【開催レポート】澤井珈琲さんと対談セミナーをやりました。

2月17日に、澤井珈琲の澤井常務をお招きして、無料の対談ウェビナーを開催しました。タイトルは「澤井珈琲、再生への軌跡――2年間の『全取り組み』お話しします」。約90分、がっつりお話しいただきました。

今回はアーカイブ配信がないセミナーでしたので、詳しい中身はお伝えできないのですが、「どんな話だったのか」のアウトラインだけでも共有しておきたいと思います。参加された方は振り返りに、参加できなかった方は雰囲気だけでも感じ取っていただければ。

どんなセミナーだったのか

澤井珈琲さんといえば、楽天市場に長年出店している珈琲専門店として多くの方がご存じだと思います。しかし2年前、その澤井珈琲さんも「原価高騰・広告の割高化・競合増加」という厳しい環境の中で、大きな壁にぶつかっていました。

そこからの2年間で、澤井珈琲さんは何をどのように変えたのか。EC月商ギネス更新、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーの3年ぶり受賞、そして12月の労働時間を1,400時間以上削減――。その「全取り組み」を、担当コンサルタントとの対談形式で余すところなく語っていただいたのが今回のセミナーです。

コマースデザインは2年以上にわたって澤井珈琲さんのECコンサルティング支援を担当してきました。業務の棚卸しから販売施策、生産・在庫管理の仕組みづくりまで、二人三脚で伴走してきた経緯があります。だからこそ、外からは見えない「内側の話」まで踏み込んだ、生々しいセミナーになりました。

2年間の主な成果

  • EC月商ギネス更新(6.3億円)
  • 楽天市場での売上 昨対 +15% 成長
  • 広告費を1,000万円以上削減しながら、集客数は前年超え
  • 最繁忙期12月の労働時間を1,400時間以上削減(「地獄の年末」→「定時帰りの平穏な年末」へ)
  • 3年ぶりの楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー受賞

「もう、やれることないんじゃないか」と思っていませんか

最近、EC事業者の皆さんとお話ししていると、「原価は上がる、広告は効きにくい、競合は増える。もう手詰まりなんじゃないか」という声をよく聞きます。「あ、それうちもだ」という方、多いんじゃないでしょうか。

実は、澤井珈琲さんも2年前はまさにその状態でした。詳細は伏せますが、いろんな課題が重なって、なかなか厳しい時期が続いていた。受講者の方からも、こんな声がありました。

澤井珈琲さんのような有名店舗でも、内部は大変だったと聞いて驚きました。そしてそこから回復されたのも感動しました。

みんな苦しんでるんだなあ。澤井さんもか

そう、あの澤井珈琲さんでも、です。じゃあ、そこからどうやって状況を変えたのか。一番のポイントは「一人で頑張るのをやめた」ことでした。リーダーが全部抱え込む体制から、チームと仕組みで動く体制に切り替えた。これが突破口になった、というお話でした。

セミナーは3部構成でした

対談は大きく3つのパートに分かれていました。

第1部「リソース捻出編」

皆さんも経験ありませんか? 忙しすぎて、本当にやるべきことに手が回らない。「自分がやらなきゃ」と思っている仕事が山積みで、肝心の経営課題には着手できない。澤井珈琲さんも、まさにそこからのスタートでした。

まず業務を棚卸しして、「本来リーダーがやるべきでない仕事」を手放すことから始めたんですね。実際に分析してみると、想像以上の事実が見えてきました。

  • 澤井常務: メルマガ執筆に時間を食われ、重要業務に集中できない状態
  • 販売リーダーAさん: CS対応に追われ、掃除当番表の作成まで抱え込んでいた
  • 制作リーダーBさん: 毎日のCSV更新業務に溺れ、他のメンバーは誰もできない属人化状態

セミナーでは「満杯のタンスに新しい服は入らない」という例え話をしたのですが、これが刺さった方が多かったようで。

画像

いっぱいのタンスを整理する、刺さりました。誰からも仕事のやり方は教わらず、自己流なので正解はわからない。レシピが必要だと気になりました

スタッフのタンスを整理してあげないとなぁと思った次第でした

面白かったのは、「自分にしかできない」と思い込んでいた仕事を、実際に渡してみたら意外とうまくいった、というエピソード。思い込みを外すところから、変化が始まるんだなと改めて感じました。

