こんにちは。コンサルタントの味藤です。
この記事を読んで頂くと、簡単に集客力アップのヒントが見つかると思います。
今回は、楽天出店者の方向けにRMSの便利な機能をご紹介します。
それは「商品別参照元」機能。みなさん使っていますか?この機能を使うと、お客さんがどこで商品を見つけてページにやって来ているのかが分かります!それが分かると、「商品ページをもっと見てもらうために、どこに注力していくべきか」を判断できるようになりますよね。
検索対策をして集客力アップを目指す方が多いですが、「実は検索経由だけでなく、それ以外の流入経路が半分以上を占めている」ということはザラにあります。それが分かるのがこの機能です。
検索対策の成果は頭打ちになることも多いですが、店内の回遊性改善やそれ以外の集客導線の向上は、まだまだ手付かずで非常に伸ばし所の多い分野です。このツールをぜひ活用して、売上や集客力アップのヒントを見つけてください。
- 目次 -
「商品別参照元」ってどんな機能?
今回は「商品別参照元」の機能の説明だけではなく、「回遊性の施策が有効だったお店の事例」も紹介します。
店舗内での回遊性を高める施策は、検索対策と同じくらいのポテンシャルを秘めています。
その対策を行う際にヒントになるのが、「商品別参照元」です。
「商品別参照元」とは何かと言うと、商品ページごとに「お客さんがどこから来たか」を分析できるツールです。
昔話:以前はトラッキングデータで回遊性が分かりました
昔はトラッキングデータがとれたので、楽天店舗内の回遊性をつぶさに知ることができました。
しかし、2022年3月、トラッキングデータが店舗に共有されなくなり、「ユーザーが店舗内をどう回遊しているか」の情報がとれなくなってしまいました。
「昔はお客さんの回遊導線を確認できたけど、最近見れないよね…」と思っている方が恐らくいらっしゃるかと思うんですけれど、そういった方にとってこの機能は朗報かと思います。「商品別参照元」機能を使うことで、トラッキングデータと似たような分析ができます!
楽天市場の回遊性を分析するのに、とても便利でおもしろい機能なので「知らなかった!」「使ったことがない」という方は、是非この記事を読んで試してみてください。
「お客さんがどこから来たか」が分かる
「商品別参照元」機能では、流入経路のデータをCSV形式でダウンロードすることができ、「どの経路が一番アクセスに貢献しているか」を分析することができます。
「この商品ページに来ているお客さんは、〇%は楽天サーチから、〇%は店舗内の他の商品ページから、〇%はGoogle検索から、残りは…」というように、お客さんがどの経路から商品ページに訪れたのかを、確認することができます。
流入経路(※一部抜粋) |
分類1 | 分類2 | 参照元 |
---|---|---|
楽天市場内 | 店舗内 | 店舗内検索 |
店舗カテゴリページ | ||
店舗商品ページ | ||
楽天市場内 | 店舗外 | 楽天サーチ |
楽天市場トップ | ||
ランキング市場 | ||
買い物かご | ||
閲覧履歴 | ||
みんなのレビュー | ||
ROOM | ||
楽天市場外 | 店舗外 | |
Yahoo | ||
LINE |
注意:「分析対象の商品ページ」も参照元としてカウントされます
「商品別参照元」データのアクセスは、分析対象の商品ページもカウントされます。具体的にはこんな感じ。
【ユーザーの行動】 楽天サーチ→「商品ページA」を見に来る→みんなのレビュー(レビューを見る)→「商品ページA」に戻る
このように閲覧した場合、商品ページAの参照元は、以下のようにカウントされます。
■商品ページAの参照元 ・楽天サーチ 1 ・店舗商品ページ 1 ・みんなのレビュー 1
つまり、特定の商品ページが閲覧されるまでのユーザー行動経路のひとつひとつが、「参照元」として記録されます。分析対象である「商品ページA」の閲覧も参照元としてカウントされますし、ユーザーが行動した分だけ参照元のカウントはどんどん増えます。
なので、データを見る際には、参照元に「店舗商品ページ」が多くても、店舗内の「他の商品ページ」からの回遊のみではない、ということに注意しましょう。
こうした集計の特徴を踏まえ、データを解釈するようにしてくださいね。例えば、参照元データ内の「店舗商品ページ」が多い場合は、”傾向として”他の商品ページからの回遊導性が機能しているという風に捉えてください。
「商品別参照元」をどう活用する?
