ドライフルーツとナッツの専門店 小島屋」の小島靖久さん(以下、モミーさん)との対談です。

私はブログやセミナーなどで、「攻めの仕事」の時間を確保しましょう、とよく言っています。ですが、実際は「取り組みたい課題は見えてるけど、時間が取れなくて前進できない」という方が多いんですね。モミーさんも、このようなお悩みを抱えていました。

そんなモミーさんが、コンサルティングを受けた1年間でどのように変わったのか、過程を伺いました。「何でも自分でやっていたけど、仕事の仕方を変え、役割分担を工夫して自分の時間をとれるようになった」というリアルストーリーです!

「慢性的な忙しさをなんとかしたい」という人におすすめです。

はじめに

小島屋とモミーさんのご紹介


※出典:小島屋ホームページ

EC業界ではすっかりお馴染みですが、おさらい的にご紹介しましょう。
小島屋さんは、上野アメ横で、創業60年以上の歴史がある、ナッツ・ドライフルーツの老舗です。ネットショップの開設は、なんと2004年(平成16年)。他社とコラボレーションした商品作りをするなど、常に新しいチャレンジをしているお店です。

そんな取り組みを支えているのが、モミーさんこと、3代目店主の小島靖久さん。食への探究心が強いモミーさんは、これまで1000種類以上のナッツ・1500種類以上のドライフルーツを食べてきたそう。今後も色々な料理、お酒、シェフとコラボレーションし、新たな食の世界を発掘していきたいと思っているそうです。

ちなみに小島屋さんの「偏愛アプローチ」は、中小ECの1つの可能性だと私は考えており、以前ブログでご紹介しています。

コンサルティング開始時点の課題感

まず、「コンサルティング開始時点の状況」をご紹介します。


※モミーさん、坂本、担当コンサルタントの石黒も同席しました。

忙しくて、「何となくカオス」

坂本:最初、facebookメッセンジャーで、「忙しくて、なかなか攻める仕事ができない」という相談をいただきましたね。課題は色々見えてるんだけれども、時間を取れず、「ぐちゃぐちゃで『なんかカオス』なんですよ」と言っていました。

モミーさん:そう、「なんかなんか」って言ってましたw

坂本:ところが、今のモミーさんは、悟りを開いたみたいになっていて。何があったんだろうかと。

モミーさん今は「なぜ、俺はこんなことに慌ててたんだ?」って思いますね。「いいじゃん置いとけば」「いいじゃん誰かに聞けば」って思って、今は「前の方」を見ています。

坂本:今日は、「モミー悟りへの道」みたいなテーマで、お話を伺えればと思います。昔は「一人運営の効率の高さ」で有名だったモミーさんですが、今はこんな感じのチーム運営になりました、という。

モミーさん:了解ですw

初期のテーマ「1から10まで言わなくても、伝わる人がほしい」

坂本:最初のモミーさんの課題感が、

やりたいことがある。色々やってくれる人がほしい。雇用するのは避けたい。外注なのかな。
どうやればいいのかな。でも、足元は散らかっている。

という感じで、困っているけど「何が中心課題か不明確」な状態でしたよね。

モミーさん:「大事なコンセプトを伝えれば動いてくれる人」の不足を感じていたので、「手が足りない」という認識だったかと。

坂本:「能動的に動く人」が足りない感じ?

モミーさん:そうそうそう。1から10まで言いたくない・考えたくない。頭いっぱいになるし疲れちゃうので。「1から3だけ言うからあとお願い」みたいな。いずれ慣れてくると、1から3も言いたくないから、「1だけ言うんで、1からちょっと考えてもらっていいですか」みたいな。そんな戦力を求めていました。

本当のテーマ「なんだか散らかっていて、切り出しにくい」

坂本:最初は、「1から10まで言わなくていい人がほしい」というご相談でした。
でも、いざ「頼む相手を探していこう!」と踏み出そうとしたところ、足元に「小さな雑務」が大量に見つかった・・。「自分じゃなくてもできるような、小さな判断・小さな作業」を、モミーさんがたくさん抱えている状態が発覚しました。ご自分としては、どんな感じでした?

モミーさん:日常業務一個一個に対して、「意外と雑務の比率が高いなあ」っていう感じですかね。「雑務を手放す前」までの比率が高い。

坂本:「雑務を手放す前」までの比率が高い、とは?

