素直になれないのはなぜ?心の呪縛を解放して、ライバルに学ぶ方法

こんにちは。コマースデザイン代表の坂本です。
今回のテーマは、「穏やかな気持ちで、ライバルに学ぶ」というお話。

「ライバルから学んで、ライバルのよいところを真似したり、参考にする」ということは、当たり前のことだし、特に意外性を感じられないな…と思われる方が多いかもしれません。しかし、今回の話には大事なポイントがあるのです。それが「穏やかな気持ちで」というキーワード。

みなさんは、「自分より売れている」と感じるライバルの存在を前にして、気持ちに少しブレーキがかかってしまったり、あえて目に入らないようにしたりすることはありませんか?

つまり、虚心坦懐に落ち着いて、ライバルを見ることができない状態。
「あっちの方がイケてる」とか「自分はダメなんじゃないか」、あるいは「どうせ知っていることだから見なくていい」とか…。そういう気持ちが障害になって、「ライバルから素直に学ぶ」ことが難しくなる心理があると感じています。

ということで、前置きが長くなりましたが、今回は「穏やかな気持ちで、ライバルに学ぶ」をテーマにお話しします。

はじめに

はじめに、話の流れをご説明します。

まず前半に、「ライバルから何を学ぶのか?」という話から始めます。
そして後半で、今回の重要なキーワードでもある「穏やかな気持ちで」という気持ちの問題について考察します。
ライバルを落ち着いて見ることができない気持ちを分析し、それをどのように落ち着けて、ライバルから素直に学んでいけばいいのかについて、私なりの考えをお話ししたいと思います。

どちらかというと、後半のメンタルの話に軸足があると思っていますので、最後までお読みいただけると幸いです。

ライバルから、何を、どのように学ぶのか?

「ライバルに学ぶとは、具体的に何をしたらいいのか?」

これには、いろいろな考え方がありますが、ポイントはやはり、検索結果画面を見ること。「隣にいるライバルを商品ベースで学ぶ」というところが、まず基本になると思います。

主力商品のキーワードで、ライバルを探してみる

モールでもGoogle経由でも同じことが言えますが、検索結果で隣に並んでいるライバルとは、常に売上を取り合っているような状態になりますよね。

おそらく、みなさんは以下の点について、概ね把握していると思います。

  • 自分のお店が、どのような商品で売上が立っているのか?
  • その商品はどんなキーワードで売れているか?

お店は、何十個かのキーワードから、売上の半分以上が立っています。
商品数が多い場合はキーワードが多くなりますが、商品数が少ない場合は、1商品で5〜10くらいのキーワードで売上が発生しているのではないかなと思います。ちなみに、楽天の場合は、データを見ることができるのがアクセス上位30商品の各5キーワードずつです。

とにかく、まずは自分の主力商品の「売上に貢献している検索キーワード」を検索してみてください(楽天だったら、楽天の商品検索で検索してみてください)。

そうすると、自分のお店の商品が載っているページが現れて、その上とか下とか、または横にライバルたちが並びますよね。まずは、そこを見ていきましょう。

ライバルのキャラを観察し「用途」を探る

自分のお店の商品が載っているページの、その上下や横にライバルたちが並んだら、「ライバルたちは、どのように自分のキャラクターを出しているだろうか」と見てみましょう。

お笑いの番組のひな壇に、様々なキャラクターの芸人が並んでいるのを見ますが、あのような感じで「みんなは、どんなキャラでアピールしているのかな」と、ただ観察していくようなイメージです。特に、自分とキャラが被っている相手は、どういう風にしているのかを見てみるわけですね。

というのも、キャラというのは「用途」なんです。
例えば、「『大人向けの甘さひかえめのケーキ』という点で、自分はここの商品と被っているな」と思ったら、「その商品に負けないようにするには、何をアピールしたらいいのか?」を考えてみるイメージです。

深く考えるのは、後からにして、まずは、「ライバルそれぞれがこんな訴求をしているんだな」というのをざっと見ながら、手元のメモ帳に感想を書いていくような感じです。

ライバル商品の何を見るのか?

続いて「ライバルの商品の何を見るか?」について説明します。大きく2つあると考えています。

  1.  第1画像、および、2枚目、3枚目など上の方の画像
  2.  キーワードの記入内容

この2つについて、それぞれご説明します。

第1画像、メインの画像のチェック

まず、第1画像の商品名の上の方を確認してみてください。

それぞれ、商品紹介で「何を推しているのか?」という点に注目してみましょう。売りにしているポイントから、何をアピールしているのかを観察します。

「この商品は国産です」
「この商品はボリュームたっぷりです」
「この商品はギフトにオススメの風呂敷包みです」

同じキーワードでも、検索結果画面にはいろいろなキャラクター(いわゆるキャラ立ちですね)がいて、それぞれの強みを持った商品が並んでいます。

例えば、同じ「誕生日ケーキ」というキーワードでも、子ども向けのケーキなのか、大人向けのケーキなのかで違いますよね。他にも挙げれば様々な違いが見えてくると思います。

