「楽天のSKU統合、そろそろやらなきゃな…」
そう思いながら、なんとなく先延ばしにしてきた方、多いのではないでしょうか。何と何を統合したらいいか迷うし、SKU統合したら「使われなくなった商品ページのレビューが余って勿体ない」。気づけば「いつかやろう」のまま延期になっている、、というお話をよく聞きます。
そんな中、楽天から「SKU商品レビュー移行」が期間限定で復活する、というお知らせが出ました。SKU統合でページをまとめたときに、まとめる前のページに付いていたレビューを、まとめた後のページへ移せる仕組みです。事前申請の締め切りは11月13日(金)までです。
先延ばしにしてきたSKU統合を判断するには、いいきっかけだと思います。とはいえ、「何をまとめて、何を分けたままにするか」で手が止まる方も多いはずです。
そこでこの記事では、まず前提として、そもそもなぜSKU統合が大事なのかと、今回のお知らせの中身を整理します。そのうえで、SKU統合の考え方を、次の順番でまとめてみました。
- 前提:SKU統合が大事な理由と、今回のレビュー移行の復活
- 考え方1:お客さんが「選びやすいか・買いやすいか」で決める
- 考え方2:統合しやすいもの・しづらいもの
- 考え方3:迷わないものは即決して、悩ましいものに時間を使う
- 目次 -
前提 SKU統合が大事な理由と、期間限定で復活したレビュー移行
そもそも、なぜSKU統合が大事なのか
楽天などのECモールでは、商品ページの売上実績が、検索順位に大きく影響します。
なので、似たような商品を細かく分割するよりも、1つの商品ページの中の選択肢(SKU)として販売したほうが、商品ページあたりの売上実績が増えます。その結果、検索順位で有利になるという構造にあります。このように、別々のページで売っていた商品を、1つのページの中の選択肢にまとめることを、SKU統合と呼んでいます(楽天の言葉では「SKUまとめ」)。
価格が違う場合は、昔は1つのページに統合できなかったんですけど、いまは価格が違っていても、1つの商品ページに統合できるようになりました。Amazonは昔からそうで、楽天もヤフーも、今ではそうなっています。
分かっていても、統合が進まない理由
ただ、もともとバラバラに売っていたものを統合するには、試行錯誤のハードルがあります。
日々の仕事が忙しいうえに、どうまとめるかで迷いますし、統合すると元に戻せないということもあります。それで、「統合したほうがいいのかな」と思いながら、時間が経っているケースも多くあります。
また、複数の商品ページに分散した商品レビューを、統合後の商品ページへ移す特例措置を、楽天は一時期だけやってくれていたんですけど、その後は終了していました。そういったこともあり、最初に書いたように、SKU統合をしないまま置いているケースが多いという状態です。
こういう状況で、前述のとおり、SKU統合にともなう商品レビューの移行を、期間限定でやってくれることになりました。前から気になっていた方は、この機会に今度こそ統合を考えてみませんか、というのがこの記事のご提案です。
今回のお知らせのおさらい
ここで、今回のお知らせをおさらいしておきます。
楽天では、まとめる前のページのレビューを、まとめた後のページへ移す申請の受付が、2025年に終わっていました。「せっかく集めたレビューが消えるなら、まとめないでおこう…」と、統合をしないままの方も多いと思います。その「SKU商品レビュー移行申請」が、期間限定で復活します。申請は2段階に分かれていて、今回は費用がかかります。

- 事前申請:10月13日(火)〜11月13日(金)。移行したい商品ページ数の目安を申告します
- 本申請:11月中旬ごろから。移行元と移行先のページを具体的に申告します
- 審査:2027年1月以降に順次始まる予定です。実際にレビューが移るまでには時間がかかります
- 費用:基本料50,000円+移行元の商品ページ数×100円(税抜)。たとえば100ページなら60,000円です。審査に通らずレビューを移せなかった場合も、費用はかかります
対象になるページの条件など、細かいところは、RMSのお知らせ本文で確認しておくと安心です。
先延ばしにしてきたSKU統合を、判断するいいきっかけ
SKU統合は、やったほうがいいのは分かっていても、後回しになりがちな仕事です。今回は、11月13日という締め切りがあります。つまり、「いつかやる」を「いつまでに決める」に変えられるわけです。
