弊社コマースデザインでは、EC人材が成長し、自分で業績を上げられるようになるための研修「ECステップアップ研修」を提供しています。
今回お話を伺ったのは、株式会社PBIで新規事業部のリーダーを務める金井さんと、同部門でミスタージョージの店長を任されている伊藤さん。金井さんがかつて弊社の研修(※)を受講し、その後「次はこの子に!」と伊藤さんを送り出した、先輩・後輩の二人です。
かつての伊藤さんは、「失敗したくないから、つい指示を待ってしまう」ような“待ち受け型”の人でした。ところが、研修を経て伊藤さんに変化が起きます。なんと、上司が「これやっておいて」と言う前に、「もうやりました」と返せるようになったこと。自分の意見を持ち、先回りして、周りからも一目置かれる存在になりました。
一体なぜ、そんな変化が生まれたのか。今回は「リーダーの変化」「メンバーの変化」「チームの変化」という3つの視点で、お二人にじっくり聞いてみました。
- 目次 -
株式会社PBIについて
坂本:まず、株式会社PBIさんについて教えていただけますか?
金井さん:株式会社PBIは、アパレルECの旗艦店「シルバーバレット」を主軸に、レディース、浴衣、スポーツ事業、自社ブランドまで幅広く手掛けている会社です。社員は50名ほどで、チーム単位で活動しています。

(出典:SILVER BULLET)
坂本:そのなかで、お二人はどんな役割を?
金井さん:我々は新規事業部に所属しています。新規事業部って、待ちの姿勢だと数字が作れないんですよ。だから常に、新しい商品やお店を仕掛けていく立場ですね。
伊藤さん:私は、ミスタージョージというミドル男性向けのアパレルEC店舗を担当しています。異動してきたばかりのタイミングで、店長を任せていただいた形です。

(出典:Mr.GEORGE)
まず、リーダー自身が研修で変わった
社長の「本気の念押し」から始まった受講
金井さんがEC運営ステップアップコースを受講したのは、2023年10月のこと。ChatGPTが登場したばかりの、まさにAI黎明期でした。受講のきっかけは、当時の高木社長からの勧めだったといいます。
坂本:金井さんが研修を受けたのは、もう2年以上前ですよね。受講のきっかけは?
金井さん:高木社長に「超大変だけど、どうする?」と言われたのが最初でした。条件もはっきりしていて、「やるなら途中で投げ出すな」「“忙しい”を言い訳にするな」と。候補は3人ほどいたと思います。
金井さん:高木はもともと、自分で何かを教えるというより、「この本いいから読んでおいて」「この研修、評判いいよ」「このコンサルは言っていることがまともだから、ちゃんと見ておいた方がいい」というタイプで。顔も広くて、勧めてくるものは“当たり”が多かったんですよ。私はもともと新しいものに触れるのが好きなので、「ぜひ」と。
坂本:受けてみて、いかがでしたか?
金井さん:いちばん衝撃だったのは、ECにこんなにAIが使えるのか、ということでした。正直、当時はハッキングだと思いましたよ(笑)。今でこそ皆が使うようになりましたが、当時は最先端でした。あの時に基礎をつかんでいなければ、今ここまで社内でAIを使えていなかったと思います。
坂本:2023年の時点でAIの感覚をつかんだから、その後スムーズに展開していけた、と。
テクニックではなく、長く運営する考え方を学んだ
坂本:コマースデザインの研修って、金井さんから見るとどういうものに映りますか?
金井さん:一言でいうと、攻略法じゃないんですよ。よくあるじゃないですか、Amazonで売るためのテクニックとか、ヤフーショッピングの攻略法みたいなもの。ああいうものは、それこそ腐るほどある。でも、長く運営していくための「基礎」を教えてくれるところは、今思えばほとんどないんです。
金井さん:ECって、すぐ経営の話になりがちなんですよ。でも実際に動いて、手を動かしているのは現場の人たち。その現場が、ずっと使える基礎を学べる場って、本当にないなと。だから、テクニックでも攻略法でもない。長く運営するための「考え方そのもの」 かもしれないですね。
「一分の価値を上げる」という発想に切り替わった
坂本:研修の前と後で、考え方はどう変わりましたか?