渡せない業務ってないんだなと思いました

少人数で運営されている方からは、こんな声も届きました。

2人体制で、タンスパンパン状態です。外注さんなどをうまく活用することもありかもと思いました

ひとり社長ですが、ひとりで抱えがちで事業が停滞していました。今抱えている課題が解決に近づいたため、「非常に満足している」を選択しました

規模は違っても、「抱え込んでしまう」構造は同じなんですよね。

第2部「販売促進編」

リソースが生まれたことで、ようやく「攻め」に転じられるようになった。商品ページの刷新や検索対策(モールSEO)、広告の見直しなど、販売施策をチームで回す体制づくりの話です。

具体的な成果も数字で示されました。12月の楽天サーチ経由流入が昨対 +46%(約21万人増)、楽天「コーヒー」検索での1ページ表示商品数が7商品から30商品超に拡大。さらに、効果検証なしで垂れ流しになっていた広告費を1,000〜2,000万円以上削減しながら、集客は前年を超えた。

ここで印象的だったのは、やり方を「レシピ化」したという点。属人的な「あの人しかできない」をなくして、誰でも取り組める形に落とし込んだんです。専任じゃないメンバーでも力を発揮できる。これ、規模を問わず真似できる考え方ですよね。

画像

採用が滞っている部分に関してヒントをもらえました。業務の細分化を進め、滞っている部分のみの採用もしくは外注を進める。また、原価爆増や広告削減など意外と重なる部分もあって、方向性間違えてないなというのが自信になった

第3部「管理強化編」

売上が伸びると、今度は別の問題が出てくる。製造が追いつかない、在庫が足りない、利益が見えない。いわば「成長の副作用」ですね。

ここで澤井珈琲さんがやったのは、焦って手を打つのではなく、まず現場を観察して事実を把握することでした。「なぜこうなっているのか」を数字で捉えてから動く。地味だけど、これがものすごく大事なんですよね。

生産管理では「平準化(山崩し)」を導入し、繁忙期12月の労働時間を1,400時間以上削減。在庫管理では棚の番地化で欠品ゼロを実現し、モールSEO効果もさらに底上げ。利益管理では、コーヒー豆の原価が1.5〜2倍に高騰する中、商品ごとの利益をExcelで可視化して価格改定を断行。売上は落とさず、利益を大幅増にすることができました。

突飛なことではなく、まず内部をしっかり理解していくことから大事だと理解しました

焦りから、つい様々なことを同時に進めてしまいがちですが、落ち着いて観察することの大切さを改めて学ばせていただきました

「一人で背負わなくていい」——受講者が感じた、実体験の言葉の重み

対談を通じて澤井さんが繰り返し伝えていたのは、「一人で背負わなくていい」ということでした。

一人で頑張るって、聞こえはいいけれど、裏を返せばチームの成長機会を奪ってしまうこともある。成功体験をチームで共有したほうが、組織は強くなる。この言葉には、2年間の実体験から来る重みがありました。

受講者アンケートの中で、特に印象に残ったコメントをいくつか紹介させてください。

頭では気付いていることが多いけれど、「本当か?」「不安だな」と思って、やらないことを選択している内容が多かったです。澤井珈琲さんの経験から、ひとつの成功例の考え方を聞けたので、勇気がもらえました

リアル事例と伴走したからこその生々しい言葉や資料が他社セミナーとは異なる、まさに再現性のある【確かさ】を感じました

必要だと理解していたことが、忙しさを理由に後回しになっていたと実感しました。耳が痛い内容でもありましたが、今の自分にとって非常に必要な気づきでした

今回の対談を拝見しまして、正直、胸の奥にずっと溜まっていた重たいものが、少し軽くなったような感覚がありました

取り組みの順番として紹介された、3つの原則

そして、澤井珈琲の2年間に通底する原則として、こちらが紹介されました。

  1. 手を広げる前に、まず余裕を作る
  2. やり方をレシピ化して、皆で取り組む
  3. 焦らず事実を観察してから、判断する

「そんなの当たり前じゃん」と思うかもしれません。でも実際にこの順番を守れている会社って、どれくらいあるでしょうか。多くの現場では、余裕がないまま新しいことを始めて、さらに忙しくなる……という悪循環に陥りがちです。だから、「順番」が大事なんです。

画像

規模は全く違いますが、中で起こっていることは同じだと思いました。セミナーで話されていた問題点がすべて弊社でも起こっていましたので、大変ためになるセミナーでした

順調に見える企業様にも試行錯誤や葛藤の時期があったことを知り、強く共感すると同時に勇気をいただきました。業績をV字回復させた背景には、地道な改善の積み重ねがあったのだと感じました

