外注名人に聞いた「ネットショップの外注活用」手順やポイントを具体的に解説

こんにちは、コンサルタントの槐(えんじ)です。

ネットショップでは日々の業務に追われ、新商品の企画や販売戦略の検討など、新しいことに挑戦する時間が取れない…ということがよくあります。

そんなときに検討されるのが「外注」ですが、とはいえ、不慣れだと腰が重くなりがち。「どう進めたらいいかわからない」「うまくできるか不安」という声もよく耳にします。

そこで今回は、当社が外注名人の方からうかがった「外注を成功させる手順とポイント」についてお話します。

一読いただければ外注をうまく活用するイメージをつかんでいただけるはずです!「忙しくて、なかなか攻めの施策ができない」という方の参考になれば幸いです!

なぜネットショップでは外注が大切なのか?

いきなり核心めいた話から入りますが、ネットショップを成長させる上では、外注を活用した業務効率化がものすごく大切です。

なぜかというと、ネットショップ運営はやることが多いので、外注を活用しないと、どんどん攻めの施策にかける時間がなくなってしまうからです。

お店が成長すると、お客さんが増えます。すると、出荷や問い合わせ対応といった「守りの仕事」で忙しくなってきますよね。その結果、新しいお客さんに向けた「攻めの施策」にかける時間が削られてしまい、お店の成長が止まってしまいかねません。

私達が見聞きする限り、有名なお店は、やはり外注を上手に活用して業務を回しているところが多いです。時間ばかり取られる単純作業はどんどん外部に切り出して、社内のリソースはよりクリエイティブな業務に投下しているからこそ、次々と新しい企画が生まれ、お客さんを魅了する有名店になれているんです。

もちろん、なかには内製で回しているお店もありますし、お店の規模や商品によっては必ずしも外注を必要としないケースもあります。が、多くのお店にとって外注による業務効率化は、お店を成長させる上では欠かせない取り組みの1つと言えるのではないでしょうか。

外注名人がしている業務効率化の事例と3つの手順

では、外注名人の方々は、具体的にどういった業務を、どのような順番で切り出しているのでしょうか。以下、実際に外注名人の方が共通して切り出している業務とその手順について紹介します。

なお、各業務の定義や、さらに詳しい内容は「売れる!EC事業の経営・運営」で解説しています。売れるネットショップ運営の教科書になるような一冊にまとめています。ぜひあわせてご覧ください。

手順1. バックヤード業務を切り出す

外注名人は、まずバックヤード業務を切り出すことから始めます。

バックヤード業務とは、受注処理、出荷対応など、店舗運営を支える裏方の業務のこと。売上を作るために欠かせない仕事ですが、これだけを回していても新しい売上を生み出すことはできません

そのため、売上を伸ばすためには、バックヤード業務を効率化し、売上を生み出すクリエイティブな業務に集中できるようにする必要があります。だから優先度が高いんですね。

名人の方曰く、バックヤード業務を切り出す具体的な方法としては、主に3つあります。

まず1つ目は、受注業務のシステム化です。ネクストエンジンやクロスモールなどが有名ですよね。これらの受注システムを導入すると、注文情報の取り込みや、複数店舗間での在庫連携、お客さんへの連絡などが自動化され、大きくバックヤード業務を圧縮できます。

続く2つ目は、問い合わせ対応の切り出し。お客さんからの問い合わせ対応は、言わずもがな非常に重要な仕事。でも一方で、電話対応を一件受けるのに1時間近く使ってしまうなど時間がかかりがちなんですよね。例えば、意思決定ができる人が問い合わせ対応に縛られてしまうようなことがあると、お店全体で大きな損失になりかねません。なので、負担が増えてきたと感じたら、在宅スタッフやコールセンターなどへの委託を検討します。

「そもそも問い合わせって切り出せるの?」と感じられるかもしれませんが、問い合わせは整理してみると意外と同じような内容が多いものです。案外テンプレ化もできてしまうので、時間を取られているなあという方はぜひ検討してみてください。

3つ目は、出荷の自動化。これは言わずもがなですが、楽天ならRSL(楽天スーパーロジスティクス)、AmazonならFBAなどの出荷代行サービスを利用して、商品の保管から梱包、発送までを切り出します。これにより自社で出荷作業を行う手間を大幅に減らします。

ただしお店の規模や状況によっては、いきなり出荷代行サービスにまるっと預けてしまうとコストオーバーになる可能性も。すべて自動化するほどでは…という場合には、倉庫の商品ピッキング導線を見直したり、過剰な梱包やサービスがあればそれを削減したりといった、自動化の手前の「プチ改善」を行なってみましょう。