金井さん:研修の一回目が、業務の棚卸しだったんです。それまでの私は、「今ある時間をどう使うか」ばかりを見ていました。限られた時間の中で、このパズルをどう組むか、と。でも坂本さんに「一分の価値を上げていきましょう」と言われて、ハッとして。
金井さん:そもそも、この仕事は自分がやる必要があるのか。ここにあるべきなのか、いらないんじゃないか。そこに、全く目が向いていなかったんです。ルールの中でどう動くかばかり考えていて、ルールそのものを作り変えていいという発想がなかった。「待てよ、その手があったか」と。
金井さん:それからは、「自分でなくてもいい仕事」を、勇気を出してどんどん手放していきました。たとえばシステム周りなんかも、今はもう手をつけていません。まず「時間を作る」ことに、いちばんリソースを割いたんです。何かを生み出す原動力は、そこからだと思ったので。
AIを「相棒」として育てる
坂本:その「時間を作る」ことと、AIの使い方もつながっていますよね。
金井さん:研修で、「AIは有料版に課金して、自分の「相棒」として育てろ。いちばんの理解者をAI側に作れ」と言われたんです。当時の私は、検索して調べるものの延長くらいにしか思っていなかった。でも、「なるほど、相棒か」と。
金井さん:今では私のAIは、私がどんな仕事をしていて、どこに住んでいて、どんな性格で、どこに困っているかまで分かっている。ちょっと言えば通じるんです。この2年間の蓄積ですね。若い子にもいつも言っています。「一日ジュース一本我慢して、自分でお金を払って、理解者を作った方がいいよ」と。
「待ち受け型」の後輩が、先回りできる店長に成長
なぜ、伊藤さんだったのか
金井さんが研修を終えたのち、次に送り出したのが伊藤さんでした。社内には複数の候補がいたなか、なぜ伊藤さんだったのか? 伊藤さんはちょうど、ミスタージョージの店長に抜擢されたばかり。店長としての経験はまだなく、これからお店を背負っていく立場でした。
坂本:伊藤さんを研修に推薦された経緯を聞かせていただけますか?
金井さん:会社には、上昇志向の人と安定志向の人がいます。ECはルーティンの仕事が多いので、「今のままでいい」という人もいる。そんな中で、伊藤は、正直に言うと、もともと自分から手を挙げて前に出るタイプではなかったんです。
金井さん:失敗したくないから、つい指示を待ってしまう。でも、根が真面目だから、任せればやり切ってくれる。そう思っていました。だから「めちゃくちゃ大変だぞ。店舗の力にはなるけど、その分、仕事はかなり増える。それでも大丈夫か?」と、正直に念押ししたんです。
金井さん:実はこれ、私が高木社長から言われたのと、全く同じ言葉なんですよ。「本当にやるのか。受けるなら、最後までやり切れよ」と。だから私も、同じように伊藤に伝えました。それでも伊藤は、「やってみます。ぜひやりたいです」と言ってくれた。

もうひとつの決め手は、伊藤さんの「真面目さ」にあったと金井さんは言います。
金井さん:今どき、あそこまで真面目な子は少ないんですよ。社員50人のなかで、挨拶や電話対応といった基礎項目の社内評価は、伊藤が唯一トップでした。外の研修に出しても恥ずかしくない。「うってつけの子がいる」と坂本さんにメッセージした瞬間を、今でも昨日のことのように覚えています。
「店番」から「ものを売る仕事」へ
坂本:店長に抜擢されたときの、率直なお気持ちは?
伊藤さん:正直、不安はありました。でも、ちょうどそのタイミングで研修を受けさせてもらえることが、自分の中ですごく支えになっていて。学んだことを生かしていければと、前向きな気持ちでした。
坂本:研修を受ける前は、どんな状態でしたか?
