こんにちは。坂本です。
今回は、「やらなければいけない仕事があふれて、気が重い時の対策法」をご紹介します。
「あの仕事、やらなきゃいけないんだけどなぁ…」
「やるつもりだし、きっと大丈夫。できるできる!」
というように、なんとなく煮え切らない状態のまま、仕事をたくさん抱えてしまった経験はありませんか?
実はこの状態が続くと、時間や体力だけでなく、心のパワーも大きく消費してしまうことがわかっているんです。一時的な忙しさならがんばって乗り切れるかもしれませんが、この状態が慢性的に続いてしまうと、メンタルに不調をきたすなど、つらい状態になってしまいます。
そうならないために、今回は効果的な対策方法をご紹介します。最初に前提となる考え方、次に具体的な解消方法をお伝えします。一度でも悩んだ経験のある方は、すぐにできて心が軽くなりますので、ぜひ実践してみてください。
- 目次 -
はじめに
前提として、知っておいていただきたいことがあります。
それは、「仕事が多いなぁ」と思うだけで、認知(=状況を把握すること)に負荷がかかり、パワーをロスしているということ。
集中することができないと、仕事がなかなか進まなくなります。そしてスピードが遅くなった結果、ますます状況が悪化していく…。
つまり、「たくさん仕事はあるけれど、コントロールできているから大丈夫!」という状態なら致命的ではないのですが、「仕事があふれている上に心が重く、何があるのかすら把握できていない…」という状態になっていると、危険信号だと言えます。
このように、「把握しきれていないし、気が重い」という状態は、「仕事はあふれているけどコントロールできている」状態に比べて、格段に危険度が高いのです。この2つの状態は、似ているようで全くの別物。気が重いということが致命的な状態、ヤバイ状態なんだということを、まずはしっかりと覚えておいてください。
心を整理する4つのステップ
それでは、「仕事があふれているという現実は変わらないが、気持ちが重くならない方法」を紹介します。
これを実践することで、目の前の仕事に集中できるようになり、状況は徐々に良くなっていくはずです。
GTD(Getting Things Done)や、ブレインダンプと呼ばれる方法で、呼び方は異なるものの、中身は共通の対策です。
ステップ1:全て書き出す
まず始めに、「頭の中にある気になること」を全て紙に書き出します。
割と時間がかかるので、お昼ご飯を外で食べた後、そのままお店に残ってやることをオススメします。
会社には「今日は午後お休みします!」と伝え、集中できる場所で、2〜3時間かけて書き出します。プライベートなことも仕事のことも、気にせずとにかく全部書き出していきます。人に見せづらいことも書いた方がいいので、この時点では人に見せない方が望ましいです。
こうして、頭がスッカラカンになるまで書き出します。やってみるとわかるのですが、この時点で既に頭が軽くなっていることが実感できます。全て書き出したことで頭が軽く、認知負荷が下がった状態になっているのです。
ステップ2:「重要度」で分類する
次に、書き出した項目を分類していきます。
「これは重要」
「これはどこかに記録を残しておけばいいな」
「これは早くやらなきゃ!」
「これは人生でどうしても重要で、やりたいことだ」
…という具合に仕分けを進めていきます。
(分類の仕方については、GTDというタスク管理の方法論に詳しく書いてあるので、詳しく知りたい方は検索してみてください)
簡単にポイントをお伝えすると、書き出した項目の中で、「これはめちゃくちゃ重要!」と思った項目に、赤いペンで丸をつけていってください。「これは緊急ではないけど、やりたいなぁ」と思う項目は、青いペンで丸をつけていきます。
その他の項目は緑のペンなど、色分けしながら分類してみましょう。
大切なことは、「これは重要」と感じる項目に赤丸をつけることですね。
ステップ3:重要な項目を、更に「優先度」で分類する
ここから、赤丸をつけた項目だけを注目して眺めていきます。
といっても、おそらく赤丸がいっぱいあって、「やらなきゃいけないことが多すぎるなぁ…時間が足りない」って思いますよね。そこで、赤丸をつけた項目をどこか別の場所に書き写して、更にもう一段階の分類してみましょう。
「優先順位が高いのはこれで、こっちは低い」「これは諦めよう」「これは後回しにしよう」といった流れで仕訳をしていきます。
「やらなきゃいけないんだけどなぁ…」という、煮え切らない態度で後回しにするということが、認知負荷につながります。逆に「これは確かに重要だけど、やらない」と決めた意識的な後回しは、認知負荷が少なくなります。だからこそ後回しにしていくことが大切なのです。
人によっては、もしかしたら心から血が流れるような気持ちになるかもしれません。「これを後回しにすることによって、こんなダメージがあるだろうなぁ」と思い、恐怖心すら感じる方もいるでしょう。しかしここで、心を鬼にし、「仕方ない。無理なものは無理」と決意をもって後回しにする。そうすることで認知負荷が下がり、メンタルのコンディションが上がってきます。
実は僕も、少し前に似たような経験をしています。
十何年前に自社で本を出版し、続編のリクエストをいただいているのですが、執筆を後回しにしているんです。ただ、これは決意をもった後回しです。「何でもできるわけじゃない、人間だから」と思って後回しにすると、気持ちがどんどん楽になったことを覚えています。
ステップ4:今やるべき仕事に集中する
こうして、削っても削っても削れない仕事こそが、今やるべき仕事になります。最小限に絞った仕事に集中して実行しましょう。
この4つのステップを行うことで、心がグッと軽くなることが実感いただけると思います。漠然と感じていた、できていない感覚と、「できてはいないけど、これは仕方がないんだ」といういい意味での諦めた感覚とでは、メンタルの安全性・健康度が全く異なります。
そしてそれは、最終的に仕事のスピードにも表れてくるのです。
まとめ
少し精神論めいた話もお伝えしましたが、「なんとなく心が重くて仕事が進まない…」と感じたことのある方は、ぜひ一度試していただけたらと思います。
「やらなきゃいけない」と言いながらズルズル先延ばしにしている場合は、「どうせ先延ばしにするのなら、決意をもって先延ばししよう」と決めることが大切です。
「今はやらない。いついつやろう!」と、決めるだけで気持ちは楽になる、というお話でした。当てはまる方のお役に立てば幸いです。
P.S.
ちなみに、気持ちの問題ではなく「単純に手が足りない」というリソース不足問題に関しては、「業務を洗い出して一覧化し、順番に削減していく」、「社内メンバーや、外部の委託先に業務移管する」などのアプローチ方法があります。コンサルティングのご支援先でも数多くの実績があり、「仕事を任せられるようになった」「考える時間や攻めの時間が取れるようになった」と好評です。
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カテゴリー: 判断力と実行力