自立しながら尊重しあえる「ネコ的な組織」になるまで。nekozuki太野さん× 川村対談

こんにちは、川村トモエです。
今回は、当社のコンサルティング会員である、株式会社クロス・クローバー・ジャパン(岩手県盛岡市)の太野さんにお話を伺いました。

太野さんは、猫用品の専門店「nekozuki」(ネコズキ)を運営しており、なんとコンサルティング10年目という、長いお付き合いの店舗さんです。
今回、コンサルティングを申し込んだ経緯から、「コンサルを受けてどんな点がよかったか」「仕事の仕方や組織がどう変わったか」など、色々お聞きしました。
一人店長からスタートし、役割分担してスタッフに業務を移譲。お互いに自立しながら尊重しあえるいいチームになり、「攻めの仕事」に取り組めるようになるまでのストーリーです。

  • 「忙しくて、重要な仕事に時間をかけられていない」
  • 「スタッフにうまく仕事をお願いできない」
  • 「社内のチームワークがうまくいっていない」

などでお悩みの方におすすめです。

- 目次 -

はじめに

nekozuki(ネコズキ)さんのご紹介

※出典:nekozukiホームページ

nekozukiさんは、店名の猫愛からも伝わるとおり、ネコ目線のモノづくりで、様々なヒット商品を生み出しているお店です。

例えば、去年大きな話題になった、こちらのネコ用アイマスク。テレビや各種メディア・SNSでよく紹介されていたので、ご存じの方もいるかもしれません。

このように、nekozukiさんは、猫も飼い主も快適に暮らしていけるように、様々なオリジナル商品を開発しています。そんなnekozukiの生みの親が、今回インタビューする太野由佳子さんです。

コンサルティングを申し込んだ経緯

※太野さん、川村、担当コンサルタントの味藤が同席しました。

「好きすぎる」が起業の原点

川村:まずは、改めて会社のご紹介をしていただけますか?

太野さん:私たちは、猫の困りごとを解決するために、猫が使う猫グッズを作っている会社です。2005年、私が27歳のときに、猫が好きすぎて、勢いでつくった会社なんです。今は岩手の職人さん、ものによっては全国の職人さんと一緒に、「猫が困ってることを解決するための商品」を日本国内で作っています。

川村:今は、商品開発みたいな感じになってきてるんですね。

太野さん:商品開発がこの事業のキーだと思っていて。今までは、「(商品開発は)そんな大したことじゃないのに忙しい」と思っていたんです。一番大事な商品開発が「時間ができたらやろう」みたいな感じで、ものすごく優先順位は高いはずなのに、実際の動きとしては最下位になっていて

これはよくないなと思って、いろいろ仕組みができました。商品開発専用の事務所を別に借りて、週2回行って、「強制的に商品開発する日」を自分に課してます。そうでもしないと、いろんなことに振り回されちゃって、できないってことに気づきまして。

川村:場所を変えるって大事ですよね。

信頼できる人が「いいサービス」と言っていたから

川村:当社のコンサルティングを申し込んで頂いた経緯を覚えていらっしゃいますか?

太野さん:信頼の置ける人が「いいサービスだ」と言っていたので、おそらくいいものなんだろうと思って。自分では全く調べずに申し込みました。

川村:そうだったんですね。ありがとうございます。最初はメールコンサルティングでやり取りをしていて。今は月1でお話させていただきながらやっていて、だいぶ状況やお付き合いの仕方も変わってきたと思います。

なにか困ったことがあったら、「コマースデザインに相談」

太野さん:お願いしたばかりの頃って(※2012年)、ほぼ私が1人でショップ運営していて、課題もいただいて、今考えるとなかなか大変だったと思います。今は一緒に担当してくれるスタッフも増えて、お願いできることも増えていて。ものすごく自分の時間が作れるようになったのと、(スタッフに仕事を)お願いできるっていいなって。

川村:ですよね。

太野さんチャットでも問い合わせできるので、(スタッフとの)やり取りも見れたりとか、ちょっと割り入って聞いたりとかですね。何か困ったことあったら「コマースデザインさんに相談してみよう」と、結構問い合わせをさせてもらっています。