伊藤さん:それまでは、店番をしているような感覚でした。画像を作って出品して、の繰り返しというか、本当に作業的で。前の部署は、いろんな商品を扱うチームではなかったので、なおさらです。
坂本:今の部署は、扱う商品の幅も広いですよね。
伊藤さん:はい。アパレルの商品って、ひとつひとつ特性も特徴も違うので、それをちゃんと理解して、お客様が気になる部分を事前に解消したページを作っていく。研修の最初のほうで習った「抜けがないページを作る」というのは、今の業務にそのまま落とし込めています。
伊藤さん:研修を受けて、「ものを売る」という仕事を理解できた気がしています。経営というか、運営をする、という意味合いややり方が分かってきて。今ようやく、ちゃんとEC運営ができているのかな、と思えるようになりました。
坂本:回を重ねるごとに、ミスタージョージがどういうお店で、誰に何を伝えるのかが、レポートの中でどんどんクリアになっていきましたよね。
伊藤さん:そうなんです。私もちょうど異動した直後で、自分のお店のブランドやコンセプトが、正直まだ分かっていなかった。それが研修の後半でようやく見えてきて。研修と一緒に、自分のお店がどんなお店なのかが分かっていった感覚でした。
指示される前に「もうやりました」と言えるように
坂本:金井さんから見て、伊藤さんのビフォーアフターはどうですか?
金井さん:分かりやすく変わりました。研修を受け始めて1~2ヶ月で、私が「あれやって、これやって」と指示を出す前に、「もうやりました」が増えてきたんです。
坂本:とんでもないことですね(笑)!
金井さん:最初のうちは、「それは優先順位が後かな。でも、手をつけてくれてありがとう」というくらいの段階でした。それが直近では、私がやることを上回ってきていて。「私はこの店舗を見ていて、こう思うんです。こうした方がいいと思うんですが、どうでしょうか」と、自分から提案してくるようになりました。
坂本:伊藤さんご自身は、昔と比べて、どうですか?
伊藤さん:昔は、本当に何をやったらいいのか分からなくて、そのまま何もせずに終わっていたと思います。今は、運営のやり方が分かったので、お客様を呼び込む仕掛けや施策を、自分でも動かせるようになりました。
坂本:他の部署の動きを見て、「これはこういう意図で、こういう効果があるんだろうな」と、傍から理解できるようになった、という感じですか?
伊藤さん:そうですね。それもありますし、とにかく一度、自分でやってみて、どうなるかを試してみよう、と思えるようになったのも大きいです。姉妹店のシルバーバレットがやっている施策を察知したら「うちもやりたい」と思って、上長に確認しに行ったり、自分で進めたり。
外で話せたら、社内でも動けるようになった
金井さんが「これは副産物だった」と語るのが、研修を通じて伊藤さんに“度胸”がついた、という変化です。
金井さん:伊藤はもともと、チーム内で話すのは得意でした。でも、部署をまたいで他の人を参考にしたり、相談したりする動きは、性格上なかなか起きなかった。それが今回、いろんな会社の方と一緒に取り組む中で、自分が何をしたいか・何を考えているかをアウトプットする力が、すごく伸びたんです。
金井さん:商談の経験がゼロの伊藤が、外の場に放り込まれて、生き残るためにやり切った。そうなると、「外でできたんだから、知っている社内の人となら、もっと話せる」となる。社内でも、相談することが一気に増えていきました。これは、社内だけでグループワークをしていたら、絶対に得られなかった変化だと思います。
坂本:実績もできて、向こうからも見てもらえるようになって、相談しやすい環境が自然と整っていったんですね。
伊藤さん:そうですね。「成果もそんなに出せていない自分が、声をかけていいのかな」と思っていたんですが、いざ話してみたら全然気軽で。そんなに緊張しなくてよかったな、って。
坂本:昔の伊藤さんのように、「相談しづらいな」という後輩側の方に、一言あるとしたら?
伊藤さん:話しかけに行っていいと思います。これは、過去の私にも本当に言いたいです。
研修を経て、チーム全体の見ている方向が変わった
売り手目線から、お客さん目線へ
ここからは、研修が“チーム”にもたらした変化です。金井さんが「自分のいちばん大きな変化だった」と語るのが、視点の逆転でした。そしてそれは今、新規事業部全体のスタンスになっています。
坂本:研修を通じて、他に大きく変わったことはありますか?
