仕入れ型ネットショップの未来はどうなる?楽天EXPO2017セミナーレポート

※2017年に楽天のイベントで講演した内容を解説しています。仕入れ型店舗の方は必見です!

楽天株式会社が主催する「楽天EXPO2017」の東京会場と大阪会場で、セミナーをしてきました。合わせて1,000人超の方にお聞きいただきました。

とても好評でした。皆さんの問題意識と合致したのかなと思います。自分としてもブレイクスルーした感があったので、ちょっと時間がたちましたが、振り返ってレポートしてみます。何人かから「感動した」って言われました(照)。アンケートでは、こんなお声を頂きました。

  • いままでうけたセミナーでNO.1です
  • とても面白いフォーラムで、早速実践してみたいと思う内容ばかりでした
  • すごく良かったです!感動・・・
  • 始まったら一番目玉のフォーラムでした!書くのが追いつかないほどの聴き応え!
  • 大変ためになる最高のフォーラムでした!!
  • とても良かったです。大満足
  • すごく面白かったし、勉強になりました。分かりやすい説明や例えがあり、あっという間の1時間でした。
  • より具体的に今後の計画を立てることができました。いい内容でした。

ありがたいことです。

以下、簡単にレポートさせて頂きます。

中小規模の店が埋もれないためには?

EXPO各会場では、以下のお話をしました。

  • 東京会場「大手サイトに負けない!型番屋さんのサバイバル術」
    • 大手に埋もれずに事業を継続するには今後どうすべきなのかというテーマで、尾原和啓さんと対談しました。
  • 大阪会場「専門店だからできる、型番屋さんのあの手この手」
    • 仕入れ型でありながら価格競争に巻き込まれず、愛されて売り続けるお店の事例として、SWIMSHOP ヒカリスポーツの柳原俊二さんと対談しました。

東京の尾原さんはビジネスとテクノロジーの未来に詳しい方で、大阪の柳原さんは愛される店舗運営を実践されている方です。回を重ねて、対談による化学反応で、セミナー内容が進歩しました。ありがとうございます。

いずれも、型番商品など「仕入れ商品主体のネットショップ」を念頭に置いて、「中小規模の店が埋もれないためにはどうするか」「店舗の独自性をどう出すか」について、お伝えをしました。

要は、Amazonをはじめとする強力な事業者と「売り物がカブった」場合、打ち手があるのか?やられるしかないのか?何が出来る?という話ですね。

仕入れ型店舗の課題とは

さてここからレポートです。写真は東京会場です。広い!



まず、仕入れ型がなぜ苦しくなるのか。そのメカニズムをお伝えしました。

仕入れ型の店が「苦しくなる」理由

こんな課題がありませんか。

  • 店の名前を覚えてもらえない。
  • 商品は好かれていても、お店が好かれているわけではない。
  • その商品が他店で安くなれば、お客さんは他店に流れる。

悲しい。

でもそれは、売上がモノに依存しているからです。「店としての存在感」がないからです。この、ボタンの掛け違いを直す必要があります。そして店に興味を持ってもらう必要があります。何を実践するにせよ、ここを外すと「存在感のない店」から脱することは出来ません。

もうひとつ課題があります。調子がいい時、仕入れ型は規模拡大しやすいですね。商品を調達し、どんどん登録していきます。しかし、競合とぶつかった時に途端に不利になります。攻めにくく守りにくいわけです。守勢に回ったときに、経営が難しくなります。

そんなことを踏まえて、色々お話をしました。こんなコメントを頂いています。

  • 卸を中心に扱ってますが、お客様のニーズに合わせてという面では、小売も卸も変わらないということが分かりました
  • まさに「売らされるのではなく、自分の力で売っている」から、(事例の店舗は)めざましい売上をあげられているのだと思いました
  • 仕入れ品は最安値にしないと売れづらいので、良い話が聞けました

「売れた」はゴールではない

うまく「売れ筋を投入して売れた」として、それは店の力とつながっているでしょうか。それは一過性の売上ではありませんか。来年になれば消えてしまうものではないですか。一過性の結果でも、自信と経験という意義はあります。でも商売は「続く」のが大事ですから「その時売れて終わり」ではもったいない。「次」も考えましょう。

「次につながる売れ方」を模索してみませんか。その時限りの仕事ではなく、一度やると以降の売上に効果が出続けるような仕事を優先するんです。売上を追うのではなくお客さんを追うんです。これは合理的な話です。精神論や理想論ではありません。

