競合対策を考える前に、まず競合他社を「尊敬」する

こんにちは、坂本です。

今日は、競合対策を考える際の、要点についてお話します。「米兵は腰抜けなのでこのような攻撃をすると逃げ出すであります」みたいな前提で作戦立てちゃダメですよね。という話です。

安物は悪者ではない

弊社は、中小規模EC専門のコンサルティング会社です。だからクライアントさんは、「手作りの和菓子を売ってるような感じのネットショップ」が多いです。私自身も当然そういった人たちの味方です。

商品ページでの訴求は、「(量産品と違って)職人の手作りです。(量産品と違って)素材選びから丁寧にやってて安心です。」といった感じになります。カッコの中は心の声ですw

でも、コンビニで和菓子を見かけて、思ったんですけどね。こうやってコンビニに流通する和菓子を企画している人も当然一生懸命色々考えてるんだろうなあと。

「高コスト高品質の和菓子」が善で、低コスト中品質の量産和菓子が悪、ってことはないなあと。皆それぞれ一生懸命考えて仕事してるよなあ、と。まあ当たり前のことなんですけど。

競合を尊敬すると、地に足をつけて考えられる

人間心理として、ついつい、ライバルを悪く言ったり、その戦略性を低く見積もったりしがちな気がします。でも「米兵は腰抜けなのでこのような攻撃をすると逃げ出すであります」みたいな前提で作戦立てちゃダメですよね。

実戦的な戦略を立てるには、競合への尊敬が必要だと思うのであります。

「あんな安物売ってるなんて詐欺だよね」なんて罵倒してスッキリするのは論外。安い商品を安く売る会社にも物凄い苦労があり、思いがあるからです。

競合として相手の商売が成り立っている以上、相手の方を支持するお客さん達が居るわけです。そこには真実がある。安売りとポイント倍付けばかりの店だろうが、そこには一定の真実がある(多分)。

「競合を侮らないスタンス」の実践例

某社の役員の方から習った話。競合対策を考えるときには、自分の部下に「競合他社の社長になったつもりで戦略を考えさせる」そうです。

たとえば某社が、自社に負けないために何をするか。それを、某社の社員になったつもりで本気で考えさせるそうです。で、その社員が上げてきた「某社の戦略」を見て一旦却下する。「そんな戦略はぬるい、練り直せ」と。で、社員はまた本気で考える。

次に上がってきた「某社の戦略」を見ると「確かにこれは凄い!納得!っていうかこれやられるとウチはヤバイ!」という話になったりする。そのようにして、「競合(某社)が取り得るヤバイ戦略」に対する自社の対策を考えるわけです。

こういうトレーニングをしていると、スキが無くなりますよね。

そういえば三国志の諸葛孔明って、宿敵である曹操の政策をきっちり学んで、自国の経営に活かしてたという話があります。

現代の中国も、鄧小平の時代、彼が日本に来た時に新幹線乗って資本主義すげーって思って、社会主義国なのに資本主義をきっちり学ぶことにした。方針変更して改革開放路線にして、先富論(=格差容認)をとなえて・・・それが今の経済成長に活きてますよね。

「持論に固執せずライバルに学ぶ」って重要だと思いません?

ライバルは尊敬し、その上で超える

お互い仕事なんで、訴求の上では「(量産品なんかやめて)大切なお子様のために高品質な○○を」なんて自店舗の強みを活かすセールストークをするのは当然です。※カッコの中は心の声です

でも、その裏には、それと同時に、競合へのリスペクトが必要。そうすれば、量産品を低品質の小麦使いやがった安物などとあざけることなく、大手メーカーの生産管理ってすげえなあとか、社員はどうやって採用して育成してるのかなーとか、健全な興味が湧いて、学ぶべきを学べると思います。戦略も、うわついたものではなくなるはず。

ライバルは尊敬すべきです。その上で、超えていきましょう。

PS
弊社のコンサルタントなら、こういった競合対策のご提案もできますよ。ウェブ会議を使って「考えをまとめるお手伝い」もできます。興味のある方は、以下のページをご覧ください。

カテゴリー: EC戦略論

コマースデザインfacebookアカウントコマースデザインツイッタ―アカウントfollow us in feedly

こちらの記事もおすすめ