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楽天「商品画像の大量修正」「楽天GOLDの刷新」に、店舗側は何をするべきか?(楽天EXPO続報)

楽天RMS-データの整備がもたらす効果

こんにちは、川村トモエです。前回に引き続き、楽天出店者に向けて、楽天EXPOで発表された内容を解説します。※先週の代表ブログで「別記事でお知らせ」と予告していた件です。

この記事では「起こっている現象」だけでなく、その背景や今後の展開も考察してみました。

前回は、「ワンデリバリー構想」など営業サイドの発表についてでしたよね。今回は、RMSなど楽天市場関連のシステムを担当している、開発サイドからの話です。実は、ここでも大きな動きがありました。店舗には、画像修正など色んな作業が発生します。おそらく、チャンスもあります。最後までじっくりお読み下さい。

はじめに

7/17の楽天EXPOで、まず営業サイドから発表があったのが「ワンデリバリー構想」「全店舗へのチャット接客導入」でした。※前回の記事で詳しくご案内しています。未読の方は、まず≫こちらからどうぞ

その後、開発サイドからは「RMSの進化」と称して、ある方針変更が発表されました。その方針は、サムネイル画像の書式をはじめとした「商品データ形式の見直し」が中心です。この記事では、RMSまわりの変更についてお伝えします。

何が起こっているか

たとえば「サムネイル画像への文字入れ制限」「背景色は白か画像背景」といった方向性が、7/19(木)のサポートニュースでも通知されました。既に商品画像ガイドラインとして発表されていましたが、これが必須化されるということですね。既にご覧になった方も多いと思います。

これは、今回の大きな方向性の「一部」です。今回の発表では、店舗側の登録する「商品データ」と、ユーザー側にとっての「商品情報」の見栄えを、整備・統一したいという方針が垣間見えました。詳しくは後述します。

楽天の意図

これまで楽天と言えば、「個性豊かな店舗のそれぞれの独自性あるページ」がウリでしたが、一方でお客さんからは「店毎に書式がバラバラで、探しづらい」「何がどこにあるかわからなくてストレスを感じる」といった声もありました。

おそらく、ワンデリバリー構想と同様に、対アマゾンを想定した利便性を目指しつつ、同時に「店舗の個性」をどう残すか、迷いながら進めているのではと思います。後述します。

以下、順次発表内容をご説明します。

商品サムネイル画像の書式統一

まず、一番インパクトが大きかったのがこのニュースですよね。

一言でいうと、「商品画像の自由度が少なくなる」、そして「登録済みの画像は、規定に沿って直さなければいけない」いうことです。

サムネイル画像への文字入れ制限

「1枚目のサムネイル画像」に制限が掛かりました。ご覧の通りです。文字入れはできますが、載せられるスペースが小さくなります

今までも、1枚目については、文字入れの制限や枠線を使わないでね、といったガイドラインが「推奨」されていました。しかし、これがついに「義務化」されました。以下、7/19(木)のサポートニュースで案内されていますが、おさらいです。

商品画像について、以下の項目が非推奨から「禁止」と通知されました。

・テキスト要素占有率21%以上
・枠線の利用
・幾何学模様やデジタルパターン、目立たせる目的の奇抜な色の背景色の利用(「写真背景か単色白背景」以外の背景はNG)

また、文字入れ内容として、「送料無料」「価格」「あす楽」は不要
など、推奨項目も定められています。
(※こちらはあくまで推奨のようです)

これらの禁止事項については、10/1(月)以降は、違反対象となります。
2018年中は猶予期間として加点はされませんが、2019年1月からは、違反点数が加点が開始します。

なお、Amazonはサムネイル画像への文字入れはNGですが、楽天は「20%以内」と、違いが出ています。楽天の特徴を考慮したんでしょうね。ちなみにfacebook広告は「画像に載せられる文字は20%以内」というルールがあります。そういった他社の基準に影響を受けているのではと思います。

補足

詳しくない方に向けて、一応補足説明しておきます。検索結果画面などに並ぶ、こういった小さい画像を「サムネイル画像」と呼びます。

検索結果に出てくるのは、その商品に登録されている中の「1枚目」のサムネイル画像です。ここに載せられる文字が減ったということですね。

ペナルティについて

画像修正の猶予期間は年内いっぱい。
来年1月からはペナルティとして違反加点されるようになります。

つまり、今年中に全ての商品の「1枚目の画像」を、ガイドラインに沿った形に修正しなければならないわけです・・!

