災害がおきたら、まず何をすればいい?必要な応急対策まとめ(チェックリスト&文例集つき) 【ネットショップの災害対策 #2】

こんにちは、コンサルタントの杉浦です。
近年、毎年のように大規模な災害が起きていますよね。

いまや、南海トラフ地震に首都直下地震、台風や大雨など、いつどこで災害が起きてもおかしくない状況です。あまり考えたくないことかもしれませんが、いざ災害が起きた時にどう対応すればいいか、把握できていますか?

以前、このブログで「災害発生を見越して、事前にやっておくべきこと」をご紹介しました。

今回は、「大規模な災害が起きたら、ネットショップ運営者はまず何をすべきか」を解説します(チェックリストつき)。あらかじめやるべきことが分かっていれば、いざという時に迅速に対応できるはずです。

0:事前準備

チェックリスト&文例集をダウンロード

有事の際にもれなくスムーズに対応できるよう、チェックリストを用意しました。やるべきことが上から順番に並んでいますので、この記事とあわせて印刷し、お手元に保存しておくことをおすすめします。
チェックリストの内容や具体的な手順は、この記事で詳しく説明していきます。

また、フォローメールの文例も掲載していますので、参考にしてください。

1:被害に関する情報を集める

大洪水や大地震など大きな災害が起きたら、まずは被害に関する情報を集めましょう。具体的には以下を確認します。

  • 自社の被害状況
  • 災害の発生範囲
  • 物流への影響
  • 商品や委託先の被害状況 など

お客さんやビジネスパートナーに影響がでている可能性もあるので、ご自身が直接被災していてもいなくても、確認してください。
被害があった場合は、この後、集めた情報をもとにお客さんやパートナーへの連絡・案内を行います。正しい情報を集めておかないと、適切な対処もできませんから、抜かりなく進めましょう。

以下、確認しておきたいことを、リンクとあわせてご紹介します。参考にしてください。
(必要に応じてブックマークしておきましょう)

災害の発生範囲を確認する

どの地域でどれだけの被害がでているか、ニュースや行政の災害サイトを見て把握しましょう。

お客さんが大きな被害をうけた場合、「商品をお届けできない」もしくは「届けても受け取れない」可能性があります。
このまま商品を届けていいのか、注文をキャンセルすべきなのか。お客さんとの調整が必要な場合もあります。なので、注文履歴から「被災地域からの注文があるか」を確認し、取引中のお客さんへの影響を確認しましょう。

また、お客さんが大丈夫でも、ビジネスパートナーが被災していたら、店舗運営に影響がでる恐れがあります。あわせて確認することをおすすめします。

物流・交通の影響を確認する

災害の発生範囲が見えたら、次は物流や交通への影響を確認します。
つまり、お客さんに商品を届けられるのか、届けられるとしたらいつなのか、を確認します。

被害状況によって、影響の内容(範囲や期間)は毎回異なるので、

  • お届けは「遅れるだけ」なのか、「完全にストップ」しているのか
  • どれくらいの期間&範囲で、遅れたり、ストップしたりするのか
  • 復旧の予定は決まっているのか、決まっていないのか
    など、しっかりポイントを抑えて情報を集めましょう。また、出荷拠点が被災した場合、集荷状況も確認しておきましょう。

※ちなみに、いつも使っている配送業者がNGでも、他の運送業者は稼働している場合もあります。集荷やお届けをどうしても止められないときは、「普段利用していないルートで代用できないか」も検討するといいかもしれません。

商品在庫や商品調達先の状況を確認する

次に、商品在庫や調達先(生産者さんや、仕入れ元)が被害を受けていないかを確認します。

もし在庫や調達ルートが被害を受け、商品を確保できなくなった場合には、商品販売を中止したりキャンセルしたりする必要が出てくる恐れもあります。どのくらいの被害なのか、いつ頃復旧できるのかなど、被害状況を整理しましょう。関係者の安否をいたわりつつ、ビジネス上の影響がないかを確認してください。

※なお、大規模な災害が起きた場合は、電話が通じなくなる場合もあります。メールやSNS(LINE、Twitter、フェイスブック)など使えるインフラをフル活用して連絡をするといいでしょう。(日頃から、電話以外の連絡方法を持っておくのもおすすめです)

