「予定通りに仕事が進むチーム」には理由があった!タスク管理の3つのコツ

こんにちは。コンサルタントの亀田です。
今回は、「チームの仕事のスピードをあげるタスク管理」について。私たちのクライアントの成功事例でもあります。

「どうも、仕事が進まないなあ…」と、ある会社の社長さんが悩んでいました。
彼は、ECチームの仕事の進み具合を、ずっと気にしていました。そこで、「あること」を試してみたところ、なんと短期間でその悩みが解決したそうです。実際、社長さんから見ても、仕事の進みがよくなったことが分かるし、チーム内でも「いやー、仕事が速くなったよね」と、みんなで言い合える状態になりました。

さて、一体何をしたのでしょうか?
そこで、このチームが実践して成果がでた、仕事の工夫をご紹介します。同じような悩みを抱えている方の参考になれば、幸いです!

はじめに

本題に入る前に、まず大事な前提について、話しておきたいと思います。
それは、決められた仕事(決まっている仕事)をちゃんとやっていくということ。

改めて言うまでもないことのように思いますが、これが「うまくいっているか」というと、皆さんどうでしょうか?

また、わざわざ他の人に、「当たり前のことが、うちの会社はきちんとできてます」とか、「当たり前のことが、できていないんだよね」とは言いませんよね。
だから、ライバル店や知り合いのお店の実情がどうなのか、案外わからないものです。でも、私たちは、コンサルティングで様々なネットショップの支援をする中、数多くの会社の内側を知る機会があります。そこで、分かってきたことがあります。

実は、当たり前のことが難しい

それはなにかというと、「当たり前のことを当たり前にやる」ことは、実はすごく難しいことです。しかも、これがちゃんとできるかどうかで、仕事の進み方が変わり、会社の業績も変わってきます

仕事をちゃんと進める。着実にやっていく。それは、普遍的でとても大事なことです。
だから、「当たり前のことができる」ということは、普段は空気のような扱いで、あまり目立たないかもしれませんが、すばらしいことです。

一方で、「当たり前のことができていない自分」というのも、けっして恥ずかしくはありません
むしろ、「当たり前にこなすべきタスクが、うまく進まない」ことは、多くの企業に共通する問題で、取り組まなければならない重要なテーマです。だから、できてないからといって、別に恥ずかしいことではないのです。有名なお店でも、意外とできてない点があったりしますから。このことを前提に読み進めていただければ、と思います。

いつも業務に追われているという問題

では、当たり前のことをちゃんとやるために、この会社はどんな風に、チーム内の仕事の改善に取り組んでいったのでしょうか。ポイントは、業務のタスク管理です。

改善する前は、この会社はいつも忙しく、仕事に追われている状況でした。

<以前の状況>
・いつも業務に追われている。
・やらなきゃいけない仕事がずっと終わらないから、仕事が散らかっている。
・頭の中も常に散らかっていて、ストレスを感じてる。

この状況を変えるために、彼らは「タスク管理の3つの工夫」を実践しました。

  1. 計画を立てる時と、実行する時のメリハリをつけた
  2. 他のメンバーがやっていることを、見える化(可視化)した
  3. 1日のスケジュールの中で「この時間帯にこのタスクをやる」という、時間割的な調整(ブロック)をした

この「3つの工夫」について、順を追って具体的に説明します。

1)計画と実行のメリハリをつける

1つめの工夫は、「メリハリをつける」ということ。
「やるとき」と「やらないとき」、「計画するとき」と「実行するとき」のメリハリをつけましょうという話です。

よくあるのは、打ち合わせをしながら、仕事をしてしまうパターンです。現実問題、「作業と作業の合間で打ち合わせをして、考えて…」という風に進めてしまいがちですが、これがよくあるダメな状態です。

