派手に売ってたお店が沈む時、共通して見られる法則とは?

こんにちは、坂本です。

新進気鋭だった某アパレルブランドが、予定の3倍の赤字を出し、次の打ち手を模索中(でも失敗しそうな気配)。・・そんな新聞記事を見かけて思ったことを書きます。

ECに限りませんが、売上が急増する会社の裏には大抵「勝ちパターン」があるようです。EC業界で一昔前に良く見かけたパターンは、例えば・・

昔の「勝ちパターン」あるある

  • 粗利の高さを生かし派手に広告して、ランキングを獲ってブランディングする
  • メルマガと商品力を生かし、派手な懸賞広告でメールリスト集めてメルマガで売る
  • 思ってたのと違う商品がやたら売れることを発見し、それを広告に沢山出す
  • メーカーや問屋との提携で商品数が増えるので、とにかく品揃え拡大
  • 派手な広告&低価格送料無料サンプル品で爆発的に見込み客を得て育てて売る

あるいは、これらを組み合わせたり。

「勝ちパターン発見」と高速回転で売上が急増

ネットショップ運営を始めると、誰でも最初は模索の時期があります。

大きくなる店は大抵、勝ちパターンの「発見→仕組み化→高速回転」によって、売上が急増します。高速回転=ガンガン投資です。やればやるほど売れる、「濡れ手に粟」状態。

これ自体は良くある話だし、目指すべきものです。でも、怖いのは、この勝ちパターンが通用しなくなる時が来る、という点。競合が増えたり、お客さんの嗜好が変わったりしますから。

「勝ちパターン終了」の後、実力が問われる

試行錯誤が少なく、勝ちパターンをかなり早い段階で見つけちゃった店、もしくは勝ちパターンをコンサルや先輩に教えてもらった店は・・・勝ちパターンが通用しなくなった時点で伸びが止まる傾向にあります。

本来であればここで、別のやりかた・・例えば派手なプロモーション主体の戦術から低コストのゲリラ戦術に切り替えたり、顧客管理(≒継続的で愛のある接客設計)を見直したりすべきところ、「早く前みたいに戻って欲しい」「バブルよもう一度」などと考えてしまいがち。前に進めなくなります。嗚呼、失われた20年。

「勝ちパターンの本質」とは何か

勝ちパターンって大抵、まず業界なりお客さんなりに「構造的な何か」があって、「その構造を逆手に取ったやり方」が上手くハマったときに発生します。たとえば実店舗で言うと「業界の常識では品揃え多めなのが当然だけど、顧客ニーズをよく見ると絞ったほうがいい。つまり一坪ショップにして3商品に絞ると超低コストなのに超支持される」みたいな感じです。

イメージ湧きますか。つまり、勝ちパターンは、まず構造や仕組みを理解して、そのうえで、それにあったやり方を考える・見つけるのが王道だといえます。

そして、それができる人なら、市場環境が変わり、構造や仕組みが変わったら、新しいやり方を見つけることが出来ます。これこそ、商売の実力です

一方、構造も仕組みも理解しないまま「たまたま勝ちパターンを見つけてしまう」もしくは「勝ちパターンそのものを教えてもらう」と、構造を知らないまま結果だけゲットできてしまうわけです。これは、ラッキーでしょうか。いいえ。

「宝くじを当てた人は、その後は大抵不幸になる」って話、聞いたことありませんか。実力を伴わない成功は、実は危険だと思います。売れて、借金して、人を雇い、在庫を積んで、新オフィスを構えて、そのタイミングで勝ちパターン終了。リスクしかありません。

構造を知らず、「新しい環境」に適応出来ない人は大抵、こう言います。「最近の広告は割高になったよね」とか。しかも、その「過去の」勝ちパターンをコンサルと称して後輩に教えたりとかね。うーんコワイ。

つまり、「勝ちパターンを教えてもらう」ことは危険です。

「勝ちパターンを見つける力」こそが財産

いま調子が良くても、パターンを1つしか知らないのは、とっても危険なことだと思います。環境変化の早い世の中では、誰しもが「今まで食えていた『勝ちパターン』を失う」可能性があるからです。

一方、これと同時に「新しい勝ちパターンを見つけられる」可能性もあるわけですね。だから、「勝ちパターン」を入手するよりも、「構造を理解するスキル」「構造から売り方を見つけるスキル」つまり「勝ちパターンを見つける力」の方がよほど大切だと思いませんか。

自分が置かれた環境を理解し、変化して、適応する力は、生きる力そのものですよね。目先の小銭よりも、生きる力こそが大切ではないでしょうか。

安易なメソッドに甘んじないで、自分の頭を使い、独特のやり方を模索し、苦戦してる皆さん。その経験は今後生きるはずです。頑張ってください。応援してます。

かつて売れていて、いま売上低下で苦しんでいる方。外から偉そうに語るのも申し訳ないですが、もしかしたら「取り戻す」よりも「やり直す」、「生き残る」よりも「生まれ変わる」くらいの気持ちのほうが、逆にスムーズかもしれません(私個人の経験でもそうでした)。いまお辛いと思いますが、新しい成功をお祈りしております!

PS
私はこれまで、たくさんのEC失敗パターンを見てきました。その反省から、弊社のコンサルティングでは、「勝ちパターン」ではなく、「勝ちパターンを見つける力」を養うための支援をします。具体的には、「まず構造や仕組みを理解して、そのうえで、それにあったやり方を考える・見つける・実行する・やりきる」というプロセスを、コンサルタントが二人三脚であなたと一緒に取り組んでいきます。相談相手が必要な方は、以下をご覧ください。

既に、たくさんの成功事例が生まれています。興味がある方は、以下もあわせてご覧ください。
ECコンサルティングの成功事例

カテゴリー: 判断力と実行力

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