今回の記事は、とても参考になります!
2月17日に、澤井珈琲の澤井常務をお招きして、対談セミナーを開催しました。タイトルは「澤井珈琲、再生への軌跡――2年間の『全取り組み』お話しします」。
内容がすごい。このご時世に、広告費を年間1,000万円以上削ったのに集客が大幅増。EC月商が6.3億でギネス更新、しばらく途絶えてた楽天SOYを3年ぶりに受賞・・しかし2年前には八方塞がりで大変苦戦していた。どのようにしてV字回復したのか? ・・という話。大変勉強になりました。アンケートも大好評。
濃すぎてアーカイブ配信NGのセミナーでしたが、澤井さんのご厚意で「どんな話だったのか」の要点まとめをお伝えできることになりました。都合があって参加できなかった方は、ぜひ読んでください!参加された方はおさらいにぜひ!
※あと、澤井さんも学んだEC研修について、3月12日にガイダンス(研修説明会)を開催することになりました。興味がある方は是非ご覧ください!(後述)
- 目次 -
どんなセミナーだったのか
澤井珈琲といえば、楽天市場に長年出店していて、ショップオブザイヤー常連の有名店として多くの方がご存じだと思います。しかし2年前は、「原価高騰・広告の割高化・競合増加」という厳しい環境の中で、大きな壁にぶつかっていました。リーダーとメンバーも疲弊していた。
そこから2年後。前述の成果に加えて、利益の大幅増、生産性の大幅増、12月の労働時間を1,400時間以上削減などなど、売上だけではない「企業全体での成長」を実現できました。
本当に、一体何が起こったのか?何をどのように変えたのか。どうすれば、そんなV字回復ができるのか?その「2年に及ぶ取り組み」を、弊社代表との対談形式で余すところなく語っていただいたのが今回のセミナーです。
弊社コマースデザインは、2年以上にわたって澤井珈琲さんのECコンサルティングを担当してきました。既存業務の整理から始まって、広告の見直し、販売施策の見直し、生産・在庫管理の仕組みづくりまで、伴走してきた経緯があります。だからこそ、外からは見えない「内側の話」まで踏み込んだ、生々しいセミナーになりました。
「手は尽くした。もうやれることはない」と思ってますか
最近、EC事業者の皆さんとお話ししていると、「原価は上がる、広告は効きにくい、競合は増える。もう手詰まりなんじゃないか」という声をよく聞きます。
「あ、うちもそうだ」という方、いらっしゃいますか。実は、澤井さんも2年前はまさにその状態でした。詳細は伏せますが、いろんな課題が重なって、なかなか厳しい時期が続いていた。受講者の方からも、こんな声がありました。
澤井珈琲さんのような有名店舗でも、内部は大変だったと聞いて驚きました。そしてそこから回復されたのも感動しました。
みんな苦しんでるんだなあ。澤井さんもか
ですよね。じゃあ、そこからどうやって状況を変えたのか。一番のポイントは「一人で頑張るのをやめた」ことでした。リーダーが全部抱え込む体制から、チームと仕組みで動く体制に切り替えた。これが突破口になった、というお話でした。
一歩一歩前進していく。段階的な取り組み
対談は大きく3つのパートに分かれていました。だいたい半年ごとに「新しいテーマ」が現れ、その対策に奮闘しました。それぞれのテーマに対し、アンケートで多くのコメントが寄せられました。皆さんからコメントを引用しながら、各パートを紹介していきます。
第1部「リソース捻出編」
最初に取り組んだのは、販促ではなく、業務整理でした。
皆さんも経験ありませんか。忙しすぎて、本当にやるべきことに手が回らない。「自分がやったほうが早い」と言って仕事をこなすが、「肝心の経営課題」には着手できていない。澤井珈琲さんも、まさにそこからのスタートでした。
まず抱えている業務を可視化して、「本来リーダーがやるべきでない仕事」を手放すことから始めたんですね。実際に分析してみると、想像以上の事実が見えてきました。
- 澤井常務: メルマガ執筆に時間を食われ、重要業務に集中できない状態
- 販売リーダーAさん: CS対応と雑用に追われ、売上アップにかける時間がない。
- 制作リーダーBさん: 毎日のCSV更新で多忙だが、他のメンバーは誰もできない(属人化)
セミナーでは「満杯のタンスに新しい服は入らない」という例え話をしたのですが、これが刺さった方が多かったようで。

いっぱいのタンスを整理する、刺さりました。
スタッフのタンスを整理してあげないとなぁと思った次第でした
面白かったのは、「自分にしかできない」と思い込んでいた仕事を、実際に渡してみたら意外とうまくいった、というエピソード。思い込みを外すところから、変化が始まるんだなと改めて感じました。
渡せない業務ってないんだなと思いました
少人数で運営されている方からは、こんな声も届きました。
2人体制で、タンスパンパン状態です。外注さんなどをうまく活用することもありかもと思いました
ひとり社長ですが、ひとりで抱えがちで事業が停滞していました。今抱えている課題が解決に近づいたため、「非常に満足している」を選択しました
規模は違っても、「抱え込んでしまう」構造は同じなんですよね。
第2部「販売促進編」
次のステージです。リソースが生まれたことで、ようやく「攻め」に転じられるようになった。具体的には、何をしたのか?