金井さん:お客様から見て、うちがどう思われるか。ここに視点が向くようになったのが、いちばん大きな変化です。私たちは自社ブランドではないので、どうしても「かっこいい画像を撮れば売れる」という発想になりがちなんですよ。でも、それで売れていくと、感覚が麻痺してくる。たまたまいい画像が、たまたま売れただけなのに、「画像のおかげだ」と思い込んでしまう。
坂本:数字は目に見えて分かりやすいけど、お客さんのインサイトは目に見えないですからね。そうなりがちですよね。
金井さん:研修で学んだ「ちょうどいい」という言葉は、いまだに大事にしています。「お客さんにとってちょうどいいから、これを選んでくれている」と。じゃあ、うちで買っていただく理由は何だろう。検索で一番上に出せばいい、という話じゃないよね、と。この“お客さん目線”が、今では私個人だけでなく、チーム全体のスタンスになっています。
坂本:「お客さん目線で考える」というのは、伊藤さんもおっしゃっていましたよね。
伊藤さん:研修の中で、AIを使ったレビュー分析のやり方を学んだんです。実際にやってみたら、「◯◯◯◯◯◯◯」というところが、うちの強みなんだと分かって。お客様の声から強みを見つけて、それをアピールしていく。そういう順番に変わりました。
少数精鋭×AIの新規事業部
坂本:金井さんのAIの使い方も、まさにそこにつながっていますよね。
金井さん:研修を受けていなかった「パラレルワールドの自分」だったら、たぶんAIに「俺が思う最強のページを作らせる」という使い方をしていたはずなんです。でも今は逆。まずAIに、自店だけでなく◯◯も含めてお客様のレビューを全部読み込ませて、「あなたはどう思う?」と聞く。お客様の声をベースにページを作る順番に変わりました。
坂本:人を増やさなくても、回せるようになってくる。
金井さん:そうなんです。「人を増やさないと数字が作れない」という前提は、これから変わってくると思っています。 これからは、少数精鋭×AIでやっていく時代です。
そして今、社内でこのAI活用を引っ張っているのが、かつて“店番”をしていた、あの伊藤さんです。
金井さん:AIの画像生成やAIを使った店舗運営は、今は伊藤がチームリーダーになっています。新しいことは、まず伊藤に確認してから進める。そういう体制にしました。
坂本:店番をしていた伊藤さんが、今では社内のAI活用をリードする立場に。すごい成長ですね!
金井さん:情報過多の時代に、私たちはお客様の時間をお借りしている感覚で、濃いものをどれだけお渡しできるか。研修で学んだ“お客さん目線”と“ちょうどよさ”は、AI時代でもそのまま使えるフレームワークだと感じています。
まとめ
「店番をしているような感じだった」と語っていた伊藤さんが、今では自分の考えを提案し、他部署に声をかけ、社内のAI活用を引っ張るリーダーになっています。
今回のインタビューを、3つの変化として振り返ってみます。
- リーダーの変化。金井さんは「今ある時間をどう使うか」から、「そもそも、この仕事は自分がやるべきか」へ。時間の“枠”そのものを外し、AIを相棒として育てるようになりました。
- メンバーの変化。伊藤さんは、失敗を恐れて指示を待つ“待ち受け型”から、先回りして「もうやりました」と言える人へ。さらに、外で話す度胸がつき、社内でも自分から動けるようになりました。
- チームの変化。「かっこよく撮れば売れる」という売り手目線から、お客さん目線で「ちょうどよさ」を考えるチームへ。そして、AIを活用して高速に動けるチームへと変わりました。
その変化の源泉は、スキルではありません。「ものの見方=視点」が変わったこと、そして「枠を外して動いていい」という感覚を手に入れたことでした。もし今、あなたのチームに“指示待ち”のもどかしさがあるなら、変えるべきは人ではなく、仕事の「枠」のほうかもしれません。
金井さんが「攻略法じゃない」と表現してくださったように、弊社の研修でお伝えしたいのは、テクニックではありません。自分の枠だけでものを見るのをやめ、お客さんの視点を起点に考える。時間も環境も、枠ごと変えていい——そんな「動きやすくなる感覚」を、体験を通して発見・習得していただくことを大切にしています。
情報がネット上にあふれ、AIに聞けば何でも返ってくる時代です。だからこそ弊社のEC研修は、「ずっと使える原理原則」を、仲間と一緒に学んで実践するカリキュラムにこだわっています。AIという道具に躍らされず、むしろ味方につけて、お店を伸ばしていく。その入り口になるはずです。
あなたのチームにも、まだ「店番モード」から抜け出せていないスタッフがいるかもしれません。金井さんと伊藤さんのように、次のステージへ進みたい方は、ぜひご一緒しましょう。
金井さん、伊藤さん、ありがとうございました!


P.P.S
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この記事を書いた人
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