一方で、ちょうど年末商戦の手前で、お忙しい方も多いと思います。ただ、商戦が始まってからページの形を変えるのは、なかなか勇気がいりますよね。ページを整理した状態で年末商戦に臨めるかどうかは、割と大事なポイントではないでしょうか。
ちなみに、このタイミングで復活したのは、楽天側も「SKU統合が進めば流通が伸びる」と考えているからかもしれないな、と想像しています。
ただし、本申請は1店舗1回だけ。統合をいつまでに済ませるかも確認を
気をつけたいのは、本申請が1店舗につき1回だけという点です。申請したあとの追加・変更・取り消しはできません。出してから「やっぱりこのページも」と足すことはできないわけです。
だから、本申請までに「どのページを、どのページへまとめるか」を決めておく必要があります。費用も、移行元のページ数で決まります。勢いで全部まとめるのでも、怖くて何もしないのでもなく、まとめるものを選ぶ考え方が必要になります。
また、申請の時点で、ページをまとめる作業(統合)を済ませておく必要があるかどうかは、公式の案内には書かれていません。私の解釈では、11月中旬からの本申請の時点で、統合を終えている必要があるのではないかと思っています。この答えによって、お店側でいつまでに何をするかが変わります。統合を考えている方は、楽天に確認しておくと安心です。追加の案内が出る可能性もあるので、楽天のお知らせもあわせて見ておくとよいと思います。
考え方1 お客さんが「選びやすいか・買いやすいか」で決める
お客さんは二段階で選んでいる
モールECで買い物するお客さんの行動を、一旦整理してみましょう。
ECでは、お客さんは検索結果から商品を選んでページに入り、そのあとページの中で、色やサイズなどの選択肢を選ぶという動き方をします。
たとえば、アパレルのECで「Tシャツ メンズ」と検索したとします。お客さんは、検索結果に並んだ中から、ボーダーや無地、ポケット付きなど、デザインの気に入ったものを選んでページに入ります。そのあとページの中で、色やサイズ、枚数を選んで、かごに入れますよね。

お客さんが「どこで選んでいるか」で決める
この二段階に当てはめると、統合するかどうかを判断しやすくなります。
- ページに入ってから選ぶもの(色・サイズ・セットなど)は、SKUとして1ページにまとめる
- 検索結果を見る段階で選んでいるもの(デザインや形の違いなど)は、ページを分けたままにする
ページに入ってから選ぶものは、1ページにまとまっていたほうが、お客さんにとって便利です。ほかの色やサイズを見比べながら選べますし、「ほかの色もあったんだ」と見逃すことも減ります。ページを行ったり来たりしなくて済むので、迷わず買い物を終えられます。レビューも1ページに集まるので、ほかの人の感想を参考にしやすくなります。
逆に、同じTシャツを色ごとに別のページで売っていると、お客さんは色を比べるたびに、ページを移動しなければなりません。レビューも色ごとのページに分かれてしまいます。1ページなら100件集まっていたはずのレビューが、5つのページに20件ずつ散らばるようなイメージです。どのページを見ても判断材料が少なく、選びにくい売り場になってしまいます。
一方で、検索結果を見る段階で選んでいるものは、ページが分かれていたほうが、お客さんは目当ての商品に直接たどり着けます。最初から「これが欲しい」と決まっている人にとっては、1ページにいろいろ混ざっているより、探しやすいわけです。
つまり、「似ているからまとめる」「別の商品だから分ける」と、商品の側から考えるのではありません。お客さんが「検索結果を見て選んでいるのか、ページに入ってから選んでいるのか」に目を向けて、どちらのほうがお客さんにとって選びやすく、買いやすいかで決めるということです。
迷ったら、お客さんの探し方を思い浮かべる
とはいえ、判断に迷うものも出てきます。そんなときは、お客さんがどんな言葉で探しているかを思い浮かべると、考えやすくなると思います。
たとえば、オフィスチェア。「オフィスチェア ヘッドレスト付き」のように探す人は、検索結果を見る段階で、ヘッドレスト付きのものを選ぼうとしています。 一方、張地の色で探す人は少なく、気に入ったいすのページに入ってから、色を選ぶことが多いはずです。
キャラクターグッズも同じです。「このマグカップがほしい。どのキャラクターにしようかな」と選ぶ人には、1ページにまとまっていたほうが便利です。 でも、「(キャラクター名) マグカップ」と最初から決めて探す人が多いなら、キャラクターごとにページが分かれていたほうが探しやすいかもしれません。