では、「商品別参照元」のデータの確認場所と、活用方法をご紹介します。
「商品別参照元」CSVのダウンロード手順
商品別参照元のCSVファイルは、以下の手順でダウンロードすることができます。
- RMSにログインします
- 「データ分析」>「アクセス・流入分析」をクリック
- 「商品ページ」をクリック
- 「商品ページ分析画面」が表示されるので、流入元を調べたい商品を「日次」で検索
- ※参照元CSVは、日次データのみ提供されています。月次を選択した場合は利用できません。
- ※参照元CSVは、日次データのみ提供されています。月次を選択した場合は利用できません。
- 表示された商品の「CSVダウンロード」欄の「参照元」ボタンをクリック。するとCSVをダウンロードできます
商品別参照元データのレイアウト
こんな感じで、日別に商品別の参照元(流入経路)を見ることができます(※ダミーデータです)。
日付 | 参照元 | エリア1 | エリア2 | アクセス人数 | アクセス人数割合 | ユニークユーザー数 |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/10/25 | 楽天サーチ | 楽天市場内 | 店舗外 | 102 | 0.12% | 95 |
2023/10/25 | 楽天市場外 | 店舗外 | 50 | 0.05% | 49 | |
2023/10/25 | 店舗商品ページ | 楽天市場内 | 店舗内 | 33 | 0.03% | 31 |
2023/10/25 | 楽天市場外 | 店舗外 | 22 | 0.02% | 20 | |
2023/10/25 | 楽天市場トップ | 楽天市場内 | 店舗外 | 18 | 0.01% | 17 |
2023/10/25 | 店舗カテゴリページ | 楽天市場内 | 店舗外 | 15 | 0.01% | 14 |
2023/10/25 | Line | 楽天市場外 | 店舗外 | 10 | 0.01% | 10 |
2023/10/25 | 楽天イベントページ | 楽天市場内 | 店舗外 | 10 | 0.01% | 8 |
「Excelやスプレットシートで集計して利用」がオススメ
このCSVをエクセルやGoogleスプレッドシートで集計すると、それぞれの商品について「どの経路が一番アクセス貢献しているか」が一目で分かります。
流入経路別の集計例 |
流入経路 | 来客数(ユニークユーザー数) | 来客数の比率 |
---|---|---|
楽天サーチ | 403 | 45.5% |
店舗商品ページ | 233 | 24.1% |
120 | 14.4% | |
91 | 8.4% | |
楽天市場トップ | 80 | 7.5% |
ちなみに弊社のコンサルティングでは、会員のみなさん向けに「商品別参照元」を簡単に集計&分析できるツールをご提供しています。会員の方で「気になる」「使いたい」という方は、担当コンサルタントにご連絡ください。
実際の分析例をご紹介。回遊性施策が有効だった事例
実際に「商品別参照元」機能を使って、とある店舗の流入元を分析してみます。
当社では、毎週コンサルティング部のメンバーで「ECのナレッジ共有会」を実施しています。その中で「商品別参照元で分析すると分かりやすい」という話で登場した事例です。
「商品別参照元」を使ったことがない方でも、「こういう風に使うのか」という用途や発見を追体験できるので、どのように役立つのか分かりやすいと思います。
流入経路をランキング集計する
このお店の主力商品ページについて、「商品別参照元」データを集計した所、「流入経路の内訳」は以下の通りでした。
No | 流入経路 | 来客数の比率 |
---|---|---|
1 | 楽天サーチ | 36% |
2 | 店舗商品ページ | 20% |
3 | 参照元不明 | 12% |
4 | 楽天市場トップページ | 7% |
5 | 店舗トップページ | 6% |
6 | 6% | |
7 | ランキング市場 | 2% |
8 | LINE | 1% |