商品ページの刷新や検索対策(モールSEO)、広告の見直しなどの販売施策を「チームで回す」体制づくりに取り組みました。せっかく時間を作ったのに「個人のパワー」で回していたら、非効率な状態に逆戻りですよね。チーム販促が重要でした。
その具体的な成果も数字で示されました。12月の楽天サーチ経由流入が昨対+46%(約21万人増)、楽天「コーヒー」検索での1ページ表示商品数が7商品から30商品超に拡大。そのようにして、効果検証なしで垂れ流しになっていた広告費を1,000〜2,000万円以上削減しながら、集客は前年を超えた。
ここで印象的だったのは、販促のやり方を「レシピ化」したという点。属人的な「あの人しかできない」をなくして、誰でも取り組める形に落とし込んだんです。もちろんAIをフル活用します。だから、専任じゃないメンバーでも力を発揮できる。これ、規模を問わず真似できる考え方ですよね。

誰からも仕事のやり方は教わらず、自己流なので正解はわからない。レシピが必要だと気になりました
採用が滞っている部分に関してヒントをもらえました。業務の細分化を進め、滞っている部分のみの採用もしくは外注を進める。また、原価爆増や広告削減など意外と重なる部分もあって、方向性間違えてないなというのが自信になった
第3部「管理強化編」
売上が伸びた!良かった・・と思ったら、強敵が現れました。
売れているけど、、製造が追いつかない、在庫が足りない、利益が見えない。いわば「成長の副作用」ですね。製造が追いつかず、繁忙期は皆が無理をして、現場が大変なことになりました。
ただ、実際いろんなEC現場で目にするのですが・・成長するお店ほど、次々に新しい課題が生まれ、それを解消すると、「次の難しい課題」が出てきます。キリがないな・・と思ってしまいますが、事業の成長とは、そのようにして「次々に課題を解決しながら進んでいく」ものなんだと思います。
さて、ここで澤井珈琲さんがやったのは、焦って手を打つのではなく、「まず現場を観察して事実を把握すること」でした。慌てて感情的に火消ししないで、まず「なぜこうなっているのか」を数字で捉えてから動く。地味だけど、これがものすごく大事なんですよね。
生産管理では、トヨタ生産方式で有名な「平準化(山崩し)」を参考に、目標管理の精度をUP。在庫管理では「棚の番地化」で欠品ゼロを実現し、モールSEO効果もさらに底上げ。利益管理では、コーヒー豆の原価が1.5〜2倍に高騰する中、商品ごとの利益をExcelで可視化して価格改定を断行。売上は落とさず、利益が大幅増。
そして、製造部門では、繁忙期12月の労働時間を1,400時間以上削減。大幅な効率化を実現できました。(かなり説明を省略しているので信用できないかもですが、これにはちゃんとロジックがあるんです。)
突飛なことではなく、まず内部をしっかり理解していくことから大事だと理解しました
焦りから、つい様々なことを同時に進めてしまいがちですが、落ち着いて観察することの大切さを改めて学ばせていただきました
「一人で背負わなくていい」——言葉の重み
といった形で、何か一つの方法で業績を打開したわけではなく、、冷静に状況を見極めて、一つ一つ課題と向き合って手を打ち続けてきた結果、成果が出たというお話でした。