同じ仕様の違いでも、お客さんが検索結果を見て選ぶのか、ページに入ってから選ぶのかで、扱いが変わるわけです。 こうした実際にどんな言葉で探されているかは、その商品ページの来店キーワードを確認してみると、確かめやすくなります。
考え方2 統合しやすいもの・しづらいもの
ここからは、よく出てくるパターンを、お客さんにとっての選びやすさに基づいて、統合しやすいもの・まとめ方に工夫が必要なもの・統合しないほうがよさそうなものに分けて並べてみます。ご自分のお店の商品がどこに入りそうか、思い浮かべながら読んでみてください。
なお、ここで挙げるのは、あくまでよくある傾向です。同じ「サイズ違い」でも、「シーツ シングル」「シーツ ダブル」のように、最初からサイズを指定して探す人が多い商品なら、ページを分けておいたほうが、お客さんは目当ての商品にたどり着きやすくなります。最後は、考え方1のとおり、お客さんがどこで選んでいるかで判断してみてください。

統合しやすいもの:ページの中で見比べて選ぶ違い
ページに入ってから、見比べて選ぶ違いです。1ページにまとまっていたほうがお客さんにとって選びやすいので、基本的には統合してよい側です。
- 色・柄の違い:Tシャツの色違いを、色ごとに別ページで出しているような場合です。1ページで並べて見比べられたほうが選びやすく、ほかの色があることにも気づいてもらいやすくなります。ただ、ボーダーと無地のように、柄そのものが決め手になって検索結果で選ばれているなら、分けたままのほうが探しやすいこともあります
- サイズ・容量の違い:保存容器のS・M・Lのような違いです。サイズを並べて見比べながら、使い方に合うものを選べます
- 単品とセット、個数の違い:ハンドタオルの1枚と5枚セットのような違いです。1枚の価格とセットの価格を同じページで見比べられるので、お客さんは自分に合うほうを選びやすくなります
- 本体だけか、付属品付きか:水筒の本体だけと、カバー付きのような違いです。付属品があることに気づけて、要るか要らないかもページの中で選べます
まとめ方に工夫が必要なもの:まとめると、かえって探しにくくなりやすいもの
まとめられなくはないものの、まとめ方によっては、お客さんが探しにくくなったり、選びにくくなったりするものです。悩ましいのは、だいたいこのグループです。
- 対応する車種ごとのページ:同じフロアマットを、車種ごとに別のページで出しているような場合です。「(車種名) フロアマット」と探す人は、自分の車に合うものをすぐに見つけたいはずです。全部の車種を1ページにまとめると、商品名にすべての車種名は入りきらないので、車種名で探した人が、そのページにたどり着きにくくなります。たどり着いたとしても、長い車種のリストの中から自分の車を探すことになります。まとめるとしても、よく探される車種のページは残すなど、お客さんが自分の車を見つけやすい形にしておくことが必要です
- 仕様の小さな違い:オフィスチェアのヘッドレストのあり・なしのような違いです。考え方1で触れたように、検索結果を見る段階で選ばれることも多い違いです。また、まとめると、ヘッドレスト付きの感想が、なしを探している人の目にも入ります。まとめるなら、どちらの仕様の感想なのかが分かるようにして、レビューを読んだお客さんが迷わないようにしておく必要があります
- 同じシリーズの別の品目:同じシリーズのノートとペンケースのような場合です。形も使い方も違うものが1ページに並ぶと、お客さんには「何のページなのか」が伝わりにくくなります。シリーズで選ぶ人が多いならまとめる手もありますが、1ページでどう見せるかに工夫が必要です
統合しないほうがよさそうなもの:まとめると、お客さんが選びにくくなるもの
- お祝い用とお悔やみ用:中身が同じでも、買う場面の性格が反対です。お悔やみの品を探している人に、お祝いの華やかな言葉や画像が目に入るのは、気持ちのいいものではありませんよね。分けておいたほうが、どちらのお客さんも安心して選べます
- まとめると、選択肢が多すぎて選びにくくなるもの:たとえば、ユニクロのTシャツを全部1つの商品ページにまとめたら、デザインも色もサイズも多すぎて分かりづらく、お客さんも買いづらくなりますよね。選択肢は多ければよいわけではなく、多すぎるとお客さんは迷って、かえって選べなくなります。分かりにくい案内のせいで違う商品を買ってしまい、残念なレビューが付く、ということにもなりかねません。統合しすぎてお客さんが混乱するようなまとめ方は、どんな商品でも避けたほうがいいと思います
