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2021年【楽天新春カンファレンス】要点まとめ

こんにちは、川村です。先日、「楽天新春カンファレンス」はオンラインで開催されました。
既に、各メディアでニュースになっていますし、皆さんご存知かと思いますが、その内容について、簡単にかいつまんで独自解説したいと思います。

昨年1月のカンファレンス、8月のEXPOから、基本的な方針は変わっていないようです。夏のEXPOを踏まえ、坂本がブログで書いた「対アマゾンを意識したモール強化(3980円送料込など)」と、「対ヤフーを意識した経済圏戦争」の2軸それぞれで色々と進んでいるという感じです。

「ワンタリフ」とか「ワンデリバリ-」みたいな衝撃的な大ニュースはありませんが、以前からお伝えしているように経済圏が拡大してるよという話と、もう1つ、世の中的には大きなニュースではないんでしょうが、我々にとって目立つニュースとしては、「楽天市場出店者 友の会」という店舗の任意団体が楽天公認団体として、今後継続的に楽天に対して店舗の主張を伝えていくという役割を担うということが公式に発表されました。

はじめに

今回も、昨年夏のEXPOに続き、オンラインで開催されました。3万人見ていたとのことなので、視聴された楽天出店者の方も多いと思います。

まず、楽天の基本方針ってどんなだったっけ?という方向けに、おさらいから。

冒頭でお話した、「対アマゾンを意識したモール強化(3980円送料込など)」と、「対ヤフーを意識した経済圏戦争」の2軸について説明している昨年夏のカンファレンスを受けて坂本が書いたブログがこちらです。

そして、昨年の「新春カンファレンス」のまとめ記事はこちら。

以下、順番にご紹介していきます。

「楽天友の会」が楽天の公認になりました

2/1に施行された、「デジタルプラットフォーム取引透明化法」の対応として、行政向けの対応を行う「コマース渉外室」を設置するとのこと。また、3月に「楽天市場サービス向上委員会」を設立し、「友の会」と意見交換を行っていくということです。

巨大IT企業の不公正な取り引きを規制 新法がきょう施行(NHK NEWS WEB)

楽天 透明化法に対応する新組織 「サービス向上委員会」では「友の会」と意見公開(日本ネット経済新聞)

去年、楽天の新しいルール「3980円送料無料」に対して反対する団体として「楽天ユニオン」という団体が立ち上がって、ニュースになっていましたよね。この件で楽天は公取の立ち入り検査も受けています。

「楽天友の会」は以前このブログでもご紹介しましたが、

楽天と付き合いの長いベテランの店舗を中心として、楽天から見えないことを伝えていくという為に、店舗の意思で結成された団体です。
それがこのように、云わば労使協調路線みたいなもので、店舗側の意見を集約する役回りになりそうです。(実際は楽天と店舗は労使ではなく並列な関係ですが)

思い返せば、1997年に楽天が立ち上がってから20数年が経っています。
すっかり世の中のインフラの中心になったので、楽天という一民間企業では目の及ばない部分も多々あるはずです。楽天自体も、もはや市場以外も拡大を続け、すっかり大型化しているので、楽天の中で店舗運営している部隊もありますが、楽天社内での情報交換も行き届かない所があるでしょう。

そういう意味で、店舗側の意向を整理して伝えていくという役割が外部にあるというのは時代状況を考えると、自然なものかなあと思います。

穿った見方をすれば、楽天ユニオンのような楽天に不都合な団体ではなく、楽天にとって都合の良い相手だけを選んだ火消しをする為の団体で、提灯を持っているのではないかと思う人もいるでしょう。

ただ、中にいらっしゃる方々を私たちは結構たくさん知っており、当社コンサルのクライアントさんも複数入っているんですけど、「良くしていきたい!」という純粋な気持ちでやっている方が多いので、そういう事ではなく、真摯に向き合って出店者も発展していける声が届く場であると信じたいですね。

前述の通り、ECが公共のインフラ化していること、一企業ではカバーできないような大きい広がりを持っていることを考えると、もしかしたら、一般消費者の楽天友の会も結成して、店舗側の友の会と消費者側の友の会と楽天とが取り持っていくといいのかもしれないなと思いました。(妄想です)

店舗が持っている魅力やできること、お客さん側の需要等が上手く噛み合って、楽天がその間を取りもっていく存在になれば、中央管理型ではないモール型の新しい魅力が引き出されるかもしれないと妄想をしています。

「楽天経済圏」は、その後も好調

カンファレンス以降の発表:楽天モバイル新料金、社名変更

新春カンファレンス翌日、三木谷さんの予告通り、楽天モバイルの新料金プランが発表されましたね。
楽天が携帯新プラン発表へ 20ギガ以下1980円、1ギガまでは無料(ITmediaビジネス)

また、4月から社名を、楽天→楽天グループに変更するとの発表もありました。
楽天、楽天グループに社名変更(impress Watch)

いずれも、スマホをベースに、グループサービスを提供していくんだという「楽天経済圏」の拡大を加速させる動きですよね。

「ダンコ」から1年、「風雲!ひろし城」へ

コロナが続いているので当然ですが、EC事業は、とても順調です。

楽天の2020年の年間流通は3兆円を超え、それをこの先2023年までには10兆円という状態にまで持っていくそうです。

ECモール事業だけでなく、カードももちろん順調で、証券でも口座開設数が日本1位になりそうな見込みとのことでした。
楽天経済圏の中心を担うポイントの発行量としては、昨年1年間で4700億ポイントを発行し、それが90%以上使われているということでした。