そして、この対談を通じて澤井さんが繰り返し伝えていたのは、「一人で背負わなくていい」ということでした。一人で頑張るって、聞こえはいいけれど、裏を返せばチームの成長機会を奪ってしまうこともある。成功体験をチームで共有したほうが、組織は強くなる。・・この言葉には、2年間の実体験から来る重みがありました。
ここで、受講者アンケートの中で、特に印象に残ったコメントをいくつか紹介させてください。
頭では気付いていることが多いけれど、「本当か?」「不安だな」と思って、やらないことを選択している内容が多かったです。澤井珈琲さんの経験から、ひとつの成功例の考え方を聞けたので、勇気がもらえました
リアル事例と伴走したからこその生々しい言葉や資料が他社セミナーとは異なる、まさに再現性のある【確かさ】を感じました
必要だと理解していたことが、忙しさを理由に後回しになっていたと実感しました。耳が痛い内容でもありましたが、今の自分にとって非常に必要な気づきでした
今回の対談を拝見しまして、正直、胸の奥にずっと溜まっていた重たいものが、少し軽くなったような感覚がありました
取り組みの順番として紹介された、3つの原則
そして、澤井珈琲の2年間に通底する原則として、こちらが紹介されました。
- 手を広げる前に、まず余裕を作る
- やり方をレシピ化して、皆で取り組む
- 焦らず事実を観察してから、判断する
「そんなの当たり前じゃん」と思うかもしれません。でも実際にこの順番を守れている会社って、どれくらいあるでしょうか。多くの現場では、余裕がないまま新しいことを始めて、さらに忙しくなる……という悪循環に陥りがちです。だから、「順番」が大事なんです。

規模は全く違いますが、中で起こっていることは同じだと思いました。セミナーで話されていた問題点がすべて弊社でも起こっていましたので、大変ためになるセミナーでした
順調に見える企業様にも試行錯誤や葛藤の時期があったことを知り、強く共感すると同時に勇気をいただきました。業績をV字回復させた背景には、地道な改善の積み重ねがあったのだと感じました
社内に、まだ使いきれていないリソースがある
弊社コマースデザインで、よく使う格言があります。
焼き魚を食べきっても、「ひっくり返したらまだ食べられる」
今忙しいと思っていても、実は削れる仕事があるかもしれない。人手が足りないと思っていても、今いるメンバーの中に、まだ活かしきれていない力があるかもしれない。
社外のチャンスに目を向けるのも大事ですが、まず社内の「伸びしろ」に目を向けてみませんか。今回のセミナー(のまとめ記事)が、皆さんにとってそのきっかけになっていたら嬉しいです。
ご参加いただいた皆さん、そして貴重なお話を惜しみなく共有してくださった澤井さん、本当にありがとうございました。
沢山のコメント、ありがとうございました
まだまだ紹介しきれないほど、たくさんの声をいただきました。参加者の皆さんからアンケートで寄せられたコメントを、抜粋して紹介します。
- 澤井珈琲さんのような有名店舗でも、内部は大変だったと聞いて驚きました。そしてそこから回復されたのも感動しました。
- 実際に苦労されたお話をお聞きできて非常に良かったです。感動しました。
- 以前より澤井さんのお話は何度か拝聴させていただきました。いつも分かりやすく、更にオープンにお話いただくので、とても勉強になります。…本日のセミナーは本当に今の私に必要な内容で、ご兄弟のエピソードは涙が出そうでした。本当に有難うございました!!