川村:ありがとうございます。コンサル歴の長いクライアントさんって、最初は小規模で1人運営みたいな感じで、「これから発送しなきゃいけない!」みたいな勢いがあったり、「全然時間が取れない」ということも結構よくあったんですよね。お店の運営があって時間がない中、隙間時間を作って課題をやってもらっていたので、最初は大変だったと思います。

太野さん:おかげさまで、猫好きなお客さんも多くいらっしゃいまして。できあがった商品を、お客さんにすぐ試していただき、いろんな声が集まる仕組みができています。そういったいいサイクルを使いながら、商品開発を続けています。

10年の付き合いから見えてきた「nekozuki」の魅力

コンセプト「猫が好き」を突き詰めたものづくり

川村:nekozukiさんはネコ目線のものづくりというところで、最初からコンセプト自体がすごくしっかりとされていたイメージなんですよ。

実は、うちがコンサルティングのご依頼を受けてから、2022年11月で丸10年になるんです。

太野さん:えーーそんなに!?びっくり。すごいお世話になってますね。

川村:こちらこそ、お付き合いありがとうございます。nekozukiさんのお仕事をそんなに拝見してきてるんだなと、ちょっと感慨深くなりました。nekozukiの2005年からの歴史の中で、うちが…

太野さん:ほぼほぼ一緒にいる。

川村:コンサルティングを開始した頃から、ものづくりはすごく立っていたので、当時のクライアントさんの中でも、とても個性のある会社だと思っていたんです。もう、好きすぎるところから入ると、こうなるんだなっていうのが。

nekozukiさんは、本当に「猫が好き」から始まっていて、それを突き詰めている。あとは、ものづくりの方向もちゃんと丁寧にされていて、リレーションシップを築いた上で、人と作っていく。この2つが大きな柱になっていますよね。
猫目線でやることによって、猫さんにも飼い主さんにも貢献されている会社だなと思っています。

太野さん:ありがとうございます。まとめていただいちゃって。

「お節介」が活きてくる!?

川村:対外的な発信は、太野さんも結構意識されてるところだと思うんです。

太野さん:そうですね。ネットショップって、バーチャルなイメージを持たれてる方もいますが、結構、人とのコミュニケーションが直接的にできて、私としては今の事業にすごくあってる感じがしていました。

川村:同好の士(※)、要は、「趣味や感覚が似ている人が集まりやすい」のは、ネットの特性としてやりやすいところだと思います。それこそリアルだと、その地域しかカバーできないけど、ネットだと、日本国内に限らず海外まで広げていけるし、距離感が近くなりますよね。

太野さん:あの人はああいう相談をしていたけど、「実際使ってみて、その後どうだったかな」とか、すごく気になるんです。その後の話が聞けると、「もうちょっとこうした方がいいかな」と気づいて、バリエーションが増えたり、関連商品を開発できたりというのがあるので。私的にはお題をもらって、応えている感じがして、楽しいというか。

川村:みんなが改善できるわけじゃないけど、しゃべってその場に出ることで、それを形にするnekozukiというお店があって。商品を使った人が、「こういう感じだともっといいな」とか「これがよかった」というサイクルとして回っていけると、すごく的を射た開発になりますよね。

太野さん:ある人に向けてお節介で作ったものでも、実は、他の人も同様の困りごとがあったりすると、自然に「ほしい」って思う人が増えているような感じだから。

川村:誰さんの家の何ちゃんが…みたいな感じですよね。

太野さん:そうそう、そんな感じで。多分お節介が活きていると思います。


※同好の士:趣味趣向が同じ仲間。同じ好みを持ち、同じ物事について共感しあえる仲間のこと

困りごとの「謎解き」から商品開発

川村:「どうしたら解決できるのか」って、割と手前のところでわかりづらい。自分はわからないことでも、人に話すことで、「それはこうじゃない?」という話になることもありますよね。

太野さんお客さんは、困りごととも思っていないこともあって。やり取りの中で、「もしかして、これって困ってることなんじゃない?」と探っていくのも、ミステリー好きなので楽しいです(笑)。

