こんにちは。コンサルタントの石黒です。
SEO初心者のための「ネットショップ用SEOの基本」シリーズの後編。今回は、「GoogleSEOの具体的な進め方」です。
前回、「EC担当者が把握すべき検索は、2種類ある」ことをご紹介しました。「買い物検索」と「情報検索」です。覚えていますか?
これを踏まえ、ネットショップはどのように「Googleの検索対策」をすればいいか、具体的な進め方をご説明します。
- 目次 -
はじめに
前提として、モールSEOとGoogleSEOでは、SEOのやり方がかなり違います。モールSEOしか経験のない方は、ここでまず戸惑ってしまうかもしれません。
そして、GoogleSEOにおける販売サイトの構造的なSEOと、読み物ページのコンテンツSEOのやり方も違います。
今回は、初心者のための基礎知識として、「販売サイトのGoogleSEOには3段階ある」という話をします。その上で、「どのようにGoogleSEOを進めていけばいいか」をご紹介します。
※前編を読んでいることを前提とした記事なので、まだお読みでない方は、まず以下の記事をご覧ください。
「3階建ての絵」をイメージしよう
本編に入る前に、イメージをつかんでもらうと分かりやすくなるので、まずは「3階建ての絵」をイメージして下さい。
組織図のような感じです。社長がいて、営業部、製造部の部長がいて、各部署にメンバーがいます。
ネットショップのサイト構成も、組織図と同じ
ネットショップのサイト構成は、この組織図と同じような形です。前回の記事でも、この図をご紹介しましたね。
1番上がトップページ、真ん中がカテゴリページ、一番下が商品などのコンテンツのページです。
実際は、こんなきれいな三角形にならず、カテゴリがたくさんあったり、カテゴリ毎に商品数の偏りがあったりします。ただ、概念的には、この3階建ての図でとらえると分かりやすいです。その前提で、以降の話を読んでみてください。
レベル1:ページ単位のSEO
SEOの第一段階、一番分かりやすいのは、1ページ単位でのSEOです。
三角形の組織図の一番下、コンテンツのページのことです。ここには、商品ページのほか、ブログの読み物系のページが入ることもあります。
この一番下のページは、コンテンツSEOで丁寧に長いページを作ると、Googleの検索結果に表示されます。ただ、商品ページの場合、そんなには検索結果に引っかかりません。
読み物ページのSEO(情報検索)
これは、コンテンツSEOでよくやる方法です。例えば、「カフスボタンのつけ方」という読み物ページを作る場合。
- カフスボタンとは?
- カフスボタンというのは、こういう時に~
- カフスボタンの用途
- 要は、カフスボタンの用途というのは、こういう時に~使いますよね
- カフスボタンのつけ方
- こういう風につけますよ
- カフスボタンは難しい
- こういう時に難しいですよね
というような感じのコンテンツですね。
見出しにそれぞれ「カフスボタンの~」と載せて、その下に詳しい説明が書いてある文章構成です。
「このページを読んだら、カフスボタンの色々なことが分かる!」という、長い文章の読み物ページを用意します。
これが、Googleの好きな読み物系のページです。前回の記事でいう、「情報検索」に対応したSEOですね。
ECサイトにおいては、「店長の部屋」や「スタッフブログ」などが、この読み物ページにあたります。
最近は、検索エンジンがどんどん賢くなっているので、こういう分かりやすい書き方をしなくても、先回りして理解してくれるようになりました。ですが、コンテンツSEOは、長らく上記のような文章構成が続いていました。今でもこういった書き方をすると、一定の効果があります。
商品ページのSEO(買い物検索)
一方、ネットショップだと、一番下のページは商品ページになりますね。
そして、縦長ページのような長い商品ページを作った所で、あまりGoogleの検索には引っかかりません。
Googleの検索結果に表示されるネットショップのページは、大抵TOPページかカテゴリページです。
モールSEOの場合は商品ページが主体となりますが、実は、ネットショップの販売サイトのGoogleSEOは、そうではありません。カテゴリページが主体となります。ですから、販売サイトのSEOは、カテゴリページに意識をおいてSEOを考えた方がいいと思います。
以上が、第一階層の話でした。
ちなみにご存知の通り、モールSEOの場合は、お客さんが商品を見つけられるよう、検索キーワードを商品ページに書き込んでいくことが大事です。けれど、GoogleSEOははだいぶ違うということですね。「モールSEOとGoogleSEO、両立するにはどうしたらいいの?」と悩んだ場合は、ケースバイケースです。
レベル2:カテゴリ単位のSEO
次はカテゴリページ。冒頭で紹介した「3階建ての絵」の真ん中(二段目)の話です。
例えば、ジャケットのカテゴリページがあるとします。
ジャケットのカテゴリページの下には、色々なジャケットの商品ページがぶら下がっていますね。「ジャケットカテゴリとその仲間達」のような、2階建ての状態です。