社内に、まだ使いきれていないリソースがある

弊社でよく使う格言があります。

「焼き魚を食べきったと思っても、ひっくり返したらまだ食べる箇所がある」

今忙しいと思っていても、実は削れる仕事があるかもしれない。人手が足りないと思っていても、今いるメンバーの中に、まだ活かしきれていない力があるかもしれない。

社外のチャンスに目を向けるのも大事ですが、まず社内の「伸びしろ」に目を向けてみませんか。今回のセミナーが、皆さんにとってそのきっかけになっていたら嬉しいです。

ご参加いただいた皆さん、そして貴重なお話を惜しみなく共有してくださった澤井さん、本当にありがとうございました。

参加者から、こんな声が届きました

参加者の皆さんからアンケートで寄せられたコメントを、抜粋して紹介します。

  • 澤井珈琲さんのような有名店舗でも、内部は大変だったと聞いて驚きました。そしてそこから回復されたのも感動しました。
  • 実際に苦労されたお話をお聞きできて非常に良かったです。感動しました。
  • 以前より澤井さんのお話は何度か拝聴させていただきました。いつも分かりやすく、更にオープンにお話いただくので、とても勉強になります。…本日のセミナーは本当に今の私に必要な内容で、ご兄弟のエピソードは涙が出そうでした。本当に有難うございました!!
  • 経営の苦境からの復活の話が、生々しくて良い。
  • 澤井珈琲様の以前までのお悩みを伺い、まるで今の弊社の状況をそのまま聞いているかのようで大変驚きました。順調に見える企業様にも試行錯誤や葛藤の時期があったことを知り、強く共感すると同時に勇気をいただきました。
  • 大変貴重なお話をありがとうございました。澤井さんのお店に対する情熱に触れることができ、心から嬉しく思っております。落ち着いて観察することの大切さを改めて学ばせていただきました。本当にありがとうございました。
  • とても素晴らしいセミナーでした。…あれほどの売上を上げられている澤井さん自らが、天狗にならず学ぶ姿勢を持っていらっしゃることが素晴らしいと思いました。私自身もこれからも考え続け、学び続け、自分のやりたいことを形にしていけるようにしたいと思いました。ありがとうございました。
  • 頭では気付いていることが多いけれど、「本当か?」「不安だな」と思って、やらないことを選択している内容が多かったです。そこを、澤井珈琲さんの経験から、ひとつの成功例の考え方を聞けたので、勇気がもらえました。
  • 逆境の乗り越え方が真っ直ぐに伝わって来ました。カリスマ経営者の方でも、我々と同様に危機や不安を感じることに変わりはないけど、逃げないで進む時の考え方が一流だな!と感動すら覚えました。
  • 具体的かつ、数字による効果測定などを惜しみなく共有いただき、本当に「器の広い」セミナーでした。澤井さんのお人柄は周知のことですが、同じ経営者やリーダーの役に立ちたいというお気持ちもとても伝わり、感動しました。
  • 澤井さんの2年間の奇跡が知れて勇気を頂けました。当社も同じ講座を受講させて頂きましたて、それなりに成果がありました。AIの活用とチームでの運用に移行出来て来ています。ただ、澤井さんほど徹底的な活用が出来ていないと感じました。大変、刺激をいただきました。本当にありがとうございました。
  • とても分かりやすい内容をまとめて頂いて感動しております
  • 今後一歩踏み出す勇気も必要だと気づけたいい機会でした。ありがとうございました。
  • 苦しかった時期のことなども教えていただいて、とても励みになりました。
  • お話を聞いていたらワクワクしました。ありがとうございます。
  • 今!悩んでる事と重なっており、澤井さんがどうやってこれらを克服したかがとても良く理解出来た。当店はまだまだ少ない人数で運営しているので、どうやって今後進めていいかが 理解出来た
  • あの沢井さんですら、というお話しが多く目から鱗でした。特に身内(弟さん)との話は自分が妻に対するスタンスについてとても参考になりました。
  • 澤井さんが赤裸々に話をしてくださったので、澤井珈琲さんだからできるのでは?という思いが吹っ飛びました。
  • 抽象化した表現になると、どこの経営セミナーでも聞いたことがあるようなものになりがちですが、リアル事例と伴走したからこその生々しい言葉や資料がそうした他社セミナーとは異なる、まさに再現性のある【確かさ】を感じました。
  • スタッフさんに仕事の依頼をする時に、丁寧に未来のビジョンまで踏まえてお話されるのはさすがです。ありがとうございました!
  • 今回の対談を拝見しまして、正直、胸の奥にずっと溜まっていた重たいものが、少し軽くなったような感覚がありました。厳しいEC業界の中で「頑張っているのに、報われている実感がない」と感じる事業者が心に秘めた本音に、具体的な内容で真正面から向き合う内容で、とても勉強になりました。
  • 澤井さんのセミナーはめちゃくちゃリアル感あっていつも心に響きます
  • 澤井さんの生の声が聞けて本当に良かったです。サービス精神があり日報まで見せていただき参考になりました。自分の上司だったら本当に良いのにと澤井珈琲さんの社員の方々が羨ましいです。