モミーさん:「1から10までのステップ」の雑務があるとして。「1から10までやって」という投げ方では済まないじゃないですか。「これは1から10まである仕事で、1から3まで準備しておいたから。これはこうしたから、ここでこれとこれやって」みたいな感じで、つまり結局、説明が大変じゃないですか。
当時はそこまで考えてないから、「その作業を丸々切り分けて出せたら、楽なのになあ」っていう考えで、坂本さんに相談したわけですね。

坂本:そうでしたね。でも、フタを開けてみると、「切り出しにくい雑務」が多かったですね。最初は私も、「人を見つけて、業務移管さえすればいいのでは」と思っていたんです。しばらく経つと、「なんか切り出しにくいぞ」「そもそも何を切り出そうとしてるんだろう?」って、内側にアンテナが向いてきた感じですね。

モミーさん:はい。多分それで、「やってること・頼みたいことをざっと棚卸してみよう」みたいな話になっていきましたね。

コンサルティングの実施

以上を踏まえ、コンサルティングを開始し、どんな施策を実施したのかをご紹介します。

Step1「多忙対策」の開始

坂本:ということで、仕事の内訳を確認し始めたわけです。モミーさんの仕事は、「拘束時間」が多いというより、「多岐に渡る仕事を、マルチタスクでパタパタ切り替えていく」ことの負荷が大きいように見えました。

これを受けて、基本的には、どんな仕事があるかを洗い出して、仕分けして、切り出せるものを見極めて、移管するという話です。ところが、モミーさんの場合は、割と単純な仕事は既に切り出してあったので、「切り出しにくい雑務」がたくさん残っていましたw

単純作業なら、相手を見つけて移管すればいいから、すぐに片付くんですけど。「単純作業のようで、案外考える仕事」とか「前提知識が求められる単純作業」などは人に振りづらい。「RMSの商品名の差し替え」という単純作業だって、RMSが分からなかったらできないですからね。

実施施策の内容

以下、取り組んだことを列挙していきます。
厄介な仕事を見つけて、1つ1つに向き合って、一緒に対処を考えていきました。

商談のパターン分岐
  • OEMなどのBtoB商談が時々発生していて、モミーさんを拘束していました。
  • ただ、「モミーさんじゃないと対応できない」と思いきや、うまく分岐すると分業できて、仕事が減りました。
マニュアルの効率化
  • マニュアルの考え方、作り方を紹介。
  • 出荷のパートさんなど、デスクワーク以外の人にも展開し、仕事が減りました。
「需要予測→製造量指示」の仕組み化
  • 「モミーさんしか分からない謎Excel」の構造を伺って整理し、目的や用途を言語化しました。
  • それを、モミーさんと付き合いのあるプロ(縄舟さん)にシステム化してもらいました。
セール商品選定のパターン化
  • 「どの商品をセール対象にするか」という小さな意思決定で、毎回頭を使っていました(地味に疲れる)。
  • 時間がもったいないので、ルール化して「半ば自動で決まる仕組み」にして、悩まなくていいようにしました。
制作環境のクラウド化
  • 歴史の長いEC事業者は、ローカルネットワーク上で作業しているせいで、社外スタッフと連携しづらい傾向があります。
  • モミーさんも同じ状態だったので、「混沌としていた画像置き場」を整理しつつクラウド環境に移行。大幅に効率化されました。

施策の振り返り

坂本:特に「制作環境のクラウド化」が思い出深いと思うので、何かコメント頂けませんか?大変でしたよね。

モミーさん:ちまちまやってたら、半年ぐらいかかりました。外注スタッフへのお金がかかった。。でも、在宅メンバーにも仕事が振れるようになった。

坂本:実際この後、チームに在宅メンバーを追加することになりましたね。大変だったけど、やった甲斐はありましたよね。

モミーさん:そうですね。自分達が圧倒的に探しやすくなりましたね。

坂本:こういうことを、「技術的負債」と言ったりするんです。やらないで後回しにしていたけど、実は積み重なっていく、やりづらさ・分かりづらさ。負債ですね。だから、負債を返したと。

モミーさん:そうですね。

坂本:この「画像置き場のクラウド化」と「独自ツールのシステム化」が、モミーさんを自由にするための重要なステップだったと思いますね。

Step2「チーム感覚」の向上

役割と「セルフイメージ」の再設定

坂本:ようやくブラックボックスが落ち着いてきたので、社内の方にいろんな仕事を持ってもらって、モミーさんを楽にする話が始まったわけです。この辺で出てきたのが、右腕社員であるミヨさんの発言、「モミーさんチームの人に仕事を頼むのが、やりづらい」。