9 | 店舗内検索 | 1% |
全体のアクセス数のうち、一番多い流入経路は「楽天サーチ」です。
ほとんど楽天サーチかと思いきや、アクセス数で言ったら4割ないぐらいです。ここからが面白いです。
流入経路を分析してみる
「楽天サーチの次に多かった流入経路はどこか?」と言うと、2番目は「店舗内の他の商品ページ」でした(20%)。
「店舗内の回遊動線」から、多くのお客さんが来ているんですね。(※注)
実はこの店は、店舗内の回遊動線を工夫していて、「こういういい商品があるんですよ」というバナーを設置し、関連商品を効果的にアピールしていました。流入元のデータ分析から「このバナーがよくクリックされている」という仮説が立ちました。
3番目は、「参照元不明」でデータが取れませんでした(12%)。
4番目は、「楽天市場のトップページ」(7%)。これは閲覧履歴などから入ってくるので、多くなるのは当然です。「最近見た商品ページ」が閲覧履歴に出るわけですから、当然多くなりますよね。
5番目は、「お店のトップページ」(6%)でした。
6番目は、Google検索経由。続いて、「ランキング市場」「LINE」「店舗内検索」がランクインしています。
※注 冒頭の注意でお伝えしたように、参照元に「店舗商品ページ」が多いからといって、それは店舗内の「他の商品ページ」から回遊してきたケースのみではない、ということは踏まえて解釈するようにしてください。 この事例の場合、20%のアクセス全てが「店舗内の他の商品ページ」が経路となっているわけではなく、「その商品ページ」を閲覧した回数も含まれています。 なので、他の商品ページからの回遊導性が機能している「傾向がある」という風に捉えましょう。
「どの流入元が大事なのか」が分かる
これらの流入経路の情報から、この商品ページについて「どの流入経路が重要か」を判断することができます。
トップ5を見ると「楽天サーチ」が1位なので重要なのは当然ですが、このお店の場合、
- 店舗内の他の商品ページからの動線
- 店舗トップページからの動線
この2つが大きく貢献しており、重要な流入経路であることが分かります。
商品ページからの流入と店舗トップページからの流入を合わせると、「26%」になります。全体の4分の1にのぼりますね。
他にもGoogleやランキング市場など細々あるんですが、このお店の場合、「商品別参照元」のデータから、「楽天サーチ」と「店舗内の回遊動線」が重要であることが分かりました。
まとめ
今回は、楽天市場の「商品別参照元」機能と、実際の分析事例として、商品ページへ誘導するバナーを上手に作っている店舗をご紹介しました。
回遊動線を上手に調整すると「回遊動線からの流入」が多くなり、商品ページのアクセス数を増やすことができます。
モール内の検索対策も大事ですが、回遊性も同じくらい大事です。
店舗内の回遊動線は、商品によっては楽天サーチに匹敵するくらいのポテンシャルがあります。モールSEOを考えている方は、回遊性対策の動線を工夫することを検討してみてください。
「商品別参照元」機能については、言葉だけでは理解しづらいかもしれませんので、実際の画面を見て試しに使ってみてくださいね。今回ご紹介した「商品別参照元」機能を上手に使って、「自店舗の流入経路でどこが大事なのか」を把握し、アクセス数アップ&売上アップにつなげましょう。
P.S.
楽天で売上をあげるためには、RMSの機能をしっかり把握し、使いこなすことが大切です。
今回ご紹介した「商品別参照元」機能を使った回遊導線の改善や、ほかにももっと重要なノウハウが色々とあります。こういった楽天店のノウハウに興味がある方は、お気軽にお問合せください。
この記事を書いた人
- 有名EC企業にて、店舗の立ち上げから店長まで一連の運営業務を経験し、実績を重ねる。その後、食品メーカーに転職、衰退した人気店の建て直しに尽力。2年間でアクセス数4倍、転換率2倍とし、再成長させる。メーカー型、仕入れ型、大規模、小規模共に経験している守備範囲の広さが強み。ネットショッピングが大好きで、女性ならではの柔らかい物腰の中に、鋭いお客目線が光る。