ベテラン店ほど要注意!訴求は古いと売れなくなる

こんにちは、コンサルタントの小堤です。

弊社では、施策提案だけでなく、クライアントの皆さんから様々なご相談を頂いています。 その中でも、長年ネットショップを運営されているベテラン店から、以下のような売上低下のご相談を頂くことがあります。

  • 以前は楽天で一番売れていたのに、最近売上が落ちる一方だ
  • 何もしていないのに売上が落ちた
  • 後発店に売上を取られた

似たような境遇で悩んでいる方も、多いのではないでしょうか?

売上低下には、様々な要因が考えられるため、一言で解決策をお伝えするのは難しいです。

ただ、ベテラン店の場合、特に「商品訴求が古くなっている」という傾向がみられるのです。 そこで、今回は「訴求が古いとはどういうことか」「訴求を古くさせないためにはどうすれば良いか」についてご紹介したいと思います。

そもそも、商品訴求が古いとは?

まず、「商品訴求が古くなっている」と言われても、聞き慣れない表現でピンとこないですよね。

ここでは、最初は斬新だった商品訴求が、いつしか当たり前になり、だんだん伝わらなくなることを「古くなる」と表現します。「時代やお客さんに置いて行かれている」というと、伝わりやすいでしょうか?だから、ベテラン店ならではの現象なのです。

どういう状態か、もう少し詳しく説明をします。

お客さんの「商品に対する意識」は変化する

商品に対する意識は、市場の成熟と共に変化していきます。言い換えると、1つの商品に対して、お客さんの「常識が変わっていく」ということです。例えば、今までにない新商品がリリースされた場合、以下のような変化が見られます。

  • 新商品のリリース直後         → お客さんが興味関心を持ちはじめる
  • 徐々に商品が世の中に広まっていく   → お客さんの興味関心が一番高い
  • 「当たり前のもの」と浸透しきった時期 → お客さんの興味関心が薄れていく

意識変化

いまさら商品ページに「スマートフォンとは」と、当たり前すぎる説明が書かれていても、お客さんにとっては興味のない情報ですよね。つまり、このお客さんの常識変化に添って店側も変化をしていかないと、古くて刺さらない訴求になってしまうのです。

商品訴求を古くしないためには、どうしたら良いか?

「う~ん、理屈はわかるけど、どういう風に訴求を変化させるのかイメージが付かない」という方も多いと思いますので、事例にそって、もう少し具体的に説明します。

1:新商品リリース直後は「紹介」

商品リリース直後は、当たり前ですが市場での知名度がありません。そもそも何かわからないものは、どんなに「お得です!」と打ち出しても手にとってもらえないですよね。

ですから、まずはお客さんに、その商品は一体何なのか知ってもらう「商品の紹介」から始めないといけません。

商品紹介の具体例

  • 風邪に!おなかに!美容に!ニュージーランド発「マヌカハニー」
  • モデルも愛用!栄養価が高い&腹持ちがよいスーパーフード「チアシード」

2:世の中に商品が広まっていく時期は「優位性」

この時期は他社も商品を売り出し、類似商品も多数、市場は激戦状態です。その中で、商品リリース直後と変わらず「マヌカハニーとは何か?」と、周知しきっている古い訴求では見向きもされません。

商品が広まっている段階で、お客さんが知りたいのは「各社の商品がどう違うか」「自分はどれを選べばよいか」ということであり、自社商品の優位性アピールが必要になるのです。

優位性アピールの具体例

  • 味が苦手という方に!子供にも食べやすいキャラメル風味のマヌカハニー
  • スマホデビューに最適 安心で使いやすい防水スマートフォン
  • ふわもちだけど低カロリー 毎日食べられるパンケーキ

3:商品が浸透しきった時期は「新提案」

商品の存在が当たり前になりすぎ、市場が飽和状態になってしまうと、どんなに他社製品との違いをアピールしても、お客さんは目新しさを感じません。

そのため、離れてしまった興味を再度惹きつけるには、当たり前をひっくり返すような新提案、売り方を見直すことが求められます。

新提案の具体例

  • ビールと同じ製法なのにプリン体ゼロ!ヘルシーで美味しいホッピー(昔の訴求は「ビールの安い代用飲料」。そのポジションは発泡酒に取られた)
  • カワイイはつくれる!ハンドブローだけで毛流れ揃うエッセンシャルシャンプー(昔の訴求は「ダメージケア」。市場の激化で安売りシャンプーとして埋没していた)

例にあげた商品は、両者とも「優位性(一番の特徴)」で競合商品との差別化が困難になってしまった商品です。そこで、改めて市場動向やお客さんの「商品に対する意識」をしっかり観察し、訴求を調整したことにより、再ブレイク出来たという訳です。

しかし、この「今までにない提案」を考えるのは、簡単なことではありません。難易度が高いからこそ、粘り強く考えることが、同じ商品をいつまで売り続けられるかを左右するのです。

まとめ

ベテラン店の傾向として、市場に目新しい商品で売上を急増させた経験から「このやり方で売ってきたんだ!」と、ある種の自負があったりします。しかし、ここまで説明してきたように、変化のない古い訴求では時代やお客さんにおいていかれるばかりです。

まとめ

商品力が変わらないのに、売上低下してませんか?

競合に比べ、商品力が変わらないのに、売上が低下している場合は、売れているお店がどんな訴求をしているか覗いてみてください。もしかすると、あなたのお店と比べて、今の「市場」や「お客さんの意識」にフィットした訴求になっているかもしれませんよ。

弊社のコンサルティングでは、「いま訴求すべきことは何なのか」を考えるお手伝いもしています。もし、今回のブログを読んで「どうすれば良いかわからない」とお悩みの方はぜひご相談ください。一緒に、売り方を考えていきましょう!

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この記事を書いた人

小堤 理絵
前職では、大手ファッション通販サイトにて、営業とコンサルティングを担当。メンズ・レディースファッションはもちろん、子供服、下着、インテリア、コスメの運営経験もあり。共感力が高く、ユーザーへの“伝わりやすさ”を重視しつつも、「店舗に寄り添った提案」を心がけている。海街育ちで、趣味はボディーボード。

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