楽天新春カンファレンス2026まとめ ── AI時代のモールSEOと、店舗がすべき自助努力

2026年1月30日、楽天の新春カンファレンスが開催されたので、恒例のまとめブログをお届けします!

今回も、カンファレンスに参加した店舗の方々にお話を伺ってまとめております。情報をいただいた皆様、ご協力ありがとうございます。出店者の立場からすると、今回は例年と比べ、大きなニュースはなかったかな・・という印象です。

その中で、我々が感じた重要ポイントは、(1)AI経由の購入が増えていくだろう(2)楽天はモール外からの集客を加速させたい様子、 の2点です。

なお楽天市場全体としては、去年後半ぐらいから売上苦戦中です。この辺の全体トレンドについては、当社坂本が2026年の展望の記事に書いた通り(https://www.commerce-design.net/blog/archives/7252)です。それを覆すような打ち手は、ないかなあ・・。

まあ、そんなに甘くはないですね。「お待たせ!楽天の施策で皆が売れるようになるよ!」みたいな話はありません。やっぱり各々自分で考えて工夫しないといけないんだよなー・・出店者は自助努力で何とかしなければいけない状況にある、と感じます。

以上を踏まえ、最初に「重要トピック」を列挙します。次に「その他の情報」もお伝えしていきます。

カンファレンスの発表内容をざっくりと整理した資料も用意したので、興味がある方は以下からダウンロードしてください。

重要トピック

AIによる買い物支援

楽天アプリにAIエージェントが搭載されました

去年の終わりに、楽天のスマホアプリに、かなり目立つ形でAIエージェントが搭載されました。もう使いましたか?

▼楽天アプリの右下に表示されます

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AIとチャットしながら商品を見つけられる機能です。

たとえば、こんな感じ。
「子供の集中力アップにオススメのグッズ教えて」
「バレンタインに何を贈ればいいの?」

ふんわりした質問でも、AIが会話しながらどんどん絞り込んでくれる。

今までは「キーワード検索」が基本だったので、お客さん自身が「何を探せばいいか」を知ってないといけなかったのが、AIコンシェルジュなら、悩みや状況を話すだけで商品に辿り着ける、という変化です。

あの形なら、普段あまりAIを使わない人も、「自然とAIを使う」ようになってくるのではないかと思います。慣れれば慣れるほどどんどん使うようになる。GoogleのAI Overviewと同じ構造ですね。

ただ、バスマジックリンを買うのには使いません。従来のキーワード検索で十分です。

でも「アレルギーがある子供へのギフトで、これくらいの価格帯で、かつ小学2年生の男の子が喜ぶようなものはある?」といった、「ふわっとした相談」を伴う買い物は、AIエージェント向きです。

今年の開発予定は以下のとおり。

  • PC版にも搭載
    • 今はアプリだけですが、範囲が広がります。
  • パーソナライズ強化
    • 過去の購入履歴、閲覧履歴、楽天グループ全体のデータを使って、その人その人に合った提案に
  • 会話品質アップ
    • ユーザーの質問意図を理解し、提案文脈が自然になるように改善
    • マルチターンの会話でも、文脈を保持する
    • 納得感のある提案理由を提示する

楽天AIの学習にも貢献しそう

ECのAIエージェントはAmazon Rufusが先行していましたが、個人的な使い勝手としては楽天のエージェントの方が便利。「ChatGPTでの買い物」が広まる前に、日本国内だとこの楽天AIが、一番ECでの買い物について知見を貯めることになるかも。

楽天はデータ管理に強い会社でもありますので、AIとユーザとの対話履歴が今後蓄積されることが、楽天市場の打開策になっていくかも。

店舗側は、どう対応すればいい?

検索対策ならぬ「AI対策」的なサービスを契約したくなるかもしれませんが、実は、「普通のモールSEOをちゃんとやりきる」ことが、そのままAI対策になる、と言えそうです。

というのも、AIも商品を探すときの起点はキーワード検索なんです。AIコンシェルジュも、ChatGPTも、裏側ではキーワードで商品を検索して、大量の商品情報を読み比べて提案しています。今度AIに相談するときに観察してみてください。たくさんキーワード検索しています。

この際にまず重要なポイントは「AIは画像よりテキストで判断する」という点です。楽天といえば画像をたくさん貼っているお店が多いですが、画像の中に書いてあることは、AIにはなかなか伝わりません

