あきらめる前に試してほしい!限られた人数でお店がウマく回る、3つのリモート施策

あきらめる前に試してほしい!限られた人数でお店がウマく回る、3つのリモート施策

こんにちは。コンサルタントの鳴瀬です。
ここのところの状況から、「スタッフが急に出勤できなくなった!」ということが増えていませんか?
リモートワークが急速に浸透してきたものの、「ウチはリモート化は難しい」「出社しなければできない」と、まだ二の足を踏んでいる方も少なくないはず。
でも、「無理!」と思い込んでいる業務でも、実はリモート化できたり、外に切り出せるものもあるんです!
残りの人員に負担を強いることになったり、それができないから全て自分でかぶってしまおう・・・とあきらめて無理をする前に、ぜひ乗り越えてうまく運営していただきたいと思います。

今回は、当社の業務改善コンサルティングで、実際に成果が出ている、「問い合わせ対応」や「受注業務」をリモート化して、業務を効率化する方法をご紹介します。

  • 自分で電話対応しているせいで、やるべき仕事に集中できない
  • 受注担当が出勤しているけど、在宅でできるようにしてあげたい
  • 受注担当の仕事を減らして、他の仕事をまかせたい
  • 受注担当が出勤できない、退職しそう

など、「社内の業務効率化」や「リモートワークを推進したい場合」に役立ちますよ。
また、採用や人材確保の観点からも、考え方を変えるきっかけになります。どうぞお役立てください。

はじめに

「問い合わせ対応や受注業務をリモート化する方法」として、3つの施策をご紹介します。
当社とベテラン店舗のノウハウを組み合わせた実践的な内容です。手間もさほどかからず、費用は月1~2万円程度。とてもいい方法なので、ぜひ試してみてください。

  1. 電話対応のリモート化
    • お客さんからの電話が、仕事に割り込んでこないようにします
    • ただし、こちらから電話をかける手間は発生します
  2. 受注処理のリモート化
    • 出勤しなくても、受注処理ができるようにします
    • コロナのような感染症対策にもなり、環境変化に対応しやすくなります
  3. 人材のリモート化
    • 雇用ではなく、業務請負契約で受注担当を雇います
    • 稼働は1日3時間程度ですから、その間の時給だけで済みます
    • 遠隔地の人や、出勤できないスタッフ、身内にも仕事を頼めます=採用難を解決できます

1.電話対応をリモート化する

まずは、電話対応のリモート化についてご紹介します。
入電対応を業者に切り出したり、問い合わせを減らす工夫したりすることで、時間捻出やリモートワーク化を行います。

「電話代行サービス」を検討する

電話代行サービスとは

電話代行サービスとは、お店の代わりにオペレーターが電話対応してくれるサービスです。お客さんから電話があると、自動的に代行会社に転送され、

  • 業者「担当は不在です。折り返しますので、番号と要件をいただけますか」
  • お客「この番号です。こういう件です」
  • 業者:「分かりました、追って担当より折り返します」

という感じで専用スタッフが応対し、入電をチャットやメールで教えてくれます。(要するに「電話番」ですね)
※ただし、コールセンターのように対応完了まではしてくれません。

どんな効果があるの

電話代行サービスを取り入れると、「お客さんの電話で仕事が細切れになる」「割り込みで集中力が削がれる」といったことがなくなり、業務効率が向上します。

ほかにも以下のような効果もあります。

  • 大事な仕事や、打ち合わせを邪魔されなくなる
  • 自分のタイミングで折返し電話ができるので、仕事のスケジュールが組みやすくなる
  • 留守中で電話が取れずに機会損失…ということもなくなる

どんな代行会社があるのか

例えば、以下のような代行会社があります。

料金は「月100件まで月額1万円」が相場のようです。電話が1日2~3件ぐらいであれば、このくらいの値段のサービスで十分でしょう。どんなサービスか、料金はいくらかなど、詳しくはサイトをご覧ください。

※チャットワークを使っている場合は「chatwork電話代行」、LINEやSlackを使っている場合は「fondesk」がおすすめです。

社外から電話する体制がない場合

代行会社から入電の連絡を受けた後、どう対応するかの話です。
オフィス勤務なら、事務所の電話から折り返せばOKですが、在宅スタッフに電話対応を任せたい場合は「どう折り返すか」の問題が出てきます。

