「アイドル商法」で売る!おばあちゃんに学ぶリピート促進戦略

最近、電話で実家(山口県)の祖母と話す機会がありました。

実は、私の祖母はなかなかの商売人なんです。リュウマチで体が不自由なのに、二十数年間、体ではなく「頭」を使った商売で、ずっと安定した売上を出してきました。

祖母の商売は「牛乳の販売代理店」です。 扱う商品は安くもないし(スーパーより高い)、他と品質はおなじ。

でも、スーパーや他の宅配業者にも負けず、すこしの工夫でうまく商売を回していました。 今回は、そんな祖母がどんな工夫をしていたかをご紹介します。 ちょっとした売り方のヒントになる・・・かもしれません。

牛乳の定期購入サービスに見る「アイドル商法」

祖母が牛乳を売っていたのは、山口県の山間部です。宅配型牛乳、いわゆるシルバー層向けのリピートビジネスをやっていました。

リピートして貰えればコチラのメリットになりますが、山間部といっても牛乳ならどこでも売っていますし、生協などの宅配業者も牛乳を売っていますよね。

そのついでに買ってしまえばいいのに、お客さんはわざわざ牛乳専業の祖母から買ってくれていました。つまり、リピートしてくれていたんです。

どこでも買える牛乳を、リピート購入する秘密

その秘密は何かというと・・・、【アイドル】です。アイドルとは、なにを隠そう私のことです。

当時、私は小学生でした。祖母は小学生の私を、「配達」から「集金」まで、すべての顧客接点に登場させました。

当然、私としては遊びたいさかりだったのですが、祖母としては「小学生の孫に接客をしてもらうことで、商売がうまくいく」と目論んでいたみたいです。事実、小学3年生(当時9才)の私に、配達先のおじいさん・おばあさんは、

  • 「よう来たね~、そんなトコおらんで、あがりんさい」
  • 「ま~た、大きくなって!」

などと、本物の孫を可愛がるように接してくれました。そればかりか、キレイに折りたたんだ千円札をチップとして握らせてくれたり・・・。

祖母曰く、

  • 「ワシが持ってくるより、【孫】が牛乳持ってくるほうが嬉しいじゃろ」
  • 「ワシにお金払うより、【孫】に払うほうが気持ちええじゃろう」

とのこと。

これは、完全に「アイドル商法」と言えます。私が手伝っている間は、たしか配達先は1件も減りませんでした。

「関係性」があると、解約しづらい

小学生が牛乳を届け、集金をしている・・・と考えると、すごく解約しづらかっただろうなと思います(笑)

自分が言うのも変ですけど、商品は牛乳なんですが、配達先のお年寄りにとって私(小学生)との会話も、それなりに価値があるものだったのかな、と。

商品だけでなく「売り手との関係性」もサービスの1つ

この例のように、お客さんに「商品」だけではなく「関係性(商品とは別のもの)」も買ってもらう・・・というのは手法として、おもしろくありませんか。

「買ってもらう」「買いつづけてもらう」理由を、商品とは別のものに求めてもらう、というのがポイントですね。

今回は、売り手(孫)を全面に押し出して、キャラクターとして立てたというケースですが、これ以外の方法もいろいろあると思います。

皆さんのお店では、どんな種類の「関係性」を提供できそうですか?私の祖母のように、ちょっと考えるだけで面白いアイデアが出てくるかもしれませんよ。

PS

「アイドル」と聞いて、女性を想像した方はすみません。私は男性です(27才)。
今はアイドルだった面影はなく、だれからもチヤホヤされません!

PPS
いろんなアイデアを試したけど、リピート促進がうまくいかない」「変わらなきゃいけないのけど、忙しいし何をしたらいいのかなあ」という方は、弊社コンサルティングがお役に立てるかもしれません。

弊社では、あなたのお店の現状を見極めて、いま最もやるべきことをご提案し、一緒に実行します。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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