【2023年最新版】楽天ペナルティから店を守る!「落とし穴」にハマらないための違反点数制度チェックポイント

【最新版】楽天ペナルティから店を守る!「落とし穴」にハマらないための違反点数制度チェックポイント

こんにちは。コンサルタントの味藤です。 本日は、楽天市場の出店者さん向けのお話です。ちょっと今更感があるかもしれませんが、例の「違反点数制度」について、改めて注意喚起をさせてください。

実は・・2016年9月からこの制度が走り始めた後、ついうっかり、「いくつかの禁止行為」をしてしまい、注意を受ける店長さんが後を絶たないようなんです。 実際、弊社クライアントでも「うっかり見落とし」がありました。あなたは大丈夫ですか? 念のため再確認した方が良いですよ、といっても、あのガイドラインは量が多くて読むのが大変。

そこで、今回は、忙しい店長さんに代わり、「うっかりペナルティが発生しやすい禁止事項」を、弊社の方で厳選し、まとめました。※最新のガイドラインに従い、資料を更新しました(2023/04/14)。

さらっと読めて、事故の予防ができます。 お時間はいただきませんので、どうぞ最後までお付き合いいただき、健全な運営ができているかのチェックにお役立て下さい。

- 目次 -

はじめに:楽天ペナルティのおさらい

まず、今回の楽天ペナルティの経緯のおさらいです。

楽天店長さんは既にご存知かと思いますが、2016年9月1日、楽天市場で「違反点数制度」が施行されましたね。

ざっくりいうと、禁止商材の販売や不正行為など「楽天が定めた禁止行為」を行ったら、それが故意でなくとも「違反点が付与され、その累積点数に応じ、ペナルティが課せられる」というものです。

楽天ペナルティの種類

楽天ペナルティの種類は、下記の通りです。

  • 表示制限    :ランキングに載らない、検索順位が下がる、一部媒体に載らない
  • RMSの利用制限:メルマガ禁止、改装中の措置

ペナルティに加え、違反点数に応じた違約金(10~300万円)もあります。
(これ故、俗に「罰金制度」という人もいますね・・・)

※この制度が導入された経緯については、記事末尾で少し説明します。

なぜ「うっかりペナルティ」が起こるのか?

禁止事項が多くて、読むのが大変

制度が開始されるまで、約半年に渡り、楽天から再三の注意喚起がありました。なので、多くの方は「何が禁止事項なのか」、だいたいは把握していると思います。

ただ、全文読みきれていますか?盛りだくさんなので、「ざっと目を通しただけ」で、詳しい内容までは把握できてない方も多いのでは。

元々、悪質業者を取り締まるために制定されたので、「不正行為を行わない限り、ペナルティはない」という主旨です。しかし、違反行為の中には、ベテラン店長でもつい「うっかり」やってしまいそうなものが、いくつか含まれています。

実際に弊社コンサルティングの現場でも、「うちは大丈夫」と言っている店長さんが、よく確認したら、「実は対応が必要だった‥!」というケースが相次いでいます。

読むのが大変で、つい読み飛ばしがち

この「うっかり」の原因、おそらく「読み飛ばし」です。楽天ガイドラインには、禁止事項がたくさん載っていますよね。違法な商材を売る等の「普通にやっていれば関係ない禁止事項」が並んでいる中に、「つい、うっかりやってしまう」禁止事項がまぎれています

だから、「ウチは関係ないし、大丈夫大丈夫」と、本来目に留めるべき注意も、読み飛ばしてしまいがちです。その結果、知らない間に規約違反になって、ペナルティを受ける状態に。

そんな現場の状況を踏まえ、この記事では、楽天店長さんが「特に見逃しそうなケース」をピックアップしてご紹介します。ただし、今回触れるのは、特に重要そうなところの抜粋のみです。細かいところまではカバーしていませんので、ガイドライン全文は、社内で読み込んでくださいね。

「特にやりがちな違反行為」はコレ!

