2012/06/03 楽天スーパーセールの結果について

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こんにちは、坂本です。

ちょっと遅くなりましたが、6/3に開催された「第2回」楽天スーパーセールについてのレポートです。楽天市場の普段の流通高は30億/dayくらいで、前回(3月)は、130億/dayにまで跳ね上がりましたよね。≫前回の記事

今回、楽天社内では「200億/day」になると言われていましたが・・結果が発表されてないんですよねー。

あと、大規模なシステムトラブルが発生してしまい6/3単日だったはずのイベントは、6/6まで延長されています。これで余計によく分からなくなってしまいました。

楽天スーパーセールの結果をレポートします

そこで、実際どれくらいの数字だったのか、試算してみました(詳しくは後ほど)。

以下、コンサルティング先の皆様の売上集計や、伺った話からまとめてみました。

コンサル先ネットショップの平均売上は3.7倍に

■当社コンサル先店舗の売上平均

まず前提として、弊社は「中小規模ネットショップ」に絞ったコンサルティングをしており、基本重視のスタンスなので、凝った事前準備は推奨していません。(取り組む順番として、一時的なイベント対応よりも毎日の売上に繋がる施策を優先しています)

そういう前提の上で、弊社コンサル先店舗の6/3売上は全体で普段の「3.7倍」。全体的に、前回とそれほど大きな差はありませんでした。楽天全体のスーパーセール流通高も、前回と同程度だったのではないでしょうか。

楽天全体の流通高は370億円(楽天トラベル含む)

■楽天全体の流通高について

実は、「楽天スーパーSALEの2回目実績は370億円」と公表されています。https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20120615/402842/

ですが、この数字には裏があります。

・前述の通り、6/3単日ではない(6/3~6/6)
・「楽天トラベルのセール売上」も含まれる

そこで、手元の情報で推理をしてみました。一種の遊びとしてお付き合い下さい。

楽天市場とトラベルの流通高比率は「7:3」(IR資料より)
→スーパーSALE全体で370億なら、楽天市場単体の期間流通は260億?

弊社コンサル先の売上は、日別で「2:1:1」(初日が他の日の倍売れた)
→260億を案分すると・・初日の売上は130億程度?6/4・6/5が65億。

まあ、前述の通り弊社コンサル先は中小規模寄りであり、楽天の企画に乗れる店ほど初日は跳ねるでしょうから、例えば、6/3が160億で、6/4・6/5が40億かもしれません。これらはあくまで推測です。

掲げていた200億には達していないとしても、前回同様、凄い実績だと思います。

ネットショップが今後やるべきことは?

■今後の対策について

今後も同様の企画が行われるはずです。店舗側は何を準備しておけばよいのでしょうか。

1.半額商品(楽天の企画に乗る)

今回はじめて、事前に店舗が申請して楽天がチェックする「楽天公認の半額商品」というものができました。その「公認半額商品」は検索結果の中で目立ったり、無料の企画ページからの導線がもらえたりする特典があったので、売上への効果が期待されていました。
当社クライアントでこれを登録した人は、実際よく売れたようです。一方、申請が予定以上早くに締め切られたので、間に合わなかった方も多数。次回は、「申請をギリギリにしない。早くする」のが大切です。

ところが、「公認の半額商品」以外のセール品もよく売れたようなので、半額じゃないと意味がない、というわけではないようです。半額に出来ないお店も、セールをしない店も、あきらめないのが大切です。「セール告知を端緒として楽天を見始めたのに、必要な物を思い出して、セール対象外の商品を買った」という展開も大いに考えられます。

2.スマホ対策

今回楽天はセールのテレビCMを視聴率が高いサッカー中継の枠を使って全国に流しました。つまり、「テレビCM経由でスマホで買い物」という流れです。スマホで何となく見て、あとでPCで買うという人も多いでしょう。