全店舗の「入口」に関わることですから、非常に大きい影響が予想されますね。特に、商品数の多い店は、対応に時間がかかるでしょうから、お悩みだと思います。対応方針については後述します。

その他、商品データ形式の変更

サムネイル画像の件がどうしても目立ってしまいますが、RMS上での商品登録について、他にも整備するための改善が実施されるようです。

ナビゲーションの拡充や、商品情報の視認性を高めて、「目当ての商品が見つからない」問題を改善していきたいんでしょうね。お客さんが離脱してしまうので。

SKU管理機能の拡充

あまり時間がなく、駆け足での紹介でしたが、商品登録、商品管理の利便性を向上するため、以下の実装が予定されているとのことです。

商品管理(SKU)

  • SKUごとに価格や商品コードの設定ができるように
  • 「色違いもカゴ一個で対応」とし、レビューもまとめられるようにする

在庫管理

  • 複数ショップ間での在庫の共有ができるように

タイマー機能

予め設定しておくと、その予約した時間帯にページや価格を修正してくれます。

  • 商品価格等の「予約変更」が可能に
  • セールバナーなども予約変更可能に。
  • 広告審査時のコピーページも不要になる。

楽天はあれだけ期間限定イベントを開催しているのに、なぜ今までタイマー機能がなかったんだろう。。と思っている方も多いと思います^^; 実装されれば、夜中に終わるセールの日、夜なべしてバナー取り下げや設定変更しなくて済むので、便利ですね。

商品タイプ

  • 商品を組み合わせて、セット商品を作成できるように

カタログID・タグIDの改善

「商品属性」の付与機能が改善されます。

楽天GOLDの刷新

多くの店舗で愛用されている「楽天GOLD」ですが、制約が増えそうです。ただ、変更時期は未定です。今後こういう方針だよ、という趣旨の発表です。

楽天GOLDの刷新によりデータ整備を推進

楽天GOLDの課題

楽天GOLDは自由度が高く、色々な用途に使えて便利なんですが、技術的な知識がある方からすると「セキュリティ的に危険」という側面があるようです。

また、お客さんの混乱も招きます。楽天の発表では「個性豊かなページは楽しいが見づらい」という表現が使われていました。店舗ごとに全く違ったデザインだと、ユーザーから見て「使いづらい」という論旨です。特にスマホです。GOLDのページは店によってレスポンシブだったりスマホ/PCを別にしていたり、バラバラですからね。。

また、GOLDページは、R-Datatoolでデータが取れないですよね。分析がしづらいという問題があります。やむを得ずGOLDにGoogleAnalyticsを入れている方もいらっしゃいますが、アクセス解析は一気通貫で見ないと意味がないのでやっぱり使いづらい。

今後の方向

楽天側としては、「無制限の自由」を制限して、ある程度「均質化されたページ」を意識しているように聞こえました。詳しくは理解できていませんが、詐欺サイト(コピーサイト)対策にもなるとのこと。
あと、R-Datetoolでまとめてデータが取れるようにするとのことです(下図)。

R-Datatool(データ分析)に対応し、商品ページとの連携を強化

ただ、GOLDを使い込んでいる方からすると、心配ですよね・・!まあ、急激に変わるわけではない(はず)です。楽天と契約しているツールベンダー(開発会社)にも事前告知は行ってなかったようです。非公式な筋からですが「徐々に進めたい」意向であると聞いています。

まとめ

以上が、今回のEXPOでのRMS回りの発表内容です。
背景にある動きと、今後どうすればいいかについて考察しつつ、まとめます。

EC業界の変化と、楽天の対応

前回の記事もそうですが、今回の楽天EXPOでの発表は、進め方が急だ、店舗への説明が足りないのでは、、という気持ちもあります。しかし、「EC業界が変わった」から「楽天も変わろうとしている」という背景もあります。その点について説明します。

弊社代表の坂本がよく話していることですが、ここのところEC業界では「買い物の時短需要」が高まっています。配達だけでなく、商品選びにおいても、です。

以下、弊社ブログの記事から抜粋です。

  • 10年前と比べて「ネットで買い物するときに、かかる時間」は短くなっていませんか?
    • 買い物をしようと思ってから、購入完了までの所要時間です。昔より、サクサク買ってますよね。判断が早くなった。
    • 多くの楽天系ネットショップは、「時間のないお客さん」に対して、少し「自分語り」をしすぎてしまっていないか。
  • 出典:「これからのEC」の話をしよう(2016年)

楽しい買い物、個性のあるお店・・それが楽天の原点ではあります。

しかし、以前のように、ECに不慣れなお客さんが、(PCで)商品ページを熟読して、「ワクワクしながら買っていた」「ECそのものが新鮮だった」という時代ではありません。寂しいですけどね。。

EC市場が大きくなったと同時に、「通勤中・育児の合間にサクサク買う」「徒歩10分のスーパーすら面倒だからECで買う」、そして「ぱっと見て分からないと強いストレスを感じる」という人が増えてきました。

私たちは、主にスマホを通して、SNSや動画で大量の情報に接しています。それらはいずれも「ぱっと見て伝わる」様々な工夫を凝らしています。しかし、私たちは、店舗ページや商品ページを通して、そういった工夫をしてきたでしょうか。

こういった時代の変化に対しては、楽天は後手に回ったように思います。なぜなら「個性がバラバラの店舗」が、楽天の強みであると同時に、足かせでもあるからです。

「UIの均質化」と「店の個性」は両立できるのか?