「違反点数制度の注意点」を、PDFにまとめました

「違反点数制度に関するガイドライン」について、要注意ポイントをまとめた資料を用意しました。
以下よりダウンロードし、印刷して見て下さい。社内での回覧をおすすめします。

楽天ペナルティの要注意ポイントの読み方

PDFファイルの以下の項目を、重点的にご確認下さい。

  • 小分類 :「違反と気づきにくい内容」を黄色くマークしました。
  • 関連業務:どの業務に該当するか(≒どの担当に該当するか)を記しています。たとえば、受注担当の方は「受注業務」と書いてある所を重点的に読むといいでしょう。
  • 備考欄 :対応のコツなどをメモしています。

※ちなみに私は、長年楽天を中心にネットショップ店長をしていました。
EC歴は10年近いです。その現場経験から選びましたが、どうしても主観的ではあります。その点はご容赦ください。

受注・顧客対応・発送業務での注意点

ここからは、要注意ポイントのうち「特に重要な箇所」を抜粋し、解説していきます。

【NG】「電話・FAX注文」は、課金回避と見なされる

お客さんには事情を説明し、カートからお買い物してもらいましょう。

楽天側としても、モール運営のビジネス上、「課金せずに場所だけ提供」することはできません。だから、ここは必要経費ととらえるべきです。

【NG】納品書などの帳票類の入れ間違い

たとえ故意でなくても、書類の入れ間違いはNGです。
ただ、封入もれや間違いなど、人為的なミスはゼロにするのは難しいですよね。なので、これを機にペーパーレス化するショップも増えています。

【注意】カード決済は「商品発送後」に実行すること

カード決済は、商品発送後に実行しなければなりません。先々の予約注文であっても然りです。

【OK】同梱物やチラシなどに、自社サイトURLを掲載

楽天店URLを併記することが必須ですが、自社サイトのURL掲載はOKです。

昔は「楽天の注文荷物に、本店や他モールのURLを含むものを入れるのは一切NG」だったので、この変更はうれしいですよね。店舗からの「現実的ではない」という声を受け、改善されたケースです。

販促・商品登録での注意点

【NG】「No.1・日本一・世界一・楽天最安値」などの表現

こういった表現は、そそるキャッチコピーを考えるあまり、うっかり書いてしまいがちです。なので、冷静に再確認しましょう。

【注意】ランクイン情報には、ランキング種別や掲載期間の併記が必須

ランキング情報をページに掲載する時は、いくつか必須情報があります。抜けている情報はありませんか?今後、「ランクイン実績のキャプチャ」を集める際には、一緒にメモしておきましょう。

※ちなみに弊社の無料ツールは、楽天のランキング・ガイドラインに対応しています。

必須情報を網羅したランキング受賞情報がメールで届きます。受信しておけば、過去の受賞履歴を簡単に把握でき、キャプチャもすぐに使えますよ。

【NG】「R-SNSで作成したアカウント以外」のSNSリンクの掲載

SNSについては、R-SNSで発行した「楽天市場専用のSNSアカウント」の外部リンクのみ掲載OKです。

【注意】外部サイト(自社サイト/外部ブログなど)のリンク掲載(楽天の許可が必要)

楽天市場以外のサイト(自社HPや他モール、YouTube等)の紹介は、原則禁止です(URLを記載せず、外部サイト名のみを記載する場合もNG)。

ただし、外部リンク申請をして、楽天市場が許可したURL」は掲載が認められています。例えば、「商品の使い方のYoutube動画」を商品ページに掲載したり、「オーダーメイドの見積依頼フォーム」を商品ページに掲載したり、などのケースです。

このように一定の条件を満たせば、外部リンクは使えます。

必要条件と例外許可が認められるリンクの詳細はこちら(※要RMSログイン)。

尚、GOLDで作成したページでは、外部URLのエラー判定がされず、見落としがちなので要注意。

楽天サーチの検索関連の注意点

【NG】ユーザが読めない「背景同色文字」「極端に小さい文字」

文字をCSSで隠すのもNGです。以前やっていた方は、外し忘れがないか要チェックを。

※「ページ内に『関連キーワード』を羅列する行為」は、推奨しないものの、今の時点ではペナルティなし。ただ、「お客さんの不快感につながり、購入率を下げる要因となり得る」「Google検索上は不利」など、マイナスが大きいので、やらない方が無難です。