モミーさん:そうそうそう、そうです。ひと言で言うと、それですね。

坂本モミーさんがよく指示を出すチーム(=外注先)に、ミヨさんが指示を出すと、「二重上司」状態でバッティングしてしまう。じゃあ「モミーさんチーム」と「ミヨさんチーム」、それぞれ作ったらいいよね、という話になり。まずはミヨさんに状況をヒアリングしながら、チームを持ってもらう方向性を伝えようと考えましたが・・。

モミーさん:はいはい。

坂本:話し合ったところ、ミヨさんいわく、「いや、自分の仕事は受注処理メインですから」。モミーさんが「いやいや、もっと商品企画とか売上を作る仕事がメインだと思ってるよ?」「いやでも実際は、受注がメインじゃないですか」なんていう会話がありました。
つまり、「モミーさんがミヨさんに期待していること」と「ミヨさんがセルフイメージとして持ってる自分の仕事」のギャップが発覚しましたね。

モミーさん:そうですねそうですね。

坂本「いや受注処理メインなので」って言ったミヨさんを見た時の、モミーさんが「えー」となってる姿が印象深かったです

モミーさん:そうですね。そう思いました。

坂本:あの時、どういう風に感じたんですか?

モミーさん:前にfacebookに書いた、「称号プロジェクト」を作ったのは、この件がキッカケで。

坂本:補足しますと、「称号プロジェクト」とは、モミーさんから社員1人1人に、「勇者みたいな称号」が書かれた「名刺大のかっこいいカード」を配った企画ですね。モミーさんの称号は、「ドライフルーツとナッツの上位探求者」。ミヨさんも、「ドライフルーツとナッツの世界の冒険者」という称号を持ちましたね。

モミーさん:(ミヨさんに)「自分は受注処理の人だ」って思わせてしまってたから。本人と話して、役割や方向性を聞き出して称号にしました。カードの裏に説明も書きました。それによって、「これを作るのは、あなたがやりたいことだよね」とか。「やりたいならやればいいじゃん」とか「それを考えるのはあなたの仕事」って言いやすくなった。

坂本「確かに受注の仕事もあるけど、あなたの本来の称号(役割)はコレ」という設定をして、セルフイメージをアップデートしていただきました。あの時、ミヨさんとはいろいろ話しましたね。

「フレーバーナッツ作るのは好き」「アイディアを広げるのが好き」
「受注処理するのはイヤじゃない」「作業者のマネージャーするのは、どっちかと言うと好き」
「任せられるのは好き」「ヤフーの父の日、任されるのは好き」「割と完璧主義」
「新しいことを発信するのは好き」「マルチタスクが好きではない」
「でもauPayモールは、やらなきゃいけないけどあんまり好きじゃない」

とかとか。

モミーさん:そうですね。

坂本:話し合って、「自分がやりたい仕事をやりやすくしていく」ためにも、お店のためにも、「ミヨさんチームを作って、相方になる在宅スタッフもいるといいよね」という話になって。そこから、「新しい在宅スタッフを募集するプロジェクト」が始まりました。

モミーさん:まさにそうですね。

坂本:確か、ミヨさんと「定期的に飲んで話す」という社内行事も、作りましたよね。それまでは、話す機会も減っていたとかで。

モミーさん:そうです。つい、「相手は分かっている」と思ってしまう。でもそんなに伝わってない。きちんと話してみるとやっぱりよかった。

坂本:やばい。重要。そして反省。「分かってくれている、と思ってしまう」。

「自律するチーム」の確立

坂本:その後、ミヨさんが関与する商品開発の数は増えました?

モミーさん:いや、同じかなあ。増えてないです。

坂本:これは想像ですけど、ミヨさんは称号によって、「自分は受注処理の人じゃない」というセルフイメージになっている。そして、「商品開発をやろうと思ったら、やれる状態」が担保されていることに、安心感や納得感を覚えていて。
だからと言って、商品開発の方に集中するかと言うと、まずはやるべき目先の仕事(受注処理)があるから、そちらをやっている。今までのように特にセルフイメージ設定がなく、「自分は受注処理の人」と思っていた頃と比べると、納得して日々の仕事ができている感じでしょうか?