AIは画像を読むこともできますが(Googleも読んでます)、時間がかかるので、まずはテキストで済ませようとします。なので、AI対応としては、商品画像だけでアピールしていることを、ちゃんと商品説明文でもテキストで表現しておく必要があります。

もう一つ大事なポイントは「単語の羅列は良くない」です。従来のモールSEOでは「キーワードの羅列」でも効果がありました。人間は単語で検索するからです。でも、AIからすると単語を羅列しただけの商品説明文では、人間にオススメしづらい

よって、商品の利用シーンなどがイメージできる自然な文章で書くことが、AIに理解されやすくなるポイントです。まあ、これも昔ながらのGoogleSEOと同じです。

まとめると、AI時代のモールSEOは、

・画像だけに頼らず、テキストでも商品の魅力を伝える
・キーワードの羅列ではなく、読んで意味がわかる自然な商品説明文にする

この2つが、まずは最低限やっておきたいことです。

楽天の「モール外からの集客活動」

楽天は、外部の媒体を使った集客に力を入れています。

大昔からGoogleの普通の検索から楽天市場に入ってくるトラフィックが結構多いのはご存知の方も多いと思います。楽天出店者のLINE活用も浸透して随分時間が経ちますね。去年は「AIを使ってコンテンツページを作る」ことに時間を割いた方も多かったと思います。

その延長で、楽天はさらにモール外からの集客に力を入れていきそう。ただ、それが売り上げに貢献しているかどうかはお店によるなという印象です。弊社支援先では、コンテンツページにもちょっと興味があるんだけど時間がないから意識的に後回しして別の施策に注力し、それで大きく成果を出したというケースがあります。

そういうわけで「力を入れるべきかどうか」は要判断ですが、動きは把握しておきましょう。

大手動画メディアとの提携(3月頃に詳細発表予定)

今回の発表の中で、一番大きなニュースはこれかもしれません。

  • アフィリエイトの一環として、大手動画メディアと連携した動画視聴中の直接購入体験が実装される
  • 動画を見ながら、そのまま楽天市場で商品を買える新しい仕組み
  • YouTube?TikTok?と推測されるが、詳細は未発表。 3月頃に情報解禁予定とのこと。
  • 特に「もう動画やってます」という人は要注目ですね!
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楽天ROOM:動画投稿が可能に(6月予定)

動画といえば、楽天ROOMでも、ユーザーが動画を投稿できるようになる予定だそうです。これから、UGC(ユーザーが作るコンテンツ)が充実していきそう。

店舗側としては、お客さんに動画を投稿してもらえるような仕掛けを考えていけるとよさそう。

レビューコンテスト的な感じでしょうか?ただ当然ユーザの手間はかかるので、単に特典をあげてレビューを書いてもらうみたいなシンプルなものではなく、もうちょっと相手の気持ちを考慮する必要があるでしょうね。

販促まわり

ここからは、その他の発表情報です。

まず、新しい販路や販促方法などを細々と紹介していきます。全部に乗っかる必要はありません。自店に合うものを選んで検討してみてください。

「自分たちは何から手をつけるべきか」あるいは「やらない」と、優先順位をつけることが大事です。

ディスカバリー(発見タブ)機能

去年ですが、楽天市場アプリに「ディスカバリーレコメンデーション」機能が追加されました。

アプリの下の方にある「探す」ボタンを押すと、上の方に「発見」っていうタブがあるんです。 ここを見ると、AIがその人に合った商品やコンテンツを無限に表示してくれる。

イメージとしては、「ズボン買ったから、次はジャケットどう?」みたいな感じ。商品だけではなく、動画やコンテンツページも出てきます。スクロールすればするほど、どんどん新しい提案が出てくる、 SNSのフィードみたいな感覚です。

ただ楽天アプリ内でもまだあまり目立つ導線ではないので、どの程度の価値があるかは、これから見極めていく必要があります。特に動画が入ってるコンテンツページへの遷移率が高いようです。

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開発予定

  • ディスカバリーのアルゴリズム精度向上
    • お客さんが「止まった」(=目を留めた)情報によって、出てくる情報が変わる など
  • パーソナライズ強化
  • ディスカバリーの要素を入れたナビゲーションの充実
  • ライブコマースで生放送中の商品を表示
  • コンテンツページのお気に入り保存

ソーシャルギフト開始(4月予定)