なお、検索結果に表示させるために「関係のないキーワード」をページに書くことは、もちろん規約違反です。

【NG】ページを複製し、同一商品を複数登録

ただし、スーパーSALEサーチ申請時は例外です。

*   *   *

特に気になったポイントとしては、以上です。

店舗の「違反点数制度」との向き合い方

普通に健全な店舗運営をしている方にとっては、ネガティブに受け取られがちな制度です。‥が、「何が違反行為なのか」が打ち出されたことで、以前よりも具体的な対策を立てられるようになったと言えます。

違反点数制度の楽天側の背景

ちなみに、この制度が始まる以前は、一番重いペナルティは「退店処置」でした。

ただ、一部の悪質な企業がその裏をかき、「退店を喰らうこと」を前提に何度も出店し、不正行為を繰り返すことがまかり通っていたとか。楽天としては、そういった悪徳業者を取り締まるため、この制度を制定したのだそうです。

サービス向上として、前向きに取り組もう

この記事は「楽天の規約を把握して、ペナルティに備える」ことを念頭に置いて書きました。俯瞰して考えると、「きちんとサービス提供する」「スパム行為をしない」といったことは、誰かに言われるまでもなく意識すべきですよね。

どうせ対応しなければならないのなら、単にペナルティ対策としてではなく、店舗運営の甘い部分を探り出す機会と見立てて、取り組んで頂くといいのではないかと思います。

楽天だけでなく、他モールや本店全体のサービス強化・コンプライアンス強化にもつながりますから。

まとめ:楽天ペナルティ対策でやるべきこと

最後に、楽天ペナルティ対策でやるべきことをまとめます。

  • 「自分の店はクリーン」と言えるよう、今一度、違反行為一覧を読み込みましょう。前述のPDFを印刷し、ひとつひとつ読んで確認しましょう。読み飛ばしには注意。
  • 店長さんだけ把握していてもダメなので、チームで確認しましょう。
  • 楽天からの公式の案内もご確認ください。
  • 確認して問題なかった場合でも、引き続き気を緩めず、基準通りの運営ができているか、全社で危機管理を継続しましょう。
  • 何か気づいたことを、風通しよくフィードバックし合える体制を作りましょう。(察知するアンテナは多いに越したことはないですから、アルバイトさんにも周知を)
  • 最悪の事態(ペナルティ発動)を想定し、その時どう動くかシミュレーションしておくと、心構えができ、万が一の時に取り乱さずに済むかもしれません。ルールを決めておくのもいいですね(○○や○○が起こったら、夜何時でも社長の携帯に電話など)。

以上です。ご確認お疲れ様でした。

この機会に、安心して楽天店の運営ができる体制を整えましょう!

P.S.
そういえば・・年末年始のバタつく時期こそ、充分に注意してくださいね!
累積した違反点は、年に一度「1月1日」にリセットされます。なので、年末ならともかく年明け早々に過失があると、「その後一年間、毎月課金が発生」しますから、打撃がとても大きいです。ご注意ください。

P.P.S.
弊社コンサルティングでは、売上アップの支援だけでなく、うっかりペナルティの発生など、各種トラブルのご相談も受けています。安心して運営するための「味方」がほしい方は、ぜひコンサルティングをご活用ください。私たちはあなたの味方です!

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この記事を書いた人

味藤絵美子
有名EC企業にて、店舗の立ち上げから店長まで一連の運営業務を経験し、実績を重ねる。その後、食品メーカーに転職、衰退した人気店の建て直しに尽力。2年間でアクセス数4倍、転換率2倍とし、再成長させる。メーカー型、仕入れ型、大規模、小規模共に経験している守備範囲の広さが強み。ネットショッピングが大好きで、女性ならではの柔らかい物腰の中に、鋭いお客目線が光る。

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