これはもう、ほぼ通貨を発行しているというに等しい状態のように見えますね。

そして、楽天ポイントが仮装通貨に変換できるようになったとのことですので、リアルと仮想両方の通貨を握るということでしょうかねー。自前で通貨のようなポイントを持っている会社と仮想通貨というのはなんだかとっても相性が良さそうで、よく分かりませんが、凄いことが起こりそうな気配がします。

コロナで急速に進んでいるキャッシュレス決済の流れで、楽天ペイもますます使われているでしょうし、楽天市場での買い物で貯めたポイントを、リアルで楽天ペイで使い、リアルで貯まったポイントをまた楽天市場で使う…今は行けませんが、旅行は楽天トラベルで→またポイント貯まる…というように、ぐるぐる回ります。リアルもネットも、楽天モバイルスマホが起点になるわけですね。

このあたりの動きについて、三木谷さんは、「ゼロキャッシュの時代が来る」と予言したそうです。

・・・その三木谷さんですが、今回は終始ご機嫌の様子だったみたいですね(友人イーロン・マスクとのエピソードも話されたとか)。

昨年、私が書いた記事では「ダンコ三木谷」というトーンで強いメッセージを出していました。「3,980円送料無料ライン統一をどうしてもやるんだ!」という話でしたからね。しかし、今回はそのような感じはなく、柔らかく落ち着いている印象だったようです。

楽天モバイルについて、一番最初にキャリアとして低料金を打ち出して、それに、携帯各社が追従しましたよね。

多分皆さんも思っていたと思いますが、つまりこれは、現政権が携帯料金を値下げしたくて、その当て馬に楽天を使ったんじゃないか。もう各社とも値下げが始まっているから、楽天は当て馬のお役目終了で、もう上手くいかなくなるのではないか、大丈夫か楽天モバイル?!と思っていた方もいらっしゃるんじゃないかと思います。

しかし、今回、さらに下をくぐってきたわけです。

これはもう印象論ですけど、この発表の落ち着きの感じ(と予告の自信)からして、多分このように当て馬として使われる展開や今の展開は割と予想していて、この値下げに対しても「こう出よう(再値下げ)と想定していたのかなあ」と個人的には感じました。
推測にすぎませんけど。

なので、楽天経済圏としては順調に成長して、モバイルもまだまだ行けるという事であれば、当面安泰ということが言えるのかなと思います。

夏の坂本のブログでは、楽天経済圏という要塞を合従軍が攻め込んできていて、漫画「キングダム」状態の争いが起こっている、という風に表現していましたが、今回の三木谷さんの落ち着いた様子を鑑みると、ちょっと印象が変わりますね。
いわば、「風雲!ひろし城※は、今日も磐石だった」という印象を受けました。あくまで印象だけですけどね。
※風雲!たけし城のオマージュです

その他(店舗向け機能改善など)

三木谷さんの発表以外で、出店店舗向けの機能改善まわりとしては、店舗向けのサポートニュースなどで案内されていることがメインで、真新しい発表はなかったようですが、一部ピックアップすると、

  • カテゴリランディングページの強化
  • 一部ジャンルでのアフィリエイト料率の引き下げ
  • CSV処理のスピードアップ
    • 特にこれは店舗からすると、待ってました!という機能ですよね。

などの改善がされていくとのことでした!

また、ハングリード社の多店舗連携ツールと楽天市場のデータを連携した「価格最適化」ツールの成果などの案内もあったようです。
ハングリード社が楽天グループ入りしたのは、2015年のようで、もう5年以上前ですけど、以前から多店舗展開のツールや当時は広告検証のツールなんかもありましたから。
この、多店舗運営が当たり前になった今の時代において、楽天が多店舗(モール)運営ツールをグループの中で持っていて、そこを抑えているということは、ECモールはもちろん、自社サイトも含めて情報を集約できるわけで、何かしら競争において、これも今後の時代のECへの対応において優位になっていくんじゃないかなあと考えます。

この辺りも、今後注目のポイントかなあと思いました。

弊社のコンサルティングにおいても、モールだけ、というケースも今もまだ多くありますが、複数モール運営はリソースの配分の話は本当に当たり前になりつつありますので、そのような事を感じました。

今回は、以上です。
また続報等があれば、お知らせできればと思います。

P.S.

「複数店舗運営しているけど、どこに注力すべき?」「伸びしろはどこにある?」といった、1モール店に限らない状況整理やリソース調整など、コンサルの現場ではよくご相談に乗っています。

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この記事を書いた人

川村 トモエ
コマースデザイン株式会社 取締役 コピーライター/コンサルタント
ライターからEC業界に転身。商品コンセプト立案やキャッチコピーなど「売れないオリジナル商品」の立て直しを得意とし、ヒット商品を多数企画。中小規模の店に対してわかりやすいコンサルティングを提供しつつ、講演や寄稿も行う。黄色本・マンガ本の著者でもある。
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