儲かる商品ラインナップの考え方。集客商品と収益商品を使い分けて収益を高めよう

こんにちは。コマースデザイン代表の坂本です。

今回のテーマは、「儲かる商品ラインナップの考え方」について。
商品の品ぞろえについては、色々な考え方がありますが、その中でも「集客商品」と「収益商品」について、詳しく説明します。簡単にいうと、ハンバーガー屋さんの集客商品が新作バーガーで、収益商品がポテトやドリンクです。

集客商品・収益商品はよく知られた考え方ですが、ハンバーガーの例え話が有名なので、あまり応用が効かないといった話も耳にします。そこで、この記事では色々なお店やサービスの事例をご紹介します。自店舗に応用できる考え方をぜひ見つけてくださいね。

はじめに

最初に、ハンバーガーの集客商品・収益商品の事例をおさらいしておきましょう。

利益に貢献しているのは、脇役の商品

マクドナルドは、「集客商品」と「収益商品」の代表的な事例です。

何も飲み物を飲まずに、ハンバーガーを食べるのはちょっと大変ですよね。だからみんな飲み物を買うわけですが、実は飲み物の値段はよく見ると割高になっています。マクドナルドでは、この「ハンバーガーを食べると飲み物がほしくなる」という心理を利用し、収益性の高い飲み物で利益を上げています

それから、CM戦略も注目すべき点があります。新作のハンバーガーやマックシェイクはCMで大々的に宣伝しますが、「ポテトがおいしい!」ということは、わざわざCMでは言わないですよね。このように、基本的に地味で儲けにつながる商品は、CMしない仕組みになっているんです。

目に付くのはCMで宣伝しているような商品だけれど、半ば無意識のうちに買っている商品が、実は収益に貢献している、そんな構造になっています。

ではここから、他の事例について見ていきましょう。

事例から「儲かる商品ラインナップ」を考えよう

これから色々なお店の事例をご紹介していきます。ぜひ意識して、日頃の生活を過ごしてみてください。

例えば「コンビニは〇〇が集客商品で、△△が収益商品だな」という風に考えてみるといいですよ。
ちなみに、集客商品は「マグネット商品」と呼ばれることもあります。なぜかと言うと、磁石のようにお客さんを引き付けるからです。

低収益商品で集客し、高収益商品の購入につなげる

1.コンビニの事例

お弁当を例に考えてみましょう。

コンビニに行ったところを想像してみてください。お弁当は、コンビニ店内のどこに置いてありますか?

入ってすぐのところにはなく、大体は一番奥の方にありますよね。
一番奥に置いてある理由は、お弁当を手に取るまでに、お客さんにお店の中をグルグル回遊してもらうためです。
「あ、そう言えば、これも買うんだった」と他の商品をついで買いしてもらうために、わざわざ奥の方に置いているんです。
おにぎりコーナーや、サンドイッチコーナーの隣を想像してみても、サイドディッシュ的な漬物やサラダ、飲み物などが置かれていますよね。こんな風にして、ついで買いを促進しています。

この考え方は、ネットショップにおけつスマホサイトやPCサイトでお馴染みの「回遊性」の考え方と近いですね。

2.イカセンター(飲み屋)の事例

私の好きな飲み屋に「イカセンター」という名前の店があります。「イカ」の「センター」なんですけど、飲み屋さんです。

そこに行くと、非常においしいイカを食べることができます。本当においしいイカというのは、透明でキラキラしていて、新鮮です。そんなキラキラしていて動いているイカを見たら、つい写真を撮りたくなります。

「イカが目玉商品だから、イカばかり食べるか?」と言うと、イカしか食べないわけはないですよね。
おいしいイカがあれば、あわせて何がほしいかと言うと…個人的には日本酒です(笑)。

イカセンターだから、イカフライも食べたいところです。イカ焼きとか、色々なイカ商品があって、そうすると何がほしいかと言うと、やっぱりビールもほしいですよね。「イカをつまみに延々と食べ続けるか」と言うと、人によって好みもあるので、やっぱり唐揚げも刺身も売れますし、サラダも枝豆も売れる訳です。

ということで、イカセンターはイカが尖っていて、なおかつそこまで高くないので、イカに引き寄せられたお客さんは、普通の飲み屋さんで粗利が高い商品を普通に買っている、という構造になります。

3.「釣船茶屋ざうお」の事例

イカセンターの構造を極端にしたお店が、渋谷にあります。「釣船茶屋ざうお」という、店内で釣りができるお店です。
客層は子連れのファミリーやカップルが中心で、釣った魚をその場で料理してもらえる仕組みです。

釣りの設備には、それなりにコストをかけていると思います。いけすがあって、お客さんは新鮮な魚を食べることができます。

じゃあ、お客さんは、「刺身とか新鮮な魚だけを食べているのか」と言うと、やっぱりそうではないんです。店の奥で解凍した、ファミレスでもよく出てきそうなコロッケや、普通の商品もよく注文されています。
「釣りができる」という強力な尖った商品でお客さんを集め、普通の商品を買ってもらっている。こういう構造ですね。

