価格競争しながら利益を上げる方法とは?

こんにちは、坂本です。先日開催した「型番・ブランド商品のための価格競争対策」セミナーの内容を紹介します。

オークション業界で有名なオークファンという会社との合同開催。私は価格競争対策の「今すぐ使える具体的な方法」を沢山お話ししたので、その中の一部をご紹介。

価格競争については悩んでいる人が多いようです。何と、愛媛からいらした方もいました。楽天SOYの会社さんも複数いらしてました。大変好評で、有名店の方からも実践的であるとの評価を頂きました。

型番・ブランド商品のための価格競争対策

商品数が多い店は、点ではなく「面」で戦略を考える

さて本題。セミナーで使ったパワポを転載していきます。

まず、前回のおさらい。多分コレ一番大事じゃないかな。まあ常識っちゃ常識ですけど。

これが何を示しているかというと、型番・ブランドタイプの店は、点ではなく面で戦略を考えるべきってこと(商品数が多い店はどこもそうですけど)。

よくECノウハウで、「『一番売れる単品』を鍛えて一点突破が定石!」なんて言う方が多くいらっしゃいます。まあ、そういう側面もあると思いますけど、その「単品」を売るマーケットが消耗戦(レッドオーシャン)だったらどうします?

実際、型番・ブランドタイプのECはそうなりやすい(どこで買っても同じだから)。単品での一点突破は、機関銃の前に突撃するようなものです。

であれば、この種のお店は必然的に、特定の市場で大勝利(点での勝利)を収めるのではなく、幅広い商品群で局地的な勝利を積み重ねつつ「面での勝利」を目指すべきではないかと・・。

単品強化路線はランチェスター戦略を引き合いに出して語られるそうなので、それに乗っかって敢えて軍事的な言い方をしてみました。ランチェスターと同時期に生まれた浸透戦術のイメージに近いかも。歴史に学ぶことは多いです。

型番・ブランドタイプの店には「鶴翼の陣」

これはまさに弊社書籍で言う、商品数が多い店にお勧めの陣形「鶴翼の陣」ですね(法則11,39)。逆に、食品や美容健康などの単品通販は、一点突破の「魚鱗の陣」がおすすめ。

点ではなく、多数の商品を機動的に動かす「面」の戦略。

当然、人力じゃおっつかないので、必然的にシステム化・ツール活用の話も同時に出てきます。だから、型番系で強い店には、たいてい理系思考の人がいるような気がします(実例)。

何が言いたいかというと、取り扱い商品の特性~戦略~体制~既存大手に現れる組織的特徴まで、全部繋がってるんだよってこと。本質的なノウハウとは「やれば売れる小技」ではなく、技を生み出す知見とか視点です。多分。

「鶴翼の陣」の施策の具体例

まあ理屈はいくらでも語れますが、そろそろ分かりやすい具体策を紹介。以下は、セミナーでお話しした具体策の一部です。

まず、弊社セミナーではお馴染みの「サカモチオール」です。薬局でよく見かける風景ですね。

有名商品は卸値が高いです(CMバンバンなので)。でも、そっくり商品は卸値が断然安い。

つまり、有名商品は利益率が低い。そっくり商品は利益率が高い。じゃあ、有名商品で集客しといてスイッチさせよう。これで利益率を上げます。

※分かりやすくするためにシンプルに語ってます。

ちなみに、こういう独自ブランドをプライベートブランド商品(PB商品)と言います。価格競争の激しいスーパーマーケットでは昔からあります。学生時代の私は、京王ストアでよく「Vマーク商品」を買ってました。ちなみに多摩市在住でした。

最近ではセブンプレミアムですね。※セブンのカレーをひっくり返すと、裏にヱスビーとかハウスって書いてます。どんな商談してるか想像するとコワイw

もちろん、利益率上げるためにぶつける商品は「独自商品」じゃなくてもいいんですよ。マイナーブランド品でも。

で、上記の戦術を実践すると、こうなります(数字は分かりやすくするためにいじってます)。実際、こういうスタイルで強い競合と戦っている店はいくつもあります。

大手が安売りで攻めてきても、こうやって耐えるわけです。ぱっと見は価格競争でバンバンやり合ってるようでも、裏でどれだけ利益率UP・コスト削減をしているかが大事。PB商品混ぜるとかだけじゃなく。まあ、当たりまえっちゃ当たり前ですけど。

プライベートブランド商品へのスイッチ方法

じゃあ、どうやってこの体勢に持っていくか。大事なのはココですよね!
いろいろありますが、2つだけ載せます。

1.安さをアピール(コスト比較)

単純なコストアピール。ちなみに、この例は煮出すタイプのお茶で比べてます。それをペットボトルに入れた状態で比べるわけです。ある意味ズルですw それが大事。

似た事例だと、粉末状態で売る洗剤を、市販の台所洗剤みたいなプラ容器に入れた状態で、市販品と比べるとか。

要は、比べる軸です。自分にとって有利な軸で比べる。それも分かりやすく。超重要。

2.目利きをアピール(客観調査)

2つめ。よく見て下さい。

何が凄いか分かりますか?通販って、製造直販こそが思い入れを語れるから有利だと思ってませんか?違うんです。目利きをアピールするんです。これは仕入れ型の店だからこそできること。

「当店のスタッフは本当に色んな商品に触れます。そんな沢山の商品の中で、プロの目と主婦の目から、特にお勧めの商品を厳選してみました。無名商品も多いですが、『知られざる逸品』は多いんです。では、これらの商品のどこが優れているかご説明しましょう」、みたいなことを言います(意訳)。

どうですかこの説得力。

で、このへんの商品、全部利益率高いわけですよ(品質も良いんですよ勿論)。これを、小売ジャーナリズムと呼びます(ここの社長さんがそう仰ってました)。

古いようで新しいと思いませんか?現代的なスタンスだなーと思います。あ、ジャーナリズムなので、ウソついたらアウトです。品質良くないと。念のため。

そんなわけで、個人的に通販のカリスマだと思ってるのは、ジャパねっとの高田社長ではなく(凄いですけど)、通販生活の社長さんです。凄い。あと、スライドにある「空手部の曇り止め的訴求」については・・割愛。機会があれば語りますw

PS
ここで書いた内容を実践するだけでも、業績が上向く人は少なくないはずです。とはいえ、「上手く実践できない」「何からやればいいのか」という方も多いですよね。

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カテゴリー: 売上アップのヒント

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