秀逸なキャッチコピーは、読書量に比例する、と思う。

昨日、たまたま、NHKで放送している「仕事ハッケン伝」という番組を見ました。

テレビ番組に見る秀逸なキャッチコピー

「仕事ハッケン伝」は、有名タレントが、およそ1週間、今アツい企業の現場で一般社員と同じ条件で働きます。
与えられたミッションを達成できるのか?
特別扱いは一切なし。時には怒られ、時には思わぬ才能を発揮。共に働くからこそ見えてくる、企業の経営哲学や仕事の流儀。そして出演者自身が「もし、あの時違った選択をしていたら・・・??」とあり得たかもしれない「もう一つの人生」を疑似体験します。
新しい自分を「ハッケン」し、仕事の魅力を「ハッケン」する新型ドキュメンタリーです。(番組HPより抜粋)

というテレビ番組で初見だったのですが、「お笑いコンビ、ピースの又吉さん×コンビニ業界」

ピース又吉が「新商品のキャッチコピー」を考える企画

又吉さんが、ローソンの「新商品のキャッチコピーやポスターなどを考える、広報的な部署」で働くというもの。
ローソンの新商品の「ショートパスタ」のキャッチコピーを考えるお仕事に、挑戦されてました。

実際に現場(コンビニ)で働いたり、街頭でリサーチしたりなどし、プレゼンに臨んだ又吉さん。社員の方が上司にダメ出しされた後で、又吉さんのプレゼンが始まります。
リサーチした、ターゲットや方向性の報告は、なんとも普通。

  • 30代、40代の女性向け
  • かわいいもの

など、意外とフツーの事を言うのかな、と少し残念な気持ちで見ていると・・・

コンビニ新商品の神コピーが産まれる

神コピーが!

「末っ娘が生まれました。かわいがってあげてください。」

しかも、もう一つのPOPは、縦書きで、

命名:ショートパスタ
^ (←吹きだしで)
双子です。

これを聞いたとき、ぶったまげました。
プレゼンを聞いていた女性社員の方達も、歓声&拍手。
やり手そうな部署の責任者の方も、「300点!!」と大絶賛。

ピース又吉のキャッチコピーの才能

普段同じ仕事をしている私にも、その素晴らしさが痛いほどわかりました。
これは、なかなか出てくるコピーじゃないです。

女性に好まれる「かわいい」というテーマから、

  • 普遍的にかわいいもの → 「末っ娘」

と、いうキーワードを導きだされたようです。

ものすごい飛び越え方をしてきましたね。

でも、やはり期待を裏切なかった又吉さん。「又吉さんは、こういう才能があるだろうな」と私は密かに期待していたからです。

秀逸なキャッチコピーの源泉

それはなぜか?又吉さんは、ものすごい読書家だからです。wikiによると、

「通算で2000冊は本を読んだ」程の読書家で、活字が躍りだす夢を見るほどの本好き。

大の太宰治好きであることは、かなり周知されていると思います。

読書量がキャッチコピーに影響する理由

では、なぜ読書量が秀逸なキャッチコピーに影響するのか?まず、

  • 活字
  • 単語(語彙力)
  • 知識(常識)
  • さまざまな文体
  • ストーリー(物語)

に、数多く触れているということです。
これが「引き出し」となって、知らないうちに蓄積されていきます。

その引き出しは、何かを表現するときに使う引き出しです。
例えば、「ある女性の美しさ」を表現する場合、

  • 顔立ちが整っている
  • 姿勢が良い
  • アイロンのぱりっときいたシャツを着ている
  • 言葉遣いが丁寧である
  • 柔和な眼差し

…など、「美しさ」に関する様々な引き出しを開けて考えます。

引き出しが多ければ多いほど、多角的に分析でき、些細な点同士でも、線で結べるようになったりします。
ただ、「美人」と言ってしまえばそれまでですが、「どう美人なのか」を、最適な言葉で伝えるのが表現であり、コピーです。
観察眼に長けている人も、色々な美点を見つけることはできるでしょう。
でも、それを言葉で表現するには、やはり読書量がものを言います。

読書量=ことばの引き出しの多さ

ただ、最上表現を使えばいいってものではありません。
色ひとつとっても、その色の表現方法は山ほどあるのです。

親や親戚が私の昔話をするときに、「こんな小さいのに(註:小さいのは今でも変わりませんが笑)いつもどこへ行くにも本を持って行って、ずーっとおとなしく読んでいた。」と、今でも必ず言われます。
実際、本から受けた影響はとても大きく、本好きだったことにかなり身を助けられていると実感しています。

もちろん、コピーというのは独りよがりでは絶対にダメで、その向こう側にいる人、「誰に伝えたいのか」が明確である必要があります。
でも「ことば」を導き出すには、「ことば」をよく知っているに越したことはない。ということは明白ですよね。
なので、又吉さんのコピーをきいた瞬間、やはりそうか!と、持論に対する確信がより強くなったのです。


※あ、でも本の種類によっても、影響が違うと思います。
同じ読書家でも、実用書や口語体で簡単に書かれたエッセイなどに偏っていると、あまり表現力の引き出しは増えない様な気がします。(実感として)
上の様な本の性格上、端的な表現が多く、まわりくどい言い方を嫌うので。

PS
弊社コンサルティングでは、一緒にコピーを考えたり、こちらから提案をしたり、現行のコピーに対してコメントをしたり、「スキルの習得」と「売上につながる実践」の両方をサポートします。興味のある方は、以下のページをご覧ください。

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この記事を書いた人

川村 トモエ
コマースデザイン株式会社 取締役 コピーライター/コンサルタント
ライターからEC業界に転身。商品コンセプト立案やキャッチコピーなど「売れないオリジナル商品」の立て直しを得意とし、ヒット商品を多数企画。中小規模の店に対してわかりやすいコンサルティングを提供しつつ、講演や寄稿も行う。黄色本・マンガ本の著者でもある。
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