川村:何かあるはずだ、伏線じゃないか、みたいな。 

太野さん:そうそう。「これをつなげていくと、こういうことなんじゃないかな?本人も気づいてないっぽいけど」みたいな。

川村:あー、確かにそうですよね。「あの悩みとこの悩みは、実はつながる」って絶対ありますよね。

太野さん:そうですね、謎解きみたいな感じで。

川村:「謎解きから商品が生まれる」って、すごく面白いですね。

太野さん:ちょっとこれ今、人に説明できなくて。やっぱり商品開発は1人になってるんです(笑)。

「攻めの仕事」に集中するために、手放したこと

自分が関わるよりも、仕事を前に進めることが大事

太野さん:コマースデザインさんにお手伝いいただいた中で、業務の洗い出しと見直し・改善とかいろいろ入りまして。
「自分しかできない」と思ってたけど、そうでもないことが結構いっぱいありました。作業も手伝ってもらいながら、必要な技術を持っている人を増やしていけたので、だいぶ心にも余裕ができて、「開発しよう」「何か新しいこと始めよう」という、攻めとか前向きなことに時間を使えるようになっていますね。

川村自分のカバー範囲が広いところから始めると、切り出すのはすごく難しいと思うんです。人から「整理したら?」とか「こういう角度でやってみたら?」という感じで言われると、「意外とできるかもしれない」となってくることは、私たちも実感しています。

太野さん:そうですね。自分が苦手なことが得意な人もいて、その人がいると「すごいなぁ」ってできるから。

川村:「自分が関わることで、何かを変えられるわけではない」「自分が関わることより、仕事を進めることの方が重要だよね」って思うと、「人が進めてくれるのっていいな」と思いますよね。

太野さん:いいですよね。「すごく助かるー」と思って。

味藤:スタッフさんが入られて、最初は太野さん並走されていましたよね。自分と同じクオリティを求めるのは難しいので、最初そこは我慢されたのではないかなと思います。

太野さん:うんうん。

味藤:「任せても大丈夫」と思われて、少しずつ手放されたのかなと。

コロナ禍で、しっかりした業務手順書が役立った

味藤:御社には「ねこしき*」という社内マニュアルがあって、「こういう仕事はこういうふうにやりましょう」としっかりまとめているじゃないですか。あの仕組みは、なかなか他の皆さんがやれていないところだと思います。

太野さん:「ねこしき」はよかったです。今回コロナ禍で働き方がいろいろ変わったんですが、「ねこしき」を見ながら「この通りにやって」とお願いできたので、すごく助かりました。
毎週水曜にミーティングすると決まってるので、「その日に何も答えられないとしんどい」というのもあって、皆さん何かしら作ってくれるようになりましたね。

川村:やっぱり言語化というか、「人と共有するには、アウトプットされたものがないといけない」ってありますよね。

太野さん:はい、なんとなく時間制限もあるので、その中でうまいことまとめて話す感じ。何もやってないとちょっとしんどいですよね、きっと。

味藤:ポジティブなプレッシャーがかかりますよね。

太野さん:そうですね。


※ねこしき:nekozukiさんの社内で使われている業務手順書(マニュアル)のこと

業務を細分化してから、分担する

川村:仕事ができる店長さんは、自分で1人でやってきたから「(他の人も)これぐらいできるだろう」と思う節があって。
ただ仕事を切り分けるだけでいいのに、切り分けやクオリティの基準が高いまま依頼して、「納得いかないから、いっぱいツッコミを入れてしまう」ということが、業務の切り出しの初期段階で起こりがちなんです。

第三者として私達が入ることによって、組織化していく中の業務効率化においても、直接的な対立を避けられ、風通しよくお互い理解して進められるように、お役に立てているかなと思います。

太野さん:そうですね。業務を細分化して、「具体的にやること」を見えた状態で分担しているので、ものすごいレベルのものを求めて、「聞いてないよ」みたいなことは未然に防げたと思っています。