モミーさん:そうです。あとは、「どこまで勝手に動けるか」(自由度)の影響もあるんじゃないですか。

坂本マイクロマネージメントではなく、任せられるようになった。ミヨさんも「裁量を任せられたんだ」という自覚を持つようになった
そこから、実店舗の人にも「称号プロジェクト」が広まっていって。人それぞれの興味関心を「称号」にして、仕事を頼む時にも、「あなたはこういうことをしたい人だから、これをやりませんか?」という感じで頼むようになった。マネジメント観点ですごく重要ですね。

コンテンツ発信が爆増

坂本ECチームに新しい在宅スタッフが入り、ミヨさんチームとして自律的に活動するようになった。この辺からモミーさんは余剰時間ができ始めて、コンテンツ(ブログ運用)の話をしはじめましたね。

モミーさん:そうですね、うん。

坂本:「ブログはあるけど、更新できていない」という話が出て。弊社から「在宅ライターによるコンテンツ制作」を提案して、導入しましたね。その後、すごいペースで記事を作ってますね。

モミーさん:そうですね。時間がある時にまとめて依頼します。2-3時間かかりますけど。

坂本:2-3時間かけて準備した依頼が、何記事分ぐらいになるんですか?

モミーさん:更新と新規とあわせたら、30記事分ぐらいじゃないですか。

坂本:すごい。執筆した記事は、もう検索上位になってますよね。

モミーさん:そうですね、「こんな要素で、こんなことを書いてほしいんだけど、順番こんな方が書きやすい?」とか。「内容こっちのどう思う?」というのを含めて、ガツッとライターさんに送ったら、1週間後ぐらいに、「こっちの方が書きやすいです」「こういう意識であってますか?」とか、そういうのがワアーっと送られてきて。
「じゃあ、それでいきましょう」って言って、半分ぐらい進んでいるんで。今は上がってきた記事をチェックして公開する以外、僕は何もしてないです。ラリーじゃなくて、すごい遠くにボーンって投げて、返ってくるのを待ってる感じなので、やりやすいです。

坂本:なるほど。自分が1から10まで指示しないで、「相手に考えてもらう」

モミーさん:これ一番よかったと思いますよ。「関係性を作っていくと、ちゃんとこちらの想定以上のものが出てくるんだ」っていう仕事が体感できたっていうのは、多分デカいと思いますね。

坂本:いやー、素晴らしい。そういう成功体験を踏んだことにより、「マイクロマネジメント習慣を手放せる」という。なるほど、その話は知らなかったです。そうだったんですね。相談しながら、向こうからも提案してくれたり、在宅スタッフの人が「こっちの方がやりやすいです」なんて言って下さるんですね。そういえばライターさんの人選の際に、もう一人の人と悩んで、今の方にしましたね。

モミーさん:そうですね。話しやすい人にしたんですね。

坂本:話しやすいのは大事ですよね。やっぱ話しやすかったから、相談的な仕事の振り方もできましたよね。

モミーさん:そうですね。

坂本:それによって、モミーさんの仕事の頼み方のバージョンアップができたわけですから、二重の意味でよかったですね。この後、コンテンツはがんがん進むようになりました。実は、コンテンツより「人に仕事を頼むってなんだろう」「仕事を切り出すってなんだろう」という話に、だんだん深まっていったんですよね。

一連の取り組みを振り返って

一連の施策を実行し、考え方をアップデートして、どうなったかを振り返っていただきました。

現在の働き方

坂本:今はどんな感じですか?

モミーさん:いま休みボケで、仕事したくない気分w

坂本:昔は「休みの日もガンガン仕事してた」から、休めている感じですかね。でも、仕事は多いんですよね?

モミーさん:多いけど、前より考えてない・・という言い方は変かな。要は「これはまだ先の仕事だよね」という案件は置いておけるようになったし、早くにやるべきものは人に投げやすくなったから、「やることは多いけど、あたふたしてない」という方が近いですかね。

坂本:やることは多いけれど、「前より考えていない」というのは、すごいですね。

モミーさん:多分(頭の中の)ボックス機能に、考えが整理されるようになったので。昔も今も、多分仕事の数は変わらないけど。「(この仕事を)これに継ぎ足して、一緒にやろう」と思ったり。取り出してみたけど、進行中の仕事で手一杯だから、「もう一回閉まっとこう」と思ったりとか。多分、その辺がコントロールできるようになったからじゃないかなあ。