まずは、物の力で「売れた」のか。店の力で「売った」のか。現在、どちらの比率が高いのか?「売った」比率はどれくらいか?それを考え、徐々に高めていくのが良いと思います。

セミナーでは、具体的な方法論として「リアルショップに学ぶ」戦術をいくつか話しました。売り手としての自分は結構何も見えてないので、「買い手に回ったときの自分」を観察すると、かなり学びがあります。そこで、実店舗です。実店舗での現象は、対話や感情が可視化されますので、観察しやすい。ECに活かせることが多くあります。

頂いたコメントは以下の通り。ECはまだまだ進化できることを実感頂けたかと思います。

  • 価格が前面になってしまう型番商品でも、やり方でこれだけ売れるという事がよくわかりました
  • 大変わかりやすく、すぐにでも実践できる内容でとても良かったです
  • 当店に置きかえて、イメージふくらましてトライしてみます!
  • 売るのではなく、「買ってもらえる」を目指してみようと思った
  • 先回りして仕掛ける。色々と使えそうです!
  • 実践できることばかりの技術が多く、とても貴重なフォーラムでした。テンポも良く、とても面白かったです。
  • 「型番屋さんの攻め方」を知ることができ、参考になりました。
  • 非常に勉強になりました。すぐに実践したいと思います
  • より具体的に今後の計画を立てることができました。いい内容でした。
  • 既に実践している施策もあったが、まだ行っていない施策や実践が不十分だった施策もあったので、明日から実践してみたいと思う
  • 大変参考になりました。お客様が何を必要としているか。これからじっくり探してみます

楽しく売る

仕事は楽しいですか?

モノに依存せず、お客さんのことをちゃんと考え、先回りした商売は、本質的に「楽しい」はずなんです。喜ばれる嬉しさや、仮説が当たる楽しさがあります。その楽しさが伝わったと思います。

  • 売り方を考えるのは楽しいですね。色々想像させられました
  • 失敗と成功を繰り返すことをどんどんチャレンジしたいと思います。ワクワクする仕事!最高ですね。
  • すごく面白かったし、勉強になりました。分かりやすい説明や例えがあり、あっという間の1時間でした。

そういえば、仕入れ型向けのテーマなのに、メーカーの人が多かったです。
仕入れ型だけでなく、オリジナルでも問題は同じなんですよね。独自性のないオリジナルには競争力がありませんから、、仕入れ型と同じ問題を抱えることになります。

  • 自社は型番屋ではないですが、ためになる話でした
  • 型番屋ではないのですが、参考となる話がたくさんありました。
  • 購入者の心理、本質をとらえた視点のお話だったので、とても参考になります
  • 弊社はメーカーですが、提案型の売り方として、ヒントになることがたくさんありました
  • 型番商材だけでなく、PB商材にも通じる普遍的な考え方が多く、勉強になった。
  • オリジナルの商材がメインですが あわせて仕入れ商品の売り方について、勉強になりました。
  • ネットビジネスに限らず、マーケティング論としてとても面白かった

仕入れ型店舗の未来とは

Amazon怖いヤバイというのは、いまや世界的にニュースになってますよね。

長い目で見た時に、仕入れ型ショップはどうなるのか?どう変わっていくのか?どこに向けて成長・進化すべきなのか?そんなお話もしました。

写真は大阪会場です。この柳原さんのお店を解説するという展開でしたが、すごく示唆に富むお話になりました。



「儲からないはずの店」が儲かってしまう

昔々、競争が少ない時代は濡れ手に粟でした。そんなラクな時代がありました。「勝ちパターン」を見つけて、数をぐるんぐるん回す。それで成長する。そんな時代がありました。

競争が煮詰まってくると、雑に数をこなす策が通用しなくなります。手間をかける必要があります。大変ですね。仕事増えますね。手間ですね。

さて、それは本当に手間なんでしょうか?最近、逆転現象が起きつつあるように思います。これまでの「正攻法」の効果が落ちている。一方、手間だと思っていた施策が、本当は効率がいいようになっている。そんな話を沢山しました。

ここでは、ひとつだけお話します。以前、ある人が、「義理チョコ専門ECサイト」を立ち上げたそうです。なんだかうまくいきそうですね。でも失敗しました。なぜか。それが90年代だったからです。現代ならイケそうな気がしませんか?

