中堅社員が「伸び悩み」から脱出する3つのコツ

中堅社員が「伸び悩み」から脱出する3つのコツ

こんにちは、コンサルタントの石黒です。 今回は、自分の実体験を書きます。

対象は、「ある程度今の仕事に慣れて、成長もした。けど最近どうもマンネリで、あまり成長していない」という、中堅社員の方です。あるいは、部下が伸び悩んでいると感じている上司の方にも、参考になるかもしれません。

※企業によって中堅の定義が違うかと思いますが、ここでは「もう新人ではない」「ある程度は後輩に教えられる」「でもマネージャーではない」という段階のイメージです。

主な内容は「怠ける自分との上手な付き合い方」です。散々悩んだ結果、いまは少し状況が良くなりました。その際の経験談について、お話しさせて下さい。

はじめに

新人の頃はよかった・・

思えば、新人時代は手とり足とり教えてもらえていました。与えられた仕事をこなし、怒られたとしてもアドバイスは具体的で、何が足りないか・何をすべきかが明確でした。自分は長年某ネットショップに努めていましたが、上司に怒られ、先輩に教わり、成長「させてもらって」いました。

それが、新人時代を過ぎると、あまり怒られなくなり、社内の事は大体わかるようになりました。そうすると、今度は誰も成長の仕方を教えてくれなくなります

私の場合は、30歳あたりでマンネリを感じ、伸び悩んでいました。成長してないな…と感じつつも、日常業務に流されて、どうも自己投資ができず、空回り。

つい自己投資を怠けてしまう

毎日、担当した業務をこなすだけで1日が終わる、という日々でした。誰もお尻を叩いてくれません。なので、本を読んで勉強しようとしても「今日は疲れたから後にしよう!」などと、ついつい怠けてしまっていました。

しかし徐々に、成長の鈍化が、具体的な形に表れ始めます。会議で発言が出せない、難しい仕事を任されても上手くこなせない。力技だけでは、通用しなくなってきます。自分よりあとから入社した人も、どんどん増えてきます。そこで初めて「これはイカン」と思い始めました。しかし、一応先輩なので、妙なプライドがあり、謙虚に振る舞えないことも多くありました。

完全にこじらせてしまい、一時期は「頑張って結果を残している人」を見るだけで、激しい自己嫌悪に陥っていました。飲み会で友人の出世話を聞くのがしんどがったり、テレビでオリンピック選手や売れている芸能人を見るだけで、辛くなっていたほどです!

マンネリから脱する3つのコツ

ですが、ある時、解決の糸口を見つけました。何をしたのか。

簡単にいうと、「怠ける自分」を認める、ということでした。「自分(人間)は怠ける生き物だ」と認識し、責めずに上手にコントロールする、という対処を考えつきました。「抵抗をやめた」のです。そうすると、自然と前に進めるようになりました。

これらのコツを、以下の3項目にまとめました。どれも、怠ける自分の「心理」をコントロールするための、ちょっとした工夫です。

  1. 「失敗を恐れない」勇気の作り方
  2. 「途中でダレない」怠け心への対策
  3. 「着実に成長する」継続力の伸ばし方

この3つを実行した所、今では、昔のような自己嫌悪に陥ることもなく、「自分の成長に必要なことを自分で選択できる」くらいにはなりました。毎日、仕事やプライベートを楽しく過ごしています。これから、1つずつ掘り下げて説明していきます。

1.「失敗を恐れない」勇気の作り方

課題:挑戦することが怖い

「挑戦しないと何も変わらない。失敗を恐れずにチャレンジしよう」と動けるのは、元々勇気がある人です。

私は以前まで、極度の「気にしい」でした。たとえば会議中も人の反応が怖くて強く意見を言えなかったり、報告の仕方を考えすぎてやたら時間がかかってしまったり。自分から新しいことを提案するなんて、怖くて怖くてできず、自分から動くことを諦めていた時期があります。