以前から話題に出てましたが、4月に「ソーシャルギフト」が始まります。要は「LINEギフトみたいなやつ」です。

相手の住所を知らなくても、ギフトを贈れるというもの。たとえば、SNSで仲良くなった人に誕生日プレゼントを贈りたいけど、住所は聞きづらい… そんなときに、URLを送って、相手が自分で住所を入力する形で対応できます。

  • 狙い
    • カジュアルギフト需要の開拓
    • 「楽天市場=ギフトに便利」という認知の維持・強化
    • シーズナルイベントの直前注文にも対応しやすい

以前からフォーマルギフトと比べ、カジュアルギフト需要は増えており、コンサル現場でも力を入れていきたい領域です。商品開発のやりがいがあります。が、「楽天のソーシャルギフトがLINEギフトほどの販路になるか」は未知数です。

あと、ソーシャルギフトは、従来のギフトとオペレーションが違うところがあります。注文者と受取人の個人情報が、お互いに知られてはいけません。

そのため、受注システムの設定、メールの文面(誰の情報をどこまで載せるか)、発送伝票の管理、このあたりのオペレーションを構築しておく必要があります。「注文者の情報が受取人に送られるメールに載ってしまう」 「受取人の情報が注文者に見えてしまう」 といったことが起きないよう、確認しておきましょう。

定期購入の進化(5~6月予定)

2025年、定期購入の機能が全面リニューアルされ、見つけてもらいやすく、注文しやすくなりました。誰しもに向いている販売方法ではありませんが、相性がいいお店にとっては強い武器になっています。

  • 発表された成果
    • 定期購入の流通金額が約2.7倍に成長
    • 月間の新規申込者が約6.4倍に成長

セール依存ではない安定売上の柱が育ってくれることで、運営が楽になっていくはずです。あと、お客さんに定期購入客になっていただけると、競合に流れないという効果にもなります。

  • 今後の予定
    • 定期購入でクーポンが使えるようになる
    • 定期購入も買い回りにカウントされる

今まで「定期購入は買い回りの対象外だから…」と躊躇していたお客さんへの壁が取り払われ、新規のお客さんを定期購入に誘導しやすくなる可能性があります。

RPP広告:「キーワード運用」の自動化

RPP広告では、「キーワード運用」も自動化されます(2026年Q3予定)。今までキーワードごとに細かい調整をしてきた方は、それがAIにお任せできるようになるとのこと。

が・・

2025年11月に、RPP広告の単価が自動最適化に切り替わりましたが、運用成績の上がりやすい商品とそうでない商品が明確に別れ、一概に「良くなった」とは言えない状況です。

完全にお任せでよいわけではなく、商品ごと・キーワードごとの成果をきちんと確認してチューニングすることは継続して必要です。自動化ツールも出ていますが、「結局初期設定が大変」なので、ちゃんと理屈を勉強して理解することが重要です。

TDA広告:動画フォーマットの追加

  • TDA広告に動画フォーマットが追加される予定とのこと(2026年上半期予定)
  • 動く広告が打ち出せるようになり、視覚的な訴求力が強まりそう

店舗運営補助AI

RMSに既に実装されている「AIアシスタント」にも、色んな機能があります。

  • 商品説明文の作成
  • 商品画像の生成
  • お問い合わせへの返信
  • レビューへの返信

レビュー返信機能は好評なようですね。2026年は、「楽天AI for RMS」として、さらに機能強化される予定だそうです。以下、紹介します。

ちなみに、楽天のAIでできることは、GPTなど汎用モデルでも大体できます。「AIの使い方」に慣れたら、それを汎用モデルにも広げていくと、楽天以外の業務も含めて効率化が進みます。たとえば、今のAIなら、Excelのシートをまるごとコピペして「分析して」と一言伝えるだけで、かなり的を射た分析を返してくれます。やってみると驚くと思いますよ。

①データ分析エージェント(2026年2Q予定)

まず、データ分析AIが「対話型」に進化し、こんな分析ができるようになります。

  • 楽天市場内の同カテゴリ内で比較し、自店舗のポジションを知れるようになる
  • チャット形式での自由な分析が可能になる
  • もちろん、改善提案コメントもあり

ただし、AIの提案が正しいとは限りません。AIの提案が妥当かどうか自分で判断するためには、分析の基礎知識は備えている必要がありますね。

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②画像・動画生成の強化

  • 商品画像生成AIの強化(2026年2Q予定)
    • 背景画像の充実
    • AI生成だと判別できないぐらいのクオリティになる予定とのこと
  • 動画生成AIも検討中
  • AIでライブコマースができる機能もトライアル予定

③問い合わせ返信・レビュー返信の高度化

  • その店ならではの文章スタイルを学習してくれる
  • 将来的には、自動返信までやれるようにすることを視野に入れている

物流・バックオフィスの改善

ツールや置き配周りで改善が進んでいます。

BillPayの改善

  • BillPayによる売上・費用の一元可視化が進む(2026年夏予定)
  • 今のBillPayは、費用の確認にタイムラグがある
  • 今後は、同月に発生した売上と費用を翌月にまとめて確認できるようになる
  • 「今月、結局いくら儲かったの?」という収支把握がしやすくなる!