  • 女の子用
  • 年齢や世代別
  • 健康に配慮したもの
  • 典型的なケーキ(ショートケーキなど)
  • ひねりのあるもの などなど

このようにいろいろなキャラの分類があり、他にも「甘いのがあまり好きじゃない人の誕生日ケーキだから、少しビターなものを」とか「チーズがリッチなチーズケーキ」などいろいろあると思います。

キーワードの記入内容をチェック

もうひとつは、キーワードを見ること。これは、とても分かりやすいですよね。

「誕生日ケーキ」と書いてあるけど「バースデーと書いていないなあ」とか、うちは「バースデイとは書いていなかったなあ」みたいな感じですね。自分側が抜けているキーワードを見つけて、それを記入していく。

キーワードを見るというのは、シンプルにライバルが書いていて、自分が書いていないキーワードを見つけて、真似るという行為になります。
また、自分が書いていなかったキーワードの発想に触れることで、「確かに、それ系の用途もあるな」と思って、そのキーワードから派生して、さらに4つ、5つとキーワードを増やすことができるかもしれません。

やみくもに焦るのではなく、このように取れるデータから解釈をして、ライバルたちの事実をみて、穏やかな気持ちでリサーチしていきましょう。

ここまでのまとめ

ライバルに学ぶには、いろいろな考え方がありますが、検索結果画面を見ることが大切です。
次のような要点を意識しながら、観察します。

  1. 自分の主力商品の主力キーワードの検索結果を見る。
  2. 隣に並んでいるライバルを見る。第1画像や商品名の上の方を見て、「特に何をアピールしてるか?」をチェック。
  3. キャラクターがいろいろあり、それぞれ棲み分けやキャラ立ちをしていることを知る
    • 「自分とキャラ被りしている相手に勝つためには、どうしたらいいか?」というところまで考えられるとベスト
    • でも、そこまで考えすぎずに、ざっとメモするだけでも十分!
  4. 自分に足りていないキーワードは、マネする

以上が前半の話でした。

「穏やかな気持ちで、ライバルに学ぶ」には?

ここからが後半、より深いメンタル面の話をしたいと思います。

「ライバルを観察して学ぶ」というのは、シンプルに収穫の大きいことではありますが、ときに盗むような行動をする際に、自分の気持ちがブレーキになってしまうことがあります。
これをメンタルブロックと言ったりしますが、このメンタルブロックによって、「素直にライバルを巡回して学んでいく」のができない心理になってしまうことがあります。

人間とは不条理なものですが、その自分の不条理な感情を見つめて、「自分はいまこんな気持ちなんだな」という風に自覚すれば、割と気持ちを落ち着けて、穏やかな気持ちでライバルに学ぶことができるようになります。

ということで、あなたがいまどのような感情でいるかは分かりませんが、「ライバルを見ていると、こういった気持ちになるかもしれない」という事例をいくつか挙げながら、それに対しての対策を述べていきます。

長年の経験値からのプライドが邪魔をしてしまう人へ

「もうこの業界は長いから、どの検索結果に誰が出て、何を言っているか分かっている。完全に…大体分かっているんだよね」という人は、結構多いのではないでしょうか?

しかし、毎年、新しいライバルはどんどん参入してきます

我々はコンサルティング会社ですから、「ECに参入しました!」とか「ECに参入しようと思うんですが…」というお話やご相談もよく耳に入ってきます。そのように常に新しく参入しようとしている会社がいるので、業界地図は毎年変わっていっているのです。

だから、あなたが変わっていないと思っていても、「本当に変わっていないのか?」ぐらいはチェックしましょう。 自分は変わっていないと思う。でもちょっと検索してみるか …えっ!!?

というように、気づかないうちに変わっていたら、おおごとですよね。そういうこともあるので、きちんと確認しましょう。

変わっていなかったら、それはそれで、「よし、今年も、今月も変わってなかった」という確認が取れますよね。なので、変わっていないかどうかのチェックだと思って、見てみてください。
それなら、5分ぐらいですぐ済みますよね。

「忙しくなるのが怖い」と逃げている人へ

ライバルを見ると、自分がやれていない仕事、やらなければいけない作業がたくさん見つかって、忙しくなる。 他のことで手一杯だから、今は見ない。

という気持ちになる人もいると思います。
お気持ちはよく分かるのですが、「やっていないことを見つける=やらなければいけないことが増える」とは限らないですよね。

やっていないことが見つかっても、やらなかったら仕事は増えないんです。
だから、「やるかもしれないし、やらないかもしれないが、ライバルはこんなことをしているようだ」という情報の把握までに留め、全部をタスクリスト(やることリスト)に追加しなければいいのです。

ただ、見るだけではありますが、「これはさすがにやらないとやばい」というものが見つかったりするので、その場合はやればいいですね。

なので、「仕事が増える」と思う人は、仕事は増やさないこと。
「見るだけ」「仕事は増やさない」「作業はしない」と思いながら、ただ把握のためだけに見てください

そうすると、意外と「これはすぐにやれるし、やった方がいいなあ」というポイントが、ライバルの情報の中から見つかったりするので、それを参考にして自分の店を修正する。逆に、そういうポイントがなかったら、見るだけでいいと思います。