川村:店長というパッケージで振られたり、担当者みたいな振られ方をすることって、世間でもよくあることだと思うんです。そうすると、中身が何かわからないまま、椅子を譲られてしまう。前に座っていた人とは、椅子の高さや座り心地も全く違っていて、「これでいいのかな」となりがちだと思うんです。業務を分けると、その辺がクリアになりますよね。

太野さん「これはできる」というのが、最初にわかるからいいですね。

川村:できそうにないところはあえて振らず、「じゃあ、ここだけは守ろう」とすっきりさせると両方にいいですよね。

太野さん:そうですね。健康的で。「こっちは、これができるように」「チャレンジ的な感じでやるのは、これ」みたいなのが、割と明確になってよかったです。私1人じゃ、できないやつですね。分解したりとか全然できないから。

川村:謎解きの途中みたいになっちゃうやつですね。

太野さん:「人がやってる業務だから、わからない」とかもあったり…。

川村:なるほど、確かに。そこを「きっとこうだろう」でいくと、やりづらい。

太野さん:だいぶ違いましたね、出てきたのをみたら、「あっ、こうなってたんだ、へー」って。

スタッフが「なるべく好きなことをやる」方向へ

味藤:業務を切り離していただく時に、すばらしいと思ったことがあるんです。太野さん、メンバーのみなさんと1on1の機会を設けるようになったじゃないですか。業務を大幅転換された方がいましたよね?私これすごいと思ったんです。

太野さん:そうですね。

味藤:もともと制作とか運営寄りだった方が、1on1でお話を聞いてみたら、受注とかそういったことが、すごく好きとおっしゃられたんですよね。

太野さん:それで、ウェブ制作の求人をクラウドワークスで募集して、その人に手伝ってもらって。うん、そうですよね。聞かないとわかんないですもんね。

味藤:「何がやりたいか」ということをお話しされて。「そういうのが好きなんだ、じゃあこういうことをやってもらおう」と、それにあわせて、体制まで変化させたっていうところの動き方がよかったなと。

太野さん:危うく受注スタッフを増やすところでしたので。

川村:意外な知らないことってありますよね。「え!そうなの!?」みたいな。

太野さん:そうそう、「えーそんなうまくできてるのに、苦手なんだ。意外〜」みたいな。

川村:「仕事を分解したからこそ、再配分することに意識を向けられる」ということも、割とあると思います。

太野さん:確か「できるけど、好きじゃないこと」と「好きなこと」を入力するエリアを作ったと思うんです。そこで、なるべくその人の好きな方に持っていこうと思って。

川村:そのエリアはいいですよね。「なるべくやりたくない」とかって、エリアがないと書けないじゃないですか。

太野さん:「何か文句言ってる」みたいな感じで、言いにくいみたいですね。なので、「丸をつける」「丸をつけない」だけだと、結構勇気がつくかなと。

川村:「丸をつける」という簡単な仕様になっていると楽ですよね。

意外と得意・不得意を知らなかったりする。話を聞くことは大事

川村:経営者とメンバーって、経営者としては、普通にフラットにしていると思いがちなんです。だけど、メンバーからの、何かちょっと下に下がってる「段差みたいな雇用の壁」を感じることはあって。そこはやっぱり、「聞かないとわからない」ところなんでしょうね。「何でも言ってよー」と言っても、向こうからしたら「言えないよー」となりますよね。

太野さん:おいしいご飯の力を借りて、なんとか…。これも坂本さんに教えてもらいました。

「何話していいかわからないし、いきなり言うのはおかしくないですか?」みたいな話をしたら、「じゃあご飯にいけばいいんじゃない?」と言われて(笑)。

川村:やってみてわかるのは、あまり嫌がられないかもしれない。

太野さん:「いろいろ話したいこともあったりするんだな」と思って、ほぼほぼ聞き役に徹しています。

業務整理から組織化に成功。わくわくを発揮できる会社へ

コンサルを受けることで、未来につながる攻めの仕事ができるように

川村:コンサルティングを受けた成果が、おそらく今お話しているところにつながると思うんです。

太野さん:やっぱり、「未来につながる攻めの仕事」に時間を割けるようになったのが、一番大きいです。あとは、コミュニケーションを取れるようになってきたのが、私は嬉しい(笑)。

川村:なるほど。コミュニケーションを取れるようになった、とは?