迷ったら「お客さんにとって買いやすいか」に立ち戻る
SKU統合を考え始めると、「まとめたほうが検索順位で有利かな」「でも、ページを分けて検索結果にたくさん出したほうが得かな」と、細かな損得が気になってくると思います。
ただ、検索の仕組みや楽天の仕様は、これからも変わる可能性があります。しかも、統合は一度やると元に戻せません。少しでも有利な状態を狙って無理にまとめるより、多少の機会損失があっても、お客さんが自然に探せて、選べて、買える売り場を作る。迷ったときは、この考え方に立ち戻ると、大きな失敗は避けやすいと思います。お客さんにとって買いやすい売り場は、結果的に、売上にもつながりやすいはずです。
考え方3 迷わないものは即決して、悩ましいものに時間を使う
「さくっと統合」できるものから決めてしまう
ここまでのパターンを当てはめていくと、たいていの商品は、すぐに決まるものと、悩ましいものに分かれます。
そこでおすすめしたいのが、統合しやすいものは「統合する」と決めてしまうことです。色違いやサイズ違いを、1つずつ悩む必要はありません。

全部の商品を、次のように仕分けてみると考えやすくなると思います。
- さくっと統合:統合しやすいもの。迷わず決める
- 調整しながら統合:まとめるかどうか微妙なもの。まとめるなら、見せ方などを調整する
- 悩む:統合するかどうかを、時間をかけて考える
- 統合しない:分けたままにする
こうして仕分けると、本当に悩むべきものは、思っていたより少なくなるはずです。限られた時間は、そこに集中して使えばいいわけです。
悩ましいものは、こんな観点で決める
「悩む」に入ったものは、次のような観点で見ていくと、決めやすくなります。
- レビューがどこに何件あるか:レビューが多く散らばっているほど、まとめて移す価値があります。逆に、レビューがほとんど付いていないページは、移す費用をかける意味が薄いかもしれません
- そのページが検索の入口になっているか:まとめると、検索結果に出るページが減ります。そのページから来ているアクセスが多いなら、慎重に考えたいところです
- 売上のどれだけを、そのページが持っているか:売上の柱になっているページは、ほかで手ごたえをつかんでからでも遅くありません
- まとめたときに、お客さんが迷わないか:仕様の違う商品の感想が混ざると、レビューを読んだお客さんが迷います
まとめ
- 楽天の「SKU商品レビュー移行」が期間限定で復活
- 事前申請は11月13日(金)まで。本申請は1店舗1回だけで、あとから変更できない
- 本申請の時点で統合を済ませておく必要があるかは、楽天に確認しておく
- 考え方1:お客さんが「選びやすいか・買いやすいか」で決める
- お客さんは、検索結果で商品を選び、ページの中で色やサイズを選んでいる
- ページの中で選ぶ違いはSKUにまとめ、検索結果で選ぶ違いはページを分ける
- 考え方2:統合しやすいもの・しづらいもの
- 統合しやすい:色・柄、サイズ・容量、単品とセット、本体と付属品
- まとめ方に工夫が必要:車種などの対応ごとのページ、仕様の小さな違い、同じシリーズの別の品目
- 統合しないほうがよさそう:お祝い用とお悔やみ用、選択肢が多すぎて選びにくくなるもの
- 迷ったら、お客さんにとって買いやすいかに立ち戻る
- 考え方3:迷わないものは即決して、悩ましいものに時間を使う
- まずは「さくっと統合」のグループを中心に候補を洗い出し、事前申請のページ数の目安を出す
全部を完璧に決めてから動こうとすると、たぶん間に合いません。迷わないものから決めて、悩ましいものに時間を使う。この順番なら、年末商戦の前でも、現実的に進められるのではないでしょうか。
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この記事を書いた人
- 有名EC企業にて、店舗の立ち上げから店長まで一連の運営業務を経験し、実績を重ねる。その後、食品メーカーに転職、衰退した人気店の建て直しに尽力。2年間でアクセス数4倍、転換率2倍とし、再成長させる。メーカー型、仕入れ型、大規模、小規模共に経験している守備範囲の広さが強み。ネットショッピングが大好きで、女性ならではの柔らかい物腰の中に、鋭いお客目線が光る。





