一般には「会社支給の携帯電話を使ってもらう」ことが多いようです。‥が、導入コストや端末紛失のリスクを考えると、以下のような「クラウド電話サービス」(パソコンから電話をかける仕組み)もいいかもしれません。

電話本数を減らせないか検討する

電話代行の前に、「そもそも電話自体を減らす」という考え方もあります。電話を手間に感じている場合は、以下も考えてみましょう。

FAQで自己解決してもらう

「FAQページ」を設置して、お客さんに疑問を自己解決してもらいましょう。
自己解決できれば問い合わせる必要がなくなるので、一番の業務効率化ですね。

ただし、FAQページは「ただ作るだけ」ではダメです。お客さんにページ見てもらい、疑問が解決できて、はじめて問い合わせが減ります。ですから、FAQを用意したら、以下を行いましょう。

  • トップページや商品ページ内など、見やすい場所に設置して目立たせる
  • 随時QAの内容を更新・追加していく
注意点

FAQでの自己解決をどこまで推し進めるかは、商材によります。
たとえば、「高額商品」や「オーダーメイド商材」は、むしろ問い合わせを受けて接客したほうがいいです。問い合わせの削減は、業務効率化としては有効ですが、全てにおいて正解とは限りません。ご注意ください。

また、チャットbotの導入もおすすめです。最近はチャット接客ツールも増えていますから(モールにもありますよね)効率化できますよ。

電話の受付時間を短くする

電話の受付時間を短くすることも検討してみましょう
営業時間中、ずっと電話を受けるのではなく、たとえば「平日10時~14時まで」と対応時間を短くするイメージです。(受付時間外は、自動音声で応対する)
こうすると、物理的に電話の応対時間を減らせますよね。

「お客さんは不満に思わないの?」と心配されるかもしれません。しかし、この方法をやっている某楽天店舗はショップレビュー「4.82」と、とても高く評価されています。むしろファンが多いくらいですので、この方法が必ずしもサービス低下になるとは限りません。

電話によって担当を振り分ける

徹底的に行く場合は、IVR(=自動音声応答システム)を導入する方法もあります。
※「~~のお問い合わせは1番を、~~は2番を」でおなじみの音声ガイドのこと。

IVRを使えば、「ご注文や到着日については1番、トラブルについては2番」というように問い合わせの内容によって電話の取次先を振り分けられます。この仕組みを使えば、店長や責任者が簡単な問い合わせ対応に時間を割かずに済むので、より重要な仕事ができるようになる、というわけです。

2.受注処理をリモート化する

次は、「オフィス以外でも受注処理をできるようにする」お話です。
電話対応とあわせて受注処理もリモート化できると、かなり身軽な組織になれます。導入のポイント2点について、それぞれご紹介していきます。

  • 社外で安全に受注作業できる環境作り
  • 情報漏洩防止などのセキュリティ対策

VPNで社外から安全に作業する

ざっくり説明すると、VPNとは「社外から会社のネットワークに安全にアクセスする技術」のことです。これを使えば、自宅など社外からでも、会社のネットワークでしかできない仕事ができるようになります。詳しい説明は、以下の記事がわかりやすいです。

社内PCをVPN経由で操作→受注処理をする

VPNを使えば、自宅など社外からでも、社内PCを操作して受注処理などができるというわけです。社外のPCに重要なデータを残すことなく、安全に業務を進めることができます。

※いろいろなVPNサービスがありますが、どれがいいかはケースによります。ご自身で条件を決めて探してみましょう。Googleで検索すると解説サイトもたくさんでてきます。

よくわからない場合

「遠隔操作なんて本当にできるの」「よくわからない、難しい」という場合は、まずは「Chromeリモートデスクトップ」で、どんなものかを試してみることをおすすめします。以下の記事をご覧ください。

「Google Chromeブラウザ」と「Googleアカウント」の2つがあれば、誰でも無料でリモート操作できます。まずはこれで感覚をつかんで、必要性を感じたら、VPN導入の検討をするといいでしょう。