太野さん:私も結構恥ずかしがり屋だったり。やや気を遣いすぎて、自分から声をかけられなかったりしてたんです。けど、なんとなく(コンサルMTGの)日が決まると、普通な感じで、声をかけやすくなったっていうのがありますよね。

川村:お互い気を遣って、構えているために、「話せない」「聞けない」という状態から、場を設けることによって…というのがあるんですね。

太野さん:私が前に会社員だったときに、やたらと飲み会が好きな上司がいて。「一緒にご飯に誘うのって、どうとらえられるのかな?」と考えてしまうのは、あまりよい印象を持っていなかったというのもあるかもしれないです。

川村:なるほど、自分の経験上、自分は嫌だったことみたいになると。

太野さん:「行きません」「行きたくないです」って言えなかったんです。

川村:ですよね。断る余地がないことだから。

「猫的な距離感」で、お互いを尊重する組織を目指す

太野さん:(スタッフには)なるべく自分の時間もしっかり使ってほしくて。楽しいことをしている仕事なので、外の楽しい経験などを持ち込んでもらった方が、いい結果につながるんじゃないかなと思ってたので。あんまり飲み会に時間を拘束するのも、もったいないっていう方が大きいかもしれないですね。

川村:適度な距離感だけど、お互いが独立しながら、うまくつながっていく感じが、理念を活用しながら、社内のコミュニケーションを図っていくというところなんですかね?

太野さん:そうですね、猫も群れませんしね。でも困ったときは協力しますっていう、そんな感じですかね(笑)

川村:なるほど!そこも猫的なんですね。確かにそうですよね。一般的に、群れる・群れないって、人によって好みがあったりするから。ある人は「足りない」と思っていて、ある人は「もう十分」と思っている、ということはありますよね。

太野さん:そうですね。うんうん。

川村:「猫的な距離感」で、ふらっと集まって、またふらっと離れてっていうのが…

太野さん:みんな自分の時間を大切に、お互い尊重する感じですかね。

お互いの苦手を得意で補って、チーム感が出てきた

川村:うちがお手伝いしたことで、一番成果がでたことは、業務整理のところですね。

太野さん:そうですね。チームっぽくなってきた。いや、会社っぽくなってきたっていう(笑)。

味藤:部門ごとに、それぞれ独立していますものね。独立というと硬いですけど、「ここは私」という役割意識を、皆さんすごく明確に持ってらっしゃいます。

太野さん:よく言い回しが思いつかないとき、「直接的にはこうなんだけど、なんかいい感じに変換してくれる?」って教えてもらったりとか。やっぱりお客さん対応してる人はうまいですね。

味藤:そういうの、大事ですよね。得意な人にちゃんと頼れるというのは。

川村:「自分は、これがどうしても苦手なので」と言ってから伝える方が、それを言わないで「これやって」って言うよりも、ちゃんと伝わる感じがする。押し付けられてるんじゃなくて、聞かれてるんだと伝わると、相手もちゃんと理解して一緒に考えてくれる感じがしますね。

太野さん:最初にものすごい下手くそなのを出して。確かに「これはひどい」と思って、直してくれるっていうのもあって(笑)。

川村:(笑)結構それ大事ですよね。「こういうの作っといて」って振っちゃうと、また「押し付けられた」とか「そっちでやってよ」となりがち。だけど、「私、向いてないでしょ」って言うと、言葉として….