リーダーであるジャケットカテゴリページと、その下の商品ページ。それぞれしっかりSEOのチューニングがされていると、ジャケットカテゴリページが、「ジャケット通販」などの検索に引っかかりやすくなります。
実際、ネットショップに入ってくるお客さんは、トップページが半分で、あとはカテゴリページや特集ページからの流入が多いですね。
カテゴリに情報が整理されていると、検索順位が上がりやすい
商品ページはGoogleの検索流入はあまりないので、カテゴリページとその下層ページを調整していきます。
カテゴリページの下に充実した商品ページがあり、それらが一つのテーマで統一されているページ構成にしましょう。
カテゴリで綺麗に情報がまとまっていると、検索順位が上がりやくなるからです。
結果として狙ってなくても、「このカテゴリページ、結構Googleからの検索流入が多いんだよね」という場合、上記のような構造になってることが多いので、意識して見てみるといいでしょう。
以上が、2段階目の話でした。
レベル3:サイト全体のSEO
最後は、「3階建ての絵」の一番下(3段階目)です。これはトップページというより、サイト全体の設計になります。
トップページの下に、ジャケットやスカートなどの各カテゴリページがあり、カテゴリページにそれぞれに商品ページがぶら下がっています。
※概念的な話なので簡略化した図ですが、実際は「1カテゴリ=1商品」ではなく、複数カテゴリに商品がぶら下がったりします。
サイト全体を、様々な角度からバランスよく整える
この全体のサイト構造を、SEOのためだけでなく、以下のようにいろいろな観点から綺麗にバランスよく整えます。
- お客さんにとって、買い物がしやすいか
- お店の特徴や強みが伝わりやすいか
- ライバルと比較してどうか
- デザインはどうか
- ブランドの雰囲気を、ちゃんと出せてるか
このように全体を見てサイトを作りこんでいくことを、「構造設計」と言います。
この構造設計は、非常に高度な職人技で、いわゆる電話営業してくるようなSEO屋さんのやる世界ではないです。
電話営業のSEO屋さんは、大体「裏技の話」か、「コンテンツを量産します」という話のどちらかですね。
この構造設計はとても難しいんですけれど、手前味噌ですが、私達はこういった構造設計のお手伝いもしています。コンサルティングの現場では、一緒に業者さんを探したり、打ち合わせに同席したり、といったご支援をしています。かなり大がかりな話にはなりますが、もしご検討されている方はお問い合わせください。
以上が、3段階目の一番難しい話でした。
まとめ
ここまでの話をまとめます。Google検索のSEOには、以下の3段階があります。
- 1:ページ単位のSEO
- 2:カテゴリ単位のSEO
- 3:サイト全体のSEO
まずは、「買い物検索」のSEO
この3段階のSEOを、以下のような進め方でページやサイト全体を整えていきます。こちらは「買い物検索」のSEOです。
- まず、商品ページとカテゴリページを、それぞれちゃんと作り込んでいく
- 最後に、構造設計で「サイト全体のバランス」を整える
これだけでもライバル多いので、なかなか検索上位が上がらないことが多いんです。なので、加えて「情報検索」の対策として、コンテンツSEOをやっていきます。
次に、「情報検索」のSEO
コンテンツSEOは、前回の記事でご紹介したとおり、やってもやっても売上にはすぐつながりません。
サイトのテーマに応じた情報を網羅していくと、「このサイトの運営者は、本当に◯◯に詳しい」と思ったGoogleが、「◯◯ 通販」でも、検索順位をあげてくれます。
特に最近は、情報検索系のコンテンツを増やしていくと、サイト全体の評価が底上げされ、「買い物検索」でも有利になるケースをよく見かけます。なので、3階建ての全体のバランスを整えつつ、長期の投資としてコンテンツもやっていくというのが、典型的なSEOになります。
P.S.
なお、「SEOにどれだけ手間をかけるか」は状況によります。
モール店を運営している人は、モールのSEOや回遊性改善など、他にもやることがたくさんありますよね。なので、Google向けのSEOをどれだけ急いでやるのか、「GoogleSEOの優先順位」をまず考えた方がいいでしょう。
そして、やるとなったら、今回の話を頭に入れた上で、まずはいろいろ勉強するといいと思います。実際にやりだすとかなり手間がかかりますが、勉強するだけならお金もかかりません。
また、モールとGoogleでは、検索対策のやり方が違う点もあります。「モールSEOとGoogleSEO、両立するにはどうしたらいいの?」など、色々と悩みもででくるでしょう。「広くて深いGoogleSEOの世界」に行くのであれば、我々コンサルタントが迷子にならないようサポートできます。お悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
- エクステリア通販会社にて、店長業務に加えて物流・ユーザサポート・システム開発まで幅広く担当。市場ニーズと競合度を見極めて自社オリジナル商品を企画、自ら販促全般まで行って人気商品を量産。楽天ショップオブザイヤーにてジャンル賞を受賞したが、独自ドメイン店にも明るい。休日はバンド活動中。