※セキュリティを考えると、「受注業務はVPN経由で行うこと」をおすすめします。Chromeリモートデスクトップは「ちょっとした軽作業」や「リモート操作を試す」程度にしておきましょう。

参考:他の業務もリモート化できます

ちなみに、受注業務の他にも、日常のコミュニケーションやファイル共有などもオンライン化することで、さらにリモート化を進められます。以下のブログで詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。

スタッフとセキュリティ保持の契約を交わす

ただ、受注作業を社外で回せるようになっても、情報セキュリティの問題がありますよね。いくら信頼しているスタッフとはいえ、社外でお客さんの個人情報や機密情報を扱わせるのは不安なものです。そんなときは、スタッフの方と「機密保持契約」などの契約を結んだり、セキュリティチェックを受けてもらうのがおすすめです。

当社のブログで、詳しい考え方とあわせて、社外でもセキュリティを担保しながら仕事をしてもらうための契約書や、チェックリストのテンプレートをご用意しています。必要な方は以下をご覧ください。

3.人材をリモート化する

1~2の対応が済むと、出勤が不要になるため、日本各地の人に、問い合わせ対応や受注業務の仕事をお願いできるようになります。そして、必ずしも地元で採用しなくて済むため、地方でよくある「人がいなくて採用できない問題」も解決できます。

在宅スタッフの募集

リモート化の体制が整うと、在宅スタッフを募集できるようになります。

地方にオフィスを構えている場合、「会社の近くに人がおらず、パソコンを触れる人がいない・採用ができない」という問題がよくありますよね。
「在宅勤務OK」になれば、日本全国ひいては世界中の人に仕事を依頼できるので、人材探しの幅が大きく広がります。たとえば、「ネットショップで受注業務経験がある人」「何ならページ作りもできる人」といった人からの応募も、簡単に集めることができます。

※ちなみに、「人材のリモート化」は、スタッフ募集だけでなく、現スタッフの雇用確保の上でもメリットがあります。たとえばコロナのような感染症対策で出勤できなくなったり、結婚や引っ越しでやむなく退職…という場合にも、リモート勤務体制があれば変わらず働いてもらえます。

「動画マニュアル」で業務を定着させる

最後の難関です。
採用が済んだあと、「リモートのスタッフにどう業務内容を理解してもらうか」「業務の相談をいかにこなすか」といった問題がでてきます。対応としては、たとえば、

  • チャットやLINEなど、メッセージや電話でやりとりする
  • ZOOMやskypeなどテレビ会議でやりとりする
    などが考えられますが、リモート環境で都度、教える/教わるのやりとりをするのはなかなか大変です。

そこで、「受注マニュアル」を用意しておくことをおすすめします。マニュアルを書くのは大変ですが、動画で用意すればとてもラクです。

一人でぶつぶつ録画するのは恥ずかしいかもしれませんが、たとえば「スタッフからの質問に答えるついでに録画する」イメージで作っていくとスムーズです。一度用意さえしてしまえば、以後、何度も見返せますし、何回も同じ質問を聞かれなくて済むようになります。新人さんが入ってきたときにも重宝します。ぜひ、お試しください。

まとめ

以上、問い合わせ対応や受注業務をリモート化する方法をご紹介しました。

当社には、この他にもネットショップ担当者の仕事を楽にする方法やノウハウがたくさんあります。中には、全く休みが取れなかった人が、週2日休めるようになった事例もあるくらいです。「最近、忙しすぎる。楽になりたい」「売上アップしたらパンクしそう」という方、その忙しさ一緒に解決しましょう。

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この記事を書いた人

鳴瀬早紀
鳴瀬早紀
楽天SOY受賞の有名アパレルネットショップで運営を担当。店舗の広告塔として、メルマガやSNSなどでの販促やコンテンツ制作に従事する。特にメルマガでは、常時開封率25%以上を維持し、メルマガ経由の売上の引き上げに成功。また、イベント時のセグメントメルマガでは、開封率50%超えを叩き出すなど実績も多数。音楽フェスに参加すること、朝ドラ鑑賞が趣味。ビールが好き。

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