この記事で紹介した動きを一言で説明すると、「商品情報の均質化による買いやすさ向上」です。

もう少し詳しく説明すると、

  • 商品データの規格を統一し、データベースで管理しやすくする
  • 整ったデータを、楽天による「統一されたUI/ UX」で表示する
  • お客さんが買い物するときに、統一感を感じてもらえる(はず)
  • サクサク買えるようになって、「分かりづらい」との評判がなくなる(はず)

といった意図であろうと想像しています。

前回の記事を含め、EXPO全体を通して考えると、

  • 「ワンデリバリー」で安定&スピーディな配送。特に日用品シェアを回復する
  • 商品データ整備による見た目の均質化で、買いやすさ向上=時短効果を目指す
  • 同時に、チャット接客や「20%の文字入れ」で、店舗の個性や「人力」を活かす

といった方向性を感じます。

もう楽天は、日用品や安売り市場なんか諦めれば良いじゃないか、という人もいらっしゃると思います。

ただモール全体を俯瞰した場合、「日用品を買いに来るついでにオリジナル商品を買う」という構造は存在するように思います。言い換えると、安売り店と個性的な店は、相互に送客しあっている構造です。なので、日用品を買わなくなると訪れる機会が減り、オリジナルも買わなくなるのかも・・Amazonと比べて不利だとは分かりつつ、やはり日用品を捨てられないのではないかも・・と思っています(想像です)。あとYahooやWowmaの突き放し策という側面もあるかも?

店舗としてはどうすべきか?

このテーマでまた改めて情報発信しますので、今回は簡単にお伝えします。
後日メルマガでお送りしますので、ご興味があればメルマガ登録もお願いします。

短期的な対応

まず短期的には、年内できっちり対応することです。店舗側は今後、商品や店の強みを、この制限下で、いかに打ち出していくか。それが、これまで以上に重要になってきます。

今まで、楽天の検索結果画面には、店舗ごとに創意工夫を懲らした様々な商品画像が並んでいたわけですが、これが、来年頭にはかなり「すっきりしたシンプルな検索結果」になるはずです。想像してみてください。この中で、どう強みを伝えていくのか。そこが大切です。

だから、「商品画像のシンプル化」についても、罰則があるから画像から文字を削ろう、という話ではなく、この状況で、何を打ち出せば自店のPRになるか、少しでも違い、強みをそこに反映させていく必要がある、ということなのではないかと思います。

とはいえ画像への文字入れでアピールしていたことは、どこに書けばいいのか・・・

「型番商品だから、どこも同じにしか見えなくなってしまう・・・」
「有機野菜は形は無骨なので、文言で補足が必要なのに・・・」

商品ごと、お店毎に悩みはあると思います。お悩みの方は、一度是非ご相談下さい。

中長期的な対応

中長期的には、売れ筋を「追いかける」スタイルから、店舗を魅力的にして「お客さんに集まってもらう」スタイルへの切り替えが必要です。言い換えると「いま〇〇が売れているから、他店より早くそれを扱おう」という「商品を売る」スタイルではなく、「店を売っていく」スタイルへの切り替えです。

そのためには、弊社書籍やブログでも何度か紹介している「店舗コンセプト」を確立していく必要があると考えます。

もちろん、個々の商品をきちんと売れなければ「店を売る」のはもっと難しいですから、前述のようにまずは商品1つ1つの魅力をキッチリと伝えていくことが前提です。ただ、商品を沢山売れば自然と店舗コンセプトが確立されるわけではないのです。トレンドやチャンスを追いかける売り方は、成長期には良いですが、成熟期には、競争に巻き込まれることになりますから。。

最後に

「楽天の変化」は、より大きな「時代の変化」の中で起こっています。
「楽天への対応」も大切ですが、できれば「少し先」を見て対応頂くと、あとあとラクかもしれません。

これから大変ですが、お互いがんばりましょう!

PS
商品ごと、お店毎に悩みはあると思います。お悩みの方は、一度是非ご相談下さい。お店を拝見して、強みの見つけ方から、アピール方法まで一緒に考えアドバイスします。≫ご相談は無料です

PPS
今回の記事について、皆さんからの感想や情報を集めたいので、ぜひ ≫こちらのフォームから情報をお寄せ下さい!

この記事を書いた人

川村 トモエ
コマースデザイン株式会社 取締役 コピーライター/コンサルタント
ライターからEC業界に転身。商品コンセプト立案やキャッチコピーなど「売れないオリジナル商品」の立て直しを得意とし、ヒット商品を多数企画。中小規模の店に対してわかりやすいコンサルティングを提供しつつ、講演や寄稿も行う。黄色本・マンガ本の著者でもある。
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