今後、マス媒体を経由してのスマホ来店が増えそうな気がします。「初心者に優しいスマホページ」を目指すと良いでしょう。

3.深夜対応の準備

今回、楽天へのアクセス集中によるサーバダウンが発生し、終了直前になって急遽期間が延長されました。異例の対応です。これに伴い店舗側では、「独自開催していた便乗セール」を深夜作業により急遽延長したり、ギリギリ買えなかったがポイント付与はどうなるんだ等といったユーザ問合せ対応など、急な対応を求められた部分がありました。

同じことはもう起こらないと思いたいですが、一時的にでも、深夜でもスタッフが自宅から更新できる体制を作るなど、こういった「急な修正」を視野に入れておくと良いかもしれません。ちなみに、この「延長戦」のおかげでトータルの売上は伸びています。

4.受注処理

前回の「売上跳ねても大丈夫な体制」の作り方」の記事にあるとおりです

今後も「3倍は売れそうだ」という想定でいれば、より具体的な準備が出来るでしょう。

補足:sale期間中の売上動向データ

≪補足データ≫

弊社コンサル先店舗のセール中の売上動向をまとめたデータです。

1.売上が伸びた店・伸びなかった店

弊社コンサル先の店舗では、今回も9割弱の売上が伸びました。これは前回と比べても割合はあまり変わりません。

2.売上の伸び率は?

外れ値を除いた平均では「3.3倍」となりました。前回は「2.9倍」だったので増えてはいるもの、大きくは変わっていません。

3.伸び率の分布

2~3倍と5倍以上の店が多いことが分かります。二極化ですね。売れている店ほどよく伸びる傾向です。

ちなみに、第1回の伸び率と比べると「低倍率域が減少し、高倍率域が増加」しているので、全体としては伸び率の「底上げ」された、ということがいえると思います。

これは弊社がコンサル先店舗にご提案した「あまり大変じゃない準備施策」の効果が多少現れているのではないか、と考えています。

楽天スーパーセールの考察

はい、ここから坂本です。

文中にあった「公認半額商品」制度を見ると、Eコマースが世間に浸透するプロセスなんだな、という気がします。

というのも、半額商品が沢山あるよ、というCMを楽天がバンバン打つと、それに便乗しようとした店が、「ポイント最大50倍だから、ある意味、当店は全品半額相当」みたいなことを言い出しかねませんよねw でも、公認の半額があれば、ユーザ的には安心です。

イーコマース浸透と共に、コンプライアンスも重要に

これまでのEコマースはある種の曖昧さも許容されていたわけですが、今後は、社会のインフラとして受け入れられるとともに、コンプライアンスも一層強く求められるんじゃないですかねー。景表法、薬事法、食品衛生法とか。

義務と権利の関係性ですね。本件に限らず、「中央でとりまとめて各ショップの安全性を担保している姿」には、モールが存在する社会的意義を感じます(まあそんなキレイな話だけじゃないけどw)。

基本業務の徹底が大事(ユーザサポートなど)

また、今後はますます年配のユーザーも増えるでしょうから、ユーザーサポート業務も大変でしょうね(モール側でも店舗側でも)。でも、ヒネった企画よりも、そういった基本の徹底こそがリピート率に大事なんじゃないですかね。

なんつうか、法務とかサポートとか、ECイケイケ時代においては割と裏方っぽかった業務が、すごく大事になってきている気がします。裏方っぽい方は、ぜひ頑張って頂きたいと思います^^

そんな感じで、スーパーセール関連動向を見ていると、単に売上がどうとかだけでなく、色んなことを感じますね。

まあ結論はいつもと同じですが、時代は変わっても、お客さんの方を向いている限りは間違えないと思います。

頑張りましょう。

PS
当社のコンサルティングでは、こうした新着ニュースの中から「運営者が知っておくべき」重要度の高い情報をピックアップし、店が何をしたらよいのかを分かりやすく解説しています。解説付きで情報が届くことで、いちいち右往左往しなくなりますし、ヘビーなテーマの時には、担当コンサルタントがじっくりご相談に乗り、一緒に乗り越えますので安心です。

その他にも、当社がどんな支援をしているか、興味をお持ちいただいたら、以下ページをご覧ください。

カテゴリー: EC業界ニュース

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