太野さん:そう、すごい納得されたり(笑)。

味藤苦手得意を補える感じで、チーム感がより出てきたっていうところですね。

攻めに集中したら、アイディアが止まらない

川村攻めの仕事って、やっぱり経営者の責任で一番大事。特にnekozukiさんはメーカーだから、「もの」ありきで開発していて、「よりいいものを作り続けていかなければ」というところが、すごく大事です。でも、それが一番、優先順位の最下位になっちゃっていたのが…。本当あるあるっていうわけじゃないけれど、そうなっちゃいますよねっていう。

太野さん:今までアイディアがいっぱいあったんですけど、動いてなかった分、今めちゃくちゃいいアイディアが出てきていて。「早く形にしたい」ってなったり。

川村:わかります。脳の動き方が変わりますよね。

太野さん:やっぱり、この作業、好きっぽいですね。アイディア出しとか、考えることが。

川村:絶対そうだと思いますよ!やっぱりそこも得意不得意で、「何かいい案ない?」って言って、「でません」と言う人もたくさんいますし。「これは?」「あれは?」といくらでもアイデアが沸く人も当然います。太野さんは湧いてくるタイプで、アイディアが湧き続けるから、ためる場所が必要。そして、触れないままだと、やっぱり古くなっちゃう。「あんなのあったね」って、蓋を開けたら発酵しているとか。

太野さん:そんな感じですね。なんかワクワクがなくなってるみたいな。

「自分しかできない」と思っていたのは、気のせいだった

味藤:ここ1年ちょっとぐらいかけて、太野さんの「ワクワクする時間」を作るために、しっかり整えられたと思うんです。ここから、太野さんのワクワクを発揮いただけるnekozukiになっていくんじゃないかと。

太野さん「自分しかできない」と思ってたのは、気のせいだったっていうのが、なんか…

川村:本当にそう。「自分しかできない」と思ってたことなのに、逆にもっとできる人がいて。そこを任せながら、自分は「本当に自分しかできないこと」を、できるようになっていくのは、お互いにとって嬉しいですよね。

太野さん:そうですね。

川村:曖昧に「頼んだよ」とか「期待してるよ」と言われると、言われた方もやっぱり困るし、必要以上にがんばったり、逆にやる気をなくしたりすることもあると思うんです。すごくそこを気遣ってやられてきたことで、ちょうどいい距離感になってきたんだろうなって、今お話を伺って思いましたね。

太野さん:ありがとうございます。

コンサルティングを受けてよかったこと

何かあったときに、相談できるところがあると安心

川村:nekozukiさんとは、本当に長いお付き合いで。太野さんにとって、適度な距離感で、お付き合いができていたから、長くやっていただけてるのかなと思っています。

太野さん「何かあったときに相談してみよう」という場があるのは、救いになるというか。相談したら、「そんな大したことでもなかったのかな」と思ったり、「そういう方法もあるのか!」とか。

川村:それはありますよね。やっぱり仕事の悩みを人に聞いてもらうのも、難しい時がありますよね。人を選んだりとか…。

太野さん:経営の話をスタッフにするわけにもいかないし、どうしようと(笑)。

川村:ですよね。いろんな会社の事例も踏まえつつ、「みんなそうですよ」って言われると、気が楽になりそうですよね。

太野さん:「みんな、そうだったんだー。友達いないから気づかなかったー」と(笑)。私があまり人に相談するタイプではないことも、あるかもしれないですが。

「正解の後押し」で自分の決断に自信が持てる

味藤正解の後押しという意味でもお役に立てるのかな。太野さんが「これいいな」と思われて、ちょっとしたご相談をいただいた際に、「いいと思います!なぜなら、この辺が素晴らしいです」みたいなことをお伝えできると、より自信になりますよね。

太野さん:そうですね。なるほど。

川村:賛成票を投じるみたいな(笑)。「なぜいいかの論拠を提示する」というのは、その頭から切り離されたことを見てできることだから、というのはあると思いますね。特に担当の味藤は、その辺のアイディアに関して、すごく反応するというか、喜ばしく思うタイプだと思うので。

太野さん:はい、助かります。

味藤:太野さんが「こういうの作ってみましたー。見てください」って言ってくださるのが、すごく嬉しいです。

太野さん:本当ですか。ありがとうございます。「意見を聞きたい」と思ったときに、味藤さんに送っているんです。「第三者から見たとき、どう見えるんだろう、これ」と思って。

味藤:友達だと肯定的なことが入ってきやすいかもしれないけれど、そういった時に、また友達と違う立場から。

川村好き嫌いで話すわけじゃないところに、頼っていただいていいのかなと思いますね。割と、お友達とか身近な人に話すと、「いい」とか「よくない」っていうのは、主観的だったりすると思うんです。

太野さん:「なんで、そう思った?」とか、どんどん聞けないですもんね。

川村:確かに(笑)。ビジネス的な簡単な相談でも、割とお役に立ててるんですね。

コンサルティングの改善点や課題は?