坂本:お手玉がめっちゃ上手になってる、みたいな感じですね。お手玉するまでもなく、2個までしか持たないとか。

モミーさん:そうそう、それもあると思いますね。

坂本:以前は、「何か忙しい」「1から10まで言わなくてもやってくれる人がいれば、解決するのではないか」と、答えを「外」に求めていた。いまは「これは先でいいな」「この仕事は、こうすれば依頼先に渡せるな」など仕事を調整できていて、パンクしないわけですね。

モミーさんもともと僕って、仕事のやり方を説明する時に、「右足から歩く」まで伝えようとする人だったのですが、それがどんどん雑になっていて。今はざっくり指示して、相手から「こうやってこうやって行って、これでいいですかね?」「いいよ」「はーい」みたいな風に多分なっています。

坂本:以前のモミーさんは、凄く心配性で定義したい方だった。一年経った現在は、ざっくりした指示で人に仕事を頼めるぐらいに、雑でいられるようになった。それでいて、ポイントは外さずに済んでいる。あってますか?

モミーさん:そうですそうです、はい。

坂本:なるほど。コンサルを開始してから一年経って、一番変わったのはモミーさん自身だった、ということですね。

モミーさん:そうかもしれないですね。うん。

「任せられる状態」に移行するには

坂本:なぜ、変わったんでしょうか?

モミーさん:なんだろうなあ。でも、やっぱり「関係性の構築」と「手順」じゃないですか。「最初ちょっとずつ切り出し」とか「一緒に勉強する」とか、「悩みごとをぶん投げてみる」とか。その辺で、なんか変わってくるような気がしますよね。

坂本:なるほど。 「仕事を頼む相手とのコミュニケ―ションのやり方」ですよね。相手との関係を構築するようにした。手順を定義するようにした。具体的には、悩みの段階から話すようにした。そういう「これまでと違う頼み方」を発見した。

モミーさん:そうですね。頼み方の発見。

坂本:昔は、「まず○○駅から○○線に乗って、ここで乗り換えて」というオーダーをしていた。
今は、「なるべく早く東京駅に行きたいんですよ」「どうしたら一番早く大宮に行けると思う?」というように、目的を伝え、手段を委ねるようになった。どうでしょう?

モミーさん:場合によっては、「大宮に行くのって大事なのかなあ」みたいな話をします。

坂本:ここ大事ですね!「目的地を伝え、ルートは考えてもらう」だけでなく、「目的地の妥当性」の話もしているんですね。

モミーさん:そうそう。仕事の確認をするときも、以前の自分は「右足から踏み出していますか?」みたいな細かい聞き方になることが多かったわけです。今はそうじゃなくて。
「大宮行きの件はどうなっている?」という話し方ですね。「そういや今年は、大宮と宇都宮に行くんだっけ?」「いや、宇都宮は違います」みたいな所を話すだけ。実は、こういうある程度以上の頻度で「目的」を話しておく方が、細かい確認よりよっぽど大事だなあっていう。

坂本:「いま何考えてるの?」とか「今の目的地はどこだと思う?」といった、抽象的な問いで相手を理解することが、より重要だと思えるようになった。そのようなスタンスに立つと、ふわっとした会話にもメリットを感じられるようになり、コミュニケーションがしやすくなった。

モミーさん:そうですね。なるほど。それによって結構整理されたり、次の話がしやすかったりしてくるんだろうなっていう気はしましたね。

坂本:そういえば、10年くらい前、モミーさんが「一人で数千万売っているすごい人」と言われていた頃は、「細かく路線を指定できる能力」がウリでしたよね。細かいオペレーションまで自分で考えられるが故に、その強みに囚われてしまっていた。

モミーさん:はい、そうですね。

坂本:いつしか「細かく指定する」ことに疲れた。だから、「1から10までやってくれる人がいるといいなあ」と言っていた。一年経って、一番変わったのはモミーさん自身だった。
そのような自分に変われた理由は、有能で頼れるメンバーと外部パートナーの皆さんと、あとモミーさん自身の感覚の変化。具体的には、「細かい手順の指定ではなく、ざっくりした目的の話や、手前のコミュニケーション」からできるようになった。

モミーさん:そうですね。

坂本:まあ「1から10までオーダーしないと動かない人」に囲まれてたら、こうはならないですけどね。周りの皆さんの優秀さがあってこそです。

モミーさん:まあ、それはそうですね。

コマースデザインは何に貢献したか?