もしあなたが仮に釣り堀の経営者だとして、「釣りができるお店」とうたって、釣りだけで収益を立てようと思うとなかなか難しいかもしれません。けれど、「釣り堀を目当てに集まってくる人に、どんなサービスを提供できるか」と考えると、収益性を高めることはできますよね。

4.iPhoneの事例

Apple製品も実は、同じような構造になっています。

iPhone自体も良い価格帯なので、それなりに収益をあげているとは思いますが、ドル箱になっているのは、iTunesのようなサブスクのサービスです。
iPodを覚えていますか?iPodが登場した頃から、「iTunesの音楽をダウンロードして聴く」という市場を開拓してきたのが、まさしくAppleです。

それから、延長保証をしてくれるApple careというサービスもありますよね。サービス自体は地味ですが、これもまた、しっかりと収益をもたらしてくれる「収益商品」です。

ちなみにEC事業においても、全く同じことが言えます。延長保証を行っている企業は、「追加でお金をいただく」というオプションサービスで細かく稼いでいる会社も、多く存在しています。

このような視点を持って日常生活を過ごしていると、きっと色々な所に気づきがあると思います。

「無料」で集客し、有料化へ

5.課金ゲームの事例

課金型のゲームって、よくありますよね。
テレビCMでも「このゲーム、タダで遊べます!」と集客しておいて、実際にプレイしていて勝ちたくなった頃に、「課金すると勝てますよ」と言って課金させる構造です。

これもよく見てみると、無料で集めてきたお客さんを、ただ無料で遊ばせている訳ではありません。
無料のお客さんには、”やられ役”を演じてもらっているんです。お金こそ払っていないけれど、自分の時間を投資して、無償でやられ役を演じている。

反対に課金しているユーザーは、無料のユーザーをボコボコにすることで満足感を得られる。こんな風に、無料のユーザーによってサービスが成立している構造なんですね。やられ役を演じる人材を無料で仕入れている、ということが言えるわけです。

こうして、課金ゲームを無料で遊ばせることも、実は間接的に収益を上げていると言えます。

6.Kindle Unlimitedの事例

それから、Kindle UnlimitedというAmazonのサービスがありますよね。定額のサービス利用料を払うことで、本や漫画が読み放題になるサービスです。

このサービスで、たまに「無料で漫画が読めますよ!」という告知があり、ユーザーが「見たことある!」と感じるような有名作品が無料で読めることがあります。

「そう言えば、これ読んだことない漫画だ!みんなから面白いって聞くし、読んでみようかな」と思って読み始める。すると、3巻くらいのちょうどいい所で無料購読は終わり、その先はお金を払わないと読めなくなるんですね。
そして、続きが気になって…結局、全巻買う羽目になる、という流れで、お客さんを開拓しているんです。

コンテンツという商品はとても面白くて、ある程度消費すると、最後まで見ないと何だか気持ち悪くなってしまう特徴があります。これによく似た商品が、タバコなどの中毒性のある商品です。

「ある程度手に入れると、全部コンプリートしたくなる」という点で、コレクター向けの商品も同じことが言えますよね。
これが、「ある程度知ると、もっとほしくなる」という心理を活用した構造の事例です。 

コレクション心を刺激し、顧客を囲い込み

7.プラレールの事例

最後に、物販の事例もお伝えしましょう。

プラレールをご存じでしょうか?子供がレールを組んで電車を走らせる、あのおもちゃです。
実は「プラレール入門セット」というのが存在していて、簡単な丸い円の中をグルグル回転する短いレールと、ちょっとした電車がセットに含まれているんです。ただ、それだと段々と物足りなくなって、どんどん追加して、大きい線路を組むようになっていきます。

こうしてプラレールで大きな線路を組めるようになると、「今更似たような線路と電車のおもちゃなんて買わない…」となる訳ですよね。結果的に競合も排除している、という構造が成立するんです。

ちなみにレゴブロックも、この心理を活用している事例です。レゴを買って組んで、もっと色々なレゴのシリーズを買うようになる。そうすると、他のレゴブロックは買わないですよね。

まとめ

今回は、様々な企業の商品を事例に、儲かる商品ラインナップについてお伝えさせていただきました。

  • 集客商品と収益商品を分ける事例   :ハンバーガー屋や居酒屋
  • 無料で集客して、有料につなげる事例 :Kindle Unlimited
  • 同じ商品シリーズで、中毒性が高い事例:プラレールやレゴ

など、色々なやり方がありましたね。
収益とはこうした工夫次第で、様々な形で増やしていくことができるんです。

P.S.

「なるほど!」と頭ではわかっても、自社のサービスを客観的に見ることって、なかなか難しいですよね。

「もうちょっと自社の収益を上げたいな」と感じたのなら、商品ラインナップを見直すチャンスです。収益を上げる方法は、この記事だけでは伝えきれないほど、たくさんバリエーションがありますし、状況において施策の立て方も異なってきます。

弊社は、EC事業専門のコンサルティング会社です。「同梱を増やしたい」「客単価を上げたい」「一人のお客さんからの利益を高めたい」…そんなご要望を叶える方法を、一緒に考えさせていただきます!ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。

カテゴリー: EC業務の効率化

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