利用しているシステムや、業務委託先の影響を確認する

下記にあてはまる場合は、「システムや業務委託先が被害を受けていないか」も確認しましょう。

  • 楽天やアマゾンなどのモールに出店している場合
  • ASPなどのシステムを利用している場合
  • 「制作を外注にまかせている」など、外部サービスを使ってネットショップを運用している場合

在庫や物流が無事でも、利用しているシステムに影響があれば、ショップの営業に支障がでてしまいます。確認必須です。
一見、サービスがストップしていないように見えても、実は障害アナウンスがでていた、なんて場合もあるので注意しましょう。

モールの支援を活用する

大きなモールでは、災害時に何らかの支援をしてくれる場合があります。
たとえば楽天では、「大規模な災害に巻き込まれた店舗への支援体制」が用意されています。具体的な内容は公開されていませんが、安否確認フォームから申告することで、何らかの支援を受けられるようです。(時折、避難訓練的に安否フォームの申請練習も行われていますので、参加しておくといいでしょう)

他のモールでも同様の支援を受けられるかもしれません。出店しているモールのマニュアルを確認するか、モールの担当者に相談しましょう。

※楽天店舗の方は、詳しくは以下をご覧ください。

2:お客さんのフォローをする

被害の全容がつかめてきたら、お客さんのフォローを行います。
「被災地域からの注文」があった人など、特に影響が大きいお客さんから対応します。配送状況によってフォロー内容が変わりますので、以下を参照して進めてください。

※自店舗が被災していなくても、該当地域にお住まいの方は大変な苦労をされているはずです。連絡をする場合には、十分配慮した連絡を心がけましょう。

なお、各ケースの具体的なメールの文例は、「チェックリスト&文例集」に掲載しています。

被災したお客さんへ、商品を発送していた場合

被災したお客さんへ商品を発送していた場合は、商品のお届けが遅れるなど、支障が発生する可能性があることに触れつつ、詳細を運送会社に確認してもらうようメールで依頼します。以下、テンプレートを参考にしてください。

ポイントは、「何をすればよいか」を具体的に案内し、「ご連絡ください」のような書き方は控えることです。
「ご連絡ください」でお客さんからの連絡が増えすぎると、お店側が問い合わせ対応でパンクする恐れがあります。当然、被災者の方への配慮は必須ですが、かといってこちらのパンクも避けねばなりません。バランスを取った対応を心がけましょう。

※なお、商品が生物などで傷んでしまう場合、一般には「天災による免責」で補償しないことが多いようですが、もしお店として何か配慮する場合には、一言触れてあげるとお客さんは安心かと思います。

被災したお客さんへ、これから商品を発送する場合

被災地域にお住まいの方へ、これから商品を発送する予定だった場合の連絡方法です。

災害の影響が大きい被災地へ、「何事もなかったかのように商品を送り出す」ことは、あまりおすすめできません。お客さんの安否確認の意味も含めて、「お見舞い」と「配送確認」の連絡を取りましょう。

お客さんによっては、荷物の受け取りが難しかったり、お届け先が変更になったり、最悪キャンセルという可能性も想定されます。なるべく柔軟な対応を心がけつつ、お客さんと調整をするようにしてください。

これからお買い物するお客さんへの連絡

まだ購入していない、これから注文するお客さんに対して、サイト上(トップページやインフォメーションページ)に案内を出して、不要なトラブルを防ぎましょう
配送遅延なのか、あるいは一時休店なのかなど、お店の受けた影響を踏まえ、適切に案内してください。

  • 配送が遅延する場合
    • インフォメーションページに、配送遅延のお知らせを掲載
  • 商品の入荷が停止する場合
    • 商品ページに、入荷停止のお知らせを掲載
  • 店舗を休業する場合
    • トップページ・インフォメーションページに、休業のお知らせを掲載
  • お見舞いの言葉  ※被害や影響がない場合も載せると◎
    • 大きな災害が起こった時は、被災された方へ寄り添う気持ちが大切
    • 余力がある場合、被害や影響がなくても、トップページにお見舞いの言葉を掲載するといいでしょう
    • 簡単なテキストバナーでかまいません。数日~数週間載せた後、取り下げるようにしてください