でも、何事も「やってみたら意外とできた」ということって結構あると思うんです。また、落ち着いて考えてみると、大概の失敗では、致命的な損失にはなりません。だから、自分自身の「怖い」「失敗するのが不安」といった気持ちと、どう向き合うか・・が必要です。

対策:評価を一旦、受け流す

仕事で何かをすると、良かったときも悪かったときも、その結果に対して何かの評価を受けます。私は、この評価に対し「イチイチ喜んだり落ち込んだりする」のをやめました

結果を正面から受け止めることをやめて「受け流す」というイメージです。良い結果が出たり褒められても、表には出さず心の中で小さくガッツポーズをするに留め、逆に失敗したり詰められても「あ、石黒って奴が失敗したぞ」という感じで、他人事のように振舞います。

そうして、一旦受け流した後、落ち着いて、受け流した事実を丁寧に拾いにいきます(これをしないと、ただの「気にしないだけ」になります笑)。そこで初めて、じっくりと冷静に、結果に対して評価します。

「評価された瞬間に受動的に反応する」のではなく、もらった評価を一旦受け流し、落ち着いたあと、能動的に「自己評価する」イメージです。

受け流すことで、気持ちが軽くなる

このように、「一旦受け流す」だけで、気持ちの負担が少なくなるということに気づきました。また、受け流すことを繰り返すうちに、評価されること自体が自然と気にならなくなりました。「100%気にしなくなった」と言えばウソになりますが、気持ちがだいぶ軽くなったと思います。

そして、冷静になれたことで、自分の課題の発見や次のアクションの判断も、かなり早くなりました。

背景:「一喜一憂しない」のが大切

とあるテレビ番組で、同じような事例を紹介していました。「打たれ強さ」についての実験です。けん玉初心者を十数人集め、難易度の高い技に1時間トライしてもらいます。どういう人は気持ちが折れるか、あるいは折れないか、という実験です。

上手くできたときにすぐ喜ぶ人は、できないときには辛くなるので、すぐに諦めてしまいました。いまのはよかった、いまはここが違った、などと「独り言を言いながら黙々とやった」人は、気持ちが折れず、上達が早かったそうです。

まさに前述した「結果を一旦受け流し」、問題解決に向かう姿勢だと思います。こういう「逆境へ向き合う力」のことを「レジリエンス」と言うそうです。私は、まさに後者の一喜一憂してしまうタイプでしたが、意識と訓練で緩和することができました。

2.「途中でダレない」怠け心への対策

課題:努力が続かない

禁煙、ダイエット、自主勉強などの地道な努力は、始めるのは簡単でも、「習慣化する」までが大変ですよね。私は元々の性格が飽き性なので、まさに「続けられない人」典型例でした(笑)

例えば、「読書」。私はビジネス本などの、勉強のための読書が苦手でした。興味はあるのですが、買っても読まずに積んだまま、ということもしばしば。自分の成長に繋がるとわかっていても、ついつい「怠け」てしまう。仕事が忙しかったり疲れてたりすると、さらに怠けます。厄介なことに、もう新人ではないので、強制力も作用しません。

なぜ、良いことなのに、つい怠けるのでしょうか。ダイエットや禁煙も同じです。やった方が良いのに、つい怠けてしまうのです。

対策:「嫌がっている自分」を一旦認める

怠けてしまう答えは簡単で、それが「嫌だから」です。

本を探していたある日、気がつきました。私は本を買う際に、「自分が本を読むメリット」を漠然としか意識していなかったのです。これを読むと、「プラスになりそうだ」という程度のイメージで、勢いだけで買っていたのです。ダイエットでも、「痩せているほうがよい」という程度の動機よりも「絶対に結婚式までに痩せなければならない(さもないと・・)」という必然性があるほうが成功しますよね。