プチ改善については以下の記事でも詳しく説明しています。あわせてお読みください。

整理しますが、こうした受注・出荷や、問い合わせ業務を外部に切り出し、守りの仕事に不要に時間をかけすぎないようにすること。これが最初の一歩です。

手順2. フロントヤード業務を切り出す

バックヤード業務の効率化が終わったら、次はフロントヤード業務の自動化に取り組みます。

フロントヤード業務とは、商品の魅力を伝え、売上につなげる業務のこと。具体的には、商品登録、商品ページ作成、広告運用などがあたります。この領域では、何よりも商品登録の外注を検討します。

商品登録は、いわゆる「ささげ業務(商品の採寸、撮影、原稿作成のこと)」などでかなりの手間と時間がかかります。特に人手が不足しているお店の場合は作業が追いつかない…なんてケースも考えられます。そこでこの単純作業を外注に切り出すわけですね。

これにより、お店のスタッフは「いかに商品を魅力的にみせるか」「新しい商品を何にするか」といったコア業務に時間が割けるようになるので、よりお店が成長しやすくなります。

ちなみに、最初の一歩としては、業者委託よりもクラウドソーシングの活用がおすすめです。コストを抑えつつ、質の高い仕事をしてもらえますよ。当社でもクラウドソーシング活用を支援しています。興味がある方は、ぜひ以下をご覧ください。

手順3. マネジメント業務を効率化する

外注名人が最後の仕上げとして行うのが、ネットショップ運営全体を管理するマネジメント業務の効率化です。

マネジメント業務とは、商品企画、仕入れ、販売予測、在庫管理、そしてスタッフの管理など、多岐にわたる業務のこと。いわゆるコア業務にあたる部分で、本来はすべてを外注化・効率化することは難しい領域です。

しかし、可能な範囲で外注を活用したり効率化したりできると、さらにクリエイティブな施策に時間をかけられるようになります。

具体的にはAIの活用ですね。ほんの数年前までは、上述したようなマネジメント業務は、管理者が頭を働かせて考える必要がありました。しかし最近はAIの発達もあって、短い時間で十分なアシストをしてもらえるようになっています。

例えばFELOのようなツールを使えば、瞬時に30〜40ほどのWebサイトから情報を集め、販売予測やスタッフ管理のノウハウについて精緻なレポートをまとめることができてしまいます

以前は調査やレポーティングを外注すれば、数日〜数週ほどかかって、しかもウン万円が当たり前でした。が、今はそれがわずか数分で、しかも無料でできてしまいます。恐ろしい時代ですよね…。

いわば「AI外注」。これを活用しない手はありません!

名人に聞いた外注を成功させる2つのポイント

最後に、外注名人にうかがった、外注を成功させる上で特に重要なポイントを2つにしぼって紹介します。

ポイント1. 自分でやってコツをつかむ

まず何より大切なのが、外注する前に、その仕事を自分でやってみてコツをつかんでおくことです。

「どうせ外注先に任せるのだから、把握していなくてもいいだろう」と考えがちですが、依頼者として業務を理解しておけると、外注先に的確に仕事の指示ができるようになるほか、外注先からの提案への対応や、仕事内容への評価も精度が高まります。

外注に依頼するにしても、丸投げにするのではなく、自分で経験を積んでから行うようにしましょう。

ポイント2. 業務整理をして、外注するべき仕事をリストアップする

やみくもに外注に仕事をふれば良いわけではないということも心得ておきましょう。

当たり前ですが外注はお金がかかります。何も考えずに手当たり次第に切り出しを進めてしまうと、必要以上にコストがかさむ恐れもあります。

なので、業務を外注化をする前に、「何を外注するのか」を整理するようにしてください。

具体的には、手持ちの業務をすべてエクセルなどにリストアップした上で、優先度をつけて切り出すかどうかを判断するのがおすすめ。この整理を挟むことで、特に手間や時間がかかっている部分を優先的に切り出せるようになり、より少ない費用で大きな効果が得られるようになります。

詳しくは以下の記事で紹介していますので、ぜひあわせてお読みください。

外注で効率化を始めよう!

今回は、ネットショップ運営における外注の重要性、そして外注名人が実践する業務効率化の手順について紹介しました。

外注をうまく活用することで、日々の業務に追われる状況から脱却し、よりクリエイティブな業務に集中できるようになります。

お店の魅力を高め、売上アップ、そして持続的な成長につなげるためにも、自分にしかできない業務以外は振って、お店の成長に時間をかけていきましょう

今回ご紹介した内容を参考に外注の活用を検討してみてくださいね。

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この記事を書いた人

槐 香子
槐 香子
槐と書いて「えんじ」。埼玉出身。10年以上EC業界に在籍し、アパレル/美容雑貨/ベビー用品など様々なジャンルを経験。某モールで講師も担当。店の個性を活かした支援、人が育つ環境づくりに興味を持ち、コマースデザインに入社した。中小ECの可能性を信じている。カメラ好きでcanon60D愛用中。スパイスカレーに目がない。

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