- 経営の苦境からの復活の話が、生々しくて良い。
- 澤井珈琲様の以前までのお悩みを伺い、まるで今の弊社の状況をそのまま聞いているかのようで大変驚きました。順調に見える企業様にも試行錯誤や葛藤の時期があったことを知り、強く共感すると同時に勇気をいただきました。
- 大変貴重なお話をありがとうございました。澤井さんのお店に対する情熱に触れることができ、心から嬉しく思っております。落ち着いて観察することの大切さを改めて学ばせていただきました。本当にありがとうございました。
- とても素晴らしいセミナーでした。…あれほどの売上を上げられている澤井さん自らが、天狗にならず学ぶ姿勢を持っていらっしゃることが素晴らしいと思いました。私自身もこれからも考え続け、学び続け、自分のやりたいことを形にしていけるようにしたいと思いました。ありがとうございました。
- 頭では気付いていることが多いけれど、「本当か?」「不安だな」と思って、やらないことを選択している内容が多かったです。そこを、澤井珈琲さんの経験から、ひとつの成功例の考え方を聞けたので、勇気がもらえました。
- 逆境の乗り越え方が真っ直ぐに伝わって来ました。カリスマ経営者の方でも、我々と同様に危機や不安を感じることに変わりはないけど、逃げないで進む時の考え方が一流だな!と感動すら覚えました。
- 具体的かつ、数字による効果測定などを惜しみなく共有いただき、本当に「器の広い」セミナーでした。澤井さんのお人柄は周知のことですが、同じ経営者やリーダーの役に立ちたいというお気持ちもとても伝わり、感動しました。
- 澤井さんの2年間の奇跡が知れて勇気を頂けました。当社も同じ講座を受講させて頂きましたて、それなりに成果がありました。AIの活用とチームでの運用に移行出来て来ています。ただ、澤井さんほど徹底的な活用が出来ていないと感じました。大変、刺激をいただきました。本当にありがとうございました。
- とても分かりやすい内容をまとめて頂いて感動しております
- 今後一歩踏み出す勇気も必要だと気づけたいい機会でした。ありがとうございました。
- 苦しかった時期のことなども教えていただいて、とても励みになりました。
- お話を聞いていたらワクワクしました。ありがとうございます。
- 今!悩んでる事と重なっており、澤井さんがどうやってこれらを克服したかがとても良く理解出来た。当店はまだまだ少ない人数で運営しているので、どうやって今後進めていいかが 理解出来た
- あの沢井さんですら、というお話しが多く目から鱗でした。特に身内(弟さん)との話は自分が妻に対するスタンスについてとても参考になりました。
- 澤井さんが赤裸々に話をしてくださったので、澤井珈琲さんだからできるのでは?という思いが吹っ飛びました。
- 抽象化した表現になると、どこの経営セミナーでも聞いたことがあるようなものになりがちですが、リアル事例と伴走したからこその生々しい言葉や資料がそうした他社セミナーとは異なる、まさに再現性のある【確かさ】を感じました。
- スタッフさんに仕事の依頼をする時に、丁寧に未来のビジョンまで踏まえてお話されるのはさすがです。ありがとうございました!
- 今回の対談を拝見しまして、正直、胸の奥にずっと溜まっていた重たいものが、少し軽くなったような感覚がありました。厳しいEC業界の中で「頑張っているのに、報われている実感がない」と感じる事業者が心に秘めた本音に、具体的な内容で真正面から向き合う内容で、とても勉強になりました。
- 澤井さんのセミナーはめちゃくちゃリアル感あっていつも心に響きます
- 澤井さんの生の声が聞けて本当に良かったです。サービス精神があり日報まで見せていただき参考になりました。自分の上司だったら本当に良いのにと澤井珈琲さんの社員の方々が羨ましいです。
「自分も、澤井さんみたいに頑張ろう」と感じた方へ
参考になって何よりです!
ちなみに、実は澤井さんの取り組みは、弊社の「EC研修」から始まりました。
ここまででお伝えしてきた内容——「何から手をつければいいか」「どう優先順位をつけ、レシピを作って横展開するか」などは、研修のカリキュラムに基づいた実践なんです。
以下は、弊社の研修、「EC経営ステップアップコース」の骨格です。実は、澤井さんだけでなく多くの会社でこのパターンがうまくいきます。
【フェーズ1:リソース捻出】 業務の可視化→優先課題の特定
「まずタンスを空ける。そのために業務を観察して移管する」くだりがこれにあたります。
【フェーズ2:レシピで売る】 AI経営→AIを使った「新しい進め方」
レシピ化とAIによる「爆速の横展開」がこれです。いろんな業務が爆速になります。
【フェーズ3:チームで伸ばす】 強みと弱みの内省→変革と対話
チームの反発を避けて上手に巻き込んでいくための取り組みです。経営者こそ内省が重要です。
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この記事を書いた人
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