伸びている会社は知っている。「効率化」と「絶対に削らない仕事」のバランス

こんにちは。コンサルタントの杉浦です。
今回は、あるクライアントさんの成功事例から、業務の効率化をしすぎずに、事業が成功しているケースについて、お話したいと思います。

忙しい経営者の方にとって、業務効率化は重要なテーマですが、効率化も行きすぎると副作用が起きることもあります。そこで、今回は「時間配分や業務効率化は大事だけど、こういうところは効率化し過ぎてはいけないよね」という塩梅を解説します。

はじめに

本題に入る前に、まず前提をご説明します。

私たちは「業務効率化時間捻出は非常に効果が大きい」と考えており、重視しています。ですから、普段からコンサルティングをしていく中でも、支援先のネットショップの方に「時間の余裕を捻出することは大事ですよ」「頼める仕事は切り出した方がいいですよ」ということを、口を酸っぱくしてお伝えしています。

そこで、「業務効率化や時間捻出は大事」という前提で、効率化しすぎずにうまくいっている2社のエピソードをご紹介します。

成功している社長が手を抜かない仕事とは?

ご紹介する成功事例は、どちらも「取引先への対応」です。社長さんが自ら取引先に足を運ぶことによって、良い商品を手配することができ、お店の競争力になっています。

AさんとBさん、それぞれ事例をご紹介します。Aさんは食品で、Bさんは家具雑貨を扱うお店です。

食品関係を扱うAさんの場合

まずは、食品を取り扱っているネットショップの事例です。
Aさんは、自ら生産者さんに会いに行き、「直接交渉して、良い食材を仕入れる」ことがとても重要だと考えています。単に仕入れているだけでは、売上につながらないので、社長が自ら動いて、生産者と良い人間関係を作ることで、他店よりも上手に、良い商品を仕入れることができているわけですね。

そして、「生産者のみなさんとの関係性があるからこそ、この商品を売ることができる」という風に、商品ページでちゃんとアピールしています。この見せ方によって、「これはいい商品だ」ということがきちんとお客さんに伝わり、売れているわけです。

家具・雑貨を扱うBさんの場合

家具雑貨を取り扱っているネットショップの事例です。Bさんも、Aさんのケースととてもよく似ています。

Bさんの場合は、腕の良い職人さんと自らやりとりして、商品を作ってもらったり、良い仕事をしてもらっています。腕利きの職人さんは人気があるので、雑に頼んでしまうと、納品までとても待たされる場合もあります。しかし、Bさんは自ら職人さんに会いに行き、コミュニケーションを取ることで、優先的に対応してもらうことができています。

人間関係や「人柄が気に入られる」などの印象によるポジティブな効果も考えられますが、「職人さんはどんなことに困っているのか」「こういう点がやりづらい」というちょっとした引っ掛かりも、頻繁にコミュニケーションすることで解消することができ、職人さんにとっても「業務効率が上がる」というメリットが生まれています。

さらに、Bさんは「作ってくれてありがとう」という感謝の気持ちを、再三職人さんに伝えています。もちろん、担当者でも言えることですが、社長が自ら出向くことによって、良い関係を作って、良い商材を手に入れられるわけですね。

私たちはよく業務効率化を提案していますが、何もかもを効率化するわけではありません。

「仕入元との関係づくり」がどの程度の優先事項であるかは人により違うと思いますが、皆さんそれぞれに、こういった「削ってはいけない仕事」があるはずです。

業務効率化は、何のため?

そもそも、業務効率化や時間の捻出、「定型的な仕事は人に切り出そう」「振れる仕事は人に振ろう」という話を、なぜ、私たちは力を入れてお伝えしているのか?

それは、大事な仕事に時間をかけるためメリハリが重要だということです。

「価値を生む」ところに時間をかけて、メリハリをつける

つまり、お店の強み、価値につながる仕事には時間をかける。一方、そうではない仕事は減らしていく、あるいは人に切り出していくということですね。

生産者や取引先との交渉に価値がある場合は、当然そこに時間をかけるべきですし、取引先とのやり取りにそこまで価値はない、あるいは、他の担当者でもできるのであれば、社長はそこに時間をかける必要はないですよね。

では、高単価の商品を売っている場合はどうでしょうか。
1個売れると何万・何十万円となるような高額な商品を、接客しながら販売する場合。やっぱり社長さんやベテラン社員が自ら接客することによって、高い利益が取れることもありますから、そういうお店の場合は、接客業務を効率化・無人化、削減すべきではないでしょう。

「自店の強みを把握できているかどうか」が鍵

つまり何が言いたいかと言うと、「取引先対応に時間をかけましょう」でもなく、「接客には時間をかけましょう」でもなく、「取引先対応や接客が価値を生むならば、そこに時間をかけましょう。そうでなければ削減しましょう」ということです。

一番大事なポイントは、「自分の店や事業は、どの業務で強みが生かされているか」を把握し、そこにきちんと時間をかけ、それ以外の時間を削減していくというメリハリです。

突き詰めると、「自分の仕事で、価値を生んでいる仕事はなにか」を特定できているかという話になります。これが特定できていればメリハリをつけられますが、自分がやっている色々な仕事の中で、どれに意味があるのか、よく分からなかったら、メリハリのつけようもないですね。

ですから、「仕事の価値や強みを把握できているか」が肝だと言えるでしょう。

まとめ

今回は、「業務の効率化は大事だけど、時間をかけるべき仕事もある」という話をしました。「そもそも、業務効率化は何のため?」と考えると、時間をかけるべき仕事にきちんと腰を据えて取り組むためでもあります。

仕事を人に振ったり、外部に切り出したり、部下に任せたり…効率化の手法を考えるより前に、しっかり把握しておきたいのは、「自社(自店)の価値や強みを生み出している仕事はなにか?」です。それをきちんと把握できていれば、効率化する仕事と力を入れる仕事の塩梅が、ちょうどよくなるのではないでしょうか。

P.S.

もし、「業務の把握や効率化がうまいことできてないなあ」という場合は、まずは業務の棚卸と一覧化から取り組むことがおすすめです。
日々の業務で忙しい中、ひとりで取り組むのはなかなか大変ですが、当社コンサルタントとお話しながら整理して進めていくと、メリハリをつけるべき点が見えてくるのではないかと思います。ぜひお気軽にご相談下さい。

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この記事を書いた人

杉浦翔太
杉浦翔太
東証一部上場のITベンチャーで、ECサイト運営に携わる。自社EC改善・セール企画・メルマガ等の販促で、月商2億超えの売上に寄与。また、WEB媒体の法人営業も経験。顧客の成果を念頭に置き、丁寧なヒアリングと対話で、多くの顧客の信頼を得る。明るくて人懐っこく、誰とでもすぐに打ち解けられる。愛知県出身。サーフィンが好き。

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