R-Cabinetの刷新

  • R-Cabinet(画像・動画管理)の全面刷新も計画あり(2026年末予定)
  • 使っていないファイルが分かるようになるとのこと!
  • また、動画の管理がしやすいプラットフォームに改善予定
  • 不要な画像を消すことができると、R-Cabinet容量の無駄遣いも減りそうですね。

置き配の補償強化

  • 2025年は、再配達削減に向けた基盤整備として、主要キャリア(日本郵便・ヤマト・佐川)の置き配対応を全店舗で導入可能に

  • 置き配利用率は上昇しているものの、利用率はまだそこまで高くない印象

  • 背景として、置き配の3割でトラブルが発生しているというデータもあり

  • こうした状況に対して、2026年は置き配トラブルへの補償が始まる予定

  • 楽天の「安心ショッピングサービス」の対象となる

  • 置き配トラブルを楽天が補償することで、店舗の置き配利用が進み、お客さんの満足度も上がることに期待

最強翌日配送の認知拡大

  • 2025年は、テレビCMによる「最強翌日配送」の認知拡大施策が実施された
  • 2026年も継続。「楽天も早い」を、さらに広めていく方針が示されました
  • 検索順位決定アルゴリズムに影響があるかどうかはわかりません

まとめと所感

川村

川村です。リリースまわりをまとめた味藤とも話していたのですが、今回のカンファレンスは正直なところ、ここ数年の中でも、特に新情報が少なかったと感じています。

少し前までのカンファレンスは、「一緒に歩いていきましょう」「店舗と楽天は共同体」という雰囲気が強かったように思いますが、今回は、以前に比べると、全体的に淡々とした印象でした。

楽天さんも大変な中でいろいろ頑張っているのは伝わりますが、率直なところ、もうちょっと「一緒に盛り上げていこう」という熱量を期待していたのは確かです。

まあ、個々の出店者の業績は、各々でなんとかするしかないんだろうなと、そのように感じました。それは至極その通りなのですが。。。実際、調子がいいお店とそうでないお店の二極化は、かなり進んでいるように感じます。

弊社EC研修の中にある考え方で「意味性・独自性・継続性」という言葉があります。これら3つが揃うと、平和な商売になるという意味です。

  • 「意味性」は、「誰かの役に立っている的な存在意義」です。
  • 「継続性」は「収益性や効率など、いかに無理してないか」です。
  • 「独自性」は単純比較しづらい「何か」の要素です。商品がニッチだとか、気の利いたサービスがあるとか。

これらの要素がそろうと「平和な商売」に近づきます。「独自性」があると比較されにくい(競争に巻き込まれにくい)。「継続性」があると、疲弊せず無理なく続く。「意味性」があると気持ちが踏ん張れる。

「すべてのお店にとっての正解」は、独自性の反対ですよね。だから、平和な商売を実践するためには、それぞれが自分の正解を見つけていく必要があるということです。

「他のお店がどうしているか」を観察するのも大切ですが、みんなにとっての正解施策というものは、そんなにありません。あらゆる機会は、「自分との相性」を踏まえて見極めましょう。

周りを見回すだけでなく、「自分の足元」をしっかり見て、「自分のための土台」を作り、やるべきことをやっていくことが、かなり重要な一年になると考えています。

そのための材料として、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

PS

今年の変更予定を一覧で見たい方のために、PDF資料を用意しました。こちらからどうぞ。

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この記事を書いた人

川村 トモエ
コマースデザイン株式会社 取締役 コピーライター/コンサルタント
ライターからEC業界に転身。商品コンセプト立案やキャッチコピーなど「売れないオリジナル商品」の立て直しを得意とし、ヒット商品を多数企画。中小規模の店に対してわかりやすいコンサルティングを提供しつつ、講演や寄稿も行う。黄色本・マンガ本の著者でもある。
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