「見るだけで作業を増やさない」と、自分に言い聞かせておけば、作業は増えませんので、そのような気持ちで見るといいのではないかと思います。

できていない自分に落ち込みがちな方へ

中には「自分のできなさを思い知らされる」という気持ちになってしまう人もいるかと思います。 この店は、こんなにきれいに商品ページを作って、アピールしている。一方、うちの商品ページはあまりよくないな…

と落ち込むこともあるかもしれませんが、あなたの商品を買った人は、他の商品を買わずにあなたのお店で商品を買ったわけですよね。
検索順位があなたのお店より上で、商品ページもきれいで、レビューがたくさんついている商品があるにもかかわらず、そのお客さんはあなたの商品の方を選んだわけです。

全然つくり込めていない、イケてない商品ページかもしれませんけど、そちらの方を選んだお客さんがある程度はいる。それは、すごいことだと思います。
商品ページがイケてないのに、強みがある。あるいは、つくり込んでいない商品ページでも、その中には多分ダイヤモンドみたいなものが埋まっているはずなんですよね。

ですから、逆に「売れているのがすごい」という視点で考えてみるといいと思います。でも自分の商品ページだけ見ても、なぜ売れているのかはよく分からない。だから、ライバルと見比べてみるわけです。

ライバルができていなくて自分ができていること、または、ライバルにはない自分の特徴・特性があるはずです。それをまず見つけましょう。
そして、自信を持ってください。自分のよいところを見つけながら、同時にライバルのよいところも見つけて、学べるものは学んでいきましょう

ライバルと自分と、どちらがすばらしいか?どちらが良くて、どちらが悪いということはありません。ライバルもすばらしいけど、自分もすばらしいということはあり得ます。その反対もあり得ますけど。

とにかく、「ライバルがよいページをつくっているのに、自分はダメだ」ではないのです。 自分も売上はゼロではない。 自分の商品を買ってくれた人にとっては、この検索結果の中で1番いい商品ページ、1番いい商品だった。 だけど、この(ライバルの)商品を選んだ人も多いから、学ぶべきことは取り入れ、自分の方が優れている点は伸ばしていこう。

という風に、自分を責めず、自分のすばらしさを自覚しながら、ライバルを見ていくことで、「穏やかな気持ちで、ライバルから素直に学ぶ」ことができるようになると思います。

ECに限らず、人生において、何事もそういうところがあるのではないでしょうか。
ライバルらしきものを見て、ライバルが優れていると「自分は駄目だ」と思いがちですが、全然そんなことはないです。

まとめ

最後に、まとめです。

ライバルに学ぶ際、メンタルブロックによって素直に見ることができないことがありますが、「穏やかな気持ちで学んでいくためには、どうすればよいか」というお話をご紹介しました。

まず、ライバルを見るときの、観点について。

  • 主力商品の主力キーワードを、検索結果画面で見比べる
  • 見比べるポイントは、第1画像とか商品名の頭の方、ライバルが1番アピールしている部分を見ること
  • キーワードを見て、自分の店にないけど、ライバルに書いてあるキーワードがあれば、素直にマネする。あるいは、ヒントとして、さらにキーワードをふくらませる

上記は、非常にシンプルな作業だと思いますけど、これができないケースもあるかと思います。それが気持ちの問題です。

「そんなことは分かっている」「もう自分は業界を知り尽くしているんだ」という人は、本当に知り尽くしているかを念のためチェックしてみて下さい。世の中の動きはどんどん速くなっているので、意外と新しい動きがあります。

「仕事が増えて忙しくなる」という人は、見るだけ・把握するだけにしておきましょう。でも、中には「これは確かにやばい。すぐやらなきゃ」と思えるようなものがあったりしますから、それだけはやってください

最後に「できていない自分を、思い知らされて辛い」という人へ。もし本当にできていなかったら、売上はゼロですから。ある程度売れている以上、あなたを選んだお客さんがいるので、自分の強みをまず見つけてください。
ライバルと見比べるのではなく、「自分の強みを見つける」こと。このような感じで進めていただければと思います。

最後に、今回お話ししたライバルに学ぶ作業は、メンバーの方とやって見るのもおすすめです。まずはひとりでやってみて、徐々にメンバーを増やしていくとよいでしょう。自分だけではなく、誰かと一緒に見ていくのも面白いと思います。
5分でもいいのでぜひ試して見てください。簡単な作業ですが、学びは大きいです。

P.S.

ライバルから学ぶ必要があると思っていても、言うは易く行うは難し。

実際には「どうも億劫で、行動を起こせない….」というのは、よくあることではないでしょうか。もし、自分ひとりで現実に向き合うことに不安を感じる場合は、第3者的存在のフラットな目線を入れてみるのもおすすめです。

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