より理想が高まる状態を目指して

川村:よい点はいろいろお伺いしてきましたが、コンサルティングの改善点や課題などあれば、お伺いしたいです。

太野さん:いや、満足です。本当にない。あったら言ってる(笑)。

味藤:私が見させていただいている部分で、もう少しお役に立てることがきっとあると思っています。太野さんが私たちに価値を感じているように、制作や受注担当の方、それぞれから頼っていただけたら、関係性構築がもう少しできるだろうなと。

太野さん:そうですね。みんな、なんか遠慮深いじゃないですか(笑)。この前ご提案いただいたブランディングの強化とか、そういったところでもお願いをしたいです。

現場で感じているモヤモヤもぶつけてOK

川村自分の業務の中で、他の人に相談しづらいことや、悩みと自覚していないけど、「何かちょっと気になってる」「他の会社はどうやってるんだろう」とか。そういうモヤモヤって、意外と私達に出してもらいやすいかもしれないですね。

太野さん:じゃあ、謎解きをお願いしますので。スタッフに伏線ポイントを出してもらいますね。1on1で話してみよっかな。みんながいると言いづらいかもしれないので。

川村:そういうのがあると、太野さんがスタッフの方に渡した役割に対しても、同じような貢献ができるんじゃないかな。太野さんがイニシアチブをとって「コマースデザインに聞いてみたら」とするのではなく。「(スタッフが)勝手に聞いている」状況になると、より理想が高まっている状態になるんじゃないでしょうか。

太野さん:確かに。最初に私に相談してくれるので、そこがスライドできたらいいかもしれないですね。

川村:もちろん太野さんに聞かないといけないことも当然あるけれど、そうじゃないこともやっぱりあると思うので。クリエイティブなところの魂的な部分ではなく、業務的な汎用性の高いところであれば、全然相談していただいて構わないですから。

太野さん:はい、ぜひぜひ。

川村:皆さんのお役に立ちたいので、今後とも弊社をご活用いただいて、一緒に応援していければと思っております。

未来に向けての展望

売れるの向こう側にある、「社会への貢献感」

川村:これから、商品がどんどん出てくるんでしょうか。

太野さん:そうですね。小さい会社なので、ニッチなところを。猫との生活で困っていることって、まだまだありますよね。ただ大手は、マーケットが小さすぎてやらないんです。そういった、ほしい人が多少はいるけど、そんなにマーケットは大きくないところを、せっかくだからやりたいと思って、今やってますね。

川村:そこが、やっぱり中小の良さ、フットワークの軽さですね。そんなに大きな母体を維持する収益で考えなくても、できることがある。そういう会社が増えて、小さいところで、「ここやった方がいいんじゃないか」とやっていけると、これからはいいんじゃないかって思いますね。やっぱり必要だけど、世の中にないことは、まだまだあるし。

太野さん:そうですね。やらせてほしい。「やれる!」みたいな感じです。

川村:すばらしいですね。「同じ悩みがある人が絶対にいて、それは世界中にいるかもしれない」と考えると、本当に夢が広がると思うんですよね。

太野さん:結構この感想は、働く人たちのモチベーションアップにもつながるので、「人の役に立ってるんだな」みたいな感じで。

川村:わかります。売れた先の向こう側。「実際にお客さんが助かってる」とか「役に立っている」ということが目に見えると、やりがいもありますよね。だから、みんなが解決しないといけないのではなく、その解決の謎解きをうまく太野さんがやる。それを「商品にし、みんなで販売することで、会社全体が感謝される」ということが、すごくいいことです。

太野さん:そうですね、社会にちゃんと交わってるような感じはあっていいですね。起業したばかりの頃はお客さんもいなかったから、社会から弾かれてる感じがあったので(笑)。良かったーみたいな感じです。

猫と人が幸せに暮らすための情報発信

川村:今後について、聞かせてください。組織的に、猫目線のもの作りを追求していく感じでしょうか?