なぜでしょう。90年代や00年代前半のように市場が小さいうちは、ニッチは成立しづらいです。しかしEC市場は広がりました。結果、ニッチが大きくなっています。皆さんはそれを体感しています。だから「今ならいけそう」な感じがするわけです。

そうなるとニッチではない「ど真ん中」市場は余計に巨大化しているわけですが、ここまで巨大市場になると、大手が動きます。以下の記事(「これからのEC」の話をしよう)に書きましたが、巨人の殴り合いです。中小の入る余地はないかなと。

中央の日用品は大手が抑える。しかし周縁は広い。多様な顧客、多様な需要、ニッチの「メガニッチ化」。我々の希望は、そこにあります。AIと巨大システムの時代における中小事業者の「社会的存在意義」・・も、そこにあるはずです。

こんなコメントを頂いています。

  • 載せれば売れる時代から、考えないと売れない時代へのヒントをいただきました
  • 頑張っていこうという活力になりました!!
  • 大変ためになるお話でした。他の人がやりたがらないことにビジネスチャンスがあるのだと気付いた
  • 店舗を運営する上で「当たり前」のようなことであっても、それらを徹底する事はやはり大事だと思いました。忙しさの中で忘れていたことをもう一度思い出せました
  • すばらしかったです!凡事を高いレベルで徹底することが一流になるのだと思い知りました。
  • 他社が手を出しにくい商品でも、自社にそのフォロー力があれば対応できる。その強みを見つけられたことがすばらしい

何かが消えると何かが生まれる

似た話を尾原さんがfacebookで書いてました。曰く、AIなどテクノロジーによる超効率化は仕事を奪うが、同時に儲からない仕事に効率をもたらして儲かる仕事に変えるのではないか。

パンドラの箱ですよね。時代的な絶望がある場合、同時に必ず希望があるはずです。何かが消えれば何かが始まる。ECにかぎらず、世の摂理ではないかと思います。

で、その次の希望は、「既に目にしたけど儲からないと思って捨てられた商品」「切り捨てた客層」の中から生まれるかもません。

ECの外でも広がっていく

セミナーの前後でいろんな方をお話をしました。日頃のコンサルティングでも感じるのですが、起点はECですが、売れた後に「商売がECの外へと広がっていく」ケースが増えているように思います。

そういえば、「ネットショップという呼び名が、発想を狭めてしまうのではないか」というお話を、以前「北欧 暮らしの道具店」の青木社長から聞きました。

「カートボタン(買い物かごに入れるボタン)がついたWEBサイト」だと思えば色々できるのに、ネット「ショップ」と思うから、「WEBでの物販」以外にアイデアが広がらないのではないか。。本当はもっと色々できるのに。とのこと。確かに。

※この話題について、詳しくはこの記事を参照。

言い換えると、ボクシングだと思ってたこの試合は、実はボクシングではない。早くそれに気づいてローキック繰り出したやつが勝つ。みたいな感じです。たぶん。猪木VSアリみたいだな。反則(と思われていること)を真面目に考えるって大事なのかもしれない。

「小さな店」だからできること

小さな店に存在価値はあるのか

日本のEコマースは、小さな事業者の挑戦と試行錯誤によって切り開かれてきました。舞台となったのは楽天市場ですが、主役は店長さんたちです。しかしEC市場が広がり、大きな企業が参入してきました。もはや力押しではなく、戦略戦術を練り込んでキッチリ攻めてきますね。

中小ECは生き残れるのか?中小事業者によるECは、かつてイオンにねじふせられた商店街のように消えてしまうのか?このテーマ(と危機感)は、弊社がずっと掲げてきたテーマでもあります。

私個人の思い入れもあります。父方と母方の祖父母がどちらも家族経営の自営業で、間近に見ながら育ちました。自転車屋、焼き鳥屋、スーツの仕立て屋。地元と付き合いながら商売をしてました。

合理的な観点から「一番じゃなきゃ意味がない」「小さい店は淘汰されて大手にまとまるべき」という方がいます。たしかに力学的にはそうかもしれませんが、小さな商売を頑張っている人がいる以上、そういう人の味方が必要だと思って、弊社は創業以来、中小専門のECコンサルティングに特化してやってきました。

そういった道を選んだのは、思い入れもありますが、勝ち目もあるはず・・考えたからです。今でもその思いは変わっておらず、時代と共に、更に必要性が高まっていると感じます。