坂本:最後に、この一連の変化の中で、僕らコマースデザインはどんな貢献をできたか?「この辺りがよかったよ」というフィードバックを、少しでいいので何か頂けると嬉しいです。

モミーさん:何だろう?だから、結局、「整理って、できてるようでできてない」んだなあと思いますね

坂本:どういうことですか?

モミーさん:基本的に、僕は考えるのは得意な方じゃないですか。頭の中だけではなく、書いて考えたりもするんですけど。ただ、散らかったものを散らかったまま書いて、散らかったまま飲み込もうとしてるので、考えれば考えるほど、より仕事量が多くなったりするわけですよね。
だけど、話していくうちに、「ここ、いらなくないですか?」「ここ整理できるんじゃないですか」と人に言ってもらうのって、やっぱり大事なんだなあと思いましたね。あと、何を言うかより「誰が言うか」なのかなって思います。

坂本:信頼できる相手であるかどうか。

モミーさん:ベイビーステップで、ちょっとずつやっていかないと、結局うまくはいかないと思うんです。多分(コンサルティングの)スタートの時、「モミーさん、答えはこれだよ」って渡されても、俺はこうならなかったと思うんですよね。多分、「壁打ちをやる」ということが、とても上手なんだろうなあっていう。

坂本:ほめられた。ありがとうございます。いきなり正解の施策が突然登場しても、納得しなかったんじゃないかと。施策に至るまでの壁打ち、「一緒に作っていくプロセス」が、納得感のために必要だったという。「施策をいろいろ実行していくことが大事」って僕らも思いがちですけど、「壁打ちが一番大事だった」っていうことですね。

モミーさんやっぱりコマースデザインの「壁打ち」、その後の「まとめ」は、一回みんなやった方がいいんじゃない?って思います!

坂本:頂きました。ありがとうございます!

まとめ

ということで今回は、「新しくやりたいことが色々ある。でも『何となくカオス』」の状態から、「カオスがなくなった」悟りの状態になっていくプロセスを、モミーさんにお話しいただきました。

ポイントの解説

モミーさんに限らず、多くの中小ECの社長・店長さんは、だいたいこういう状況にハマりがちです。

  • (1)色々自分でやる  →忙しい
  • (2)忙しい      →社員に状況を説明しない
  • (3)状況説明しない  →自分しか分からない
  • (4)自分しか分からない→色々自分でやる(最初に戻る)

つまり、悪循環!

対策としては、まずは(1)(2)に対する「多忙対策」、つまり時間捻出や業務改善。
次に、(3)(4)への対策として、「チーム化」のコミュニケーション強化が考えられます。

今回も、概ねこのパターンに合致したように思います。※やっている最中は手探りでしたけどね・・

要点をおさらい

いろいろポイントがありましたね。

時間捻出の施策
  • まず足元の「切り出しにくい雑務」を何とかした
  • 右腕社員が「自分の役割範囲」を狭く捉えていたので、興味関心を聞きつつ再設定
  • 在宅スタッフ増員などで、能動的に動いてもらえる環境を作った
チーム化の施策
  • 日頃から「お互いが何を考えているか」呼吸をあわせるコミュニケーションの強化
  • 「手順の指示」ではなく、「目的を伝えて考えてもらう」スタンス
  • 「目的の妥当性」について話し合うスタンス

なかなか濃い取り組みでした!

最後にちょっと余談。

その後、モミーさんは、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーの「SDGs賞」を受賞されました
これは「SDGsな取り組み」をしている店舗に贈られる賞で、評価項目に「働きがい」の整備も含まれているそうで。例の「称号プロジェクト」や、弊社のお手伝いも受賞に貢献したと伺いました。

モミーさんは今後、ナッツやドライフルーツに限らず、食べ物を探求し、人々に美味しさ・面白さを伝えていくそうです。モミーさんの右腕のミヨさんも同じ思いだし、ECだけでなく、実店舗のメンバーも同じ志の方が多いとのこと。
やっぱり、チームは「共通の目的」でつながっていることが大切ですね。そして、「称号プロジェクト」のように、「メンバーがお互いの関心を理解しあっている」と連携が強くなるようです。

状況は会社ごとに違いますが、このお話が、ご自分の状況を考える参考になれば幸いです。ECチームづくりや効率化のご支援が必要な方は、ぜひ我々にご相談ください。

いいチームを作りましょう!

カテゴリー: EC事業の組織論

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