太野さん:まだまだ解決できてないことがいっぱいあって。商品単体では、ちょっと解決が難しいことも見えてきています。事業を始めて18年くらい経ち、いろいろノウハウがたまってきたので、今後は、猫との暮らし方について発信する活動を増やしていきたいと思っています。情報発信も商品も広げる。うーん、一緒なのかな、わからないけど。

川村:そうですよね。お客さんが「知らないだけだった」ということもありますよね。

太野さん:そうなんですよ。結構、初めて猫を飼う人も多くて。わかっている人から見ると、「わからないことが、わからない」みたいなことになっちゃっていたりします。

川村:「前提がどこにあるか」というところで、対応も変わってくるだろうし。困ってる人も多いだろうから、 なるべく困る人を減らしたいというのもありますよね。「ここに解決方法があるよ」と、猫と暮らす人たちにより伝わっていくように。

太野さん:「エリザベスカラー」という、ケガや術後に使うものがあり、当初は一時的な使用で販売してたんです。けれど、実際に使っている人の声を聞くと、「一生涯使わなきゃいけない」という人も結構いて。

太野さん:「なんでだろう」って思ったときに、「最初に飼い始めた時からこういう生活をしていたら、もしかしたら使わないで済むかもしれない」という仮説が見えてきたので、「こういうのもいいかもよ」とひとつの情報として出していきたいと考えていて。

川村:なるほど、予防的なことも含めてですよね。

太野さん:やっぱりね、健康で、幸せで楽しく、長生きしてほしいので。

川村:お互い楽しく生活できる期間が長いといいですよね。

太野さん:今うちの猫が18歳なので、同じような状況の人と共感しやすいかなと思ってます。

川村:やっぱり、「好き」からきた流れの原点があるんですね。

太野さん:そう、「猫の役に立ちたい!」みたいな。そのために「ねこずき商品開発室」を立ち上げました。
2023年からは海外展開も開始、1月24日に越境ECサイトをオープンし、北米向けの販売をスタートします。
将来の夢は、「ネコと人間が共生できる家をゼロからプロデュースすること」。その夢の実現に向けて、専門家の協力も得ながら、人間と猫がお互い自然にいられる関係や暮らし方をこれからも追求していきたいです。

まとめ

ネットショップを立ち上げ、一人店長時代を経てスタッフに業務移管し、チームで仕事を回せるようになるまでのnekozukiさんのお話、共感はもちろん、憧れる方も多いのではないでしょうか。

nekozukiさんは、最初から「ネコ目線のものづくり」というコンセプトが、とてもしっかりとしていました。
このぶれないコンセプトのもとに、商品開発や情報発信することで、ファンが増え、ネコと飼い主にとってまさに「コレがほしかった!」というものを提供し続けています。

太野さんからコンサルティングのご依頼を受け、2022年11月で丸10年を迎えました。太野さんが起業したのが2005年。nekozukiとしてスタートしたのは2007年。私もかつて産休に入るまで担当コンサルとして伴走させていただいておりました。nekozukiの歴史の中で、私達はほとんど一緒にいて、傍で会社の成長を拝見できる。私たちの仕事の醍醐味の一つです。

このように、弊社では、売上アップや利益改善だけでなく、経営者の忙しさ改善から、ECチーム作りや業務効率化まで、成長段階と共に幅広くサポートしています。困ったときにいつでも相談できる相手として、長期契約しているお店も多く、黒子に徹しつつ陰ながら支えています。このようなご支援が必要な方は、どうぞ私たちにご相談ください。

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この記事を書いた人

川村 トモエ
コマースデザイン株式会社 取締役 コピーライター/コンサルタント
ライターからEC業界に転身。商品コンセプト立案やキャッチコピーなど「売れないオリジナル商品」の立て直しを得意とし、ヒット商品を多数企画。中小規模の店に対してわかりやすいコンサルティングを提供しつつ、講演や寄稿も行う。黄色本・マンガ本の著者でもある。
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