中小事業者の「勝ち目」を考える

イオンVS商店街の時代と違い、現代の需要は「多様性」や「体験」「物語」「関わりしろ」等に向かっています。なので、ネットであれば小事業の存在価値が高くいられるのではないかと。そう信じます。

人々は、便利さではなく豊かさを求めている。豊かさとは「沢山あって選べる」「十把一からげではない」「早くできるし回り道もできる」といったことではないか。

実際、好きな飲み屋が大手チェーン(ex.和民)です、なんてことはないですよね。地元で愛されて続く飲み屋はチェーンでなく「オリジナル」です。

存在意義を問い直し、コンセプトを立てる

そういった考えから、私が「中小ECの未来」について書いたブログ記事は、時代状況への共感もあったのか、かなりバズりました。見たことがない方は是非どうぞ。悲観的な未来と、その先の希望について書いています。

この時代においては、もはや、単なる戦術を模倣して実行するだけではダメで、一社一社がそれぞれの存在意義を問い直していく必要があるわけです。

単なる戦術は陳腐化が早いです。ただ、今回の大阪セミナーの事例で話したのですが、店のコンセプトや「らしさ」が立っていれば、普通の戦術でも効果は全く変わってきます。当たり前の施策が、強力な施策になります。ECからリアルへ派生する機会も出てきます。

売上とコンセプトは「同時に」伸ばす

とある店長さんが言ってましたが「戦術onlyで売上が伸びたけど、逆に忙しくなって戦略的な動きができなくなった」。ジレンマですね。

そもそも「売上を伸ばす戦術」という言葉それ自体に危険が潜んでいます。思想なき戦術、コンセプトなき売上はリスクかもしれません。

だから「一旦売上を作ってから考える」のではなく、自店舗が何者か、お客さんがどんな人なのか・・を考えながら進むのが大切だと思うんです。

我々は、戦術の提案だけでなく、「その店らしさ」への支援を、同時にしていきたいと考えます。両方同時にやらないといけない。

「売上は伸ばす」
「コンセプトも立てる」

「両方」やらなくっちゃあならないってのが、「商売」のつらいところだなと。

とはいえ、本質的にはつながってます。

このへんは記事では伝えづらいところなんですが、なんというか、見つけなきゃいけないのはまず「答え」ではなくて、「解くべき問い」なんです。その上で答えを探す。それが見つかって、一旦軸が通れば、判断スピードが上がって、むしろコンセプト無しで戦術を考えるのが怖くなります。

要は、先行き不安で怖いけど、だからといって安易な答えに飛びついたらダメってことです。「思考のスタミナ」ですね。

次はいつやるの?→8/30東京です(終了)

こんなお声を頂きました。

  • 時間がたりなかったので、同じ内容でもっと長く受けたいです
  • 内容が大変濃く、時間が短い!
  • 内容が濃いのは嬉しいのですが、時間が足りない感があったので、長くしても良いと思う
  • 2時間の枠で聞きたかった
  • もう少しゆっくり最後まで聞きたかったので、最後早足になってしまったのが残念でした
  • また次回あったら受けたいです
  • もっと長くてもいいです
  • もっとくわしく、ちゃんと聴きたいです!
  • やはり駆け足だったので、質問や他サイトさんとの交流時間がほしかったです
  • もう少し時間あれば更に良かった

なので、この話、東京Ver.と大阪Ver.をまとめた「総集編」を都内でセミナーします。メルマガ読者の方には既に先行案内済です。

※追記:このイベントは終了しました。ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました!

今後の開催

現在全国を回ってセミナーをしています。県庁など自治体が主催のものです。テーマとしては、ECだけでなくリアルでも使えるようなコピーライティング、お金を掛けない集客、中小企業ならではの業務効率化や組織体制など、EC販促に限らず経営全般の話題を扱います。

今後の講演予定はメルマガでご案内しますので、まだ購読されていない方は、こちらからお申し込み下さい!

PS
ここで紹介した方法論以外にも、いろんな考え方・方法論があります。一度になんでもはやれませんから、「優先事項の見極め」が最も大切です。

今何に取り組むべきか・・迷ったら、弊社の顧問コンサルタントがお手伝いできます。御社のこれまでの歴史、店としての強みや武器、今売れてる商品が何か、業務の体制やメンバーなど、幅広い観点からお話を伺って、「御社ならではの優先事項」をご提案できます。

興味のある方は、以下からお声かけください。

カテゴリー: ECセミナー・講演

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