「計画」と「実行」のフェーズをごちゃごちゃにしてしまうと、作業効率が悪くなってしまうのです。これは、チームだけではなく、個人のタスクでも同じことが言えます。

切り替えのタイミングを設けるのがポイント

そこで、この会社が実践したのは…

  1. 週の初めに、「今週は何をするのか」を決めて、その後は実行に集中する
  2. その週の終わりに「どうだったか?」と振り返り、「次の週は何しようか?」と計画する

つまり、「計画→実行→振り返り→計画…」と、工程ごとのメリハリをつけたんです。
メリハリをうまくつけるには、切り替えのタイミングをつくることがポイントです。

上記のように、週の始まりや終わりのタイミングを決めて、定例ミーティングをしたり、計画を立てたりという、各工程の切り替えの時間を設けています。

このように、業務を分解し、工程ごとにうまく切り替えた方が、作業が早くなります。そして、切り替えのタイミングは少ない方が望ましいということも、覚えておきましょう。

リストアップすると効率的

この時、やらなければいけないことは、予めリストアップしておくと、作業効率が上がります。例えば、家事をする場合は、「今日やらなければいけない家事」を、以下のように書き出してみます。

  • 洗い物をする
  • 食器を戻す
  • 食洗器にセットする
  • 今日こそ鍋をちゃんと洗う
  • その後、可燃ごみをまとめる
  • 資源ゴミを縛る

このようにやることをリストアップして、そのリストを見ながら実行していくのです。
「次は何をやるんだっけ?」といちいち思い出しながら行動すると、スピードが遅くなってしまいます。実際に試して比較したところ、最初にやるべきタスクを洗い出してから実行する方が、スムーズに早く終わりました。

つまり、実行中は実行マシーンになって、他のことはあまり考えない。そうすると、作業が早くなるのです。

2)何をしているかを可視化する

2つめの工夫は、「チームの他のメンバーが何をしているか」を見える状態に(可視化)することです。

ダメなケースとしてよくあるのは、隣のメンバーが何をしているかよく分からない状態。

Aさん「いま何してるの?」
Bさん「ちょっと、いまは話かけないで」
Aさん「ごめん...」

いわば目隠し状態で、やりとりを続けていると、「都度質問、都度相談して…」という感じになってしまいます。
話しかけたい時に相手がいなかったり都合が悪かったり、「今話しかけていいのかな?」と気をもんてしまったり、非効率で心理的にもやりづらいと思います。

こうしたストレスを解消するために、「週の予定を立てる」という段階で、「他のチームメンバーが何の仕事をしているのか?」をお互いに見えるようにしておくのです。
つまり、「予定を立てること」と「お互いの予定の可視化」はセットで考えるということですね。

お互いに助け合えるのがメリット

可視化するためのツールは、Googleカレンダーやスプレッドシート、紙でも構いません。「今週、誰が何をするか」を書き出しておきましょう。
そうすると、どんな効果があるでしょうか?

隣のメンバーが何をやっているかが見える。

相手の状況を考えながら、行動できるようになる。
「ここで多分、この人は自分に相談してくるんだろうな」
「これを先にやってあげないと、この人の仕事が遅くなるだろうな」...

つまり、仕事のパス回しがスムーズになって、お互いに助け合えるというメリットがあるのです。

健全なプレッシャーがかかる

さらに、こんな副次的な効果もあります。
みんなから「今週、何をするのか」が見える状態になるので、「ちゃんとやらなきゃ」という心理的な作用が働くのです。

実は、上司や社長の言葉より、「同僚のみんなから見られている方が、プレッシャーがかかる」という側面があります。

同じ組織の仲間に、「自分はちゃんとやっている、ということを見せたい」と思うのは自然なこと。この健全な気持ちを、ピアプレッシャーといいます。見られている状況をつくることで、姿勢がしゃんとする感じですね。

当社の場合…

ちなみに、当社でも似た仕組みがあり、プロジェクトを可視化しています。
部署毎に担当しているプロジェクトがあり、お互いに何のプロジェクトをやっているのか、社員全員が見れるようになっています。