そこで、「本を読む行為」へのハラオチ感を強め、脳に納得してもらうために、「メリットを具体的にする」ことを試してみました。

本を読むメリットを書き出す

具体的には、「本を読んで得られたメリット」を細かく書き出してみたのです。たとえば、「接客時、本の話を活かした提案ができた」「頭の回転が増して、いつも議論で負ける上司と対等に話ができた」など。書き出す作業は、手軽なものが良いです。殴り書きのメモ、書くのが苦手なら携帯のボイスメモ機能、なんでもいいです。

面倒に思う人もいるでしょう。頭の中だけでやろうとする人も多いはずです。しかし、あえて実際に手を動かす(あるいは口を動かす)ことで、効果が出ました。一旦、言語化して、吐き出し、それを読んで(聞いて)、解釈するというプロセスを踏みました。ひとりで考えるのではなく、一旦吐き出して、それを受け取るイメージです。

メリットを書き出すことで、それまで漠然としていた「何となく良いこと」が「どう良いのか」はっきり明文化され、ハラオチしました。そうなると、自然に本を読めます。しばらく続けてみたところ、自然に本を読むようになっていました。ここまでになると、習慣化したと言えそうです。

背景:安易に納得せず、ハラオチ感を重視する

とある本いわく、人間という動物には元々、心理的に「嫌な事を避ける」「快適さを維持したがる」習性があるそうです。本能や深層心理と行った類のものですから、理性では対抗できません。

つまり、「自分にとって嫌な行為」だと脳が認識している内は、深層心理が努力を拒否するので、長続きしません。

しかし、「メリットを具体的にする」だけで、「これは自分にとって良いことだ(もっとやろう)」と脳が覚えてくれるようです。逆にデメリットも合わせて書いておくのも良いでしょう。「やらないと上司に意見ができず怒られる」とか。

ちなみに、これをやってもメリットが曖昧なままだったり、ハラオチしないのであれば、おそらく続けない方がいいでしょう。心が拒否しているので続かず、時間の無駄になるはずです。

理性だけで「納得したつもり」にならず、心の底からハラオチすることを大切にしましょう・・という話でした。

3. 「着実に成長する」継続力の伸ばし方

課題:面倒な仕事を溜めてしまう…

仕事をつい後回しにしちゃうことって、ありませんか?「急がないけど重要」な仕事ほど危険です。わかっていても、後回しにしてしまいます。

例えば、

  • 未登録商品の登録作業
  • 梱包部屋のレイアウト改善
  • マニュアル作り

など。そしてある日、上司に「あれどうなってる??」と聞かれ、ヒヤリとする。。私は昔、よく怒られていました(笑)

対策:「一口サイズの作業」に小分けする

なぜ手をつけられないのか。それは「面倒さ」を感じているからです。

対策として、「面倒臭さ」を抑えられるよう、作業工程を小分けにしました。 大きな壁があったら登れるように、「一旦階段を付けてあげる」イメージですね。

例えば、「出荷場のレイアウト改善」という仕事を小分けにする場合は、

  • 「レイアウト案を考える」
  • 「片付ける」
  • 「レイアウトを変える」
    という工程に分けます。

更に、「レイアウト案を考える」という作業も、

  • 「問題点を現場スタッフにヒアリングする」
  • 「レイアウト案を自分で考える」
  • 「上司に相談する」

更に更に「現場スタッフへのヒアリング」は、

  • 「○○さんに声を掛ける」
  • 「何について聞きたいか伝える」

などと、どんどん小分けにします。

そうすると、作業の難易度が下がるので、頭が「○○さんに声を掛けるだけ・・それならできそう」と判断し、取り組みやすくなります。また、作業を始めても、一つ一つはすぐに終わるので、その時々「プチ達成感」を味わい、脳が興奮し、やる気もわきます。

背景:脳は「一緒くた」で認識してしまう

人間は、その習性上、作業や様々な概念を「一緒くた」で捉え、覚えてしまうようです。

例えば、「粗大ゴミを捨てる」作業を想像してみてください。急に「これを粗大ゴミで捨てて」と言われても、「あれ?最初に何をするんだっけ?」となりませんか?ちょっと悩みます。そのように、「ピンと来ない作業」は、結局後回しになってしまいます。