「うちの場合はどうすればいい?」と感じた方へ

コマースデザインでは、EC事業の成長を支援するコンサルティングと研修を提供しています。

EC経営 ステップアップ研修【経営者・リーダー編】(今春開講予定)

「澤井珈琲が2年で変わった3つの改革を、自分の会社で実践する」をテーマにした6週間のオンライン研修です。

  • STEP 1「リソース捻出」 ── 業務を棚卸しして、抱えすぎをやめる
  • STEP 2「レシピで売る」 ── セオリーを型にして、チームで動く
  • STEP 3「ボトルネック解消」 ── 事実を観察して、AI活用も交えながら管理する

ビデオ講義+毎週のオンライン対話会+チャットサポートで、「学んで終わり」にならない設計です。定員18名・少人数制。

この記事を読んで「自社もこうなりたい」と思った方、「自分がやった方が早い」とつい仕事を抱えてしまう方、施策を試しても状況が根本的に変わらないと感じている方に、特におすすめします。

現在、仮予約(無料・費用不要)を受け付けています。お気軽にどうぞ!

※定員18名と限りがありますが、既に数件の仮予約が入っています。  お早めの検討をおすすめします。

EC経営コンサルティング(まず無料相談)

弊社のコンサルティングは、無料の相談から始まります。

「何から仕組み化すべきかわからない」「優先順位を明確にしたい」

現状をお伺いしながら、自社に最適なアクションを一緒に整理します。 行けそうだと感じたら、始めましょう。澤井珈琲さんの事例も、この無料相談から始まりました。

弊社のコンサルティングは2種類ありますが、どちらか決めずにご相談頂いて大丈夫です。

EC経営コンサルティング(通常): 売上・利益UPや業務効率化など、幅広いテーマで支援を行います。
▶詳細はこちら https://www.commerce-design.net/r-consulting/

マネジメントコンサルティング(組織向け) :体制作りや管理体制の整備と、会社全体の方針設定をサポートします。
▶詳細はこちら https://www.commerce-design.net/b-consulting/

まずはお気軽にご相談ください。

「5分でわかるコマースデザイン」をダウンロードする

Q. コマースデザインのEC支援は、何をしてくれるの?

A. コンサル・研修・セミナーを提供しています。支援内容・実績・会社概要を「5分で把握できる」無料資料を作ったので、ぜひご覧ください!

コマースデザイン紹介資料イメージ

こちらの記事もおすすめ

この記事を書いた人

コマースデザインスタッフ
コマースデザインは、EC事業のコンサルティング会社として、ECのお役立ちツールECコンサルティングを提供しています。全サービスの累計支援先企業は23,000社を突破しました。「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、中小ネットショップ事業者の皆様の「強み」を引き出す支援を行っています。
詳しくは、コマースデザインについてをご覧ください。

ECコンサルティング会社コマースデザインの社員ブログです。

700社以上のコンサル実績で得た知見を活かし、中小ネットショップや1人店長の方々に向けて、値引きや広告に頼らない販促施策、業務改善、組織運営術など、EC運営に役立つ実践的なノウハウを発信しています。

メルマガ登録

 

当社について

中小ネットショップ専門のコンサルティング会社です。支援実績700社以上。

2024年には『売れる!EC事業の経営・運営』を出版。支援現場の知見をもとに、EC運営の全体像を体系化した実践書として、ECに関わるすべての方におすすめの一冊です。

育成のためのEC研修やセミナー、ツールなどのサービスも提供。「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、支援を続けています。

続きを読む

コマースデザイン社長ブログ「ECバカ一代」