※TwitterやLine@などSNSを運用している場合は、そちらでも告知を出しておくといいでしょう。
※楽天の場合は、「ショップからの重要なおしらせ欄」を使用するのも有効です。商品ページやカート内に、まとめて案内を表示できます。

3:情報の発信内容を見直す

犠牲者が多く出た大規模な災害のあとでは、大々的な販促は控えたほうがいい場合もあります。

もちろん、過度な自粛は必要はありませんが、最低限「こんなときに無神経な店だな」とお客さんに受け取られることのないよう、発信内容に気を配りましょう。以下参考として、注意事項をお伝えします。

販売促進の表現、頻度は抑えめに

災害の規模によっては、セールやキャンペーンなど販売促進の表現、頻度は少し抑えめにするといいでしょう
被害で怪我をしたり亡くなったり、職を失ったりしているところへ、「出血大サービス」「店長暴走!クビも覚悟の大赤字セール」のような売り込みをすると、お客さんの気分を害してしまいます。(これはさすがに極端な例ですが…)

災害発生の直後は、

  • メルマガやSNSの発信頻度を落とす
  • キャンペーンのテンショントーンを抑える
  • お見舞いの気持ちを添える
    など、被災者の気持ちにも配慮した情報発信を心がけると、安心です

直接被災した場合は「応援キャンペーン」も

もし自分のお店が被災し、かつ軽微だった場合は、「食べて応援」「買って応援」など応援キャンペーンを開催するのも一つの方法です。食品など消費期限のある商材は、自粛されてしまうと商品がどんどん傷んでしまいますよね。積極的にキャンペーンを動かして、在庫を出していきたいところです。複数の店を巻き込んで、連動企画として行うケースもあります。

例:2020年の豪雨災害の後、熊本県の酒造メーカーが行ったキャンペーン

※出典:人吉・球磨地方応援プロジェクト

このケースでは、「人吉球磨応援プロジェクト」として、該当地域の商品をピックアップして販売。さらに、人吉球磨の商品売上の10%を寄付しています。全国の人達の「少しでも被災地の支援をしたい」という気持ちを後押しすることができます。

とはいえ、キャンペーンの演出や持って行き方を間違えると、「便乗商法」と叩かれるリスクもあります。実施する際には、表現にはくれぐれも注意するようにしてください。

配達地域限定の案内を出し、救援物資の注文に備える

※特に水やお米、保存食、トイレットペーパーなど、「救援物資になる商品」を販売するお店に向けたお話です。

被害が大きい場合、「直接被災地へ商品を届けてほしい」など、「救援物資の注文」が入る可能性があります。
しかし、特に災害直後で物流が整っていなかったり、避難所宛で受取人不明だったりなどで、結局届けられないなど、混乱してしまう恐れがあります。

もし対応できるのであればこの限りではありませんが、責任を取り切れないと判断される場合には、こうした事態を予防するために、救援物資商材の販売について、サイト上でアナウンスしておくといいでしょう。

  • 例:
    • 物流各社の通達で、「配達不可地域」に指定されているため、お届けできません(※該当する場合)
    • 被災地へのお届けはできません
    • 避難所や施設へのお届けは、お受けできません など

4:被害状況を整理し、商売を立て直す(必要に応じて)

※ご自身のお店や生産者さんが大規模な被害を受けたときのお話です。

上記お客さんや取引先への対応が一通り済んだら、取引先と連携して、復旧に向けた被害状況の整理や支援要請を進めてましょう。

損害状況の記録(写真撮影など)

まずは、損害状況を記録します。
行政への報告相談・融資などの支援要請・保険会社とのやりとりなどで必要です。

必要な報告資料は、市区町村や保険会社によって異なります。それぞれ確認の上、準備を進めましょう。
基本的には、自治体が発行する「罹災証明書」などの書類が必要です。場合によっては、損害を受けた被害物の写真などを求められる場合も多いようです。とにかく、片付ける前に写真を撮っておきましょう

実際、弊社のクライアントの方で、「被害状況の記録を残す前に片付けてしまい、保険申請が困難に…。事前に保険の内容を把握しておけばよかった」というケースがありました。写真撮影のポイントなどは、以下のサイトを参考にしてください。

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