そこで、現代人の理性を動かして、まず「粗大ゴミを捨てる工程はどうなっていたっけ」と考えます

  • ネットで、『○○市 粗大ゴミ 捨て方』と検索する
  • 市役所の該当ページを読んで、捨て方を把握する
  • 他に粗大ゴミがないか調べる

・・などと分割できます。となると、最初の作業は「検索」です。すぐにできますよね。

大きなカタマリの仕事は億劫になりがち

何も意識しないと、人間の脳は、仕事を「一緒くたのかたまり」として覚えます。しかし、一緒くたのかたまりは、どこから手を付けるべきかが不明確です。そして、これも人間の習性で、ちょっと考えてよく分からないと、後回しにしてしまうんです。たとえば、「マニュアル作り」「レイアウト改善」といった仕事を、分割せず大きなカタマリ単位のまま放置すると、脳が億劫に感じるのです。

だから、理性を使って、まず「一緒くたのかたまり」を分割しておきます。下ごしらえをするイメージです。そうすると、最小単位は「まず○○さんに声を掛ける」とか「検索する」です。これなら、スムーズに動き始めることができます。

ライザップのサービスも小分けの一例

ちなみに、ライザップに代表される、プライベートダイエットサービスが(高額であるにも関わらず)ヒットしてますよね。あれは、痩せるまでの計画立てや手順をトレーナーが細かく設計し、かつ管理までやってくれることで、「次に何をすればいいのか」が明確になっているそうです。これも「小分け」の一例ですね。

もし、「重たいなあ」と感じたら、一旦立ち止まって小分けにしてみましょう。

まとめ

以上、怠ける自分をコントロールするためのコツをお伝えしました。

怠ける自分をコントロールするためのコツ

結果や評価を正面から受け止めず、一旦受け流し、そのあとで考える
   → 心が折れなくなり、冷静に・粘り強くなれます

納得したフリをせず、心底ハラオチするまで考える
  → 怠け心がなくなり、努力が続くようになります

仕事を一緒くたにしないで、細かく刻んでおく
  → 後回しが減り、着手がスムーズになります

私はまだまだですが、これらの3つを実践する事で、結構変わりました。どれも「自分に無理をさせない」工夫で、怠け者ですぐにへこたれてしまう自分には、ぴったりです(笑)

こうやって書いてみると当たり前の話ばかりのようですが、こんな当たり前のことでも、ちゃんと実践すれば効果がある(だから実践が大事)、とも言えます。

長い人生、どうせなら、少しずつでもいいので成長し続けて、少しでも豊かな人間になりたいものです。もし同じような事で悩まれている方がいましたら、ぜひ試してみてください!

PS
このように、弊社のコンサルティングでは、ネットショップの運用ノウハウだけでなく、社員や個人が成長するためのコツなどもご紹介しています。一人で悩まずに、よかったら弊社コンサルタントに相談してみませんか。応援してくれるパートナーと二人三脚なら、より早く成長できるはずです。興味のある方は、以下ページをご覧下さい。

こちらの記事もおすすめ

この記事を書いた人

石黒健
エクステリア通販会社にて、店長業務に加えて物流・ユーザサポート・システム開発まで幅広く担当。市場ニーズと競合度を見極めて自社オリジナル商品を企画、自ら販促全般まで行って人気商品を量産。楽天ショップオブザイヤーにてジャンル賞を受賞したが、独自ドメイン店にも明るい。休日はバンド活動中。

EC事業コンサルティングを行う「コマースデザイン株式会社」の社員ブログです。

値引きや広告に頼らない販促施策を中心に、小さな会社や1人事業のための業務改善・組織運営術など、経営全般にわたって支援をしています。

RSS登録メルマガ登録

当社について

Eコマースの運営ノウハウ本を出版し、16回以上増刷されて業界で1位のベストセラーとなりました。

弊社の知見や取り組みは、NHKなど多くのメディアでも紹介されています。

コマースデザイン社長ブログ「ECバカ一代」