そして、毎週または毎月など、プロジェクト状況を定期的に全員に共有すると、「自分のチームはちゃんと進んでますよ」と他のチームに見せたい気持ちが働き、うまく助け合えるようになっています。

3)予定をブロックしておく

3つめの工夫は、予定を予めブロックするということ。

この会社では、Googleカレンダーに「〇時から〇時、〇〇のタスクをやる」という風に予定を入れておきました。他に、時間割的に取り入れたり、ルールを決めたりしているケースもあります。

作業に集中するためのルールをつくる

メリハリの話とも近いのですが、作業中に話しかけられたり、計画したりしてしまうと、途中の切り替えがうまくいかなくなり、スピードが下がってしまいます
こうした障害を避けて、作業に没頭する時間をつくるために、「予めカレンダーに定例でやることを入れておく」というのも効果的です。

例)
「毎週〇曜の〇時~〇時は、〇〇作業をする」という予定を、定例スケジュールに入れる。
「毎週〇時~〇時は、全員作業に集中」だから、この間は「お互いに話しかけないこと」をルールにする。

「その時間帯は他のことをしない」というようにタスクを管理すると、集中できるようになるメリットがあります。

まとめ

最後におさらいです。
まず、前提として、「当たり前のこと」をちゃんとやることは、当たり前ではありません。
実は難しいことなので、当たり前のことができていなくても、恥ずかしいことではないのです。
この前提の上で、当たり前のことをちゃんとやり、業務効率をあげるための「タスク管理の3つの工夫」がありましたね。
振り返ってみましょう。

  • 1:メリハリをつける
    • 実行と計画はゴッチャにしない。
    • なるべくまとめて計画する。
    • やりたいことをリストアップする。
    • リストアップしたら、あとは実行する。
    • ※これを、週の定例ミーティングと絡めてもよいでしょう。
  • 2:やることを可視化する
    • チームメンバーで、お互いにやることを可視化する。
    • 効果  :お互いに助け合える、パス回しがスムーズになる。
    • 副次効果:「仲間にちゃんとやっていることを見せたい」という、健全なプレッシャーが働く。
  • 3:予定を予めブロックする
    • カレンダーに、「〇時に〇〇作業する」と定例の予定を入れる
    • 没頭して作業するために、「〇時から〇時は、カフェで仕事をする」など、ルールを決める
    • ※ちなみに、「毎週〇曜日は、自宅勤務で集中する日」などと、決めている社長さんも多いです。

以上、「タスク管理の成功事例」についてのご紹介でした。

私たちも、日々の仕事の中で、今回ご紹介した事例と似た工夫を取り入れています。そして、これはいろいろな会社に共通して使えるメソッドだと考えています。「どうも仕事の進みが遅い」「計画的に進められない」などの悩みがおありの方は、ぜひお試しください。

P.S.

ということで、組織のスピードがアップする、予定通りタスクが進むチームの話をしました。
でも、今回の記事を読んで、「こういう話はわかっているけど、なんだかうまくいかない…」というのが現実ですよね。わかります。「分かっているけど、なんとかできない」ということは、決して珍しいことではありません。
背景にある人間関係やクセなどは、100人100通り、ケースバイケースです。

そこで、コンサルタントの出番というわけです。
弊社は、売上アップだけでなく、業務の効率化や組織改善についても、お手伝いしています。
こういった問題の解決をご支援するだめに、我々コンサルタントはいます。数か月で驚くほど変わるので、ぜひご相談ください。お待ちしています。

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この記事を書いた人

亀田 直人
大手印刷会社にて人事を経た後、営業として、店頭を中心とした様々な企業の販促支援に従事し、紙から鉄まで多様な企画・制作に携わる。色数や印刷方法など、「成果物の完成度」にズレがちなクライアントの要望をそもそもの目的に合わせ整理し直すなど、「成果とコストの見合った効果的な提案」を得意とする。趣味はサッカー(ポジションはGK)、二児の父。

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