こんにちは。坂本です。
弊社では、年2~3回ほど、「3ヶ月集中のEC研修」を開催しています。先日、講座後のZoom雑談会で「家族経営あるある」の話題で盛り上がりました。
そこで出た話があまりにも「分かりみが深い」内容だったので、今回は家族経営における意見対立の本質と、その解決の糸口について書きます。家族経営で日々イライラしている方、「なんでこんなに分かり合えないんだろう」と悩んでいる方、多いのではないでしょうか。
この記事を読むと、いくらか衝突が緩和されるかもしれません!(されないかもしれません!)
- 目次 -
家族経営の「あるある」構造
弊社コマースデザインのEC研修では、講座が済んだあと、参加者の皆さんでZoom雑談会をします。
今回自分が参加した部屋では、「家族経営あるある」の話が出ました。
普段私が支援している会社は家族経営が多く、私自身も夫婦で経営しているので、気持ちはよくわかるというか、なんというか、うーーむ深い、、という話になりました。端的にいうと・・
家族経営では、
まず
・経営者の方針と生き方・価値観が混ざりがち
・だから合理的に話すだけだと衝突しがち
よって
・毎日顔合わせているから「また今度話そう」になりがち
・後回ししがち
・結果、言いたいことが溜まりがち
結果
・溜めこんでから爆発しがち
・貯めてあるから次々に投げ込みがち
そして
・関係ないところで誘爆しがち
じゃあどうすればいいのか?
我々としては「これは表層的な意見対立であり、深いところでは味方なのだ」ってことを、忘れないよう意識しています。
図解するとこうなる。
・Dで意見対立するんだけど、大目的はAなので、つまり同じ目的を持っている。
・Aが目的だけど、目的達成の方針においてBとCの違いがあり、だからDとD’の対立が起こる。
・DじゃなくてBCの間の調整をすべきだ。
その人が、BなりCなりを大切にするには、過去の経緯や正確が影響している。
味方なんだから「自分と違う角度からものを見てくれている」と捉えるのが大事だなーという話。
まあ、分かっててもぶつかるんですけどね!(でも、ぶつかったあとがスムーズなのです)
家族経営の「あるある」構造を整理する>
ここからは、もうちょっと詳しく整理していきます。
経営と人生がごちゃ混ぜ問題
家族経営の最大の特徴は、経営者の方針と生き方・価値観が混ざりがちということですよね。
普通の会社なら「これはビジネスの話」で済むところが、家族だと「あなたはいつもそう」「昔から変わらない」みたいな人格論になりがち。
最初は合理的に話そうとするんですが、気がつくと他の火種にまで誘爆するんです。潜在的な対立要素・・だいたい「うっすら我慢してたところ」に引火しますねw
「また今度」の罠
そして家族経営でよくあるのが:
- 毎日顔を合わせているから「また今度話そう」
- 面倒な話は後回し
- 結果、言いたいことが溜まっていく
これ、本当によくあるパターンです。
朝言おうと思ったけどやめて、昼は忙しくて。 夜は疲れてて。そうやって先延ばしにしているうちに、小さな不満が雪だるま式に大きくなっていくんですよね。
爆発からの連鎖反応
溜め込んだ結果、どうなるか。
- ある日、爆発する
- 貯めてあるから次々に過去の話まで投げ込む
- 関係ないところで誘爆する
「◯◯だけじゃなくて、◯◯だって問題じゃないか」「そういえば3年前のあの時も」みたいな話が出てきたら、もう収拾がつきません。短い間に一気にたくさんの要素に引火し、爆竹のように連鎖反応が起こり、論点が多すぎて収拾がつかなくなります。あれ、目に汗が・・
対立の本質を見抜く「対立解消クラウド」
実は同じ目的を持っている
ウチも夫婦経営なので、こういう衝突は日常茶飯事です。
でも意識しているのは「これは表層的な意見対立であり、深いところでは味方なのだ」ということ。
頭を整理するためにおすすめなのが、先ほどの図解の考え方です。「対立解消クラウド」と言います。
違うテーマでおさらいしましょう。
対立の背景にある、「両者に合致する目的」を見つけ出すことで、対話を促進するためのフレームワークです。
- DとD’で意見が対立する
- でも実は、大目的Aは同じ
- ただ、目的達成の方針にBとCの違いがある
- だからDとD’の対立が起こる
まずは、Aで合意することが大切です。そうすれば、表面的にはDの部分で激しくぶつかっているように見えても、本当は「BCの間の調整」をすべきだよね・・というように考えが進みます。
なぜその方針を大切にするのか
ここで重要なのは、その人がBなりCなりを大切にするには、必ず過去の経緯や性格が影響しているということ。
例えば:
- 過去に無理な投資で失敗した経験がある → 堅実路線(B)
- 慎重すぎてチャンスを逃した経験がある → 積極路線(C)
繰り返しますが、自分と違う捉え方に対して「自分と違う角度からものを見てくれている」と受け取るのが大事なんですよね。
自分が正しい理由、相手が間違っている理由はいくらでも言語化できると思います。特に男性は自分の正しさを論理的に力説する人が多いのですが、その論理の「動機」は割と感情なので、表層が論理だとしても・・土台が怪しいのです・・ああ目から汗が・・。
こういう議論をする際に、「いやでもコレ客観的に言ってさあ・・」みたいなフレーズを使って、あたかも自分を客観的な人、相手は主観的なアホみたいなポジションに置くケースがありますが、
「客観的な人間」は存在しないんです。
ただ、Aさんの主観とBさんの主観があり、それが食い違っているだけなんです。
客観性は存在しない。主観と主観の間にある共通了解、つまり「間主観性」が存在するだけである。と捉えたほうがフェアだと思います。
このように認識していれば、ぶつかったあとの回復がいくらか早いです。
またやってしまったって思いながら、もとに戻るのが早くなる。
そして何度でもぶつかるんですがw
まとめ:「意見対立」は「違う観点」を発見する機会
家族経営における意見対立は、避けられない宿命なんだろうと思います。
近くにいるから、お互いの穴が見えやすいんですよね。
それは相手の弱いところ、相手の盲点を指摘できるということです。
相手の弱いところを的確に把握している・・盲点を指摘できる・・というのは、攻撃の種に事欠かないという意味だし、相手が困っていること、できないことをサポートできるということでもあります。
どちらの選択肢も選べます。どちらを選ぶのかはあなた次第。
対立はしても、決裂はしたくないですね。
今回は以上です!家族経営の皆様、一緒に頑張りましょう!
PS
ちなみに同族経営における親子関係・・「先代が作った事業との向き合い方」みたいなテーマでも、別の機会に雑談したことがありまして、それもいずれ記事にしたいと思っております!
「5分でわかるコマースデザイン」をダウンロードする
Q. コマースデザインのEC支援は、何をしてくれるの?
A. コンサル・研修・セミナーを提供しています。支援内容・実績・会社概要を「5分で把握できる」無料資料を作ったので、ぜひご覧ください!

カテゴリー: EC事業の組織論